あれから、小規模の擬態獣がベースを襲ったが、小規模であれば総力戦となることもなかった。戦力に余裕があった為、マジンガーZとゴーダンナーをメインとした2つの部隊を編成して交替で戦闘及び哨戒を行っていた。
第1部隊マジンガーZグループ
・ダイアナンA ・スティンガー ・ボスボロット
・コアガンナー ・サーペント
第2部隊ゴーダンナーグループ
・レヴリアス ・ネオオクサー ・クラブバンカー
・Gガンナー
ビルドベースの周りの地形は岩場と海なので、飛行可能な機体が部隊には必要となる。ベースの中で飛行可能な機体はマジンガーZ等の5機だ。この5機を部隊で分けて編成し、此処の相性や希望に沿った結果がこの編成となった。
「第1部隊の皆さんお疲れ様です。第2部隊の皆さん擬態獣はまだ確認されていないので、すぐに出動出来る準備をして待機をお願いします。」
第1部隊との交代の時間になり、ミーティングルームで待機をしていたが、放送の通りすぐさま出撃とはならずに引き続き待機することとなった。
「ふー、小規模とは言え戦闘が続くと流石に堪えますね」
「そうだな、一時期に比べて大分頻度が増えた。前は俺や静流達でなんとかなっていたが、今では兜やミストにも協力して貰えないと厳しいな。」
「そうッスよ、Gガンナーもコアガンナーと別れ無くても良かったッスからね!」
ミスト達、第1部隊の皆は待機中は一緒に行動して置こうと言う事でミーティングルームを借りて休息していた。
「ああ、そうだな。光司、今のGガンナーはどうだ?分離してそこまで変わるとは思わないが、違和感等はどうなんだ」
「そうッスね、流石に万全ですって言えないッスね」
「でもゴオちん、なんでGガンナーを分離させたの?ミストさんもなんたらバスターって武器を持ってたよね?」
「ああ、ミストのレヴリアスも長距離射撃武器を持っているが、あれは聞くに狙撃も出来る武器らしい。…簡単に言えば、狙撃武器では無いからミストじゃ変わりにならないと言う事だ。それに、レヴリアスは万能機だから遊撃させて置くほうが有利に運びやすいからな」
「まあ、ミストが俺達とおんなじ後方支援って言うのも面白そうですがね」
実際に、この部隊でレヴリアスを狙撃機として運用すると、どうしてもバリバリに長距離射撃機のGガンナーの立ち位置が難しくなりそうではあった。
「クラブバンカーと並ぶレヴリアス、色合いはいいかも」
「うんうん、それに第2部隊だと支援するの俺達だけみたいなもんだしな」
「クラブバンカーとレヴリアスねえ、色以外が合わなそうだけど」
「そうッスね、クラブバンカーは飛行能力が有るからこっちに来たみたいな雰囲気はありましたね」
「ひどいなあ、クラブバンカーだってやるときやるんだぜ?」
「まあまあ、クラブバンカーがいるから俺も動きやすいんですから」
飛行能力を持っているクラブバンカーがいてくれるお陰で、レヴリアスの対空中戦力への仕事の負担が軽減されているのは事実だ。それに速くないとはいえ、飛行可能であれば運搬係も任せられる。数が少ない部隊の中ではクラブバンカーは明確に仕事を持っていた。
「まあ、そうだな。こっちはマジンガーzみたいに飛べる機体は少ないからな、対空戦力は多いに越した事は無いさ」
「ゴーダンナーに翼を生やしたら解決しそうなんだがな」
「そうだな、出来るのならばそれが良いが、難しいだろうな」
「ゴオちんと合体したら空中散歩も楽しめそうだね」
「アンナちゃん、流石に戦闘以外で合体しないでほしいなあ、おやっさんに怒られちゃうよ」
「じゃあ、クラブバンカーで旦那と空中散歩してくるか?」
「確かにクラブバンカーなら速くないし良いかもしれないですけど、まず、動かせるんですか?クラブバンカーやスティンガーって、結構特殊な機構ですよね」
「そうッスね、クラブバンカーがあれで空飛んでるのは不思議ッスからね」
「確かに不思議だねー、ヤンバさんあれって何か有るの?」
「俺達に聞くよりもサコン先生に聞いてくれ」
そう言って説明を投げた3人だが、実際に気になったので後に聞きに行ったようだ。
「そういえば、大空魔竜は今どうしているんですか?」
「一度、ダリウス星に行ってからまだ戻って来ていないな」
「俺達や姉御、リーの兄貴もこっちに残して行ったからなあ」
「キャプテン達にも考えがあるんだろうが、心配ですねえ」
それから暫く会話を続けていた。擬態獣の襲来頻度が増えてからはこういう時間が減っていたからか、不思議と会話がはずんでいた。
「そういえば、今アスハ代表がビルドベースにいらっしゃるですよ」
「ビルドベースに?」
「視察だろうな、最近の情勢的に何処で何が起こるか解らないからな」
「そうですね、擬態獣の他にもこの前の黄色の奴だっていますからね」
「あれ?でもゴオちん、ビルドベースって閉まってたよね?」
「ん、閉まっていると言うよりは外で活動してないだけで職員なんかは普通に働いているはずだぞ。彼処は封鎖されている九州を見張る役目も有るからな」
「そうだったんですね、それは初耳でした。」
「まあ、ミストやヤンバさん達が知らないのも、仕方ないですよ。なんせ50年前ですからね」
「そうだな、――――――」
「緊急事態発生、海上に巨大魔獣出現!!照合データからダリウス軍の物と判明、第2部隊皆さん、直ちに出動をお願いします!繰り返します、――――」
会話を遮る様に鳴り響く警報に俺達は、とっさに耳を傾ける。ダリウス軍、それは大空魔竜が戦っていた敵組織で以前、サコン先生らがダリウス軍がこちらの地球にも来るだろうと色々とデータを残していた。
放送後、いち早く立ち上がった猿渡さんが号令をかける。
「よし、聞こえたな。皆出動だ!」
「ハイ!!」
―――――
海岸
「ダイヤ君、僕は君の話を全部を信じていた訳じゃないんだよ?」
「うーん、どうやったら信じるんだ?ナオトも見ただろ、擬態獣と戦う竜の怪物を」
「それはそうだけど、ダイヤ君が言っていた怪物って擬態獣じゃあ無いんでしょ?」
「ああ、擬態獣も怪物だけど俺が見た怪物はあれじゃ無かった」
「ダンナーベースには連絡取ったの?」
「駄目だ、今は擬態獣の対応で個人じゃとてもじゃ無いが連絡なんて取れそうに無かった。警察とかにも話したけど信じて貰えなかった」
「そっか、…ねえ、もしその怪物が現れたらどうするの?」
「戦う、そのために鍛えて来たんだ」
「警備隊に頼らないの?」
「モビルスーツであの怪物が倒せると思えないんだ。そりゃ、父さんの時はまだモビルスーツは無かったけど怪物はそれ程強大に見えたんだ」
「それなのに行くの?」
「ああ、あの時に救ってくれた竜の怪物の人が言ってたんだ。俺には怪物と戦う戦士になれるって」
「ダイヤ君……」