輝け!イチ・ニ・サンシャイン‼   作:N応P

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第30話 輝け!

「ルビィちゃんはもう少し早く」

「はい」

「善子ちゃんは――「ヨハネ!」、さらに気持ち急いで」

「招致。空間移動使います」

 暑い太陽が照らす屋上で果南姉の指導のもと、練習をするメンバーたち。

 俺はそんな姿を頭からタオルを被り応援していた。

 

「あつーい……」

 

 クソッ、なんだ暑さは。俺を丸焼けにする気か太陽!

「よし、休憩しよう」

 パンッと手を叩き果南姉から休憩の合図をもらうとその場に倒れ込むメンバー。

 倒れ込むが地面は太陽の熱で暑いが今の彼女たちはそんなの気にしない。

「暑いじゅらー」

「今日も真夏日だって」

「はい、水分補給を取る約束」

「それは曜にもだよ」

「うん、ありありだとう」

 ルビィさんとマルさんにペットボトルを渡す曜に俺がペットボトルを渡す。

「今日もあついねー」

「休まなくっていいのですの」

「果南はシャイニーな子ですから」

「いやいや、休みましょうよ三年生方」

 果南姉、ダイヤさん、鞠莉さんにもペットボトルを渡す。

「うー」

「だから黒いのはやめときなさいっと言ったでしょ」

 ダイヤさんに怒られながらも、

「黒は堕天使のアイディンティ」

 わけのわからない事を言う善子。

「はいはい、水飲みましょうね」

「ありがとう」

 善子にもペットボトルを渡す。

「それにしても夏だな」

「そうだね、夏って感じ」

「梨子ちゃん。今夏だよ」

「わかっているわよ!それより千歌ちゃんも水分取って」

「うん。私夏好きだな」

 ペットボトルごしに空を見る千歌は目を細め楽しそうな顔をした。

「よーし、練習再開しようか」

「ぶっぶー!」

 ダイヤさんが顔の前でバッテンを作ってみせる。

「オーバーワークは禁物ですわ」

「by果南」

「そっか、これから暑くなる時間帯か」

「頑張っても休む時間も必要ですわ」

「さすがお姉ちゃん」

 さすがダイヤさん。

「その前に皆百円だして」

「クククッ、本日のアルティメット・ナグナロク」

 善子がとうとう暑さで頭が……。

「はい、じゃーけん!」

 果南姉の号令ともに右手を上げる9人。

 

 

 

 

「なんで、いつも負けるのかしら」

 コンビニへ皆のぶんのアイスを買いに来た善子はレジの前で自分のチョキで首を傾げていた。

「それは、お前が堕天使だから」

「って、なんであなたまで来ているの!そして誰よ高いアイス買ったのは!」

「それ俺のだ」

「あんたかい!」

 俺は善子の買い出しついでに飲み物を買いに来たんだ。

 別に善子の心配で来たんじゃないからね!

 

 

 

 

 

「ずらー」

「ぴぎー」

「よはー」

 一年は扇風機の前で陣取り、後ろで梨子さんが凄い顔をしている。

「冷房欲しいよねー」

「そうだよねー」

「統合の話しが出ている学校にそんな予算でこからでるの」

「「ですよねー」」

 ようちかがアイスを吸いながら言う。

「そう言えば学校説明会の参加者はどうなっているの?」

「それはよっと」

 鞠莉さんが華麗に台を乗り越える。

 まあ、ダイヤさんには怒られるけど。

 図書室のパソコンを動かし確認する。今更だが、この人達図書室で飲食しているんだが。

 

「今のところ……ゼーロー」

 

「そんなに魅力ないのないかな」

 

 一瞬暗くなる空気。

 ガラガラとドアが開く。

「あれ千歌たち」

「むっちゃんたちこそ」

「私たちは本を返しに。千歌たちは今まで練習?」

「うん。もうそろそろだから」

「この暑さの中で」

「毎日だから慣れちゃった」

「千歌ー、練習始めるよ」

「わかった果南ちゃん。それじゃ」

「う、うん。頑張って」

 むっちゃんたちに見送られ屋上へ行く千歌。

 俺もまた炎天下の場所へ。

「ねえ、誠君」

「うん?」

「毎日練習しているの、千歌たち」

「ああ、この夏休み」

「夏休み毎日」

「まあ、時々休むけど」

「けど毎日でしょ」

「そうだね、毎日」

 三人からの質問に答え、なぜか唸る三人。

「そっかすごく輝いているね」

 そう言われて俺は笑みを浮かべて答える。

「ああ、一番輝ている」

 

 

 

 

 

 練習が終わり空は夕焼けに。

「お疲れ」

 俺は皆にタオルと水分を渡す。

「果南姉と鞠莉さんと善子はこれ」

「なんで私たちだけ」

「ジャンボタオル」

「なのよ、そしてヨハネ」

「だってこの後プールに飛び込むでしょ?」

「「「はい……」」」

 毎回練習終わりにプールに飛び込み濡れて帰る三人。今日は大きなタオルを持って来たからこれで拭いて帰ってもらう。

 

「いたいた、千歌ー!」

 

 遠くで千歌を呼ぶむっちゃんたち。

「あのね、千歌たちの姿をみてね」

「スクールアイドルって楽しいのかなって」

「私たちもスクールアイドルになれるのかな?一緒に学校を救えないのかな」

 むっちゃんたちの話しを聞くと他の生徒たちも何かしら思うことはあったようだ。統廃合に仕方なさを思う中、千歌たちの頑張りを見て自分たちに何かできることができるんではないかと思うことがあったようだ。

「だから学校を救ったり、キラキラ輝くことが私たちにも何かできんじゃなないかって」

「やろう!皆一緒に!」

 千歌の声ともに盛り上がる皆。

 

 

 

 

 舞台は名古屋。駅近くの噴水前で集合。

 そこに現れたのは学校の全生徒。

 しかし、

「ごめんなさい!」

 梨子の声。

「ステージに出れるのは事前ににエントリーしたチームだけ。それにステージに近づくことも禁止されているの。ごめんなさい。はやく言えばよかったのに」

 頭を下げる梨子。

「頭を上げて。俺もステージの近くで応援したかったけど客席で皆と応援するから頑張ってきてくれ、なあ」

 俺は全生徒に言う。

「うん。観客で応援する」

「宇宙一の応援をするよ」

「ありがとう、優勝してくるから」

「ああ、優勝してこい!」

 千歌に拳を向ける。

 千歌たちはステージに向かう。

 俺たちは観客席で彼女たちの輝きを応援しに別れる。

 

 

 

 

 Aqoursの番になりステージの上では学校のこと、町のこと、これまでの道のりを語る。

 歩み、悩み、もがき、楽しみ、泣き、止まっては歩き。立ち止まる。

 何度も訪れる『0』の数字。

 それでもあきらめない彼女たち。

 憧れに向かって。次へ。

 自分たちだけの物語(しんせかい)へと船を漕ぎだす。

 青い空の下で、輝くために。

 新しい景色掴むために。

 

 

「皆、一緒に輝こう!」

 

 

 千歌が手を伸ばす。

 俺も手を伸ばす。

 背中を押され振り返ると、千歌のお母さんがいた。

 俺は頷きステージ近くに走る。

 それに続くように全校生徒、客席にいた皆もステージ近くへ。もちろんしいたけも。

 これまで以上に綺麗に輝く彼女たち。

 俺は感動した、この場所に来れたことに。

 彼女たちを応援してきたことに。

 そして、この瞬間に。

 

 

 

 

 

 すべてはゼロから始まり、1つまた1つと歩んできた。

 それはやがて9になり、彼女たちの物語ができた。

 そして1に0を付け、10になる。

 俺と彼女たちによる新しい物語が始まる。

 

 




ラブライブサンシャイン!一期完。

お待たせしました。
この物語を書き始め全30話(全42話)。約2年。何と書くことができまいした。
さて、後書きに何を書けばいいのか毎回悩みますねー。うん。
この物語は皆さんが知っているようにラブライブサンシャイン!は一期に続き二期へと続きます。さらに言うなら、金岡 恵と前回の後書きに現れた飛龍 彩たちの物語もありますの楽しみにしていてください!
輝け!イチ・ニ・サンシャイン!!二期はさらに盛り上げる予定ですので今回はここで、ではまた次回お会いしましょう。

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