けんぷファーt!   作:nick

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とうとうやってきましたけんぷファーt!

やはり再開(でいいのかな)にふさわしいのは27日でしょう。


なぜかって?それは漫画版けんぷファーが連載されているアラ●ブの発売日だからです。
……ただそれだけ


一章 はじまりの合図
プロローグ


俺の名は瀬能(せのう)ナツル。星鐵(せいてつ)学院二年生だ。名前はまだない

 

 

 

………っていやいやいや。名乗ったじゃん今。何言ってんだ俺は

 

 

子供の頃からこんな性格をしていたために、「ナツル君は大人びてはいるけど何か変」と言われ続けながら育った。幼稚園の先生や小学校の担任教師、初対面の奴らからも言われてたから周りから相当な目で見られてたんだろうな

 

顔付きは普通で中背のやせ形、成績は中の下で運動神経はそこそこいい方だと自分では思う

髪の色が青と若干日本人離れしてはいるが、どこにでもいる平均的な男子高校生だ。

 

クラスメートなどには「ジャンプで連載している最近の不良主人公に似てる」とよく言われるが、俺は赤ん坊を背負ってないしあそこまで酷くない。

そう言ってやったら「たしかにあれより酷い」とか抜かしクラス全体で笑いやがったので、発言した奴にギロチンチョーク→ブレインバスターのコンボをかましてやったのはもういい思い出だろう(少しヤバイ感じに痙攣していたが)

 

まあそんな普通の俺がある朝、店のおじさんと,ちがう目覚めると―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女、になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………は?」

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

朝目覚めたら女になっていた。

 

「いやいや」

ありえねーだろ普通

 

 

どういうことだよこれ。なんか胸でけーし尻もでけぇ、つーかなんでセーラー服?

しかもこれうちの学校のじゃねーか

 

「夢…ってわけじゃなさそうだな」

 

鏡を覗き込みながら長くなった前髪を摘み、誰ともなしにつぶやく。

 

朝起きて身体に違和感を感じたから机に備え付けてあったソレでチェックしてみればこれだ。まだ夢見てんのかな

 

それとも寝てる間に呪泉郷にでも落っこちたか?

いや、もしかしたら改造でもされたのかもしれん。ならばなぜ仮面ライダーにしてくれなかったんだ

 

「まてよ、新造人間やロボ超人も捨て難いな。……悩み所だ」

「何の話をしてるんですかあなたは」

「!!」

 

どこからかツッコミが聞こえてきた。親は出張中で家族は俺だけ。そんな男の一人暮らしの部屋なのにいったい誰が喋ったんだ?

 

携帯……はありえねえし、ま・まさか…

 

「今まで眠っていた俺のもう一つの人格が目を覚まして…!」

「そんなわけないじゃないですか、こっちですよ。こっち」

 

まあ多重人格じゃないとは思ってはいたがな。そう考えて声のする方を見てみると…ぬいぐるみ?

 

 

「あなたなかなかにおかしな人ですねぇ」

 

やれやれといった感じに言われた。

顔にヤクザ傷があって片目がアイパッチでふさがれている上に腹から内臓はみだしたトラにおかしいと言われた。

 

 

「発表直後から株価が下落してるメーカーの製品が人をどうこう言ってんじゃねーよ。 俺が女になったのはどういうわけだ。お前が喋ってんのと関係あんのか」

「あります」

 

あるんかい

 

「そのココロは?」

「右腕を見てください」

 

言われて右腕を見たら、薄く青色に発光している腕輪がはまっていた。

 

言われるまで気づかなかったぜ。妙なフィット感があるなこれ

 

 

「それは誓約の腕輪(ブレスレット)です。腕につけることによって「オラァ!」」

 

 

バキッ!

 

 

とりあえず壊そうと思って机の角に思いっきり叩きつけたがびくともしなかった。つーかイテぇ

 

 

「乱暴な人ですねぇ。話は最後まで聞いてくださいよ」

 

ハラキリトラがアイパッチをこりこりと掻きながら言った。

 

「誓約の腕輪は滅多なことでは取れませんよ。戦士(ケンプファー)じゃなくなっちゃいますから」

「ケンプファー?」

 

痛む手首をさすりながら聞き返す。

けったいな名前だな。もっとかっこいいのはなかったのか?

 

「そのケンプファーってのはどんなものなんだ」

「戦うんです。敵と。ちなみにわたしはメッセンジャー…まぁ、ナツルさんのアドバイザーといったところですかね」

 

アドバイザーだぁ?

 

「テメエみてぇなキショいぬいぐるみにしてもらうアドバイスなんてねーよ。つーかいつの間に俺の名前知りやがった」

「まあそれはその尺の事情で」

 

尺ってなんだ

 

 

ツッコミたかったがいろいろ面倒なので無視する。

 

俺はハラキリトラの頭部をぐワシッとわしづかみ、ずずいと顔を寄せ、

 

「クーリングオフするから今すぐ元にモドセ。このままじゃ学校に行けねぇだろ」

 

たしかそろそろ出席日数がやばかった気がする。

別にそれだけならどうってことないんだが、親に連絡されると後々面倒だからな

 

 

「取り消しはできませんよぅ、通販じゃないんですから。でも元に戻すことはできます」

「ならやれ。すぐやれ。今すぐやれ!」そろそろ時間がやばい

 

 

「はあ…では目を閉じてそこに立ってください」

「なんで」

「いいから」

 

 

仕方なくベットの傍に垂直に立ち、軽く目をつぶる。

 

これから一体なにが起こるんだ

 

 

「あ、力は抜いといたほうがいいかもしれませんよ?」

 

 

暗闇(目を閉じてるから当然だ)から、ハラキリトラの間の抜けた声が聞こえてくる。

なぜか、いやな予感がした。

 

 

「なあやっぱりちょっとまっt『ドズぅッ!』うぐべッ!?」

 

言い終わる前に腹部に強烈な衝撃を感じ、うつぶせに倒れるように崩れ落ちた。

 

そして俺はそのまま、流れるように気を失った。

 

 

 

これで戻ってなかったらハラキリコロス

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

目が覚めたとき、身体はきちんと男に戻っていた。

それを鏡で確認したあと、テーブルの上にいたハラキリに文字通り掴みかかる

 

 

「油断させたところでボディブローたぁいい度胸だなコラ」

「すぐに元に戻りたいと仰いましたから」

 

いきなり殴られると予想できるわけねーだろ。

 

 

すこぶる腹が立つが、そろそろ出ないとホントにやばい。

制服は一応着てはいるものの、それ以外ろくな準備ができてねえ。つーかなんで制服着てんだ?

 

 

「どうでもいいがお前、なんで先代のしずかちゃんの声してんだよ。もう少しトラっぽい声で喋れよ」

「そこはほら、大人の事情というやつですよ」

 

なんだ大人の事情って

 

「分からないんですかぁ?あ~…」

 

ハラキリトラは少し考えるような素振りをしてからこう言った。

 

 

「ナツルさんはバカなんですね」

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず傍にあったはさみで内臓を四分割にしてやった。

 

久しぶりに焼肉が食いたいな。ハラミとか




瀬能ナツル  本作品の主人公。

べる●バブのオガ君をベースにボケとツッコミが化学反応を起こして誕生した。

親戚一同からは「世が世なら天下を取れていた」町の不良からは「存在詐欺」と言われている見た目だけ草食男子

くわしい描写は漫画やアニメや小説をどうぞ

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