銀色の契約者   作:飛翔するシカバネ

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三十一将 友人と先輩と退学交渉

朝学校に来ると退学処分が下されたことが書いて合った。

 

そして現在生徒指導室に退学組全員呼び出されている。

 

 

「もちろん内の生徒にも非があった。しかし君たちは厳重注意を受けた上での過失だ。何か言い分はあるかね」

 

 

「無いので帰っていいですか?」

 

現状、覆ることないので早く教室に帰りたいです。

 

 

 

 

「古市くん!?何諦めてるの!?すみませんが彼は本当に無関係です!」

 

邦枝先輩!

俺は正当防衛に見られなくも無いけど、割とがっつり関わってます。

主に俺が覚えてない方向で!

 

「そもそもの責任は全て皆を止められなかった私にあります。私が退学になるのは仕方の無いことですがここにいる者はせめて聖石矢魔の方々と同じ処分であるべきです」

 

「なるほど……ちなみに城山くんに怪我をさせたと思われる生徒にはそれぞれ2週間の停学処分となっている。部長連に関しては特に処罰はない」

 

この言葉に黙っていた他の男達が反応する。

さすがになんの処分も無いとは許せる話ではないのだろう。

 

「残念だが彼らと君らでは立場が違う。彼らは校内の秩序を守るために多少の制裁行為を認められている。今回もその範疇だ。今回の行動は彼らに落ち度はないよ」

 

退学組が反発する。

納得出来る訳が無い。

ノーガードでこちらは一切攻撃してはいけないと言われている様なものだ。

 

「話が良くわかんねーだけどよ」

 

ここで男鹿が口を開く。

 

「俺、あのチビぶっ飛ばしに行きたいんだけど。もう、いいか?」

 

それに同調するように東条先輩もメガネと喧嘩したいと言い出している。

 

邦枝先輩が男鹿の肩を掴んでグラグラと揺らしている。

 

「いや、案外そいつらの言う通りだぜ」

 

ここで姫川先輩も話に入ってくる。

 

「どーせ退学になるんだ。だったら奴らと決着つけてからってのも悪くねぇ」

 

そういうと指導室から出ようとする。

他の奴もついて行こうとする。

 

「待ちなさい。……やれやれ。確かにこのままではまた騒ぎを起こされかねない。ではこうしよう。一ヶ月後、本校で行われる学園祭。そこで君たち7人対部長連で決着の場を設けよう。ただし喧嘩ではなくスポーツでだ。学生らしくね」

 

ここで教師側が譲歩案を出してきた。

これが姫川先輩の思惑通りなら気持ちがいいのだけどね。

 

「競技に関しては部長連の有利にならぬように一考しよう。そして君たちが勝った場合は今の処分も考え直す。退学もそれまで保留とする。どうかな?破格の条件だと思うが」

 

「いいや、まだ足りない。アイツらにリスクがねえ。俺達が勝ったら六騎聖の権限、取り下げてもらおうか」

 

取り巻きのような教師陣が突っかかってくる。

しかし。

 

「いいだろう。ただし、勝敗がどうであれその後は一切揉め事は起こさないと誓ってもらうぞ」

 

 

これにて交渉終了だ。

 

そうして指導室から退学組が出ようとする。

 

「ああ、それとは別に邦枝葵は1週間の謹慎処分だ。屋上の扉の破壊……まあ、器物破損だね。心当たりあるだろう?」

 

邦枝先輩すみません。

俺が扉に鍵を掛けたばっかりに。

 

 

 

 

指導室から出ると廊下を歩く。

早速馬鹿二人が何も分からず喧嘩しに行こうとしている。

夏目先輩は笑いながらそれを眺め、姫川先輩は必死に説明している。

 

「あ、俺忘れ物したのでちょっと戻りますね」

 

他の人の静止をかける間もなく俺は生徒指導室に向かう。

 

「失礼します」

 

「なんだね?忘れ物でもしたのかね。流石に器物破損はバレボールとは関係ないから無くすのは無理だよ」

 

流石にそんな事はしないわ。

 

「忘れ物というか忘れ事というか。一つ確認がありまして……流石にあの力までは使いませんよね?」

 

「何の話だね?」

 

「出馬八神流を使うのは許容範囲内ですけど……流石にあれまで使われるのはちょっと困るので。学生内のイベントでやるとは思えませんけど、念の為に聞いて起きたかったんですよ。それではありがとうございました」

 

そういって俺は指導室から退出した。

流石に悪魔の力使えばヒルダさんは来るし、俺も若しかしたら力を使う場面が来るかも知れない。

 

 

 

 

 

 

「なんだったのか。しかし、これでよかったのかね?出馬くん」

 

「ええ、有り難うございます。これで彼らも必死になるやろし、久也らも納得のいく舞台が作れると思います」

 

「……すまないね。話の流れ上、ああいう条件がついてしまった」

 

「いやいや構いませんて、負けませんから。しかし、こっちも気を引き締めなアカンようです」

 

 

やはり、あの銀髪の子は一味違うようやな。

諫冬ちゃんの言ってた通りやわ。

過剰評価では無いと思うて行動せんとな。

 

 


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