銀色の契約者   作:飛翔するシカバネ

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第五十五将 帰ってきました

 

 

「沖縄……何だかんだで楽しかったな」

 

「男鹿は喧嘩してたしな」

 

沖縄旅行を終え、俺たち石矢魔組は全員帰宅した。

 

 

特に何か起こる訳でもない、普通の旅行だった。

 

違うことといえばあんな忘れられてるモブキャラ扱いは無かったくらいか。

ちゃんと集合写真も烈怒帝瑠の横の隙間に映りこんだし。

 

「というか何で家に来てんだ?」

 

「荷物は送ったからな。お土産を渡しとこうと思ってな」

 

居間まで入れてもらう。

 

帰って早速男鹿の鞄を漁る、美咲さん。

そしてソファーに座り、頬を膨らませているラミアがいた。

 

男鹿の両親は不在のようだ。

 

 

「おかえりなさい。どーでしたか?りょこーは!?」

 

「うむ、新しい臣下が出来たりと中々有意義であったぞ」

 

「よかったですね!」

 

ラミアが膨れていることには一切気にせず、会話しているな。

ラミアは置いてけぼりを食らっていじけているのに。

この分だとヒルダさんはお土産を買っていないのだろう。

 

「美咲さん、こちらお土産の紅芋タルトです。定番ですが、御家族でどうぞ」

 

「さっすがーたかちん。気が利いてるね」

 

「そうだ。お願い聞いて欲しいんですけど…」

 

「そういえば約束してたねーなんでもいいよー。お姉さんにドンっと任せなさい」

 

「あの………なんですけど…」

 

「あーいいよそれくらい。お土産の分もあるから釣り合わないかな?また、何かあったら言いなさい。お姉さんが叶えてあげよう」

 

「ありがとうございます」

 

 

美咲さんに礼を言うと、後ろでラミアが騒いでいた。

 

「お土産ないのー!?バッカじゃないの!!この甲斐性なしー!うえーん」

 

やはり、ヒルダさん買い忘れていたか。

そして当然のように男鹿も。

 

「しょうがねーだろ。金ねーんだから」

 

「すまない、ラミア忘れていた」

 

「うわ〜ん」

 

やれやれ。

 

ラミアの後ろから首にペンダントをつける。

 

「ほい」

 

「これ」

 

ペンダントには琉球ガラスがついている。

 

「沖縄土産だ。ちゅら玉って言うんだと。見かけて綺麗だっから買ってきた」

 

ラミアはこちらに向き直る。

 

「やっぱりラミアに似合う。綺麗だよ」

 

「きっ!……バッカじゃないの!!」

 

「あり?食べ物とかの方がよかったか?」

 

「〜〜〜っん!!……まあ、いいわ。許してあげる。次はもっといいの買ってきなさいよ!」

 

「へいへい。じゃ、男鹿。俺帰るわ」

 

「じゃーな。もぐもぐ」

 

「そのタルトはお前のために買ったわけじゃないんだけどな……まあ、いいや。また、学校でな」

 

 

 

 

 

 

家に帰宅すると、家の前でほのかが待っていた。

 

「遅い!」

 

「男鹿の家によってたからな。一気に行った方が効率がいい」

 

「お土産ちょーだい!」

 

「はいはい。家に入ってからな」

 

「何買ってきたの?」

 

「ちゅら玉っていうやつ。イヤリングなんだけど…」

 

 

 

 

 

 




おやおや(´-`)

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