ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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健人のデバイス完成!
見せ場がこの先あるかは未定(笑)


第9話 「もっと輝けぇ~!」

――いくぜ、ベルトさん!

 

――Ok!Start your engine!

 

「これだ!」

「「「やらせない!」」」

 

思わずウーノやドゥーエ達とハモってしまった。

言われたスカさんは予想外だったのか、ビクっとなっていて少し情けない。

 

「いや、しかしだね。私の意思を映したベルトで変身だなんて、ロマンだと思わないかい?」

「思わない」「思いたくもないです」「そんなの付けたくもないわ」

 

なおも食い下がるスカさんに、俺、ウーノ、ドゥーエが続け様に否定して行く。

 

「ク、クアットロはこのプランをどう思うかね?」

 

尚も往生際が悪いスカさんは、BDの続きを見ているクアットロに助けを求めたが。

 

「ドクターのベルトですか? そんなの死んでもイヤに決まってるじゃないか♪」

 

眩しい笑顔でキッパリと言われ、それがトドメとなってスカさんは真っ白になり崩れ落ちた。

 

なんでこんな事になっているかと言うと、全ては俺のデバイス作りの為だ。

この前、実験と言うかディエチに投げ飛ばれた埋め合わせと言う形でスカさんが無償で作ってくれると言った。

正確には……ウーノやトーレ達にボコられてだけど。

しかし、スカさんの所にあった試作型デバイスはどれもダメ。

そこで俺専用のデバイスのヒントになりそうな物を探したのだが……参考資料はよりにもよって特撮BD、しかも仮●ライダー物だ。

おかげで、ア●ダムを探しに古代遺跡をセインに片っ端から探させたり、ヘ○ヘイムの森をまたセインに探させたり、主にセインがヒドイ目にあった。

 

「スカさん、いい加減真面目に作ってくれないかなー俺のデバイス」

「わ、悪かった。と言うか、今までも真面目に君のデバイス作りに励んでいたのだが?」

「尚更タチ悪いわ! セインに謝れ!」

 

ちなみにセインはあっちこっちに行かされたせい+原生生物とバトりまくったせいで寝込んでいる。

寝言で、オ○フェノクがぁ~あっちにはファンガイ○が~! とうなされてたのはきっと悪い夢を見ているせいだと思いたい。

 

「はぁ、ドクターいい加減にしてくださいね。また食事抜きにされたいんですか?」

「そ、それは困る。うん、分かった今度こそ真面目にやろう」

 

セインがボロボロになって帰ってくる度に、ウーノに散々怒られて食事抜きにされていたっけ。

 

「やっぱり今まで真面目じゃなかったのかよ……」

「コホン。さて、健人君。君は今まで様々なタイプのデバイスを触ったわけだけど、何か気に入ったのはあるかな?」

 

改まったスカさんに言われ、アースラいた時から今まで試したデバイスの数々を思い起こした。

なのはやクロノが使ってた杖型のインテリジェントデバイスやストレージデバイス、剣や斧と言った武器の形をしたアームドデバイス、それにグローブ型のブーストデバイス。

ヴィヴィオやアインハルト達が使っていた、ぬいぐるみ型はまだこの時代ではないみたいだ。

うーん、杖を振って魔法を使うのもいいけど、俺って射撃や砲撃魔法にはあまり向いていないみたいだから、やっぱここはアームドデバイスだな。

剣や斧を持ってもいいけど、せっかく強靭な肉体を手に入れたんだから、格闘したい。

 

「うん。アームドデバイスがいい。それも両手足に装甲がつくような奴」

「それは面白い。確かにアームドデバイス、それも格闘型なら君の高い魔力にピッタリだろうね。しかも、君は異様に身体能力も高い事だし。うん、それでいこう」

 

俺の身体能力の高さはここに飛ばされた時、トーレ達との鬼ごっこで既に知ってるもんな。

それに、あの駄神曰く鍛えれば鍛えただけ強くなる身体みたいだし、なんか楽しみになってきた。

気分はサ○ヤ人だ!

 

「では、それでいこう。形状はどのようなものがいいかな?」

「うーんと、形状は……」

 

さて、どんなのがいいかな?

頭に浮かんだのは聖○士星矢に出てくる聖衣、でも何か違う。

俺の属性は炎だから、こう爆発力が合って燃えたぎるのがいいな。

……そうだ! アレだ!

 

「えっとえっと、何か描く物ちょうだい」

「えっ? あぁ、これでいいかしら?」

 

ウーノにもらったメモ紙に今頭に浮かんだイメージを描く。

絵はあまり描いた事ないけど、これで伝わってくれればいいや。

 

「ふむふむ、なるほど実に面白い! すぐに作る事にしよう。この出来栄えをノーヴェ達の武装にも活かせそうだ!」

 

俺のイメージ絵と簡単な説明を聞いたスカさんは、喜び勇んで研究室へと行ってしまった。

ウーノやクアットロ達もスカさんを追いかけて、残されたのはさっきからずっと黙っていたトーレ。

チンクとディエチはダウンしたセインの看病に付きっきりだ。

前まではポットで治療していたのだが、今じゃ普通の人間同様にベットに寝かせて療養させている。

これも俺の影響らしい。

で、トーレはなぜか俺が描いたイメージ絵をジッと見ている。

 

「どうしたんだトーレ? 俺のへったくそな絵を見てもしょうがないだろ?」

「いや、そうでもないぞ? 私は絵についてはよくわからないが、言いたい事が良く分かる絵だと思うが?」

「そりゃどうも……」

 

へたくそな絵を褒められても、悶絶しかないんだけど!?

身体がかゆくなってきた。

 

「健人。このデバイス……出来あがったら私と勝負だ!」

「はい? なんでそうなるんだ?」

「やっと健人にデバイスが出来るんだ。戦うのは当たり前だろ?」

「ごめん。全く意味が分からない」

「健人、私はお前と戦いたかった。お前の身体能力はすごい! 全力で追いかけても追いつかず、ライドインパルスでようやくだったからな。けど、お前にはデバイスがなかった。そんな相手に全力は出せない。やっとこれで全力が出せる!」

「あー……はい、そーですか」

 

この前から俺をちらちら見てウズウズしてたのはこう言う事かい。

トーレとドゥーエに頭突きしてから、性格が変わった。

変わったのはいいけど、トーレは何だか脳筋になってしまったようだ。

身体を動かしているのをよく見かけた。

大抵相手はセインで、その時のトーレはとても楽しそうだ。

ウーノ、クアットロは元々戦闘向きじゃないし、チンクは俺の世話があり、ディエチは仕事があるので暇そうなセインが相手にはぴったりなのだとか。

セインも結構仕事してるはずなんだが、どうやらドゥーエがうまくそそのかしてセインばかり相手にさせているようだ。

そのドゥーエは、相変わらず何考えてるかよくわからないし。よく俺のベットに潜り込んでくるし、自分の部屋にお持ち帰ろうとするし……アレ? ただの変態になってきてる?

 

「健人君、まだここにいたのね。あなたの魔力データもう一度見直したいから、来てもらえるかしら?」

「はーい」

 

そう言えば、ウーノには頭突きしてないよな?

でも何だか俺へは普通に優しいし、スカさんやドゥーエの暴走を止めたりしてくれる。

元からこういう性格って事なのか。

きっと今までスカさんに散々振り回されてきたんだろうな。

 

「ん? どうしたの? 私の顔何かついてる?」

「いや、ウーノって苦労人なんだなぁと思って」

 

そう言うとウーノは急に立ち止り俯いてしまった。

 

「ウ、ウーノ?」

 

的外れな事を言ったかと、顔を覗き込む。

 

「そうね。ここへ来て日が浅い君にも分かるのね」

 

うわぁ、なんか思いっきり凹んでる!? 顔に陰入ってるし!

 

「本当にね。あなたが来る前もドクターには散々苦労させられたのよ。ドゥーエもクアットロも基本的にドクターの指示には従うから私もそれに乗るしかなくてね」

 

近くの椅子に腰かけて愚痴を言い始めたぞ。

なんか、ドラマで見かける疲れ切ったOLみたいだ。

 

「ふふふっ、大変だったのよ。馬鹿げた実験は失敗しても成功しても採算合わなくて、予算だけが飛んでってそれに関する釈明を考えるのは私だったしねぇ」

「まぁ、馬鹿と天才は紙一重と言うし」

「そうよ、そうなのよ! 確かにドクターは天才なの! でもね、馬鹿で天災でもあるのよ!」

 

ウーノ、生みの親をそこまでこき下ろすなんて……

 

「だからね。君が来てくれてドクターやクアットロに頭突きしてくれて本当に助かったわ!」

「は、はぁ……それはよかった」

 

涙ながらに語るウーノに俺は苦笑いを浮かべるしか出来なかった。

それから1時間ほど、いかに今までウーノがドクター達の暴走に付き合わされたか愚痴られる羽目になった。

……キャラ崩壊にも程があるだろ、おい。

 

それから数日後、いよいよ俺のデバイスが完成した。

スカさんはあれからずっと研究室に籠っていて、食事もウーノが運んでいた。

正直、そこまでしてくれるとは思ってなかったので、感謝の気持ちでいっぱいだ。

それを言おうとしたらスカさんが。

 

「デバイス自体は2日で出来ていたが、塗装が納得いかなくてね。3日もかかってようやく納得行く色になったよ」

 

と聞かされて思わず殴った俺は悪くない。

 

「ドクターはほっといて早速デバイスを装着して見なさいよ。はい、これブレスレット型にしたわ」

 

クアットロが渡してくれたのは見た目が時計のような、ブレスレットだ。

 

「見た目だけじゃなくちゃんと時計の機能もあるのよ。それに携帯電話のように色々な機能を持たせてみたわ」

「あ、ホントだ。計算機にタイマーにミニゲームまで出来る!」

 

ここまで多機能なのはどうかと思うけど、便利なのは良い事だ。

腕時計型パソコンって所だな。

 

「それで名前は決まっているのか?」

「勿論さ、トーレ。このデバイスにはこの名前しかないってのを決めてあるよ」

「だったら早く名前を呼んでマスター認証を済ませると良いわよ。チンクちゃん達も見たがってるみたいだし」

「そうだな。えっと、デバイス名を言えばいいんだよな」

 

ドゥーエに急かされて、ブレスレットを付けた左手を高く掲げた。

 

「マスター認証、草薙健人。デバイス名……シェルブリット!」

<おっし。行くぜ、マスター!>

 

叫び声と共に、ブレスレット、シェルブリットが赤く輝き、全身を光が覆った。

白を基本として、赤や橙色など炎のようなプリントが入ったジャケットを羽織り、両手足に装甲が付き、そこから魔力が炎のように噴き出る。

見た目はまんまス○ライドのシェルブリットだ。

 

「よし、装着完了!」

「「「おぉ~!」」」

 

側で見ていたチンクやディエチ達から歓声があがる。

トーレが持ってきてくれた大きな鏡で全身を確認する。

想像していた通りの見た目に大満足だ。

さっきシェルブリットから聞こえてきた声も、要望通りシェルブリットのカ○マっぽい声だ。

 

「うっわぁ~なんかこれが自分だって信じられないなぁ」

「今までと違って魔力値は安定、暴走の危険もなし。フレームにも異常なし、全て正常よ」

 

ウーノが言った通り、今までのデバイスは使った途端にもって5秒でドカーンだったけど、シェルブリットは問題ない。

軽く手足を振ってみると、仰々しい装甲が付いてるとは思えないほど軽い。

 

「かっこいい~」

「うん、よく似合ってるよ」

「な、なんか羨ましい……あたしもこんなデバイス欲しかった!」

「ありがと、ディエチ、チンク。セイン、お前にだって見事なの付いてるだろ、指先に」

 

まぁ、指先に付いてるとは言え、カメラしか機能ないんだから盗撮くらいしか使い道なさそうだけど。

 

「むっきー! ねぇ、ドクター! あたしにも何かかっこいい武装つけてよー!」

「ふむそうだね……なら、ペリスコープ・アイに電子錠や魔力錠を開ける機能もつけるとしようか」

「やったー! ……ってそれ地味! 思いっきり地味!!」

 

セインとスカさんの漫才を無視して、トーレがそれはもう爽やかなスマイルを浮かべて近付いてきた。

 

「よーっし、健人。それじゃ、試運転と行こうか!」

「はははっ、やっぱりやるの?」

「当たり前だろ? せっかくの新型だ。性能を試さないでどうするよ? なぁ、シェルブレット!」

<おぉ、そこのねぇちゃんのいう通りだぜ。ってブレットじぇねぇ! シェルブリットだ!>

 

シェルパン、シェルブリットはやる気満々だし、ディエチ達は目を輝かせて観戦モードだし。

仕方ないか、俺とシェルブリットの初陣と行きますか!

 

 

 

続く

 




好きなんです、スクライド(笑)
デバイス名も形状もそのまんまシェルブリット(両手両足モード)です(笑)
違いは炎を纏って攻撃する事くらいですかね。
そのうち、健人のプロフィール含めて設定書く予定。

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