銀色の契約者   作:飛翔するシカバネ

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六将 友人が喧嘩やめるそうです

男鹿に屋上に呼び出されて行ってみると男鹿の他にヒルダさんとアランドロンがいた。

 

男鹿の右手をみると『蝿王紋(ゼブルスペル)』が描かれていた。

ようやく男鹿にも正式な契約の証が出たな。

 

ヒルダさんが説明しているが俺は知っているので聞き流す。

話が終わり、俺は質問する。

 

「あのー今更なんですけど、なんで魔王って親が必要なんですか?」

 

三人全員が俺の方を見る。

ここで、俺が突っ込まないと男鹿は気づかないからな。

 

「だって大魔王の命令で人間を滅ぼしに来たんでしょ?なのに人間を親にするって変じゃないすか。親代わりっていえばヒルダさんがいるんだからそれで、十分なんじゃ…」

 

(たしかに…っ!!)

おや、男鹿のテレパシーが聞こえたぞ。

本当にランダムだな、これ。

 

「触媒なんですよ。つまり魔王の親というのは」

 

アランドロンがしゃべりだす。

 

「まだ、幼すぎる坊っちゃまが人間界で魔力を発揮するには触媒となる人間の助けが必要となるのです。どれ程、巨大な電力があってもそれを通す丈夫な電線が無ければ意味が無いでしょう…それと同じです」

 

この頃はまだ、説明キャラみたいな感じだったのになんで後々あーなっちゃったのかな。

 

「そう。そしてその電線の伝導率が上がれば上がるほど坊っちゃまは巨大な力を引き出せる。貴様の拳の刻印はそのパラメーターだ。坊っちゃまと同調すればする程複雑に増えていくだろう」

 

男鹿の顔が呆然としている。

大丈夫か?

話ついてきてるか?

 

「つまり、貴様が周りの人間をぼろ雑巾の様に扱えば扱うほど……【真の魔王】に…っ!!!!」

 

男鹿が自分の手の甲を見ながら驚く。

そりゃなるわ。

 

 

 

 

 

-放課後-

 

俺は海釣りを楽しんでいる。

 

男鹿は海を見ながら決心していた。

もう、2度と喧嘩をしないと…

 

「人もなぐらねえ、土下座もさせねえ。スーパーいい人と呼ばれるようになろう」

 

男鹿よ、決心はいいことだが人を殴らないのも土下座をさせないのも普通の人だぞ。

いや、普通の人も偶に殴るか。

本当にこれから2度と殴らないならスーパーいい人なのかも知れない。

 

その決心を試すかのように不良が絡んできた。

 

男鹿は喧嘩せずに逃げ出した。

不良の仲間が逃げ道を塞ぐが男鹿は海に飛び込み泳いで逃げた。

 

不良がオドオドしている。

大人しく諦めるか、泳いで追いかければいいのに。

 

「ラッキー」

 

しかし、俺を発見して呟く。

こーなるよね、そりゃ。

 

「お前いつも男鹿とつるんでるよな?あいつのヨメのケータイの番号知ってるか?」

 

「あの人携帯持ってないっすよ」

 

なんで、不良ってこんなに顔近づけて喋るんだろう。

 

「持ってねーわけねーだろ。このご時世によー」

 

会話がアホだな、こいつら。

 

「あの、暴力とかなしにしません?見てのとーり俺、喧嘩弱いんで」

 

ブンっ!!

 

危なっ!

 

「すかしてんじゃねーぞ、腰ぎんちゃくがっ!」

 

普通に避けられるけど、力を殴る本人に返さないように受け流すのは苦手なんだよな。

 

「何をしている?男鹿と坊っちゃまはどーした?」

 

「ヒルダさん!…」

 

ヒルダさんに声を掛けたら後頭部に一撃食らった。

障壁を貼ったから食らった訳ではないが、食らった様に見えるからこのまま倒れよう。

 

よし。

ここでエメラ、精神沈静化を掛けてくれ。

そして気絶した提にする。

 

『アイアイサー(๑و•̀Δ•́)و』

 

そして意識が遠のいていった。

 

 

目が覚めるとどこかの廃ビルにいた。

横にはヒルダさんが転がっていた。

意識は無いようだ。

 

エメラ、他の3人に連絡した?

 

『してません。した方が良かったですか(・w・)』

 

しない方が正解。

あんまり大事にしたくないからな。

来たら絶対気づくし。

 

目の前では1話限りのモブみたいのが喋っている。

喋りながら近づいてくるが手に持っている銃が欲しいと思ってしまって全然話が耳に入ってこない。

 

俺の横には見事なリーゼントをした男がヒルダさんの髪を引っ張って顔を確認していた。

 

『見事な頭ですね(-´∀`-)この人』

 

この男は姫川。

石矢魔、東邦神姫のひとりで財力あり、知力あり、人脈ありと知り合っていたら将来が明るくなりそうな将来性のある男だ。

性格以外はな。

 

姫川が銃を持っていた男を蹴り飛ばす。

そして追い打ちをかけるようにモブを踏み付ける。

そして知ったがモブの名前は鈴木のようだ。

ザ・モブのようの名前だな。

アシッド鈴木ってwww

 

「フン。なかなか見所のある奴ではないか」

 

「気がついたんですね」

 

「あぁ…だが、何か強い薬を嗅がされたらしい。体の自由がきかん」

 

「悪魔にも薬とか効くんすね」

 

「まぁ、ものにもよるがな…相性が悪ければ死ぬ事も………」

 

「さてと、男鹿くんを呼び出してーんだが…」

 

「その事だけどヒルダさん、ケータイ持ってないっすよ。代わりに俺持ってるんで貸しましょうか?」

 

「ケータイ?なんだそれは?連絡手段のひとつか?」

 

「その口ぶり、持ってないみたいだね。じゃあそこの1年貸してもらおうか」

 

「1回千円です」

 

「………ポケットにケータイ入ってるだろ。取り上げろ」

 

モブが俺のポケットからケータイを取り出す。

 

チクショウ、後で無断使用で10倍の一万円財布から抜き取ってやろーか。

 

 

 

おせーな。

ここら辺よく覚えてないけど、何か準備してたような。

まあ、気長に待つか。

来なかったらこいつらボコって帰るだけだし。

 

「姫川さん!人影です!!誰か入ってきました!!」

 

お!ようやくか。

 

「なんだ、このおっさん。いよーに弱かったな」

 

次元転送悪魔、アランドロンだった。

 

「使えん奴…」

 

「ククッ残念だったな。タイムリミットだ」

 

 

そうだったそうだった。

アランドロンは次元転送悪魔の中でも下の方で戦闘はからっきしだったな。

 

さて、ご登場だ。

 

ピシッ

 

アランドロンが真ん中にから割れていく。

 

「ーったく、てめーら…世話やかしてんじゃねーぞ」

 

中から男鹿が飛び出てくる

そしてその勢いのままモブを殴り飛ばす。

 

「おまたせ♡」

 

ホント遅いわ。

ギリギリで登場するなんて主人公みたいだな。

 

「喧嘩、しねーんじゃ無かったのかよ」

 

「喧嘩じゃねーよ。今からすんのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王の処刑だ」

 

 

 

 

 

 


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