銀色の契約者   作:飛翔するシカバネ

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第六十六将 茄子喰い

 

ドクンッ

 

 

ドクンッ

 

 

ドクンッ

 

 

心臓の鼓動を感じる。

 

熱く光り輝く証。

 

 

今の今まで立つのがやっとだった。

 

しかし、力が溢れてくる。

 

「男鹿……またてめーの訳分かんねーやつか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「知らん」

 

「まじでか」

 

 

 

「説明してやろう」

 

男鹿が蹴破ったことでアランドロンが入れるようになり、ヒルダさんがいつの間にか部屋の中にいた。

 

「それは【王臣紋(おうしんもん)】。命尽きるまで王に従う事を誓った者にのみ与えられる戦士の称号だ」

 

「命尽きるまで?」

 

「王に従う……?」

 

「ははーん。ワシのために死ぬが良いでおじゃる丸」

 

男鹿がニヤニヤしだす。

心做しか鼻が伸びているように見える。

 

「あ”っ?誰が王だこら。分かりやすく調子のってんな!」

 

 

「ひとつ教えてやる」

 

額に4の数字を光らせ、巨漢が近づく。

 

「そいつは与えられただけじゃなんの意味もねぇ。血の滲むような鍛錬があって初めてつか…」

 

一瞬巨体が浮くほどの一撃を神崎は放った。

 

「クク…それが……ど」

 

虚勢を張ろうとしたが前のめりに倒れ込む。

 

「あん?なんか言った?」

 

ピクピクとするだけでもう動かない。

 

「勘違いするなよ、男鹿。テメーの部下になったつもりはねぇ。だがまぁ、雑魚は任せな。奈須はてめーにくれてやらぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後神崎先輩が奈須の王臣全てを、男鹿が奈須を倒した。

 

男鹿は暗黒武闘を使い倒した訳だが、融合を解除すると男鹿とベル坊はまた入れ替わっていた。

 

「逃がすかっ!」

 

俺は男鹿(ベル坊in)を押さえつける。

 

「流石ベル坊!こんな俺でも男鹿を押さえつけられる!今なら男鹿はくそ雑魚だ!」

 

「殺すぞ!いや、ナイスだ!古市!!」

 

「なにがどーなってんの?」

 

「とりあえず男鹿!家に行くぞ!このまま学校にいたら何時やられるか分かりゃしねぇ!」

 

「ようし!神崎俺を縛れ!」

 

「説明しやがれ!」

 

「説明のためにも疲れている今はあとです!!まずは安全な場所へ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪魔とか頭おかしーんじゃねーの?」

 

「だろうな…」

 

俺の家に移動し、事情を洗いざらい話た。

王臣紋が出た以上、悪魔の話にも知っていなければならない。

 

というかなぜ男鹿の家ではないんだ?

俺は男鹿の家って言ったはずだが。

 

「アランドロン。とりあえずワープすれば分かるだろう」

 

「分かりました」

 

神崎先輩の前でおっさんが開き始める。

 

「うおっ!」

 

その言葉を残してどこかへ行った。

 

そして数分後神崎先輩は帰って来た。

 

男鹿はうちのお茶請けを食い尽くした。

(因みに家に着くぐらいで入れ替わりは元に戻りました。)

 

「分かった……男鹿のよく分からねぇ力もそれが理由か……もしかして俺が負けたのもそれが理由……」

 

「その時はなんもしてないので素ですね」

 

「そうか……」

 

 

神崎先輩は疲れた目をしていた…

 

 

 

 

 

 

俺は不意に窓の外を眺める。

 

 

あっちはちゃんと出来たかな……

 

あの人ツンデレだからな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何を言っているの?」

 

 

 

周りに特攻服を着た女性達に囲まれた邦枝葵は目の前にいる女性に話しかけた。

 

「何って…言葉の通り」

 

周りの女性を従え、邦枝葵の目の前に立つ女性。

 

 

烈怒帝瑠元2代目総長にして魔女学(ヘッド)タバコ、鳳城林檎。

 

彼女は邦枝葵を前にしてこう言った。

 

 

 

 

「アタシは烈怒帝瑠を辞める」

 

 

 


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