捨てられた艦娘拾ってたら鎮守府並みになってた 作:杉山杉崎杉田
「おーい、克己」
学校、北本の所に友達がやってきた。
「おう、和明か」
「今日暇か?」
「ああ、バイトない。ついでに妹がバイトだから、今日ほど暇な日はない」
「じゃあ、久々にスマブラやんねーか?確かお前ん家あったよな?」
「ああ。DXでいいなら」
「バッカお前むしろDXだからおもしれぇんだろ」
「まぁな」
「あ、それ俺も行っていいか?」
前の席の正樹が言った。
「いいよ。なんなら二人とも泊まっていく?」
「おお、いいね!」
「じゃ、今のうちに夜食買っとくか」
「あの凶暴な妹ちゃんは?」
「確か上がりが23時」
「全然OKじゃん」
スマブラ大会開催決定だ。
*
そんなわけで、放課後。さらにもうひとり追加でスマブラ大会中だ。
「氏ねぇ!アホたれ!」
「はいドーン!」
「カミナリ。からのカミナリ、からの?」
「カミナリだろ!」
「いや、まぁそうなんだけど」
「カミナリって連呼されるとカミソリに聞こえんな」
「どうでもよくね?」
「カミソリと言えば、この前俺の親父がさぁ……」
こいつらスマブラ大会に夢中なので今のうちにキャラ紹介。
北本克己、カップ麺にうるさい、変態
長谷川和明、ロボットアニメが好き、変態
吉村正樹、成績不良者、変態
飯塚隼人(三人目)、器用、変態
要するに、変態しかいない。
「なぁ、次のバトルなんか賭けようぜ。負けた奴が罰ゲーム」
隼人が提案した。
「罰ゲーム?」
「じゃあ、妹ちゃんのパンツを一枚被る」
「「「OK!」」」
和明の考えた罰に全員が頷いた。で、戦闘開始。結果、
『フィフィーイィッ‼︎』
『うあああああ〜………ッ!』
『キラーん』
ルイージがマルスをブッ飛ばした。
「はい、克己の負けー!」
「うおっほぉああああッッ‼︎」
両手で頭を押さえて悶絶する北本。
「よし、後の勝負はどうでもいいなー」
「テキトーに流すかー」
「お前ら現実で殺してやろうか」
正樹と隼人の台詞に軽くキレる北本。
「つーかキャラ選択に戻るかー」
「ああ。気合い入らんし」
「殺してやろうか!だったらルール変えようぜ!」
「そうだな。ターゲットを壊せワーストの奴でいいんじゃね?」
「よし、じゃあ今の罰ゲームはなかったことに……」
「「「ならねぇよ」」」
「何その満場一致は⁉︎」
で、パンツ被った。その瞬間、和明、正樹、隼人がドン引きしたように言った。
「うわあ……」
「妹のパンツ被る兄って……」
「実際見ると引くな……」
「殺してやろうか貴様ら!」
「お前殺すって言い過ぎだろ」
と、まぁこんな具合でスマブラを続けた結果、リビングにはいつの間にか五十鈴の部屋になっていた。
「次はどうするよ?」
「っと、そろそろ良い時間だし、晩飯食いに行こうぜ」
「どうせなら、それも負けた奴にしない?」
「流石にこの人数一人奢りはキツイからチームにしようぜ」
「ならもう一回乱闘して負けたチームにするか」
と、最高潮の盛り上がりに達した時だ。
………ガチャッと鍵を開ける音がした。瞬間、四人はルパンのように早く動いた。五十鈴の服や下着をソファーの裏に隠したりと大騒ぎした結果、三秒で元のリビングに戻った。
「ただいまー……って、あら?皆さん来てたんですか?」
「「「お邪魔してます」」」
紳士の顔になった。
「お兄ちゃん、私ご飯はコンビニの廃棄食べてきたからいらない。もうシャワー浴びて寝るね」
「おーっす。風呂沸いてるからな。おやすみー」
五十鈴は気だるそうに自室に向かった。それを見て、四人は「ふぅ……」と息を吐いた。
「おい、帰ってきたってことはもう23時過ぎてるってことだろ?」
「ファミレスはもうやってねぇぞ。先にコンビニに買いに行こうぜ」
「金は後払いな」
「そだな」
四人はマンションを出た。
*
帰って来た。
「うしっ、じゃあ再戦するか」
と、和明が言った時だ。玄関の前に五十鈴が立っていた。心なしか、髪の毛が逆立って見える。
「す、すずー……?」
すず、というのは鈴乃という五十鈴の偽名だ。
「ねぇ、私の部屋がほとんど殺風景になってるんだけど……どういう事なわけ?」
「「「「………あっ」」」」
「……全員、歯を食い縛りなさいッ」
ボコボコにされた。
今回はとりあえずこれから出る艦これ以外のキャラを出しただけです