灰と幻想のグリムガル Extra   作:キリュウ

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タイトルは、男の性(おとこのさが)です!

まぁ全年齢を目指してますんで!ww
これで許してつかあさい!ww



第六話 : 男の性

 

 

シホルとユメと買い物して帰ってきたその日の夜、事件は起きた。

 

「で、何か言うことは?」

「「「「すみませんでした。」」」」

 

俺とハルヒロ、マナトとモグゾーの4人は目の前で仁王立ちしている、ユメとその後ろに隠れるように立っているシホルの二人に土下座していた。なぜ俺たちが二人に土下座しているのか、これは俺たちが宿屋に戻ってきた時間に遡る。

 

 

 

 

俺とシホルとユメの3人がホテルに戻ってきたとき、ランタが風呂に入ると言って荷物片手に浴場に脚を運んでるいるところを俺たちは見かけた。

 

「おぉランタ、もう風呂入るのか。」

「あぁ、オレ様が一番風呂だ!いつでもオレがいっちば~ん」

 

そう言ってランタは走りながら風呂場にたったったと走っていく。

 

「ランタはいつでも元気だな、ホント。どうする、二人も荷物置いて入ってきたらどうだ?」

「う~ん、うちは別にそんな急がんくてもええかな~」

「う、うん。私もちょっと部屋でゆっくりしてから入る。」

「そかそか、それじゃ俺はこの荷物置いたらお先に風呂に入らせてもらうよ。」

 

俺は二人と荷物を普段使っている調理場に置いて、俺は部屋のある2階へ、二人は一階の部屋に移動。部屋に戻るとランタに続いてかモグゾー、ハルヒロ、そしてマナトが風呂に入る準備をしていた。

 

「あ、おかえり。」

 

部屋に戻って最初に俺に声をかけたのはマナトだった。

 

「うん?何してんだ?」

「いや、ランタが荷物めちゃくちゃにするから片付けてるんだよ。」

 

そう愚痴をこぼしながらハルヒロは散らかった道具や寝具を片付け、その横ではモグゾーがてきぱきと部屋の片づけをしている。

 

「なるほどな。さっき全速力で浴場に走っていたランタを見たよ。」

「あいつ、さっき俺が色々調べてきてやるから~とか意味わかんないこと叫びながら走っていったり、ホントあいつ意味不明すぎるよ」

 

日頃からパーティなの中でランタに弄られるポジションにいるハルヒロは俺たちパーティの中でも、ランタに対する不満は結構たまっているようだ。

 

「ランタだしな~、って受け止めてやれ。それともランタを俺たちのパーティから外すか?」

「そ、それは・・、別にそこまではいかないけどさ」

「そうか。なら今は適度な距離たもっとけ。それにランタもランタなりに考えて生きてるはずなんだからな。そこはわかってやれ。」

 

ハルヒロの表情は理解はしてるけど、納得できない、そんな表情だった。まだここグリムガルで目覚めてからそんなに日が立ってないとはいえ、俺たちのパーティーの雰囲気はまだまだ良くならない。というより日に日に悪くなっている。現リーダー的存在のマナトがある程度コントロールしているが、それでも上手くはいっていない。俺も時々諫めているが、正直そこまで積極的にパーティに関わっていない。

 

「まぁ片付けもこれくらいにして僕たちも風呂に入りに行こうよ。」

「そうだね、少し汗かいちゃったし。」

 

俺たちは風呂の用意をして、浴場へと脚を運んだ。

 

 

 

 

まぁ、もちろん先客がいたわけで、

 

「おいおい、おっせえ~ぞお前ら!お前らが来るのおっせえから俺が代わりに全部調べちまったじゃねぇか!」

「はいはい、何調べてたのかわかんないけど風呂場ではしゃぐなよ。」

 

ハルヒロたちと風呂場に入るとそこには一枚のタオルを頭に乗せながら、お湯に浸かっているランタがいた。どうやら今は俺たちだけの貸し切りらしくランタ以外には誰も浴場にはいなかった。俺たちは早速体を洗い、そのあと頭も洗ってから湯船に浸かる。俺たちが体などを洗っている間にランタは先に風呂から上がり部屋に戻り、そして俺たちも十分に体が温まったので体を軽く拭いてから風呂を出た。

風呂から部屋に戻った俺たちの目にとまったのは、もうすでに自分の寝場所で目をつぶっているランタだった。まぁもう特にすることもないので寝るという選択肢は間違いではないのだが、先ほど風呂場で楽しそうに風呂場から上がったわりに部屋では静かになったものだなと俺たち4人は思った。

 

「えっと~じゃあ俺たちも寝る?」

「そうだね、一応明日のことを少し話そうかと思ったんだけどランタも疲れたみたいだし、明日の朝にしようか。」

「了解。それじゃおやすみ。」

「う、うん。おやすみ。」

 

そう言って各自の寝床に移動して各々寝ようと横になったり、道具の確認をしたりした。そんな時間が30分ほど過ぎたころにランタが突然むくりと起きた。ハルヒロがランタにトイレでも行くの?と聞いたが、どうやらそうではないらしい。なぜか部屋の扉を背にして俺たちのほうを向きランタが言った。

 

「よし、んじゃお前ら。行くぞ。」

 

いきなりのランタのどこかに行く宣言に俺たちは4人は頭にクエスチョンマークが浮かんだ。

 

「い、行くってどこに?」

「はぁ?決まってんだろ!俺が何のために一番乗りで風呂入ってたと思ってんだよ!」

 

なぜだろう、こういったランタの突然の行動にモグゾーがどこに?と聞くのがもうパターン化してしまっている気がする。

 

「いや、知らないし。」

 

そしてハルヒロがツッコムのも常だ。

 

「いいかお前ら風呂ですることといったら一つしかないだろ!」

「あ~まさか覗きとか言わないよな?」

「それだよ、それ!それ以外に何があんだよ!」

「えっと~ランタ、本気?」

「当たり前だろ!俺はいつだって本気なんだよ!まぁお前らは怖くて行かないってんなら別に来なくてもいい、けど俺は行く!止めても無駄だ!」

 

そうランタは言い切ると風呂場に向かって走っていく。

 

「ちょ、だめだって、そんなこと!」

 

その走っていくランタをハルヒロがベッドから降りて追いかけていった。その場に残された俺とマナトとモグゾーの3人はどうする?といった感じで互いに目を合わせ、仕方ないということで俺たちもランタをハルヒロの後を追いかけた。こういうときのランタはえらくすばしっこいので俺たちが部屋を出たときにはもう姿は見えない。まぁ目的の場所はわかっているので風呂場に向かって俺たちは走った。そこには案の定ランタとハルヒロがいたのだがランタは身をかがめて、風呂場の出入り口の扉に耳を当てていた。

 

(っで、ハルヒロも何で止めてないんだ。)

(い、いや俺も止めたんだけど、そのランタの気迫に押されちゃってっていうかなんていうか。)

(はぁ~。)

(おいランタ、おまえばれたらかなりの問題だぞこれ。)

(知ったこっちゃねぇよ!俺は男だ。ここで逃げ出したら男じゃねぇだろ!)

(いやいや、これいくらなんでも人としてやっちゃだめなことでしょ!)

(我慢してんじゃねぇよ、ハルヒロ!お前だってホントは見たり聞いたりしたいんだろうが!もし本気でだめだって思ってんなら、もう最初に俺に追いついた時点で大声出すか、無理矢理俺を引っ張っていくこととかできたはずなんだからよ!)

 

ランタの言葉が図星だったのかハルヒロは何も言えず黙ってしまった。

 

(それにノゾムだってホントはシホルの身体に興味あったりすんじゃねぇのかよ!)

(まぁな)

((((えぇ!!マジで!?))))

 

おいおい聞いたランタお前も驚いてんのかよ。

 

(いや、俺もランタの言う通り人並みに異性に興味くらいあるに決まってるだろ?)

(ま、まぁ、そうだろうけど。なんていうか、あっさり認めちゃうんだ)

(それにノゾムって正直あんまりそう言ったことに興味ないのかと思ってたしね)

(ありありだな。)

 

確かに正直そこまで覗きがしたいわけじゃないが、こういったことを一緒にすることでうまれる親密性というのも悪くはないだろうと思ったのだった。

 

(おい、聞こえてきたぞ!)

 

俺たちは風呂場から聞こえてくる声に耳を澄ました。聞こえてくる声はシホルとユメのもので二人の話している内容は男子のいる前では到底しないであろう内容だった。シホルはまだ自分の身体を洗っているようで、肌をこする音も聞こえてき、ユメはもう洗い終えたのか湯船の波立音が聞こえてくる。それを何分くらい聞いていたのだろうか、俺たちは聞こえてくる二人の会話に満足し、そろそろ部屋に戻ろうと目線で合図しあった。けれど、ランタだけは上を見上げていて俺たちの目線に気付いていない。

 

(ランタ、そろそろ帰ろう。)

 

ハルヒロがランタの肩をたたいた。

 

(おまえらはいいのか?ここで諦めていいのか?後悔しねぇって言いきれるのか?)

 

俺たちが帰ろうとしている横でランタはただただ上を見上げていた。実はこの風呂、上の方に窓がついている。しかし、この窓はだいぶ上の方に位置しているので、窓から覗こうと思ったら誰かが下になってその上に登って見るといったテクニックが必要だ。俺たちの中で下になって意味があるのは身長の高い俺とモグゾーの二人だ。ランタが俺とモグゾーの目を見つめてくる。このランタの目はいつもおちゃらけてるランタの目ではなく、まだ見ぬ秘宝を求めて冒険する力強い冒険者のような目をしていた。ランタも恐らく、先ほど異性に興味があると言った俺だからやってくれると思ったのだろう。しかし、俺は頷けなかった。

 

待て、だめだ、だめだ。これはだめだ。

 

俺は自分の胸に静止の意思がよぎった。先ほどまで二人の声を聞いていた、そこまでは皆で楽しいだろうと思ってやった。だが、ランタが次にやろうとしていることを考えると俺はなぜか、やろうとは思えなかった。

 

なんだこの感じ。二人の身体を見たくない?いや、違うな。

 

俺は考えた。ランタはどうしたんだ!と俺のほうを見ている。ハルヒロたちもどうするんだ?といった表情で俺を見ている。

 

やるのか?やらないのか?

 

俺が心の中で葛藤していると、俺の横を移動してモグゾーが窓の下の位置で両手を壁に手をついた。それを見たランタは目から涙を流すだけでなく鼻水もたらしていた。モグゾーが僕が台になるよ、と覚悟したのを俺は横で見ていた。

 

だめだ。やっぱりだめだ。俺はやっぱり二人の裸を見せたくない!(・・・・・・・)

 

そう思って俺がランタを止めようとしたら、

 

「・・・ったくよぉ、泣かせんじゃねぇよ、おまえってやつは!」

 

ハルヒロが「おぃ・・・」と小さく呟いてすぐさま風呂とは反対方向に走り出した。そのランタの声はもちろん風呂場にも聞こえているわけで、

 

「なんでランタのこえがするん!?」とユメの叫び声が風呂場のほうから聞こえてくる。

 

「やっべ!」とランタも慌てて逃げだす。

「ち、違うぞ!オレじゃないからな!ノゾム!ノゾムだから!ノゾムがシホル見たいって言ったから!オレは何も見てねぇし、聞いてもねぇからな!」

「おいおい、そこまで言ってないだろ。はぁ~明日の朝ごはんが余計怖くなってきたっつうの」

 

俺はランタの言葉に特にもう何も焦ったりはしなかった。もう諦めていた。

 

「ランタのあんぽんたん!きもい!すけべ!変態!どっか行って帰ってくるなあぁぁ!!!」

 

ユメの叫び声を聞きながら俺たちは部屋まで全力疾走で戻っていった。シホル大丈夫かな?と、俺はシホルの叫び声が聞こえなかったことに部屋に返り着いてから思った。

 

 

 

 

 

そして案の定俺たちが朝起きたとき部屋の前には怒った表情で仁王立ちされているユメ様が立っておられた。

 

「みんな起こしてきて、そんで朝食の場所に集合。ええな?」

「はい。」

 

俺は部屋の皆を起こし、いそいそと下の階に降りて行った。そして俺たちは一先ずユメとシホルの二人に土下座して謝った。その時ランタだけが一人立ったまま、「別に見られたわけじゃねぇのにガタガタ騒ぐなよ」と開き直っていた。

 

「犯罪やん!お巡りさん呼んでくるレベルやん!」

「お巡りさんはここにはいねぇんだよ!ば~か!」

「ランタ、一先ずここは謝れ。お前の言うここで一言謝るのも男らしさなんじゃないか?」

「失敗してんのに謝る必要ねぇだろ!」

「ランタ」

 

俺は土下座していた頭を上げ座ったままランタの目を見た。

 

「俺たちがやったことに対して、やるべきことはやれ。でなければ本当にイタズラでは済まされないぞ。」

 

ランタは俺から一瞬目をそらしたが俺の目線がランタの目から離れないことに耐えられくなったのか、

 

「・・・っち、わかったよ。俺がわるうござんした~、・・・これでいいだろ。」

 

と、そう言った。

 

俺の横に座っていたハルヒロが「ランタが謝った。」とぽかんとした表情で小さく呟いていた。ランタの決して謝っているとは言いずらい発言にユメは納得いかないようで、ちゃんと心からシホルにも謝れと怒り、それにランタが謝ったじゃねぇか、と二人で言い合いが横で繰り広げられた。

 

そして俺は一人おろおろと俺たちのほうを伺っていたシホルに目を合わせた。シホルは俺と目が合うと、すっとすぐに目をそらし台所の奥のほうに隠れてしまった。予想以上にシホルにはこたえたようだ。

 

 

 

 

そして結局俺たちは気まずい雰囲気のまま朝食を食べることとなった。まぁ予想通り、シホルとユメが作ってくれた料理は昨日買った食材はどこに行った?と疑問にわくほど質素な朝食だった。だが、一応俺の所にだけ他の奴にないフルーツが切って置いてあったのは、せめてもの情けだったのだろう。そんなかんやで朝食を取り終えた俺たちは、今日から森ではなくダムローの旧市街地で狩りをすることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





読んでいただきありがとうございます!

よかったら温かい感想をくだされば嬉しい限りです。
それと適当に評価をつけてもらえば幸いです!
ホント皆さんからの感想は執筆の励みになりますw

え~今回は何というか風呂!!!でしたねw
前書きにも書きましたが全年齢目指してますから!(笑)
まぁもしかしたらいつかちゃんと書くかもしれません。

それでは!皆さん次話で会いましょう!

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