あれから一週間が経ってだいぶ此処、オーブ連合首長国にも慣れてきた。一週間前にバルトさん……いや、バルトフェルドさんの案内を受けてこのオーブの一つの島、オノゴロ島に着いた。
その後、事情聴取をしてモルゲンレーテ社の内部格納庫に機体を入れるように言われた。理由を聞くと機体を調べると同時に機体の修理をして貰える事になった。機体はベザードでの戦闘から整備などが出来ていなかった上に本格的な事はベザードに設備がなかったので出来ていなかったのでお願いした。
正直にいえば、調べられるのはあんまり宜しくないのだがエンジンはともかくとして、他の部分や装甲は奴らの攻撃で傷ついているのでこのままは危険だったのだ。
社内の客室に呼ばれた時は何事かと思ったがまさか、国家元首と呼ばれる人が来るとは思わなかった。何でもバルトフェルドさんが連絡して来てもらったらしいが、バルトフェルドさんは何者なのだろうか?
はっきり言って所属不明で異星人な奴を連れて来て、軽い事情聴取して入れて貰えるのって普通おかしくないか?しかも、国家元首簡単に呼べるのって、おかしくないか?それに、あの時教えて貰った名前は偽名らしいし、本当に何でこの人軍人やってんだ?って思えた。
カガリ・ユラ・アスハさんと言うらしいこの国の国家元首は俺より年下だった。そんな事考えたらカガリ・ユラ・アスハさんの後ろに控えてるサングラスを掛けた人から鋭い殺気のようなのを感じた。その人から来る猛烈な殺気に体がブルッと震えた。すると、隣のバルトフェルドさんにククッみたいな感じで笑われるし、カガリさんは解らないのか首を傾げてるし、あの人の前でカガリさんの事を年下のように見てはいけないと実感させられた。
そんな彼女の計らいで、オーブにしばらく置いて貰える事になった。どうも、住む場所まで用意して貰えたようでさっきの事も踏まえて感謝の気持ちでいっぱいになった。その後はカガリさんたちと別れてバルトフェルドさんにオーブを案内して貰った。どうも、今日は早めに終わる勤務だったようで、都合が良かった上に俺が泊まる場所はバルトフェルドさんが暮らしている所らしいので案内しながら行くようだ。
この地球では、ナチュラルとコーディネイターというのに人は別れているらしい、実際は少し違う人もいるみたいなことを言っていたがだいたいこれでいいようだ。コーディネイターとナチュラルはとても中が悪く2年前に大きな戦争があったようだ。そして、此処オーブは中立国だという、確かに此処は両人種が争うようなそんな場所には見えなかった。バルトフェルドさんの話だと、2年前の戦争では此処も戦地となったという。その時は国民を避難させオーブの軍事施設を爆破して敵にオーブの技術を渡さなかったようだが、正直これには、なんとも言えない確かに敵に渡してはダメだが爆破する必要があったのかというところだが、俺が考えたってあまり意味が無いからな。
俺たちは、モルゲンレーテ社を出てオノゴロ島の海岸部にある慰霊碑のところに向かった。バルトフェルドさんと一緒に住んでる人たちがこの時間そこに居るようなので一緒に帰るそうだ。
「おっ!いたいた、キラ、ラクス」
「あら、バルトフェルドさん。…そちらの方は?」
「こいつは、今日からしばらく同居する奴さ」
「え、えっと、初めまして、ミスト・レックスです」
「あら、私はラクス・クラインです」
「…キラ・ヤマトです。…ミストさん?よろしくね」
「はい、よろしくお願いします!」
バルトフェルドさんの同居人のキラさんとラクスさんと合流した後は、ヤラファス島に渡りキラさんたちの買い物を済ませ少し観光をしてアカツキ島にあるキラさんたちが住んでいる家に着いたのは夕日が沈み始めたころだった。
―――キラ邸―――
「それで、あなたがミストさんね、私はキラの母のカリダよ」
「で、その夫のハルマだ」
「私も同居人のマリューです、よろしくね」
「はい!右も左もわかりませんが、これからよろしくお願いします」
「ミスト君にはまずはこの世界の事を教えんとな」
「ご教授のほどをよろしくお願いします!」
「ああ、解っているよ」
「なら、あなた?あなたの書庫にいろいろありましたよね?」
「そうだね、ちょっと出して来ようか」
「お願いします」
「あら?何処かに行かれるのですか?」
「ああ、ちょっと書庫にね」
「もう、夕食の準備は出来ているのですが?」
「あっハルマさん、書庫の件は食後でいいです」
「そうかい、じゃあ食事にしようか」
「ええ」
「ラクス、サラダを運んで」
「はい♪わかりましたわ、キラ」
「あっ、キラさん自分も手伝いますよ」
「ならミストさんは、これをお願いします」
「はい!」
「キラ君、私も手伝うわ」
「僕も手伝おう」
「じゃあ、マリューさんはこれを、バルトフェルドさんはこれをお願いします」
「ええ、解ったわ」
「ケバブか…ヨーグルトソースはあるかい?」
「え、ええ、ありますよ」
「フフッ、やっぱりケバブはヨーグルトだよね、…違う人もいるが」
「何かあったんですか?」
「うん…まあね」
「ミスト君は、何をかけるんだい?」
「…ケバブ食べた事無いんですよね」
「なに!だったら、まずはヨーグルトソースをかけて食べるんだ!」
「え?は、はい」
「にぎやかになりそうだね」
「ええ、そうね」
「母さん、父さん、食べよう」
「ええ、食べましょう」
「ああ、食べよう」
「で、どうだい?」
「初めて食べましたけど美味しいですね」
「そうだろう!やっぱりケバブはヨーグルトソースが一番さ」
「ハハハ」
今回はミストがオーブに来た日の話でした。会話パートが少ないので読みにくかったかもしれませんがこういうのに会話部分を入れるのがまだ自信が無いからです。
次はいつになるかわかりませんがまた読んでいただけたら幸いです。