ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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またまたお待たせしました!
今回より中学生編です!


中学生編
第65話「二つ名で呼ばれるとカッコいい!」


俺がリリカルなのはの世界にやってきて早数年。

明日からいよいよ俺も中学生と、ウキウキ気分に水を差すような事件発生。

 

「お、大人しくしろ!」

「助けて~!!」

 

犯人の人質になっている幼女を救出するという、今の状況をどうにかしなければならない。

とある事件で幼女が巻き込まれて人質になってしまった。

その事件の応援に現場近くにいた俺とクイントさんが応援に駆け付けた。

俺とクイントさんが犯人の交渉役となり、表で待機しているティーダを含めた狙撃班が犯人を狙撃するという手筈だ。

なんで俺まで交渉役になったかと言うと、犯人ではなく人質の子を安心させるには子供の俺もいた方がいいという判断だった。

のだけど……

 

『ねぇ、クイントさん。多分同じこと思ってるよね?』

「きゃー! 助けてー!」

『えぇ、そうね。同じこと思ってるわ』

「ころされるー! 助けて~!♪」

『『なんでこの子すごく楽しそうなの!?』』

 

人質になっている子、台詞だけなら必死に助けを求めているように聞こえるけど、どう見ても興奮して楽しんでいるようにしか見えない。

だって、叫び声がジェットコースターを楽しんでいるような声色だし。

(*>▽<*)←こんな顔してるし。

 

「お、おいお前! 状況分かってるのかよ!?」

 

はしゃぐ人質に、逆に戸惑う犯人。

そりゃ、流石にこんな反応されたらそうなるわな。

と言うか、犯人さん涙目で怯えててどっちが人質か分からない。

 

「うん。あなた極悪人さん。で、私は人質でしょ?」

「極悪人って……俺はただ職務質問受けてたら、お前が勝手に俺を極悪人扱いして管理局員に怪しまれて、あげくにお前が勝手に人質になって付いてきたんだろうが!」

「やっぱり極悪人さん! 私が人質……きゃ~♪」

「だからなんでそこで喜ぶんだよ!!」

 

なんか、俺達ほったらかしでコント繰り広げてるんだけどこの2人。

てかこの極悪人さん(笑)、ぶっちゃけ何も悪い事してない気がする。

 

「ともかく話は逮捕してから聞くわね」

「あぁ、もう! やれるものならやってみろ! 「この子がどうなってもいいのか!」……ってそれお前が言う台詞じゃないだろ!」

 

人質(?)の子が極悪人さん(笑)にしがみついてる。

で、極悪人さん(笑)は必死に引き剥がそうとしている。

なんだろうね、この状況。

 

「あれ? そちらのお兄さんはひょっとして草薙健人さん!?」

「何!? 草薙健人ってあの有名な……」

 

と、極悪人さん(笑)と人質の子はやっと俺の存在に気付いたようだ。

俺、影薄いのかな……

それにしても俺って結構有名なんだなぁ。

ここ数年でゼスト隊と一緒に仕事してそこそこ活躍してるし、結構犯人捕まえてるからな。

最近じゃ二つ名が付いちゃってるくらいだし。

 

「「灼熱の若獅子/ハーレムプリンス!」」

 

そうそう、灼熱の若獅子にハーレムプリンス……ってなんじゃそりゃ!

 

「ちょっと待ったー!! 灼熱の若獅子は兎も角、ハーレムプリンスって何!?」

「……プッ」

 

クイントさーん!? そこで吹き出さないで欲しいんだけど!?

 

「あれ? 違うんですか? お兄ちゃんから聞いたのですけど」

「……君のお兄ちゃんを後で紹介してくれるかな? ちょーっとOHANASHIしたいんだ」

「コラコラ、今はそれどころじゃないでしょ。で、そっちの極悪人さん(笑)はどうするのかしら? 一応、私も名乗るけどクイント・ナカジマよ」

 

なんでここでクイントさんまでフルネームで名乗るんだろ?

あ、もしかして自分も二つ名で呼ばれたいのかな。

でも、クイントさんに二つ名ってなかったような……

 

「あ、はい」

「むっ。あ、はい。じゃなくて。ほら私にも何かあるでしょ、何か!」

「いや、あの……俺からは言えない」

 

極悪人さん(笑)が顔をそらした。

ひょっとして、クイントさんにも二つ名あるのかな?

 

「何よその反応は。ねぇ、お嬢ちゃん。私の事は、知ってる?」

「はい。お兄ちゃんからは、ショタキラーって聞いています!」

 

――ピシッ

 

瞬間、空気が凍った。

人質の幼女だけが自分が言った言葉の意味を理解していないようで、?マークを頭に浮かべている。

それにしてもショタキラーかぁ。

そういえば、クイントさん目当てでナカジマ家に遊びに来る男子がギンガ達の友達に多いんだよな。

 

「……ふっ、ふふふっ……ウフフフフッ」

「あ、あの? クイントさん? 子供の言った事だし、ね?」

「ウフフフフフフッ……ハハッ、アハハハハハハハハッ!」

 

クイントさんが壊れたー!?

 

『健人君、そっちの状況はどうなっているんだい? 人質は無事かい!?』

『ティーダさん。状況は、ですね。クイントさんが壊れました』

 

クイントさんの笑い声はティーダにも聞こえているようだ。

 

『なんで!? 犯人にやられたの!?』

『いえ、やられてません。強いているなら人質の女の子に……』

『待って待って、そっちどういう状況なの!?』

 

ティーダは混乱している。

 

「あの~すみません。俺、どうしたらいいですか?」

 

すっかり毒気を抜かれた極悪人さん(笑)が困ったような顔をしている。

人質の子もやっと極悪人さん(笑)から離れたようだ。

 

「とりあえず、ぶっ飛ばして逮捕します」

「ええーーー!? 俺何もやってないじゃないかー!?」

 

とまぁ、ぶっ飛ばすのは冗談として、一先ず逮捕してティーダさんに引き渡した。

その際、今回の事件の詳細を録画した映像と共に報告して、出来る限り早く釈放されるようにお願いした。

実際にはちょっと違うけど、人質取って立てこもった事には違いないので、冤罪なのかどうか微妙なところだけどね。

で、その可哀想な極悪人さん(笑)を散々振り回した人質の女の子は、メガーヌさんに説教とまではいかないけど注意されて素直に極悪人さん(笑)に謝っていた。

そして、クイントさんはゲンヤさんに慰められていた。

 

 

その後、なんとか復活したクイントさんと人質の子と話をしていた。

この子はラグナ・グランセニックという名前だそうで、俺の前世(?)の記憶では聞き覚えのない名前だった。

とそこへラグナの保護者という管理局員がやってきた。

何でも彼はスナイパーで、今回でも近くのビルから極悪人さん(笑)を狙撃しようと構えていたそうだ。

 

「俺、いや、自分は、ヴァイス・グランセニックと言います! 今回は妹を助けて頂いてありがとうございます!」

 

ほほう、ラグナのお兄さんと言う事は……

 

「へぇ、あなたがラグナちゃんのお兄さん、なのね」

「ふーん、ラグナのお兄さん、かぁ……」

「あの、お2人ともなんでそんな顔をしてこっちににじり寄って来るんですかい? ちょ、ちょっとなんで目にハイライトがないんですかー!?」

 

コイツが全ての元凶ね♪

 

「ラグナちゃん。ちょっとお兄さん借りるわね。さて、ヴァイスくん♪」

「ちょっと俺達と♪」

 

「「OHANASHIしましょうか♪」」

「うぎゃーーー!?」

 

 

 

OHANASHIを終えた俺は明日から中学が始まるのでテスタロッサ家へ戻ってきた。

既に今回の事件(?)はアリシアも知っていたようで爆笑された。

ホント性格変わらないなアリシアは。

 

「あははははっ! ハーレムプリンスって、健人にはお似合いね」

「そんなに笑う事ないだろアリシア、ってフェイトも笑ってる?」

 

フェイトは俺に気付かれないように顔を背けて笑っていた。

 

「ふふっ、ごめんね健人。でも私達にとって健人は王子様だからピッタリだと思うよ?」

 

フェイトはこういう事をからかってるわけでも冗談でもなく、本気でそう思って言ってくるんだよな。

天然と言うかなんと言うか……

 

「フェイト、あざとい」

「なんで!?」

「そういえば、フェイトにもなのはちゃん達にも二つ名があったわね」

 

俺達の漫才をニコニコしながら見ていたプレシアが、ふと思い出したかのように言ってきた。

 

「えっ? 私にも?」

「えぇ、そうよ。あなたは、雷刃の剣士ね。なのはちゃんは、星光の射手。はやてちゃんは、夜天の継承者よ」

 

その二つ名なら俺も聞いた事がある。

が、フェイトにはそれ以外にも二つ名がある事も俺は今日知った。

OHANASHI中にヴァイスから教えてもらったからだ。

 

ミニラムちゃん

 

それがフェイトに付いている影の二つ名だ。

それを聞いて俺もクイントさんも納得してしまった。

最近のフェイト、身体の発育良いしそれに加えてソニックフォームのあの微妙な恰好に電撃……

クイントさんがプレシアに今度それとなく忠告するとは言っていた。

 

「いいなーフェイトにもあって。私にはないの?」

「アリシアは管理局員、と言うか魔導師でもないからないだろ」

 

アリシアは、魔力のまの字もないしなぁ。

 

「ところで、3人とも明日から中学だけど準備は出来てるのかしら?」

「俺はもう終わらせたよ」

「私とフェイトも終わらせたわ」

「そう。なら健人も事件上がりで疲れているでしょ、早く寝なさい」

 

そう言ってプレシアは、半ば強引に俺達を寝室へ押しやった。

なぜかプレシアの口元が妖しく微笑んでいたように見えたのは、俺の気のせいだろうか??

 

 

 

そして、翌日

 

今日から俺は私立聖祥大学付属中学校1年生だ。

小学校からのエスカレーター式で、校舎も隣接しているので特に真新しさはない。

と、思っていたのだが……

 

「なんでお前達がここにいるんだ??」

 

なのは達と合流して登校した俺達の目の前には。

 

「あ、兄さん。皆さんもおはようございます」

「けん兄おはよう!」

「にいちゃん、フェイトねえちゃんたちもおはようッス!」

「お、おはよう、お兄ちゃん」

「おはよう、にいさん。今日もいい天気、だね」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()ナカジマ姉妹が勢ぞろいしていた。

 

「ヴィータ、なんでここにおるんや!? しかも、その恰好は!?」

「み、みないでくれ、はやて……」

 

なぜかヴィータも私立聖祥大学付属小学校の制服を着てそこにいた。

こりゃ、真新しいどころじゃないな……

 

 

続く

 




Sts編まで行こうかと思ってたけど、ちまちまと学生編でやりたいネタが浮かんできたので中学生編もやります。
そこまで長くはやらない、つもりですけどネタ次第ですねー

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