家族がらみのトラブルでストレスがマッハ……
おまけにネット環境が不安定、工事しようにも日程調整ができず最悪今年いっぱいは不安定なまま……
おかげで沖ジェット召喚できず(関係ない)
俺が学校生活で授業、給食以上に憧れた行事がある。
身体が弱かった俺は、一度も参加した事がない行事。
それは……運動会だぁ!!!
『いやぁ、気持ちは分かるんやけどね。私もしばらく不自由な生活で学校に行かれへんかったし』
『でしょ? でしょ!?』
『だからって、2徹はあかんで?』
『ですよねー』
今日は待ちに待った運動会。
なのに興奮した俺は昨日一昨日と寝れず、寝不足のままこの日を迎えてしまった。
なのは達は、様子がおかしい俺を心配してくれたが、うまくごまかした。
でも、はやてだけには気付かれて念話で指摘された。
『でもなんではやては気付いたんだ? フェイトやアリシアだって誤魔化せたのに』
『それは……私も、春に久々に登校した時は緊張と興奮で眠れなかったんや。経験者は語る!』
いや、ドヤ顔で経験者は語る。じゃないから。
「ねぇ、健人と念話で何を話してるの?」
流石にフェイトは俺達が念話をしてるのには気付いたか。
「それはやなぁ、秘密やフェイトちゃん。な? 健人君?」
「男同士の秘密の会話って奴だ」
「そうそう、って私は女や!」
「3人とも馬鹿な話してないで応援しなさいよ。そろそろなのはの出番よ、ついでにアリシアも」
「アリサちゃん、ついでって」
とまぁ、こんな馬鹿な掛け合いしている俺達の目の前では、クラス対抗の徒競走が行われていて次に走るのは、なのはとアリシアだ。
「負けないよ、なのは!」
「うん、私もだよ、アリシアちゃん」
本来なら2人の応援をすべきなんだろうけど、俺の視線の先ではそれどころじゃない事が起きていた。
生徒の家族が応援に来るのは小学校の運動会じゃ当たり前だけど、ある一角が明らかに人数が多すぎる。
なのは達はそれぞれ家族が来ていて、リインフォース・アインス達も来ている。
で、俺の家族という事でナカジマ家+αが来ている。
そのαは、ゼスト隊長にメガーヌさん、ティーダさんにティア。
と、まぁ、ここまでは想定内。
で、だ。
「なんで隊長達ばかりじゃなく、スカさん達までもここにいるんだ?」
そう。なぜか応援席には、スカさん達やなんとレジアス中将とオーリスさんまで来ていた。
おい、地上本部は今どーなってるんだよ?
「うっわぁ、目立っとるなぁ」
「あそこの人達、みんな健人君のお知り合いなの? すごいねぇ」
「母さん、研究が忙しいのに来てくれたんだ」
はやてとすずかが驚嘆の声を上げ、フェイトは桃子さん達と歓談しているプレシアを見て喜んでいる。
「おのれぇ、なんでお前の周りには美少女だけじゃなく美女も沢山いるんだよ!」
血の涙を流しかねない程の形相の楯宮は、いつも通りだな。
「いや、いかついおじさんや胡散臭いおじさんもいるからな?」
そのおっさん達は競技を肴に酒盛り始めちゃって、メガーヌさんやオーリスさん、ウーノに怒られていた。
いや、ホント何しに来たんだよあんたら。
てか、仮にも犯罪者なスカさんと意気投合してるんじゃないよ、レジアス中将!?
それにしても、衣装は現代風とはいえ、殺生〇な姿をしたスカさん浮きまくってるんだけど。
「ちょっと、誰も私達の応援してないってどういう事よ!?」
「「「あっ」」」
気が付いたらなのはとアリシアの徒競走終わってた。
「さて、次は俺の番か」
俺の出る種目は借り物競争だ。
これも俺が昔からやりたかった競技の1つだ。
グラウンドにバラ撒かれたカードに書かれた物や人を借りてゴールに持っていく、もしくは連れてくる競技。
全くの運任せの競技。カードに何が書かれているか今から想像するとワクワクが止まらない。
借り物競争には、俺の他にはやてとアリサ、それに楯宮が出る事になっている。
何だろう。この面々と応援席にいる面子を見て、まともに終わりそうな気がしない。
まぁ、何にせよ楽しむとしますか。
なんだか燃えてきた!
「位置について、よーいドン! と言ったらスタートですよ?」
――ドテッ
と、思ったら、スタートの合図でボケをかました担任のせいで萎えてしまった。
「せんせぇ~?」
「あ、あははは。冗談ですよ、冗談。だから目からハイライト消さないでね草薙君?」
この先生、実はワザと天然装ってるんじゃないだろうな?
「そ、それじゃ気を取り直して、位置について、よーいドン!」
――パンッ
今度こそ借り物競争がスタートした。
これは別に足が速ければいいというものでもなく、いち早くカードを取ればいいというわけでもない。
「うおぉぉぉ~~!!」
それが分かってないのか猛ダッシュする馬鹿1人。
「は~……楯宮君、初っ端から飛ばすねぇ」
「ああいうのに限ってろくでもないカード引くのよね」
「楯宮には生贄になってもらおう」
一方の俺達はマイペース。
他のクラスの参加者たちは楯宮に触発されて猛ダッシュする子や、そんな様子にドン引きしている子など反応は様々だ。
「よっしゃ、一番乗り! どれどれ、何を借りればいいんだ? 『タケコプター』 そーらを自由に、って飛べるかぁ!」
やっぱりろくでもない物が混じってるみたいだな。
「なんか、カードを見るのが怖くなってきたわ。私のはっと 『杉下警部のメガネ』 すみませーん、この中に水谷豊さんはいらっしゃ、るわけないでしょ!」
アリサもハズレっと。
「ふーん、ネタの広さが半端やないねぇ。『インフィニティ・ガントレット』……さて、次いこか♪」
はやてもハズレ、他の子達も 『こち亀全巻』やら『スピノザウルスの化石』やら無理ゲーにもほどがある借り物ばっかりのようだ。
「俺の運、試してやる! これだ! えっと?」
カードに書かれていたのは 『頼りになって大好きな美人な年上のお姉さん』 だった。
うーん、これに該当しそうな人は、沢山いるな。と、応援席にいるクイントさん達に目を向ける。
クイントさんにメガーヌさん、ナンバーズは、みんな美人で年上だけど、頼りになる……のはドゥーエとセインを除こう。
――なんでだよー!?
空耳だな、きっと。
さてと、これ、誰を選んでも後が怖い奴だ、うん。
と言うか、選べないなーみんな頼りがいあって美人だし、みんな大好きだし。
うーん……仕方ない。
「次いこっ」
――チッ
応援席の方から舌打ちが聞こえたような気がしたけど、気のせいだな。
「ドゥーエ姉様? セインちゃーん? あとでお仕置きね」
「げっ、ば、バレちゃったー?」
「うぇ~!? な、なんで私まで!?」
聞かなかった事にしよう。
「『宝石の肉』 よっしゃ、今すぐ第一ビオトープへ……ってどこだよ!」
「『鋼金暗器』 また懐かしい物やなぁ。でも、アウトや」
あっちもまだアタリのカードを引けてないようだ。
そもそも、アタリのカードなんてあるのか?
「はぁ、そろそろまともなの出てこーい。おっ?」
何枚目かに引いたカードに書かれいたのは、一見すると今までと同じようにハズレカードにも見えた。
「でも、これなら……いけるかもしれない!」
急いで目当ての人がいる場所、生徒の待機場所へと向かった。
俺が目指した人物は、アリシアだ。
「アリシア! 悪い、一緒に来てくれるか!?」
「えっ? 私!? え、えっと、その、心の準備が……」
ワザとらしくモジモジして渋るアリシアだったが、楯宮もはやてもアタリのカード引けたようでそれぞれ観客席に走って行くのが見えた。
ここでモタモタしていられない
「いいから来て!」
「わっ、ちょっと待って、ギャーー!?」
アリシアの手を引き、一目散にゴールを目指す。
「はやっ、足、地面についてなーい!」
後ろでアリシアが文字通り宙に浮いて軽く目を回しているような気がする。
まぁ、後でジュースでも驕ろう。
「ゴール!」
こうして俺達は無事に1位となった。
俺達のすぐあとに、大きな荒巻鮭を抱えたはやてが2位でゴールした。
アリサはお題がろくでもない物ばっかりだったので、早々に棄権して応援席に戻ってすずかに慰められている。
どんなお題だったのか気にはなるけど、俺らもとんでもない物ばっかだったからな。
『借り物競争1位は、4年C組草薙健人君、2位は同じく八神はやてさん……』
「やったで、私らでワンツーフィニッシュや!」
「いえーい!」
荒巻鮭抱えたままのはやてとハイタッチ。
いや、早く返して来たらどうかな? 重くないのかな? てか、どこで借りれたのかな、それ!?
と、ここで楯宮がやっとゴールした。
「ぜー……はー……ひどい目にあった」
「あれ? 楯宮、遅かったな? はやてと同じくらいに当たりのカード引いてなかったっけ?」
「そ、それが……お題は 『チワワ』 で、すぐに借りる事できたんだけど、すごくパワフルな犬で……ぜぇ、ゴールと全く別方向に走り出して、苦労、したぁ」
「そりゃまた、ご苦労様やな」
そういえば、俺らがゴールした時に離れた所で砂煙が上がっていたが、あれはチワワに引っ張られて爆走する楯宮だったようだ。
「そうだねぇ、私もだーれかさんに引っ張りまわされたものねぇ?」
「お、アリシア、お疲れさん。おかげで助かったよ」
「それはどうも! で、カードには何が書かれていたのよ? 『大事な友達』 とか 『美少女』 とか書かれていたのかしらぁ?」
アリシアがカードに書かれていた事が気になるのは分かるけど、なぜ得意げな顔をしているのだろう?
はやてははやてで微妙にむくれた顔をしていて、応援席からなのはとフェイトがこっちを睨んでいる気がする。
「どれどれ~?♪ ……『漫才相手』 ですってぇ~!??」
「「ぶふっ!?」」
なぜかはやてと楯宮が吹き出して、アリシアがやたらと大袈裟に驚いているけど、他に適任がいなくて仕方がなかったんだよなぁ。
「ちょっと健人! 何なのよこれ!?」
「何って、漫才相手にするならだれがいいかって事だろ?」
「それを聞いてるんじゃないわよ! なんで、私が選ばれたのよ!?」
どうやらアリシアは漫才相手に選ばれたのが不服なようだ。
「だって、はやてもアリサも同じ種目の選手だし。なのはやフェイト、すずかは違うだろ? で、アリシアになった」
「私も候補になっとったんやね」
はやてとはよく漫才のような会話してるからな。ボケ役とツッコミ役どっちもできるし。
アリサも俺とはやてやフェイトとのツッコミ役になってくれてる。
「あっ、そうかごめんな。アリシアが漫才相手で一番に浮かばなくてさ」
アリシアは一緒に住んでてよくフェイトを交えて漫才のような会話してるから、それが当たり前すぎて真っ先に浮かばなかったんだな。
「ちっがーう! 私が怒ってるのはそこじゃなーい!」
「アリシアちゃん、心底、本当に心の底から同情するわ。まぁ、健人君の気持ちもわかるんやけどね」
アリシアと2人して盛大にため息をつくはやて。
女の子同士、共感する事があるんだろうなぁ。
その原因は俺だってのが納得できないけど。
「草薙……なんで俺の名前が出てこなかったんだよ!」
楯宮、お前はそれでいいのか?
続く
運動会編、と言ってもあと数話で終わりますがー
で、その後原作での、なのはとゼスト隊に関わるイベントをサクッと終わらせて中学生編に行こうと思います。