市立図書館裏の公園でケンカが起きていた。
ケンカしていたのは男鹿に負けた東邦神姫の二人神崎、姫川と東条の手下その2のかおる。
東条もその場にはいたが、ケンカには参加せず傍観していた。
二人はかおるに倒されてしまっていた。
「お前らは弱い。手下達がいなくなるのも時間の問題だったな」
かおるはケンカする為に外していた眼鏡をかけ直す。
「虎、終わったぞ」
「じゃあかおる、ちょっと手伝ってくれよ。学校に運びたい物があってな」
「俺も手伝いましょうか」
東条の後から声がかかる。
そこには銀髪の男が立っていた。
ってゆうか俺だ。
「お!お前は男鹿と一緒にいた………えっと……?…」
自己紹介していないから名前覚えてないよな。
「古市貴之です。伝言はちゃんと伝えておきましたよ」
「おお、フルイチか、ありがとな。で、なんのようだ」
「大方、男鹿の腰巾着をしていたが負けたから虎の手下にでもなりに来たんだろ」
男鹿のケンカの強さでついてると思われてるのは心外だな。
ま、そう見られるのも仕方ないけどね。
「いや、俺が下につくのは1人だけなんで。残念ながら違います。東条先輩………
ケンカしませんか?」
「いいぜ。かおる、こいつ預かってくれっか?」
「虎!こんなやつとやる必要ない俺で充分だ」
「いや、ケンカはしますけど。記念づくりみたいなもんですから。ちょっと軽めに殴るだけなんで」
「だってよ」
「はあ、分かったよ。赤ん坊預かっておく」
「じゃあ、やろうぜ」
「まあ、軽めってことで一発ずつにしませんか?東条先輩からでいいので」
「おう」
そう言うと東条は腹部を思いっきり殴ってきた。
かおるがケンカしてる時見ていてケンカしたい衝動に襲われていたのか、イライラをぶつけられた気がした。
しかし、
「ぐっ!………次は俺の番っすね」
障壁もなにもしてない状態で俺は耐え切る。
ここはちょっとした意地みたいなものだからな。
俺は振りかぶり東条を殴りつける。
その一撃は昼間に男鹿から受けた一撃よりも重かった。
東条は吹き飛ばされ、公園にある池に突っ込む。
男鹿が負ける事は前世の記憶で分かっている。
しかし、それとこれは別だ。
男鹿が負けた姿に少しムカついた。
そして男鹿を負かした男にちょっと八つ当たりしようと思った。
理由がちょっとあれだったから一発ずつで最初は東条から、
そんなルールをしいてケンカした。
痛いのは嫌いだがここはやっておきたかった。
力は使わなかったが少しイラつきに任せて強めに殴ってしまった。
これ、後で男鹿と戦う時に響いたらどうしよう。
「はっはっはー!!!面白いなお前。続きやろうぜ!」
東条は普通に立ち上がってきた。
力使ってないし、手加減したけど、それでも立ち上がってくるなんてやはり凄いな。
東条はケンカするつもりみたいだが。
「ダメです。一発ずつって最初に言ったじゃないですか。それでもやりたいのであれば男鹿と戦ってからにして下さい。伝言の通りまだ、終わっていませんので」
「………はっ、分かった。後でだな」
ちゃんと分かったのだろうか?
原作でもボケが多かったから心配だ。
東条の友人兼手下その2は呆然としている。
東条が吹っ飛ぶところなんて見たことなかったのだろう。
「では、約束通り運ぶの手伝いますよ。どこにあります?」
「おう、こっちにな……」
今頃男鹿は夢の中かな。
俺は先に行ってるよ、男鹿。
東邦神姫のお二人はベンチに寝かせときました。