やっとApoursの登場です。
好きなメンバーはいますか?
ここで、見つけてみてください。
もしいたら、少し違うかもしれません。すみません。
とりあえず、第2話を楽しんでいただけるとうれしいです。
目の前にやってきた幼なじみはあーだ、こーだと言っては俺の体を揺らす。
「落ち着きなさい、高海さん」
ダイヤさんがこのバカの制止をする。
「やるなら、この坂を転がしなさい」
そうそう。坂に転がす。
「って、なんでだよ!」
手を振りほどき解放される。
「なんで、坂を転がされなければならないんだ!」
「あなたみたいな野蛮な人を女子高に近づけるわけにはいかないでしょ」
野蛮な人って。俺なんかしましたけって?
「なんか、仲良しだね。まー君とダイヤさん」
「そうか?」「そうかしら?」
二人ともこの幼なじみが言ってることに首をかしげる。
「うん!だってあの人を寄せ付けないダイヤさんが初対面のまー君とこんなに話してるもん!」
「高海さんそれはどういうことかしら?」
「え、それはー」
目を泳がすバカチカこと、
小さい頃からの仲がいい幼なじみの一人。いつも元気よくこちらも元気にしてくれるところはいつも感心する。
けれど、相変わらずバカで元気だな。よかった。
「おーい、千歌」「勝手に行くな」
後ろのほうから声とともにやってくる。
「おーい、2人とも。早くはやく」
千歌の隣に来た、2人は俺の顔をみて、
「え、誠!」「だれ?」
驚いた顔をみせる。
「あ、久しぶり。果南姉」
久しぶりの再会だ。
果南姉こと松浦果南は千歌より一つ歳が上のため俺は親しみを込め
「どうして誠がここにいるの?」
果南姉は顔を近づけ圧迫される。
「あ、あれー、しなかったっけ?」
「してない!」
とぼけても無駄だった。
「千歌に呼ばれて、来たんだよ。それで要件はなんだよ」
「あ、そうそう。とにかく紹介したい人たちがいるんだ!」
千歌に手を引かれ校内に足を踏み入る。
「そういうことなら!」「面白そう!」
果南姉ともう一人の子も背中を押す。
「ちょ、おいーー!」
俺の抵抗はむなしく空に響くだけだった。
腕を引っ張られ、背中を押されて空き教室に連行された。
そこには、5人の女の子たちがいた。
「紹介するね!スクールアイドル
千歌の紹介に困惑する俺と彼女たち。
「もう少し詳しく説明をしてくれないか」
「あ、そうだね。話しが長くなるけど――」
本当に長かったため、いやどうでもいい話しが多かったため割愛。
要約すると、浦の星女学院は廃校が確実に確定したようだ。それを阻止すため千歌は今話題のスクールアイドルを立ち上げた。まあ、千歌の
メンバーは、千歌と果南姉とさっき会った、
「紹介が遅れたね。
最後に敬礼を決める。千歌に近い雰囲気をかもしだしている。けど、千歌とはちがい賢さもある。
「ぜ、ぜん何とかはわからないけど、よろしく」
次は、まさかの外人さんなのか金髪の、
「あ、私は
河南姉と同じ三年のようだ、少し間抜けさをかもしだしている。
「あ、日本語OKなんだ」
次は、背が低い二人組。
「オラ……、マルは
茶色の髪の毛で小さく震える彼女と、
「わ、私……く、黒沢ルビィ……よろしく、お、お願いします」
小動物のように目をうるうるさせる少女。
「おびえないで、悪いようにしないから」
この言い方は危ないな。次に行こう。
「そして、このヨハネこと
なんていいますか、キャラが強い子であります。
「あれ、ヨハネ?聞いたことあるぞ……」
それも、かなり昔に。頭を回転させながら、次に。
「
大人びた少女は、千歌と渡辺さんと同じ二年せだと感じさせない。
「そうなんだ、俺と一緒だな、転校生」
「そして、あと一人――あれ?」
千歌があたりをきょろきょろと頭を振る。
「ダイヤさんは、どこ?」
「これは、あれだ」
「置いてきちゃったね」
果南姉と渡辺さんがため息をつく。
そして、数分後……
遅れてやってきたダイヤさん。
どうやら、ダイヤさんもApoursのメンバーの一人であったようだ。
それから、俺も挨拶をすませた。
「総勢9人のスクールアイドル。どう、すごくない!」
きらきらの瞳の千歌は犬に見え、頭をなでる。
「すごいすごい、それで俺を呼んだ理由を聞こうか」
「あ、忘れていた。ごめんごめん」
俺、お前のために学校休んで来たんだぞ!
「まー君には、このApoursのプロデューサーになってもらおうと思って」
「「「「「「「「「はぁーーーーーーーー!!!!!!!!!」」」」」」」」
教室に千歌を除いた9人の声が響く。
「お前、またなんで勝手に」
「そうだ、なんで勝手に」
「千歌らしいと言えば千歌らしいけど」
「千歌ちゃんには時々あるからね」
「それでも今回はいくらんんでも急ね」
「そうよ、ヨハネは聞いてないわよ」
「お、男の人が――」
「ルビィちゃん。しっかりして」
「高海さん、認められないわ」
俺、果南姉、渡辺さん、桜内さん、小原さん、津島さん、ルビィさん、国木田さん、ダイヤさんが口々に言う。
「いい考えだと思うのに。まー君のなにが問題なの?」
「彼に問題は……いくつかあるけれど」
え、あるの問題!
「男子が女子高にいるのが問題なの」
「大丈夫、まー君はそんなそこらの男子と一緒じゃないから」
「そういう問題では――」
「なんなら、一か月、まー君を試したらどうかな?」
「試す?彼を」
「そう。一か月まー君をこの学校に来てもらって、Apoursのサポートしてもらうの」
「サポートって、例えば?」
「えーと、水分準備とか」
「御菓子を準備してもらう」
「お、いいね。なら、私はみかんがいいな」
おい!それただのパシリだろ!小原さんも混ざらない!
「それに、生徒会の手伝いする条件で」
「なるほど……、女子高のこの学校に男性の力仕事も必要ね」
いや、ダイヤさん。それって俺だけが疲れますよね?俺だけがあの坂を上るのですよ?
「とりあえず、一か月は……様子見ね」
「やった!」
喜ぶ千歌と何故か頬笑むダイヤさん。
俺はその場で力なく座り込む。
「大丈夫ですか?」
「うん……ありがとう」
桜内さんに助けてもらった。
「……やっぱり」
「え、なんか言った」
「あ、いえ。なんか大変になりましたね」
「まぁ、千歌の強引さは慣れたから」
いやな慣れを覚えてしまった。
「私と一緒ですね」
笑う桜内さん。
「私も千歌ちゃんの強引さでスクールアイドルを始めたから」
「そうなんだ。後悔してる?」
「いえ、後悔なんて。逆に感謝です」
桜内さんの目は笑う千歌を見る。
「それは、わかるよ」
立ち上り俺も、千歌を見る。
「千歌と関わって後悔したことはない」
「はい」
二人に映るのは俺たちをいつも引っ張ってくれる、存在。
「とりあえず、こらから一か月よろしくね」
「こちらこそ、一か月よろしくお願いいたします」
どうでしょうか?
好きなメンバーを見つけられましたか?
自分はヨハネが好きです。
こらから、自分と誠をよろしくお願いいたします。
それでは、第3話でお会いしましょう。