ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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お待たせしました!
安心のスカさん便利(?)回w


第57話「うちのツヴァイ、知りませんか?」

今日は待ちに待ったリインフォースⅡが誕生する日。

俺ははやて、アインスと一緒に管理局本局にある研究所へとやってきた。

はやてとアインスだけで良かったのに、なぜか俺まで来て欲しいと2人に言われて付いてきた。

シグナム達は仕事で来られないので、俺がその代わりと言う事なのだろう。

リインフォースⅡは本来ならもう少しかかるはずだったんだけど、なんでかスカさん達がものすごく頑張ってくれて予定より早く誕生する事になった。

八神家でスカさん達からそれを聞かされた時、ウーノ達が俺の方をチラ見しつつも視線を合わせなかったのは、ナンデダロウネー?

俺達が研究所に着くと、スカさんとウーノ、それからクアットロが待っていた。

なんでか、スカさんが包帯まみれになっていたが。

で、それをはやては気にしてたけど、キニシタラダメ、OK?

本人はちょっと実験に失敗してケガをしたって誤魔化してたけど、骨に異常はない程度にしたからイイヨネー?

でも、それにしては包帯の量が増してる気がするような? ま、いっか。

 

「さ、さてと、それじゃあお待ちかねのリインフォースⅡのお披露目よ!」

 

微妙な空気を切り替えるように、ウーノがわざとらしく声をあげると、Ⅱが入れられているポットが開かれた……のだが。

 

「いないね」

「おらへんなぁ」

 

ポットの中身は空だった。

 

「「「どういうこと?」」」

「わ、私にも分からないわ。ちょっと待ってて」

 

俺とはやて、アインスが同時にスカさん達の方へ振り向くと、スカさん達もこれは想定外の事態のようだ。

 

「ドクター、また何かやったのですか!?」

「お、落ち着きたまえ。今回ばかりは私も何もやっていない!」

 

クアットロがスカさんに詰め寄っているけど、彼にとっても想定外らしい。

てか、あの様子だとやっぱスカさん常日頃から何かをやらかしているようだ。

 

「はやてならⅡを探す事は出来るんじゃないか?」

 

確かはやては、真の夜天の主に覚醒した際に守護騎士とリンクしていて大体の居場所が分かるようになったはず。

 

「あーまだパスつないでないから分からないんよ。ウーノさん、ここ防犯カメラないんですか?」

「今調べてるから待ってて、出たわ」

 

防犯カメラの映像には、リインフォースⅡと思われる小さな少女がポット内に収められて蓋が閉められる様子がしっかりと写し出されていた。

それからしばらくスカさん達が作業をしている様子が流れた。

その間、ポットは一度も開かれず、リインフォースⅡも出た形跡がなかった。

 

「ここまでは異常はないわね」

「私とウーノ姉様で監視していましたし、ドクターがおかしな事したわけでもないですわね」

「2人共、私ってそこまで信用ないのかね?」

「「ありません」」

 

ウーノとクアットロに即答され、スカさんはいじけてしまったが誰もフォローはしない。

防犯カメラの映像はやがて、俺達が到着した時間に迫ってきた。

 

「ここで私達が健人君を出迎える為に外に出たのよね」

 

映像では、スカさん達が部屋を出ていき、そのすぐあとにポットが開いていく様子が映し出されていた。

 

「おかしいですね。ポットがひとりでに開いたように見えますけど、ロックはかかっていたはずですし……おや、ちょっと待ってください」

 

クアットロが何かに気付いて、映像を巻き戻していった。

 

「ここ、私達が出る時。ドクターの置いたコーヒーカップの場所、ポットのロックスイッチがある場所ですわね」

 

よく見るとスカさんがカップを置いた場所でスイッチが赤く光り、ポットが開いていくのがはっきりと分かった。

 

「それはつまり……また、私がやってしまったというわけだね☆」

 

――ドカッ バキッ メキョ

 

「それじゃ俺達はこっちを探すからウーノさん達は向こうをお願い」

「分かったわ」

 

俺達は二手に分かれてツヴァイを探す事になった。

と言っても、管理局本局って膨大に広いから探すのは大変そうだ。

 

「万が一無限書庫なんかに行かれたら……」

「捜索隊を組織せなあかんね……」

「不吉な事を言わないでください、主はやて」

 

無限書庫は管理局本局にある、書庫と言う名の大迷宮だ。

ユーノが最近、無限書庫で働き始めて大整理を行っているけど、まだまだ始めたばかりだ。

一応ユーノにも連絡しておくか。

 

「ユーノ、そっちに小さいリインフォースが行ったら確保しておいてくれ」

「確保……」

 

アインスが何か言いたそうだけど、無視。

 

『小さいリインフォースって今日生まれるって言うツヴァイの事だよね? 彼女ならついさっきここに来て、君たちを探していたよ?』

「あちゃー遅かったか」

 

それにして無限書庫ってここから距離あるはずなのにもうそこまで行ったのか。

 

「それで、ツヴァイは次、どこかに行くとか言うとらんかった?」

『リンディ提督の所へ行くと言っていたよ』

「分かった。ありがとな」

『どういたしまして……さて、あと12時間働いたら5分も仮眠取れるな』

「「「………」」」

 

最後にユーノは、笑いながら何か呟いてた気がするけど、気にしないでおこう。

 

「……彼、目の下に隈があったような」

「アインス、それは見間違えだ。もしくはアイシャードって奴だよ、きっと、多分……」

「健人さん、それは流石に厳しすぎるで……」

 

気を取り直して、リンディ提督へと連絡を取ったのだが。

 

『さっきウーノさんからも連絡受けたけど、こちらには来てないわね。来たらすぐに連絡するわ』

 

という事でリンディ提督の所にはまだ来ていないので、手あたり次第に聞き込みをする事にした。

 

「どなたかこの映像の子、見かけませんでしたか?」

「おや、君は草薙健人君だね。ははっ、この子はまた新しい彼女さんかな?」

「今日は美女と美少女を連れているのに、また増えたのかしら?」

「またってなんですか!?」

 

男性職員からは暖かい目を、女性職員からは黄色い歓声を浴び。

 

「すいません。小さい女の子見かけませんでしたか?」

「あーお人形さんを落としたのかしら? でも、見かけなかったわね」

「いえ、お人形なのではないんですけど。ともかく、ありがとうございました」

 

と、手がかりすら得られなかった。

ウーノ達もまだ探してくれているが、まだ何もつかめていないようだ

どうしようかと3人して休憩所で悩んでいたその時だった。

 

――ピンポンパンポーン

 

本局内に館内放送が流れた。

 

『お客様のお呼び出しを申し上げます。第97管理外世界地球よりおこしの草薙健人様、八神はたて様。お子さんがお待ちです至急迷子センターへお越しください』

「「「ぶふぅーー!?」」」

 

思わず飲んでいたジュースを吹き出してしまった。

 

「迷子のお知らせって、ここはデパートか!」

「私ははたてやなくて、はやてや! 誰が鴉天狗や! 念写なんて出来へんよ!」

「はやては鴉じゃなくて狸だもんな」

「そうそう……って誰が青狸や! 4次元ポケットなんか持ってないで!」

「誰もそこまで言ってない」

「2人共、ツッコミ所はそこじゃない。いや、現実逃避したい気持ちは分かるが」

 

また面倒ごとと言うか厄介事の匂いがするんだけどなぁ。

でも、迷子というなら迎えに行かないわけにはいかず、俺達はやむなく迷子センターへと向かった。

と言うか、迷子センターあったのね、管理局本局って。

 

 

こうして俺達はウーノやリンディさん達に連絡を入れて、迷子センターへとやってきた。

 

「さーって、とっととⅡを引き取って戻り…「この声はパパですかーー!?」…ゴフッ~!?」

 

迷子センターのドアを開けた途端、中から何かが俺の胸元めがけて飛び出してきた。

たまにギンガやスバルに突進を受けた事はあったけど、アレに勝るとも劣らない勢いだ。

 

「け、健人さん!?」

「大丈夫か、健人!? ん、お前は、Ⅱか?」

 

俺の胸元に飛び込んできたのは、俺達が必死になって探していたリインフォースⅡだった。

 

「あ、ママ! お姉ちゃんも! 会いたかったですぅ~!!」

「フブッ!?」

 

ツヴァイは俺の胸元からはやてに飛びついた。

はやてはともかく、俺にも反応できない速度の突撃とはツヴァイ、かなり出来る!

 

「そ、そんな事に感心しなくてええよ、ケホケホッ!」

「主はやて大丈夫ですか? こら、ツヴァイ。いくら心細かったとはいえ、無暗に人に突撃してはいけないぞ」

 

流石はアインス、見事なお姉ちゃんっぷりだ。

でも、それよりもツヴァイの俺とはやてへの呼び方を注意して欲しいなぁ。

あと、自分の所に来なかったの悔しかったって顔に書いてるぞ?

 

「はい。ごめんなさいです。お姉ちゃん」

「うん、分かればいい……それにしても、お姉ちゃん、か」

 

あ、こりゃダメだ。アインスの頬がゆるゆるになってる。

お姉ちゃんって言われたのがとても嬉しかったんだろう。

俺は、生前でも妹居たし。今もギンガやスバル、最近じゃティアナっていう妹分がいるから、気持ちはよーーく分かるけど。

 

「私の事はスルーなんやねぇ……あー床冷たくて気持ちええなぁ」

 

はやてはツヴァイに突き飛ばされたまま、地面に寝転がりながら拗ねていた。

 

「あははっ、やっぱりあなた達って面白いわね」

 

そんな俺達を微笑ましく見守る女性局員さん。

さっき放送を流した人なのだろうけど、見世物じゃないんだけどな。

 

「うちのツヴァイがお世話になりました。けど、あの放送は……」

「おっと、ごめんなさいね。君達が噂通りの子達か確かめたくって、ワザとあんな放送流したの」

 

確信犯かよ!

 

「でも、おかげでアレ本局中の人に聞かれちゃったんですけど?」

「そんなジト目で睨まないで。安心して、君達がいたあの場所以外には流してなかったの」

 

どうやら俺達があそこにいたのを見つけたおねーさんが遊び心で放送を流したらしい。

 

「色々言いたい事はありますけど、まずはそれよりもリインフォースⅡ?」

「はい、パパ!」

「その、健人さんをパパって呼んだり私をママって呼ぶのはなんでなのかな? ちょっと7年程、健人さんには9年ほど……えへへっ」

 

はやて、そこで嬉しそうな顔するな! その年数が何の意味あるかは聞きたくないなぁ!

 

「ツヴァイのパパなら、私も健人をパパと呼ぶべきか。悪くないか。いや、むしろ私がママと……」

 

そこ! 聞こえてないと思って小声でとんでもない事いわない!

 

「あんまり変な事言うと、次元や時空の境界超えて戦争起きるからやめて」

 

彼女達ならやりかねない!

 

「わわっ! パパの目からハイライトが消えちゃったです!?」

「わ、分かった、悪かった。だから、目から光を消さないでくれ」

「ごめんな健人さん! 悪ふざけはこの辺にしとくから元に戻ってぇ! ツヴァイももう私らを変な呼び方で呼ぶの禁止や!」

「ホントに面白い子達ね君達は~」

 

メンタルの再起動に3分ほどお待ちください……

 

「コホン! それじゃ話を戻すね。ツヴァイ、なんで私や健人さんの事をママやパパって呼んだんや? そんなプログラムはしてへんで?」

「それはですね。昨日、ドクターが言っていたんですよ。はやて君がママならパパは健人君になるのかな~って。その後なぜかドクターは娘さん達にボッコボコにされてましたけどね」

 

と、そこへタイミングよくドクター達がやってきた

 

「やぁ、無事にリインフォースⅡが見つかったようで良かったね! 娘たちと本局中を駆け回った……おや? 3人ともそんな怖い顔をしてどうしたのかな? ま、待ちたまえ! 私をオチに使うのはいい加減天丼というやつではないかね!?」

「「「おまえのせいかー!!」」」

 

こうしてリインフォースⅡは再教育を受ける事になり、みんなのお披露目はまたの機会になった。

 

続く

 




リインフォースⅡ登場!
一応原作よりも早く登場しました!これもスカさんパワーです!
で、案の定まともに登場しなかった!w
はやてのメインヒロイン感が強い……うん、俺的にはティアナかナカジマ姉妹をメインヒロインにしたいんだけど、なぜかこうなってしまいますw
健人の嫁は一体誰になるのかなー……嫁が決まるまで何年かかるのかなー(爆)

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