剣技を極めた剣神(仮)   作:葛城 大河

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お待たせしました。第九話をどうぞ。


第九話 斬り裂く風

「ふぅ、なんとか行ってくれたな」

 

 

背を向けて店内を出る蔵人(くらうど)を見て、安堵の息を吐く。

 

 

「よし。気を取り直して、食べよう。………って、あれ?」

 

 

明るい口調でそう告げる一輝だったが、隣のステラの表情を見て首を傾げた。眼に見えるように、彼女は不機嫌になっていたからこその疑問である。対面に座る絢瀬も頭を俯いて、申し訳なさそうにしていた。すると、ステラがやっぱり納得が行かないというふうに、声を上げた。

 

 

「なんでやられたままだったのよっ‼︎」

 

「だから言っただろステラ。学園外での霊装の展開は駄目だ。退学になる」

 

「そ、それは………そうだけど」

 

 

ステラとて、そんな事は分かっている。しかしそれでも納得いかないのだ。一輝は強い。だからこそ、あぁも言われる事がステラにとっては許せない。一輝の強さも知らない癖に、弱い虫だと語る不良達が。

 

 

「俺の為に怒ってくれるのは嬉しいけどさ。今はその感情を引っ込めてくれないか?」

 

 

ステラが自分の為に怒ってくれてるのは分かっている。それでも今は抑えてくれと一輝は言った。それにうぅ〜と唸りながら渋々とだが、ステラは言う事を聞いてくれた。まぁ、発散するかのように、ガツガツとご飯を勢いよく頬張るが。さて、これで食べるのを再開出来ると、手を掛けようとした一輝だが、目の前でまだ顔を俯かせる少女に視線が行った。

 

 

「……………」

 

(気になると言えば気になるんだけど)

 

 

あの不良達と絢瀬は如何言う関係なのだろうか。正直に聞く訳にはいかない。何故なら不良達と会っただけで、こうして彼女が俯いているのだから。さて、如何したものかと悩ませる一輝だ。そして、取り敢えず大丈夫かと声を投げようとして、別の声に遮られた。

 

 

「─────いやぁ、良かったよ。後輩クンが挑発に乗ってくれなくて」

 

「「─────ッ!?」」

 

 

突然、聞こえた言葉に一輝達は驚愕に眼を見開いた。二人が驚いたのは同じ理由だ。それは声の発信源である。背後から掛けられた訳ではない。横からも違う。そう、その声の発信源は前方から放たれたものだった。だからこそ信じられない。一輝は特別な鍛錬で、普通の状態でも周囲の気配を察知する術を持っている。そんな彼が気付かなかった。

 

 

何時の間にか(・・・・・・)、テーブルの上に呑気に座る少年が現れた事に。くすんだ銀髪。光のない瞳。その身に『破軍学園』の制服を着ていなければ、幼稚園児だと誤解してしまいそうな少年。だが、一輝はその少年の正体に気付いた。学園に居る者なら、新入生でもない限り知らない生徒は居ないだろう。彼と、自身の背後に居る純白の女性(・・・・・)が誰なのかを。

 

 

明確な、いや、隠し切る事が出来ない血の匂いを放ちながらクスクスと笑って彼女は現れた。

 

 

「…………クスクス、本当ですね」

 

 

テーブルに座る少年に同意する声を発した。それにステラは、女性の方に振り向き背筋に寒気が奔る。あまりに、学生から感じる事のない戦場の気配。ソレを感じ取ってしまったから。

 

 

「だ、誰よあんたら」

 

 

いきなり現れた二人に、ステラは誰何の声を上げる。それに答えたのは、隣に座る一輝だった。

 

 

「この人は生徒会副会長の御祓泡沫(みそぎうたかた)さんと、会計の貴徳原(とうとくばら)カナタさんだよ」

 

「ッ、貴徳原ってまさか!?」

 

 

一輝の説明にステラは驚きの声を上げる。ステラでも、貴徳原カナタの名前を知っていたからだ。学生でありながら『特別招集』という形で、実戦の現場にも参加している生徒が彼女なのだから。様々な犯罪組織を壊滅させたと聞く程の優秀な騎士だと。まじまじと貴徳原を見るステラ。見られている彼女は、ただクスクスと笑っていた。

 

 

「アハハ☆ いやぁ、災難だったね厄難だったね。貪狼学園の倉敷蔵人に絡まれるなんて」

 

 

御祓泡沫は、何処か貼り付けたような(・・・・・・・・)笑みで笑う。それに純白を纏う女性が続いた。

 

 

「もしも、挑発に乗っていたら。私が拘束しなければいけない事態になっていたとこです」

 

 

クスクスと笑いながら、貴徳原カナタは自信を持ってそう告げる。優雅に立っては居るが、彼女が放つ空気は戦場を経験した戦士のソレだ。それを感じ取って一輝は、知らずの内に笑みを浮かべていた。

 

 

(強いな。やっぱり、ここまで来るとレベルが変わってくるか)

 

 

面白いと彼は胸中で呟く。それでこそ、学内戦だ。と、そんな時、切れた頭から血が流れ眼に入る。

 

 

「………おっと」

 

「あれ? 後輩クン。きみ、怪我をしてるね。ぼくが治してあげるから見せてごらん」

 

「いや、別に治してもらう程の傷では」

 

「といっても、もう治しちゃったんだけどね」

 

「─────ッ!?」

 

 

泡沫の言葉に驚愕する。何故なら、本当に頭の傷が治っているのだから。故に、一輝は眼を見開いて泡沫に視線を飛ばした。なんだ? 俺は一体、なにをされた? 胸中に渦巻くのは分からないという感情。一輝はなにも感じ取れなかった。泡沫が行ったであろう治癒に対して、なにも感じ取れなかったのだ。まるで、最初から傷がなかったかのように(・・・・・・・・・・・・・・・)完治している。一体、どんな能力を使った。

 

 

一輝は観察するように泡沫に視線を向ける。対して泡沫も、一輝に視線を向けていた。その瞳に宿っているのは興味の色だ。

 

 

「…………ふんふん、成る程ね」

 

「なんですか?」

 

 

上から下を何度も見た後に、感心したように頷く泡沫に、一輝は尋ねた。

 

 

「きみが刀華の言っていた黒鉄クンかぁ。うん、ただの一般人であるぼくが見ただけじゃ分かる訳ないよね」

 

 

なんで君達は、見ただけで実力が分かるの? 普通じゃないよ。などと泡沫は一輝に告げる。どう返せば良いか分からない一輝は、悩んでいると泡沫が口を開いた。

 

 

「じゃあ、ぼく達は行くとするよ後輩クン」

 

「あ、はい。傷を治してくれてありがとうございます」

 

「アハハ☆ 気にしなくていいさ」

 

 

そう言って泡沫は、カナタと共に背を向けて外に出ようとした。だが、ピタリと歩くのを止めて、頭だけを一輝の方に向け、言い忘れた事があったと言葉を紡いだ。

 

 

「あっ、そうだ後輩クン」

 

「はい。なんですか?」

 

「後輩クン。絶対に勝ち上がって来なよ。君が上がってくるのを待ってる人が居るからね」

 

 

じゃあね、と言って本当に二人は帰っていった。泡沫の言った待ってる人という言葉に、首を傾げる一輝だったが、前に座っていた絢瀬が立ち上がった事に視線を向けた。

 

 

「く、黒鉄君。ぼ、ボク………」

 

「……………」

 

 

絢瀬がなにかを言おうと、口を開閉を繰り返す。それに一輝は黙って言ってくれるまで待つ事にした。恐らく、彼女は先程の不良達との関係を言おうとしている事を察したからだ。だから待つ。言ってくれるのを。そんな時だった。一輝のポケットにある生徒手帳の電子音が鳴り響いたのは。タイミングが悪いと思いながらも生徒手帳を取り出して、画面を見た彼は、本当にタイミングが悪いと頭に手を置いた。

 

 

前に居る絢瀬に視線を向けると、彼女も生徒手帳を凝視した後に一輝に視線を向けた。

 

 

「………ご、ごめん‼︎ ボク用事が出来たからっ」

 

 

そして彼女は、謝罪の言葉を口にして、一輝達に背を向けて走っていった。突然の事に驚いたステラだったが、一輝に見せられた生徒手帳の内容に、そういう事かと納得するのだった。一輝の生徒手帳にはこう書かれていた。次の学内戦。その対戦者は────綾辻絢瀬、と。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

その翌日。一輝達は、何時もの日課としている鍛錬を他の生徒としていた。しかし変わった事がある。その鍛錬の中に綾辻絢瀬が居ない事だ。彼女はアレから一回も参加する事はなかった。まぁ、当たり前といえば当たり前か。次の対戦者が一輝なのだ。敵に情報を与える訳がない。例えそれが、勝てないと分かっていてもだ。生徒達の素振りを見ながら、一輝は朝に生徒手帳に送られたメールの事を思っていた。

 

 

(やっぱり、行くべきだよな)

 

 

それは絢瀬が、二人で話したいと書いたメールだった。最初は行くかどうか迷った。何故なら確実にこのメールは罠だと推測したからだ。しかし、彼は行く事に決めた。迷うべきじゃない。罠だとか関係ない。友達が呼んでるのだ、なら行くべきだろう。そう思いながら、鍛錬が終わるまで見続けた。勿論、このメールの事はステラ、珠雫、アリスには内緒にしている。

 

 

鍛錬を終えて夕暮れになり、一輝は絢瀬が書いた会う場所に足を進めた。ステラと珠雫には申し訳ないが、少し誤魔化したりした。そんな進んでいく一輝の前に一人の人物が現れた。

 

 

「…………ん? アリスか」

 

「ねぇ、一輝。なにか隠してない?」

 

 

アリスはそう一輝に尋ねた。確信を込めたアリスの一言に、一輝は苦笑して隠せない事を悟ると口を開いた。

 

 

「よく気付いたなアリス。なんで気付いたんだ? 上手く隠してたと思ってたんだけどな」

 

「ふふっ、そういう事に気付くのあたしは得意なの」

 

 

何処か陰りを見せてアリスは笑って、一輝に隠しているものを促した。なにを隠しているのか、分かっているかのようにアリスは続けて言った。

 

 

「先輩の事でしょ?」

 

「はぁ、正解だアリス。その通りだ。綾辻さんからメールで呼び出されたんだ」

 

 

生徒手帳を見える位置に持って行き、アリスに見せる一輝だ。それを見たアリスは、一輝に言う。

 

 

「それで行くつもりなのね一輝」

 

「まぁな。綾辻さんとは友達だしな。行くさ」

 

「分かってるんでしょ一輝。これは罠よ確実に」

 

「……………」

 

 

アリスは言う。これは確実に罠だと。それに一輝は黙って聞いた。続けてアリスは再度尋ねた。

 

 

「それでも行く気なの? 一輝」

 

「あぁ、行くさ。呼ばれているのならな」

 

 

即答する。考える素振りなど見せずに、彼はアリスに眼を合わせて即答して見せた。余りにも真剣な表情で。アリスはため息を溢す。これは言っても無駄だと分かったが故に。

 

 

「そうね。あたしが心配した所で関係ないわね」

 

「ははは、そんな事はないぞアリス。心配してくれてありがとう。それじゃあ、俺はもう行くよ」

 

「えぇ、いってらっしゃい一輝」

 

 

そう言って少年はアリスの横を通り過ぎる。目指す場所は絢瀬に指定された所。11号館の屋上である。

 

 

 

 

 

日が落ち、もうじき夜になる時間帯に、一輝は11号館の屋上のドアを開けた。足を踏み出し、屋上に出ると、視線の端に一人の少女が映る。彼女の事は知っている。何故なら、ここに呼んだ少女なのだから。屋上のフェンスの前に綾辻絢瀬は白装束を身に纏い立っていた。そこに一つの笑みを浮かべて。一輝は歩く、絢瀬の前に行く為に足を進めた。

 

 

だが、あと数メートルの距離で彼はその足の歩みを止めた。

 

 

(ん? なんだ………?)

 

「…………? 如何したんだい黒鉄君?」

 

 

急に立ち止まった彼に、絢瀬は首を傾げて言った。しかし、その言葉に反応せず、五感を鋭くさせる一輝だ。感じ取ったのだ。いや、違和感を覚えたと言った方が良いだろうか。この屋上に来て、絢瀬に近付いて強い違和感を感じた。だが、周りにはなにもない。

 

 

(いや、なにもない訳じゃない。俺が見えないだけだ)

 

 

しかし、その考えを彼自身が否定した。なにもない? 違う。確かにナニカがこの周囲にある。それがただ、人の眼には映らないだけの事だ。そう、ナニカが張られている。自身の周囲に多くのナニカが、設置されている事に一輝は察知した。それ程までに彼にとって、周囲の空間に違和感を覚えるのだから。だから一輝は言う。未だに首を傾げる絢瀬に向かって。

 

 

「………綾辻さん。周囲の空間になにかしたか?」

 

「ッ!? は、はは。凄いね黒鉄君。まさか、初見で見破るなんて」

 

 

君が初めてだよ、と首を傾げていた絢瀬の表情が驚愕に変わる。一輝の推測通り、絢瀬はこの空間に仕掛けを施していた。本来なら一発で気付くはずがない仕掛けをだ。だが、蓋を開けて見れば、来た瞬間に看破された。一体、どれだけの察知能力があるんだと彼女は息を呑む。恐らく、隠し通せないだろう。何故なら目の前の少年は確信している表情をしているのだから。故に、絢瀬は素直に答える事にした。

 

 

「その通りだよ黒鉄君。ボクが空間に仕掛けをした。失望したかい?」

 

「いや、失望なんてしない。綾辻さんが、なんとしても勝ちたいという気持ちは知ってる。その為の仕掛けなら、すればいい。納得出来ているならな」

 

 

絢瀬の言葉に首を振って一輝は言い放つ。失望などしない。彼女は自分が勝つ為に、それを用意したに過ぎないのだから。ただ、それが卑怯な手だっただけだ。他の人間だったら、卑怯者と罵るかも知れないが、一輝は違う。彼は頂を目指す者。あの領域に至らんとする少年。たかが、罠程度の障害など剣で越えてみせる。彼等ならソレが可能なのだから。それに、戦いに卑怯もない。

 

 

勝てれば、勝てばその者が強者という事を一輝は知っている。そして学内戦の相手が決まった時から戦いは始まっているのだ。絢瀬はそれをしたに過ぎない。だからこそ、彼は少女に卑怯者と罵る事や失望などしない。戦いではそれが当たり前だと知っているから。故に、一輝は眼を鋭くさせる。どんな手でも使え、ソレさえも俺は剣で越えて見せると。

 

 

「─────ッ!?」

 

 

一輝の放つ視線に、ゾクリと背筋が凍る。心の奥底がチクリと痛む。勝たなければ行けない。勝つ為ならどんな手でも、と思っていた少女の感情が揺らぐ。だが、すぐにその揺らぐ感情を押し留めた。なにを弱気になっているのだ。分かっていた筈だ。黒鉄一輝が規格外の存在だという事を。つい最近まで、この身が体験しただろう。自分はなにがなんでも勝たなければ行けないんだ。父の誇り(・・・・)を取り戻す為に、あの剣の頂点(・・・・)に勝たなければならない。そう、やるしかないのだ。

 

 

彼の弱点を狙ってでも。

 

 

 

「失望しない、か。黒鉄君は優しいね本当に」

 

 

彼は優しい。こうして鋭い視線を飛ばしているが、未だに動かないのがその証拠だ。それに対戦するかも知れない相手を鍛えているのだから。本当に優しい。だからこそ、その優しさが弱点となる。本来なら、奇襲を仕掛ける筈だったが、それは失敗に終わった。なら、自分が彼に対して取れる手段は一つ。これは一種の賭けだ。黒鉄一輝が優しいと信頼している絢瀬の賭け。

 

 

彼ならば、この仕掛けられた空間がなにをするのか気付く筈だ。そして自分がなにをしようとしてるのかも。何時の間にか絢瀬の左手には一つの刀が握られていた。鮮やかな赤色を放つ刀。それが彼女の固有霊装、『緋爪(ひづめ)』だ。固有霊装が出た事に、より視線を鋭くさせる少年だ。そして絢瀬は、そんな彼に向けて笑顔を作る。

 

 

「………黒鉄君。君は優しい、だからこそ、君はこれに引っかかる」

 

「……………なに?」

 

 

確信してる物言いに眉を寄せる。しかし、それに構わず絢瀬は自身の刀を逆手に持ち、その柄に小指で叩いた。次の瞬間。違和感を覚える空間が膨張する。来る、と警戒した彼だが、その膨張した空間の行き先に驚愕を露にした。絢瀬は一輝に向けて『伐刀絶技(ノウブルアーツ)』を発動させたのではなく、自分自身に発動させたのだ。あらかじめ空間に付けられた刀傷(・・)が大きく開かれる。ソレによって、生まれたカマイタチが少女を襲った。

 

 

彼女は相変わらず、笑みを浮かべ、避ける素振りなど見せない。ただ、視線を一輝に向けていた。そこにどんな思いがあるのかを一輝は理解して、それでも尚、絢瀬の方に足を踏み込んで加速した。ドゴンッ‼︎ 立っていたとこが勢い良く爆ぜて一瞬にして彼女の眼前に移動する。もう、カマイタチが迫ってきている。『陰鉄(いんてつ)』を出していては間に合わない。素手でカマイタチを迎撃しようにも、余りにも数が多すぎた。

 

 

一輝はこんな戦いなど望んでいない。どんな卑怯な手でも罠でも使ってもいい。だが、自分自身に技を放って大怪我を負うような真似など、自らの戦闘力を落とす行為を一輝は認めない。戦いは、相手が全力でなければ面白くないのだから。しかし、そう言っても飛び出した理由はやはり一つだろう。無防備に自身の技を受け止めようとする少女が危険だと思ったから。

 

 

黒鉄一輝は優しい。なるほど、確かにその通りかもしれない。一輝はまんまと絢瀬の計画通りに罠に嵌ったてしまったのだから。トンッと絢瀬を前に押す、彼女が立っていた場所に一輝が来た瞬間。四方八方から迫るカマイタチが、彼の全身に襲った。肉体を切り裂く音が響く。鮮血が舞う。それでも一輝は立っていた。

 

 

「知っていたよ。この程度の攻撃じゃあ、君は立つって事くらい。だから…………」

 

 

そう言って、絢瀬は足を止めず押された方に体を流す。後ろにあったフェンスが突然、斬り裂かれ、少女の体を止める障害はなくなり、そのまま屋上から落ちた。ソレを見た瞬間に、一輝は駆けていた。絢瀬を追うように彼も飛び降りる。体を一つの棒のようにして、落下速度を速めて絢瀬に追いついた一輝は片手で抱き上げるように彼女の体を持つ。そして、絢瀬は笑う。

 

 

「やっぱり君は優しいね」

 

「……………ッ!?」

 

 

囁いた後に訪れるのは、カマイタチの嵐。絢瀬を抱えながらソレを受け続け、一輝は腕を手刀にして下に振るう。放たれる拳圧が加速速度を緩める。続いて横にある校舎に向けて、回し蹴りを放った。校舎の一部を粉砕する轟音を鳴らし、蹴った勢いを利用して反対側にある池にへと落ちて大きな水飛沫を上げた。

 

 

「……………」

 

「如何だい黒鉄君? これでも君はボクに失望はしない?」

 

 

池から二人は上がって、絢瀬は座りながら目の前に背中を見せて立つ少年に言葉を放った。彼の背中は血が滲み出ており、両腕も同じく血が滴り落ちている。誰がなんと言おうと、重傷だ。しかし、それでも尚、背中を向けながら彼は口を開いた。

 

 

「俺は綾辻さんを失望なんてしない」

 

「………ッ!? な、んで?」

 

「この行動が勝つ為に行った物なら、俺はなにも言わない。完全に防げなかった俺の実力不足だ」

 

 

重傷だと思わせないように、言葉を紡ぐ。それに絢瀬は叫んだ。

 

 

「なんで、なんでボクになにも言わないんだッ‼︎ これは明らかに卑怯な行為だ。それなのになんで君は────ッ」

 

 

眼に涙を溜めて彼女は、背中を向ける一輝に叫ぶ。まるで子供のように、叱ってくれと言うかのように。それでも彼は、綾辻絢瀬に失望はしないし、卑怯者だと罵る事もしない。余計に、試合に勝つ気迫を感じ取り、納得した程だ。だが、その一輝の思いが絢瀬の胸に刺さる。

 

 

「………綾辻さん。試合の時も、どんな罠を張っても構わない。卑怯な手を使ってもいい。貴女が納得出来ているならな」

 

 

────俺はその障害すらも斬り伏すだけだ。

 

 

そう言って、黒鉄一輝は彼女から離れて行った。顔を向ける事などなく。一人その場に残った絢瀬は、顔を俯かせた。

 

 

「ボクは勝たなきゃ行けないんだ。絶対に勝ち上がらなきゃ行けないんだ」

 

 

誰かに言い聞かせるように、言い訳をするように絢瀬は口を開く。勝たなきゃ、勝たなければと。チクッと胸の奥に感じた痛みを無視して、綾辻絢瀬は言い続けた。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

寮に戻った一輝にステラは驚愕した。その重傷な体にステラはなにがあったのかを慌てて聞いた。

 

 

「ちょ、大丈夫なのイッキッ!? なにがあったのよ、イッキがこんな傷を負うなんて」

 

「俺は平気だステラ。気にしないでくれ」

 

「気にしないでって、早く医務室に行かないと」

 

「いや、俺は行かない」

 

「な、なんでよっ‼︎」

 

 

すぐに治療を進めるステラだったが、一輝は治療をしないと首を振った。訳も分からず、叫ぶ少女である。

 

 

「ステラ頼む。この事を誰にも言わないでくれ」

 

「ッ、イッキ………?」

 

 

余りにも真剣に告げる彼に息を呑む。こんな所で治療をする訳には行かない。この傷は、絢瀬が考えて罠を張って成功した証だ。ならば、それに答えよう。戦いはもう始まっている。この傷も自分が未熟だったから出来たのだ。彼等だったら、一輝が尊敬する彼等だったならば防いでいた事だろう。そうだ。この怪我は自分が未熟の証。それを試合前に治す事などしたくはない。

 

 

血で染まった服を脱ぎ捨て、彼はステラに心配するなと笑みを向けて眠る事にした。それにステラは心配しながら、一輝の言う事に従う。余りに一輝が真剣だったから。つい、約束してしまった。この事は誰にも言わないと。そうして、一輝は眠りに落ちた。

 

 

その翌日。黒鉄一輝は理事長である神宮寺 黒乃の前に居た。

 

 

「やはり、アレはお前の仕業だったか」

 

「はい、罰は受けるつもりです。だけど、その前に聞きたい事があります」

 

「…………綾辻絢瀬の事か?」

 

 

彼女が自分から喋るまで聞くつもりはなかった。だが、アレ程の勝ちへの執念を見せつけられれば気になってしまう。だから彼女の執念を知っていそうな黒乃を見つけて、尋ねる事にしたのだ。

 

 

「………ふぅ、そうだな」

 

 

タバコに火を付けて、黒乃は言葉を紡ぐ事にした。そして話したのは、綾辻海斗と倉敷蔵人の事だった。絢瀬は全てを奪われて追い詰められた。そして卑怯な手を使ってでも、勝たなければ行けない理由は、七星剣武祭ベスト8。『剣士殺し(ソードイーター)』の異名を持つ倉敷蔵人がそこに来る事を確信していたからだ。それを聞いて、なるほどと一輝は頷く。そして罰は後で受けに来ますと告げてから、理事長室から出ようとして黒乃が口を開いた。

 

 

「なにをするつもりだ? 黒鉄」

 

 

黒乃は実力者だ。世界的にも上位に数えられる。だからこそ、幾ら誤魔化してもすぐに気付いた。一輝の体が如何なっているのかを。黒乃の発言にふっと笑ってから愚問だと言うように答える。

 

 

「なにって、何時もと変わりませんよ。俺は、真正面から行くだけです」

 

 

それでは、と言ってから一輝は理事長室から退室した。理事長室から出た彼は、ある所に向けて足を進めていた。絢瀬の勝ちへの執念は聞いた。ならば、次は、その戦いを邪魔されないようにする事だ。十中八九、試合中に彼女は一輝の言った通りに卑怯な手を使ってくるだろう。もしも、それが見付かったら試合は中止になり、一輝が勝者になってしまう。それでは自分が納得しない。

 

 

そんな事では、己の(最強)を示す事は出来ない。故に、向かうのだ。今日の自分の試合の解説はあの人だから、なにがあっても止めないでくれと告げる為に。

 

 

(さぁ、綾辻さん。これでこの戦いの邪魔をする人は居ない。全力で挑んでこい)

 

 

 

胸中で彼はそう言い放ったのだった。そして試合は始まる。

 

 

 

 

『さぁて、やってまいりました。本日の第三訓練場第三試合は、もう間もなく開始されます‼︎ 実況はわたくし放送部の月夜見半月。解説は折木有里先生です』

 

 

訓練場に実況を務める半月の声が響く。それに続いて、よろしく〜と何処か具合が悪そうな言葉を半月の隣に座る有里先生が言った。二人が少し世間話でもしてると、半月がそろそろ試合が始まる事に気付き、口を開いた。

 

 

『そろそろ選手が入って来ます‼︎ まず一人は、六戦六勝。全ての試合を一瞬にして終わらせたFランク騎士。黒鉄一輝選手だぁっ‼︎ わたくし月夜見半月は、黒鉄選手が本当にFランクなんだろうかと疑いを向けるようになりました。それ程の規格外。もう、『落第騎士(ワーストワン)』などと呼ばせない。いや、もうそう呼ぶ人など居ない事でしょう‼︎』

 

 

半月の言葉と共に一輝は現れて、リングの中心に辿り着く。彼が見据える先には、一人の少女の姿だ。そして続いて半月は実況した。

 

 

『そして今、もう一人の騎士が姿を現しました。同じく六戦六勝の素晴らしい戦績を引き下げて試合に臨むのは‼︎ Dランク騎士、三年綾辻絢瀬選手。果たして彼女は、黒鉄選手とどのような戦いを繰り広げるのでしょうか‼︎』

 

 

一輝と同様にリング中央に足を絢瀬は進めていく。二人の視線が交差した。

 

 

「やっぱり、君は出て来るんだね。分かっていた事だけど、流石だよ」

 

「出るに決まってる。俺は、七星剣武祭に出て優勝しなきゃ行けないからな」

 

 

そう言って『陰鉄』を顕現させた。それを見て絢瀬が右手を突き出す。すると、空間に赤い斬れ目が出来る。躊躇する事なく手を突っ込み、自身の霊装を引き抜いた。

 

 

「赤く染まれ‼︎ 『緋爪』‼︎」

 

 

鮮やかな赤が舞う。その手に持つのは一輝と同じタイプの固有霊装だ。同時に試合開始の合図が鳴り響いた。

 

 

「…………やはり、お兄様の様子が少しおかしいです」

 

「そうね。何処か変だわ?」

 

「えっ? へ、変てなにが?」

 

 

試合が開始されて、両者は見合い動かない中、ソレを席に座り見ていた珠雫が、兄の様子がおかしいと呟けば、アリスがそれに同意した。対して、ステラがアワアワしながら知らないフリをしてみせる。しかし、兄を見続けてきた妹と、人のそういう感情を読み取るのが得意な二人には意味を成していない。ジトーとした眼で珠雫がステラに問い掛ける。

 

 

「………ステラさん。なにか知っていますね」

 

「え、え〜と。なんの事かアタシは分からないわ」

 

「あらあら、嘘は良くないわね」

 

 

なにか隠してるでしょ、とアリスが詰め寄る。それになにか考えないとと思ったステラだったが、珠雫も詰め寄っており、真冬のような寒気を放っていた。

 

 

「隠し事は無駄ですよ。私がどれだけお兄様を見て来たと思ってるんですか。それでも、まだ嘘を付くようであれば………」

 

「わ、分かったわっ。教える、教えるからその『宵時雨』を仕舞いなさいシズクッ!?」

 

 

何故か珠雫がとても恐ろしく感じてしまい、ステラはすぐに白旗を上げた。彼女も分かっていたのだ、珠雫に隠し通せる訳ないと。だからこそ、事の顛末を二人に教える事にした。怪我の理由をステラは聞いていたのだ。そして、教え終えると、二人はそれぞれ表情を変える。

 

 

「そう、彼女がね」

 

「お兄様の優しさを利用するなんてッ」

 

 

アリスはまるで分かっていたかのように納得をして、珠雫は怒りを覚えながらも何処か冷静だった。その事にステラは疑問を浮かべる。珠雫の事だから、煩く怒り狂うと思ったからだ。

 

 

「シズク。やけに冷静ね」

 

「なんですか? 私が暴れると思ったんですか?」

 

「えっ!? いや、違うわよっ。ただ、不思議に思っただけよ。確かにシズクは怒ってるけど、そこまで怒りを覚えてないじゃない」

 

 

内示を見透かされてドキッとしたステラは、慌てて言い訳を述べる。それに、なんだその事かと珠雫はため息を吐いた。

 

 

「確かに卑怯な手を使ったのは許せません。ですが、ソレをお兄様が認めている。なら、私がそこまで怒りを向ける必要はありません。お兄様の事ですから、この戦いも楽しみなのでしょうし」

 

「例えそれが、この試合で罠が張り巡らされても?」

 

「はい。そうです」

 

 

アリスの問いに、即答をもってして答える。自身の兄はそういう人なのだ。卑怯な手でも罠でも、喰らった方が悪い。そう考える人間であり、何処までも強さを追い求める人。今まで見続けてきた珠雫ですら、一輝の全力を知らない。だから、今までのように、この試合の結末を見よう。兄が必ず勝つと信じて、珠雫はリング上に視線を落とした。

 

 

リング上では絢瀬と一輝、動かぬまま睨み合っていた。

 

 

(やっぱり、張られているか。それもリング上隈無く)

 

 

異常な察知能力で、リング上の空間にある違和感を感じ取る。相当の数を仕掛けられている。少しでも動けば、発動してしまう程に。

 

 

「黒鉄君。もう、知っていると思うから言うね。これが、ボクの『緋爪』による『伐刀絶技』────『風の爪痕』だよ」

 

 

『緋爪』の能力は傷を開く力。ソレを空間に応用した技が『風の爪痕』である。空間に刀傷を付ける事によって、その刀傷を開くとカマイタチが発生する。『概念干渉』系の異能。そして、このリング全体には試合前に絢瀬が、余す事なく刀傷を付けまくった。こうすれば、簡単に動く事は出来ない。

 

 

(平気そうな顔をしてるけど、あの制服の下は重傷の筈だ。『風の爪痕』で牽制していけば勝てるはッ!?)

 

 

冷静に一輝の状態を推測していた絢瀬は、そこで驚愕を露にした。動き出しの動作などせず、気配など感じず、姿を消して、一輝が絢瀬の前に立っていたのだから。彼が持ち得る移動方の全てを複合させた技。『歩法』を使ったのだ。眼前に現れた彼に、息を呑みながら、『緋爪』を構える。すると、構えた『緋爪』に衝撃が奔った。振るわれた『陰鉄』が、彼女の刀を一閃したのだ。

 

 

抗いようがない衝撃に、絢瀬は距離を取り、自分が立っていた場所に居る一輝を見据えて『伐刀絶技』を発動させた。空間に付けられた刀傷が開かれ、カマイタチという現象になって少年に襲う。されど、一輝は軽く横にステップしただけでカマイタチが通り過ぎる。意図も簡単に躱された。自分にしか見えない筈の攻撃を、まるで見えているかのように悉く躱してみせる一輝。

 

 

『おぉっと、なにが起こっているのでしょうかっ‼︎ なにもない所が斬られて行きます‼︎』

 

 

実況の半月が、リングに現れる斬り傷に疑問の声を上げる。幾つも放つ『風の爪痕』を全て避ける一輝。その動きは、重傷を負った者のソレではない。このままじゃマズイと思った彼女は、大きく距離を取った。

 

 

「綾辻さん。少し油断したな? 俺が大怪我を負ってるから、チマチマと攻撃すればいずれ、俺の体力も限界になると。綾辻さん────俺を舐めるなよ」

 

「──────ッッッ!?」

 

 

一輝から放たれる気迫。余りにも凄絶なソレに、全身が栗立つ。その事に、絢瀬は自分は馬鹿かと叫びたくなった。なにをしているんだと。チマチマと牽制していけば勝てる? そんな訳がないだろ。目の前の少年は、そんな甘い存在などではない。例え、重傷であろうとも全力で、全てを持って立ち向かわなければならない埒外の少年なのだ。

 

 

絢瀬は視線を鋭くさせる。息を吸って吐いてを、繰り返して、一輝に気迫を飛ばした。それにやっとか、と笑みを浮かべる彼だ。そして緊迫した空気の中、一輝は言う事にした。

 

 

「………なぁ、綾辻さん」

 

「なんだい黒鉄君」

 

「俺は綾辻さんのその執念の理由を聞いたんだ」

 

 

一輝の言葉にピクリと反応するが、なにも返す事はせず、黙って見据える。

 

 

「辛かったな、なんて言葉は言えない。そんな言葉、綾辻さんからしてみれば、知った風な口を聞くなって言う程に無責任なものだからな」

 

 

一輝は続ける。

 

 

「だから俺は、そんな事は言わない。代わりに、俺が一緒に付き合ってやるよ」

 

「ッ!? な、なにが言いたいんだ?」

 

「綾辻さん。自分だけ抱え込まないで、友達も巻き込めって話だよ」

 

「と、もだち………?」

 

「あぁ、まだたったの数日だけど、俺は綾辻さんを友達だと思ってる。なら、友達が困っているなら、友達が辛い思いをしているなら、同情の言葉じゃなく、綾辻さんの友達として、俺は────あんたに歩み寄って、全てを取り戻すっ」

 

「……………ッ」

 

 

込み上げてくる。ずっと一人だった。父が入院してから、ずっと一人で頑張っていた。だからこそ、この言葉に彼女は胸の奥から溢れてくるものがあった。卑怯だ。黒鉄君、君は卑怯だ。視界が涙で滲む。嬉しい感情が込み上げてくるが、今は抑える。そう、今は試合なのだ。だからこそ、

 

 

「…………行くよ黒鉄君」

 

「来い。どんな手でも使え、俺はソレすらも凌駕して自身の(最強)を示す」

 

 

瞬間、絢瀬は駆けた。『緋爪』を持ち『伐刀絶技』を放ちながら、接近する。しかし、相変わらずその攻撃が当たる事はなく一輝に避けられ続ける。

 

 

「…………はぁッ」

 

 

一輝に肉薄して、絢瀬は横一閃に振るう。それを飛び上がって躱した彼に、絢瀬は笑みを浮かべた。そこだ‼︎ 一輝が飛び上がった場所は、『風の爪痕』が密集している空間。特大のカマイタチを生み出す為に付けた幾重にも重ねられた刀傷がある所。そして、『伐刀絶技』を解き放った。幾重にも重なる刀傷が広がり、大きなカマイタチを作り出す。

 

 

一輝はまだ空中だ。取った、と確信した絢瀬は、しかしそこで一輝の口角が吊り上がっている事に気付いた。待っていたのは絢瀬だけではない。黒鉄一輝もまた、この瞬間を待っていた。彼の剣技はそのどれもが、凄まじい力を持つ。だが、そんな剣技を頑張って会得していった一輝でも、使う事が不可能な剣技が存在していた。ソレは属性を持つ剣技だ。例えば、刀身から炎を出したりする事は、一輝には出来ない。

 

 

何故なら一輝には、魔力が十分の一程度でしかなく、彼自身が持つ異能も属性など持つものではなかったからだ。だからこそ、一輝は彼等が使用する属性の剣技を諦めていた。しかし、しかしだ。絢瀬の『伐刀絶技』を見た彼は、もしかしたらあの技が再現出来るのではないかと思った。だから、待っていた。この時を。幾重にも放たれた『風の爪痕』が密集して出来上がったこの『風の傷』とも言うべきカマイタチの攻撃を。

 

 

『陰鉄』の刀身を魔力で纏う。魔力の足場を形成し、宙を飛ぶ。そして────

 

 

「…………お披露目と行こうか。『風の傷』ッ‼︎」

 

 

魔力を纏う刀身が密集したカマイタチに触れたその次の瞬間。纏わせた魔力を爆発させて、カマイタチの勢いが増し、放たれる方向が変換。風が三つの線となり、絢瀬目掛けて解き放たれた。

 

 

「─────ッ!?」

 

 

自身の『伐刀絶技』が、より強大になって返って来た事に絶句して、絢瀬の全身が呑み込まれ、そこでプツリと意識が暗転したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 





剣技紹介。

・風の傷
登場作品:犬夜叉
使用人(妖)物:犬夜叉、一応殺生丸
説明:妖気と妖気がぶつかり生まれた風の裂け目を斬る事で強力かつ広範囲の衝撃波を発生させる。使用人物である犬夜叉はソレを何時でも出せるようになった。黒鉄一輝の場合は、綾辻絢瀬の『伐刀絶技」を利用して、擬似的な『風の傷』を放った。



次回予告‼︎

「これが、オレの同時斬撃だッ‼︎」
「同時? いや、違うな。見せてやるよ、同時に放つ突きって奴をな」

次回、『神速の三突き』←仮のサブタイで変わるかもしれません。

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