朝、学校に行くと下駄箱で男鹿と邦枝先輩が話していた。
次の日曜日にあるごはんくんショーに一緒に行こうと誘っている。
哀場に会ったことで少しは積極性が出たということか。
しかし、男鹿の朴念仁具合にはその程度の押しでは足りないぞ。
しょうがない、手助けするか。
「アホか」
後から頭にチョップを入れる。
「いてーな。いや、あんま痛くねーや。悲しいな古市」
「そりゃ、痛くしてねーからな。というか俺の攻撃力はいいんだよ。ベル坊も目を輝かせてんだから行ってやれよ」
「でも、あんま金ねーし」
「それくらい出してやれよ。というか石矢魔ランドとか俺たちもガキの頃いったじゃねーか。ベル坊にも見せてやれよ」
「しょうがねーな。邦枝、どうすりゃいいんだ?」
「じゃ、俺先教室行ってるから」
邦枝先輩に向き直る男鹿。
そんな邦枝先輩の横を通る俺は通り過ぎる瞬間にボソッと口にする。
「後は頑張ってくださいね」
アシストはこれくらいにしよう。
俺は次の日曜はやることあるし。
邦枝先輩の恥ずかしい姿は少し気になるがゲフンゲフン!
そういえば焔王がごはんくんショーに行くって言ってたから護衛の誰かに写真撮ってきてもらうか。
いいゆすりのネタにゲフンゲフン!!
いい交渉素材にゲフンゲフン!!!
今日は咳が酷いな。
こんな日は早目に帰るのが吉かな。
そこから1週間古市は学校を休んだ。
「くそぅ、古市のやつがいればツッコミしなくて済んだってのに…」
ごはんくんショーを終え、俺は大魔王のおつかいのためにサンサンお日様学校とかいう所に来ていた。
金足りねぇから入れなかった。
銃を突きつけられたが俺なら行けると思ったが、どこかから古市の声がしたような気がして止めた。
その後、大蔵省(姫川のヤロー)に頼んで学校に入った。
そのために舎弟なったが、なんで俺がこんな目に合わなきゃらならねぇ。
もう、帰ろうか。
「とか、1度やろうとしたことを投げだすような事はするなよ、ベル坊」
ヒルダに首元に剣を添えられ、瞬時にベル坊へ教えるように誤魔化した。
くそっ、なんで思ったことがバレたんだ。
「全部モノローグで語っておるからだ、バカモノ」
「たくっ……早く終わらせんぞ」
その後知らねえやつボコボコにしたり、
小便垂らす悪魔をボコボコにしたり、
絵を運んだり、ヒルダがボコボコにしたり、
して、帰った。
「なんでそれで家にいんの?」
「風邪だって聞いたからな。見舞いに来た」
「見舞いに来たやつが人の家で菓子勝手に食ったり、ゲーム漁ったりはしねーよ。山賊かてめー」
「元気そうじゃねーか。そういや、んまい棒貰い忘れたなー」
「そんな糞虫な貴様に朗報だ。大魔王様から褒美が届いたぞ」
ヒルダさんが窓を開けて入ってくる。
というかまた土足……
日本文化学んだんじゃ無いんすかね。
「おお!まだそれがあったか!!………なんだこれ?」
「………ティッシュだ」
「古市、風邪だろ。見舞いにそれやるよ」
「完全にいらなくなっただけじゃねーか。残念賞か!!」
「たく、一応貰っとくわ。あと風邪移さねーように帰れお前ら。メロンパンやるから」
「じゃーな、古市」
「早っ」
男鹿達は颯爽と帰って行った。
俺はふと、手元にあるティッシュを見る。
これが原作で
これ以上のモノを手に入れている今としては無用な物だが…………一応解析しておくか。
「頼んだ」
『畏まりました』
明日には学校に行く。
その時に返せればいいだろう。
本当にあんなもの俺にはいらない。
あんなもので俺は離反する気もない。
それに今じゃない。
もうすぐだが、まだだ。