銀色の契約者   作:飛翔するシカバネ

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十二将 友人の知らないところで喧嘩します

俺が大男と大森さんとの間に入り、警戒のためか殴ってきた大男が距離をとる。

 

「こいつ誰だ?」

 

俺と烈努帝瑠の2人を襲ったのはMK5だった。

本当に空気読めない奴らだな。

久々にプッツン来ちゃったよ。

 

「ほら、男鹿についてた腰ぎんちゃくだよ」

 

「ああ、男鹿にくっついて甘い汁啜ってるただの雑魚か」

 

「雑魚はお前らだろ。場の空気も読めない下等生物が」

 

 

「アンタ……」

 

「そこから動かないでください」

 

「女を守るヒーロー気取りかよ!男鹿を呼んできた方がいいんじゃねえのかよ」

 

「理由は3つ。一つは人を呼びに行く時は後ろから狙われやすいから。お前らもそこを狙うだろう」

 

「そりゃそうだ」

 

「だったらアタシも戦えば…」

 

「二つ目は単純に邪魔だから」

 

「!?」

 

「俺が守った時に咄嗟にやった所為なのか足を痛めてる。そんな状態で戦っても足でまといになるだけ」

 

自分の足の状態を見切られ、落ち込む大森さん。

 

「じゃあ、お前どーすんだよ。ひたすらお仲間が心配して駆けつけるまで時間稼ぎするか?」

 

「三つ目」

 

「?」

 

「実はこれが一番の理由なんだが…お前らが弱すぎて手伝うと過剰戦力だから」

 

「あ”ぁ!てめぇ、金魚の糞の癖してホラ吹いてんじゃねぇ…ぐボッ」

 

頬にハートマークつけた阿呆の後ろに移動して首に手を回し、落とした。

 

 

「嶋村!…てめぇ、嶋村に何しやがる」

 

「見せてあげてるだけだよ。…天国の扉ってやつを。早く助けないと本当に逝っちゃうよ」

 

「てめぇ!」

 

殴りかかってきた4人を去なす。

サングラスの大男の背を足場に飛び上がり、もう一人の大男である眼鏡の男の顔をサッカーボールキックで思いっきり蹴る。

首が真横に曲がり、倒れる。

あと、3人。

 

真後ろからヌンチャクを使ったスキンヘッドが攻撃してくる。

回しているヌンチャクを手で掴み。

ヌンチャクを取り上げ、ヌンチャクをサングラスかけた大男の顔に向かってブーメランの様に投擲する。

なんとか大男は掴むがこれはブーメランじゃない。

残念ながらこれはヌンチャクだ。

 

掴んだ方とは逆の方が自身の顎に当たり、脳震盪を起こしてその場に倒れる。

あと、2人

 

ヌンチャクを取られ怒ったスキンヘッドが掴みかかって来たのでそのまま巴投げした。

普通の巴投げは投げ飛ばすが今回はちょっと魔力使って高く上げてみた。

 

校舎より高く上がったな。

地面につくまでに分かるだろう自分がどういう状況にあるか。

気づかない方が楽だろうがな。

あと、1人

 

リーダー格が逃げようとするがここで俺が逃がすと思うか?

一瞬で傍に近づき腕を回してロックする。

 

「いてててっ!」

 

「当たり前だろ。お前がリーダー格だろ?最後に取っておいたんだから」

 

俺は手のロックを解除してリーダー格の前にでて顔のある箇所を、押す。

昔なにかで読んだのだが顔のある箇所を押すと地上でも海に溺れている感覚を味わえるらしい。

リーダー格は一瞬止まったがそのままその場に倒れた。

 

俺はハートマークの男を覚醒させる。

 

「んあっ?お前らっ!」

 

「人の心配より自分の心配した方がいいぜ」

 

俺はハートマークの男の髪を掴む。

 

「いてぇ!髪を掴むなよ!」

 

「さっさとお前らの飼い主とこ帰れば止めてやるよ」

 

「帰るから離してくれっ!」

 

「分かった、離すよ。」

 

俺は髪から手を離す。

そして頭を引っ張り、大森に聞こえないように耳打ちする。

 

「あと、これをやったのを俺ってばらすなよ」

 

「え?」

 

「yesなら右目を瞬きしろ、noなら左を。noなら今ここで病院送りにする。超拷問コースでな」

 

ハートマークの目が恐怖に染まる。

 

「後で言ったら、お前を探し出し決行する。同じ学校だから早いよな。お前ではなく他のメンバーが言っても決行する。答えがない場合もしくは声を出す等の他の行動した場合も決行する。君の英断を期待するよ」

 

当然ハートマークの答えはyesだった。

 

 

「良かった」

 

俺は頭を離す。

 

「じゃあ、さっさと帰れ!そして飼い主に伝えろ!そんな卑怯なマネすんなってな!」

 

 

 

 

それにしても

 

 

「やり過ぎた」

 

ここまでやる必要なかった気はするが、後悔していないからいいか。

 

大森さんがずっとこっちを睨みつづけている。

とりあえずは、

 

「何する気!」

 

大森さんの方に近づく。

 

「保健室に行こう。設備がないと処置も出来ない」

 

「あ、ああ」

 

俺は谷村さんを横抱きする。

 

「行きましょう」

 

「ああ……痛っ!」

 

そこで気づいたが大森さんも足怪我してたな。

 

「後で何発でも殴っていいんで」

 

「へ?…って何すんのよ!」

 

俺は大森さんを担ぎ上げる。

 

「口開けないでください。舌噛みますよ」

 

「ちょっと待って、降ろし…ああっ!」

 

俺は保健室に駆け出した。

 

エメラ、守備しなくていいから治癒の準備しといて。

 

 

 


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