「マ“ーーーッ!!!」
ベル坊のキレた叫び声が聞こえる。
もうはじまってんのか。
「古市さん!!何の騒ぎっすか?!これ!」
廊下を走っているとカズくんが後から話しかけてくる。
「俺も向かってるところだけど話聞く限りだと聖石矢魔の生徒が神崎先輩の舎弟を病院送りにしたとか」
「えっ!?マジすか!!」
教室につくとすでに神崎先輩はやられており、男鹿と三木が向かい合っていた。
「古市君、あの2人って知り合いなの?」
邦枝先輩が教室についた俺に聞いてくる。
「ええ……中学の時の同級生で。因みに俺も」
「あいつは何の部活?主将なんでしょ?」
寧々さんが一緒に来たカズくんに聞いてくる。
しかし、カズくんが話す前に俺が話し始める。
「俺が調べた感じだと空手部ですね。史上初めての1年での六騎聖に選ばれた怪物って噂ですね」
「さすが智将っすね。もうそんなに情報を……」
カズくんがすかさず褒めてくる。
さっき生徒からこころよく教えてくれた情報とは言えない。
「ひとまず神崎先輩を運びますか。あと、男鹿こんな所で戦うなよ」
俺は神崎先輩を背負いながら男鹿に忠告する。
「戦わねーよ。だってベル坊こんなだぜ?」
ベル坊は「ないない」というように首を振っている。
「じゃあ、さっさと帰るぞ。カズくんは保健室から医療道具持ってきて。絶対入れてくれないと思うから」
「ちょっと待ちな「三木、ちょっと黙れ」………」
「くだらない挑発をしても無駄だからな。伝えたい事があるなら手短に話した方がいい」
「…………そうだね。石矢魔のみなさん、放課後は是非旧校舎屋上へ。我々部長連がお待ちしておりますよ」
で教室に戻ってきた。
神崎先輩は案の定使わせてもらえなかった保健室から持ってきてもらった医療道具で治療した。
治療していると男鹿が誰にも気づかれずに教室から出ていった。
治療も終わったし俺も行くか。
教室から出ると姫川先輩の声が聞こえる。
しかし今は無視して俺は男鹿を追いかける。
「待てよ男鹿、何ひとりでいってんだよ」
「古市止めるな。俺はただ六騎聖見てーだけだ」
「止めたつもりはねーよ。お前は止めても止まらないだろ。行くなら誘えよってだけだ」
俺は男鹿に並ぶ。
屋上につくとそこには4人おり、中には三木もいた。
そしてあの子も。
「2人ですか?ワタシ達相手に」
「2人足りねーぞボケ」
「と、これは失礼しました。足りてましたね」
後ろを振り返ると姫川先輩と夏目先輩が立っていた。
「どいつだ?神崎君と城ちゃんやったの……」
「どーでもいいが俺の石矢魔ナメてくれた礼はしねーと……な」
さて、観戦しとくつもりだったんだけどね。
少し俺も戦いますか。
ちなみに屋上の扉に鍵をかけたので邦枝先輩はこれてません。
ごめんね!