リューさぁぁん!俺だーっ!結婚してくれぇぇ━━っ!   作:リューさんほんと可愛い

7 / 14

投稿遅れました。申し訳ありません。




夢とセクハラと妹と。

 

 

 

 

【ロキ・ファミリア】本拠地『黄昏の館』内部、主神ロキの部屋にて。

 

そこでロキと俺はくだらない世間話に花を咲かせていた。

 

「れ、れ、Lv.2ィィィ~~~~ッ!?」

 

「一ヶ月やで! あんのドチビ、どんなイカサマ使ったんや………!」

 

話題は今オラリオを騒がせている『世界最速兎(レコードホルダー)』の事について。 ロキといつも張り合っているあのロリ巨乳様の所のファミリアらしい。

 

「おっま……えー!? 一ヶ月って………えーッ!? おま、ロキ、嘘ついてんじゃねーぞ!」

 

「嘘やないっつーの!」

 

「俺がLv.2になるまでどんだけ苦労したと思ってんだよ!? 一年半だぞ! 一年半! おかしいって絶対!その内ダンジョンに籠り続けて最高記録3ヶ月半! この道のプロだよ俺!?」

 

「んー、うちもそう言ったんやけどなー」

 

「しかもLv.1の時点でミノタウロス撃破って……どんなチートヤローだよ……」

 

はぁー、と長いため息を吐いてがっくりと項垂れる。 ソロで潜っていたのが半年、アイズがファミリアに入ってから一年、それでやっとランクアップ。 アイズも早かったしなぁ………。くそぅ。

 

「いや、人のこと言えないと思うんやけど………」

 

「俺がチートだったらアイズはなんだよ、神か?」

 

「可愛さに関しては神や」

 

「確かに………。 というかな、あの背中が空いた服、どうにかならないものか………」

 

「セクスィーだからええやん」

 

「元凶お前か。 このオヤジめ」

 

「テヘペロ」

 

「やめろ気持ち悪い」

 

「失礼やな! うちだってちゃんとした女の子やで!?」

 

「そのまな板でか? 笑わせてくれるぜ────ッハ!?」

 

立ち上がり激昂するロキを見て俺はようやく失言だったと気付く。

 

「おい……キル、お前今、うちの胸のことなんつった!」

 

「あ、あれ、おかしいな、スタンドが見える! クレイジーダイヤモンドが見える!」

 

「歯ァ食いしばれェェ━━━━━ェッ!」

 

「────うわらばっ」

 

ロキの鉄拳制裁の前では俺は全くの無力なのだ。アミバさながらの断末魔を上げて、意識は沈んでいった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

「っていう夢を見た」

 

「へー、うちと喋ってる間によく寝れたもんやなぁ、キル?」

 

「いや、昨日徹夜してたからよ」

 

「なんのためにや?」

 

「リューさんを食事に誘う構想を」

 

「ああ、そうか。 どうでもいいから早よう帰ってくれ」

 

「酷いな!? そこは息子を応援する所じゃないのか!?」

 

「母親ならリヴェリアがいるやん」

 

「あの人は姉さんだから」

 

「………あぁ、そういえばいつもそう呼んどるよなぁ。 あれどういう意図なん?」

 

「ん? あぁ、いや、ファミリアに入ったばっかの時に『私は弟が欲しかった』って。 それからずっと固定してるな」

 

「へー、あのリヴェリアがねぇ………まだまだ可愛いとこあるやん。 あー、考えてたら会いたくなってきた。 すまんキル、ちょっと行ってくるわ」

 

「おーう、セクハラはすんなよー」

 

「………じゃあの!」

 

今の間はなんだよ、今の間は。

 

パタン、と閉じられる扉を一瞥してから腰かけていたベッドから立ち上がり、ロキに続いて部屋から出ていった。

 

はてさて、これからどうしたものか。 リューさんに会いに行く……うーん、しつこい男だと思われていないだろうか。 男はただ能無しにアタックしていれば良いというものでもない………気がする。 たまには引き際が重要なのだ。多分。

 

 

◇◇◇

 

 

「んー……売り切れてるなぁ……」

 

先日俺とベートが醜い争いをした引き金、焼きそばパンは既に売り切れており、残るのは俺の大嫌いな『Pマン』の入ったピザトーストだけ。 自分でもわかってるよ……子供かって。 でもしょうがないね、嫌いなんだもん。

 

『うおー! ママー!』

 

『誰がママだ』

 

……何も聞かなかった。 重い、とても重い、ロキが床にめり込んだドゴンなんて音、俺には聞こえなかった。

 

「うーん、どうしたものか………」

 

正直に言ってヒマなんだよなぁ……だからといってダンジョン潜るのは面倒くさいしな……。

 

「あ、キル……」

 

「アイズ、どうした?」

 

冒険者依頼(クエスト)手伝って」

 

「内容は?」

 

「………三十二層に自生してる植物を取ってきて欲しいって」

 

「……報酬はジャガ丸くんの新作か?」

 

俺がそう切り出すと金髪の少女は頬を少し桜色に染めたあと、首をすぼめた。 うん、かわいい。俺の妹はやっぱり可愛かった。

 

「! ………べ、別に……」

 

「………アイズ、お前はジャガ丸くん以外に趣味を持て。 別に女の子らしいやつを持てとは言わん。 ただもうそれだけでいいからホント………」

 

「……むぅ」

 

俺がううっ、と顔を手で覆って大袈裟に演技するとアイズは困ったように目を細める。

 

「まあ、そこまでソロで潜るのは危ないしな。 いいよ、付いてく」

 

「キル………!」

 

表情ぱぁぁ。 はいかわいい。

 

「よしよし、じゃあ行くか」

 

 

 

 

 





お前は次に……「リューさんいないじゃねぇかコノヤロウ!」……という!

まあ、もう少しで『あの日』がやって来るのでね……?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。