一話とはこの小説の事ではありません。
「…ん?索敵のアラートだ。……どうなったんだ?」
一定のリズムで鳴り続けるアラートで起こされた俺は、直前の状況を思い出し、どうなったのか確認しようとモニターを動かした。
「宇宙空間じゃない?ベザートか?でも、記録した地図と照合出来ない。村から離れているのか?それとも別の惑星?…確か、最後の記憶ではベザートを襲って来た奴らと戦闘になって、奴らの攻撃からセリウスを庇って弾き飛ばされたんだ。その反動で此処に墜落した?…情報が足りないな。」
レヴリアスのエンジンは半永久的にエネルギーを生み出すから宇宙空間で与えられた運動エネルギーで宇宙を彷徨い続けるのは可能と言えば可能だ。偶々惑星に突入しても可怪しくないか?
「うーん、確証が全く無い。…って、アラートを忘れてた。」
センサーの情報をメインモニターに呼び出し、反応を確認する。
「熱源反応、データベースに適合無し、アトリームやベザートの機体では無いって事だな。…やっぱり別の惑星か?」
センサーに反応したannnounnはまだこちらには気がついていないようだ。
「どうするか、逃げる?戦う?隠れる」
――何でどっかのゲームみたいなコマンドが頭に浮かぶんだ、俺?そこまでゲーマーでもなかったような。いや、大会とかには行ったよ?でもそこまでじゃなかったはずだ。
…俺、誰にこの事言ってるんだ。てか、そんな事してる場合じゃなかった!annnounnは?動いて無いのか?どうしてだ?まさか、見つかったか?そうなるとどうするか。ピピッ、ん、通信?
…どこからだ?もしかして…あれからか?……ひとまず、聞いてみるか?…よし、応答だけして様子を見よう。ピッ
「…………」
「…ん?」
相手からの応答が無い、どういうことだ?
「もしもし、応答はありませんか?」
「おっと、つながったか!此方、オーブ連合首長国軍のバルト・アンディ少佐だ。そこの所属不明機、所属と名前を言いなよ。」
答えたのは此処の軍人だった。かなり、変わってそうな人だけど。
――さてと、こっちも答えないとね。
「…此方、惑星アトリーム防衛機関所属ミスト・レックスです。」
正直に言ってはみたけど此処はアトリームじゃ無いらしいから伝わらないかもしれないな。
「…惑星アトリーム?知らないなぁ、まあいい君は此処がどこだか知ってるかい?」
「えっと、いえ、知りません。」
「そうかい、わかった。ならば、教えてあげよう!此処はオーブ連合首長国の北西にある小島さ。まあ、ジャパンの方が近いがね。」
「オーブ連合首長国?ジャパン?」
此処の国の名前だよな…アトリームにはなかった、やっぱり此処はアトリームじゃないのか…。
「もしもし?聞いてるかい?」
「あっはい、聞いてます!」
軍人さんが自分の近くに機体を停めていた。
「……君、考え事が多いと言われないかい?」
「はい?」
「…いや、何でもないよ。…さてと、ミスト君?君はこれからどうするんだい?」
「え?」
急に話を振られて驚いたが、これからか、此処はアトリームではないようだからなぁ
「最初は何処かのスパイなり軍の者かと思ったりしたんだがね?君はどうもオーブとかの事もこの辺りを良く知らないなようだしね。」
――信じてくれたのかな?いやぁ、俺だったら信じないよこんな人。この人は、お人好し?騙してるだけか?
「…君は隠し事をするのに向かないって言われないかい?」
「えっと、はい。」
――ああ、良く隊長やアンジェリカやシェルディアに考えてる事を当てられてたな。
「あーやっぱりそうなんだな」
そう言うと軍人さんはガシガシと頭をかいた。
「まあ、いいかな。それでこれからどうするんだい?」
「えっと、まずは落ち着ける所に行く事ですなね。」
此処の情報も知りたいし、何よりもこの機体を置きたい。これがあったら自由に動けないからな。
「フム、……。よし、君はどうも大丈夫なようだからね。ならば、オーブに来ないかい?」
「オーブ、ですか?」
「ああ、オーブだ。まあ、いろいろ君の話を聞かせてもらうがね。」
――どうしよう?いや、どうしよう?
「バルトさん、えっと、お願いします。」
「よし、付いてきたまえ。」
そういうとバルトさんは機体を動かしバーニアを吹かして機体を浮かべた。
「はい!」
自分もバルトさんに続き、機体を浮かべた。
「さあ、行こうか?ミスト君。」
「はい!よろしくお願いします!バルトさん!」
そして、バルトさんを先頭にして、俺たちは南東の向かって機体を走らせた。目指すはオーブ連合首長国だ。
「ところでミスト君」
「はい?」
「その機体は何て言うんだい?」
「レヴリアスって言います。バルトさんのは?」
「僕のかい?僕のはムラサメさ、オーブ軍の量産型モビルスーツだよ。」
「モビルスーツ?その機体の事ですか?」
「なんだい、モビルスーツを知らないのかい?」
「はい」
「そうだな……まあ、人型兵器の名前の一種だよ。」
――へー、そうなんだ。だったらこっちではレヴリアスはどういう扱いなんだろうか?
「まあ、今は人型では無いがね。」
「飛行機みたいですね。」
「ああ、このムラサメは可変型モビルスーツだからね。変型して臨機応変に戦う事ができるね。」
「モビルスーツでもいろいろあるんですね。」
「まあ、モビルスーツに限った話じゃないさ、この地球にはスーパーロボット何て言うロボットも居るんだしね。」
「へぇー」
――スーパーロボットか、どんなロボットなんだろうか?見てみたいな。
「まあ、そのうち、逢えるだろう。」
「はい」
「おっと、ミスト君見てくれ、あれがオーブだ。」
バルトさんが乗るムラサメが指した先にはたくさんの島が繋がっているような大きな島が見えた。
「あれがですか?」
「そうだ、あれがオーブだ。…さて、ミスト君。」
バルトは此方を向きながら言い放つ。
「ようこそ、オーブ連合首長国へ」
この小説はオリジナルを一応出すと思いますが、今回のようなオリジナルな偽名を使う事があります。