キャンプ編です!
11月19日
ちょっと修正加えました。
うん、自分でネタを忘れるとは・・・スランプかなぁ(-_-;)
レジャーランドの楽しい日々は終わり、今日からはキャンプ場で1泊2日のキャンプだ。
えっ? レジャーランドはどうしたかって?
イルカショーを見終わってクイントさんとゲンヤさんに合流したら、クイントさんが小動物に囲まれながら、とてもいい顔で昇天してたのが衝撃的だったな。
思わず、ギンガとスバルの目を塞いじゃったよ。
で、ゲンヤさんが俺の目を塞ぎ、ティーダがティアナの目を塞いだ。
うん、あれは子供には見せられないね。
そんなクイントさんを回復させてランドを後にし、俺達はキャンプ場へとやってきた。
「山だー!」
「川だー!」
「「キャンプだー!」」
昨日まで散々ランドで遊びまくったってのに元気がいいねぇ、うちのちびっ子達は。
「ティアはギンガとスバルに混ざらなくて良かったのか?」
「叫ぶ言葉考えてたら、出遅れちゃった」
「いや、そこまで悔しそうにしなくても……」
まるで、ネタが被った芸人のような悔しがりを浮かべるティアナ、その妹に苦笑いを浮かべるティーダ。
ごめんなティーダ。たぶん君の妹さんは、うちの妹達の影響ですっかりキャラが変わってしまった。
そのうち、おっもちかえりぃ~☆ とか あんパン! とか言いそう……それはそれでいいな。
「???」
「あ、いや、なんでもないよ、ティアナ」
「……ぶー」
あれ? なんかいきなりティアナが不機嫌になったぞ?
俺なんか変な事言ったっけ?
「……ティア」
「えっ?」
「ティア! 健人さん、いい加減私をティアナじゃなくてティアって呼んでください!」
ティアナはランドで俺とギンガ、それにスバルにティアと呼んでほしいと言ってきた。
ギンガとスバルはティアと呼ぶ時が多いが、俺はなんだか気恥ずかしいから普通に呼んでいる。
が、今回は呼ばなきゃいけなさそう、というか、すでに泣きそうだ。
「お、おおう。わかったよ、ティア……これでいい?」
「うん!」
なんかいきなりずずいっとこられたよ?
しかも、背後にViVid時代のティアナがうっすら見えちゃったし。
確かにここ数日色々遊んで仲よくなったつもりだったけど、この娘、ホントに6歳なのか!?
いや、それ言うなら俺の周りに年齢不相応な子ばかりだよなぁ……
「あらあら、青春してるわね」
「青春と言うにはあと10年は早いと思うんだがな」
「せいぜい5年くらいじゃないかしら?」
「そういう問題ですか……はぁ、おーい、健人君。ちょっといいかな?」
テントを設営して、何やら保護者的な会話をしていたティーダに呼ばれたが、正直嫌な予感しかしない。
「……なんですか、ティーダさん?」
「そう露骨に嫌な顔をしなくてもいいと思うんだけどな。大丈夫、僕は君にプレッシャーをかける気はないよ。この2人と違って」
「えっ、お、おい。クイントはともかく、俺はそんな……健人はまだ子供だぞ!?」
「私だって変な事言った覚えないわよ! そうよね、健人~?」
若干呆れ目なティーダに明らかに動揺する2人。
クイントさんが俺を君呼びしない時がたまにあるけど、そういう時は大抵動揺してるか変な事考えてる時だよな。
「ここら辺の川は流れが急になってるけど、向こう側は緩やかになっていて釣り場として人気なんだよ。どうだい、魚釣りやってみるかい?」
そう言ってティーダは俺に竿を差し出した。
行くかと聞いておいて、俺を連れて行く気満々だな。
「あ、私もやる!」
「わたしもわたしも!」
ギンガとスバルも釣りをする気満々だけど、既に釣りの準備を整えている子が1人いるんだよな。
「兄さん、準備万端です!」
「よしっ、じゃあ行こうか2人共」
あれ? 俺まだ行くって言ってないよね?
魚釣りって初体験だからちょっと楽しみだからいいけどね。
「……ギンガは私の手伝いしてくれる? スバルはお父さんとキノコ採ってきて。ここら辺のキノコは毒キノコはないから安全よ」
「「はーい!」」
2人共一緒に魚釣りしたがっていたが、それぞれ手伝いを頼まれてそっちをする事になった。
クイントさんの料理の手伝いやゲンヤさんとのキノコ狩りも楽しそうだな。
キャンプ場の川に魚釣りに来てはや1時間が経過した。
ティーダは結構な数を釣り上げているけど俺とティアナは最初はなかなか当たりが来ない。
俺は初めてで、ティアナも魚釣りは2回目らしいからこんなものか。
気長に待とうか、と思っていたその時。ようやく何かかかったようだ。
「よしっ、かかった! ……長靴が」
「私にも来たー! ……バケツが」
2人そろってハズレを釣り上げガックリ。
誰だよこんな川にゴミ捨てたのは!
てかバケツでかすぎ! ティアナくらいの大きさあるぞ!?
「あれ? このバケツお魚さんがいっぱい入ってる!」
ティアナが釣り上げた大きなバケツには、色々な魚が入っていた。
ってか、魚満載のこの大きさのバケツを中身も落とさず釣り上げるティアナって色々な意味ですげぇ。
実は彼女も戦闘機人じゃないだろうな?
「2人共どうしたんだい? って、すごいなティアナ、大漁じゃないか」
ティーダも魚いっぱいのバケツを見て驚いていると、川の上流から女の人が走ってくるのが見えた。
それはとても見覚えるのある女性だった。
「すみませーん! そのバケツと長靴私達のでーっす!」
小走りで走ってくる金色と栗色の中間くらいの髪の毛の女性、どう見てもドゥーエ。
「あら、健人君じゃない。こんなところで奇遇ね♪」
「エェ、ホントウニキグウデスネ」
「ちょっ、そ、そんな怖い顔しないでよ。ランドでもだけど、今日も偶然よ偶然!」
「ホントニソウデスカ?」
なんでランドとここでも会っちゃうのかなぁ。
ドゥーエだけ来てるわけないからきっとスカさん達もいるんだろうなー。
シェルブリットに発信機を付けられそうになったって聞いたけど、ホントについてないよな。
「健人君、その人と知り合いかな? なんだかランドのショーで見た人に似てるけど?」
「あぁ、この人は……」
「初めまして! 私の名前は二乃と言います。健人君とは友達なんですよ」
「そうですか。僕はティーダ、ティーダ・ランスターです。こっちは妹のティアナです」
「……はじめまして」
仕方ないからドゥーエをティーダとティアナに紹介しようとしたら遮られた。
なんだろ。妙にドゥーエの目がキラキラしてる?
ティアナはティーダの後ろに隠れて、ジッとドゥーエを、睨んでる?
あれ? そういえばドゥーエに会ったらぶっ飛ばそうと思ってたんだけど……なんでだっけ?
ティーダも、どこかで聞いた名前のような。って呟いてるし。
あれ、アレレー?
「健人さん、この人、誰? 本当にお友達なの?」
「認めたくないけど、知り合い。昔世話になったんだよ、不本意だけどね」
これでも恩は感じているのだ。
「それでなんでここにいるんですか、二乃さん?」
一応管理局員であるティーダの手前、ドゥーエに合わせるか。
でも、クロノ曰く、今のスカさん、ドクターブライト達ならそこまで問題はないみたいだけど、まぁ一応?
あ、俺も管理局員だった。
「ちょっとランドで水族館のバイトしてたら、新鮮な魚食べたくなって、流石にあそこの魚盗る、もらうわけにはいかないでしょ? だから釣りに来たのよ」
『ドクターは来てるけど、先に帰ったわ。ウーノ達も来てないから安心してね』
どうやらこの長靴はスカさんので、釣りまくって調子に乗って転んで長靴と魚入ったバケツを川に落としたらしい。アホか!
「なるほど。それじゃこの量は二乃さんとお父さんのお2人で? 釣り上手なんですね」
「ふふっ、ありがとう。うちは姉妹が多いからこれくらいないとね。それじゃあ、父が待ってるから行くわね。またね、健人君、ティーダ君、ティアナちゃん♪」
そう言い残してドゥーエは去って……あっ、戻ってきた。
ドゥーエはバケツから一番大きな魚を取りだして、ティーダのバケツに入れた。
俺は元々川魚には詳しくない。ましてや、ミッドの魚なんてもっと知らない。
だけど、ティーダの反応から見てこれは結構大物でおいしい魚のようだ。
「ティーダ君。ここで会ったのも何かの縁だからこれ、どうぞ」
「えっ? こんな大きな魚いいんですか?」
「うん。うちは十分釣ったから大丈夫よ。それに健人君、意外と大食いだしね」
と、流し目でウインクして今度こそドゥーエは森の奥へと戻って行った。
ティーダは貰った魚で溢れそうなバケツを持ちながら、じっとドゥーエが去って行った方を見ていた。
「二乃さん、綺麗な人だったな」
あれ? これは、ひょっとして、ひょっとする?
「ティーダさん、ひょっとしてああいう女の人が好み?」
「え“っ!? い、いや、そ、そそんな事ないよ?」
「……兄さん?」
「ティアナまでその眼は何かな? いやだなぁ、健人君。変な事言ってからかわないでくれよ。そういう所はあの2人に似なくていいから!」
ほうほう。ドゥーエも興味深そうにティーダを見てたし。
これはこれで面白い事になりそうだネ♪
<ドゥーエの興味をティーダに向かせて、あわよくば押し付けようとしてないかマスター?>
『アハハハッ、シェルブリットもおかしなこというねー』
俺とティアナはロクに釣れなかったが、ティーダが釣ったのとドゥーエに貰った分で十分だろうと俺達はキャンプへと戻ってきた。
ゲンヤさんとスバルはもう戻ってきていて、キャンプファイヤーの木を組んでいる所だった。
「3人共おかえりなさい。あら、結構大漁なのね。これは腕がなるわ♪」
クイントさんは大漁の魚を見て大喜びだ。
ギンガとスバルも目をキラキラさせてバケツを覗き込んでいる。
「おう、健人。ちょうどいいところに戻ってきたな。待ってたんだ」
「私も健人君が戻ってくるの待ってたのよ」
「ん? どうしたんですか、2人共?」
「実はな、ライター忘れてきてな。火をつけてほしいんだよ」
キャンプに欠かせない種火を忘れたようだ。
ゲンヤさんもクイントさんもティーダもタバコを吸わないのでライターは持っていない。
魔法でどうにかならないかと思ったが、着火できるような魔法は俺以外は使えない。
つまり、俺はチャッカマン代わりというわけか。
「悪いわね。私もこの人もお互い用意してるとばかり思ってたのよ」
ちなみに料理だが、肝心の火がなかったので野菜や肉を切ったりといった仕込みしかできなくて困っていたそうだ。
「これくらいどうってことないですよ。じゃあまず、キャンプファイヤーに火をつけますね」
<なぁ、マスター? ただ火を付けるだけだからな? いつぞやみたく暴発させるなよ?>
『心配ないってシェルブリット。あれから結構訓練して魔力制御はばっちりだし、今はお前もいるんだし』
<嫌な予感しかしない>
心配性だなシェルブリットは。
そりゃ、この世界に来た当初は魔法のまの字も知らず、ただ力を使ったらクロノやアルフを燃やした事もあった。
が、今はちがーう! みよっ! 俺の成長を!
「じゃ、点火!」
組まれた木に手をかざし少しだけ魔力を注ぎ火を付けるイメージ……が、付かない。
あれ? なんで? と思い、もう一度力を籠める。
――ボゥッ
「ボゥ?」
本来なら目の前の組木から聞こえるはずの着火音がなぜか背後から聞こえたぞ?
「に、兄さん! あたまあたま!」
「えっ? っ、あっつぃ~~!!!」
なぜか俺の背後にいたティーダの頭に火が付いていた。
「お、おい! 水だ水!」
頭に火が付いたまま慌てるティーダ。
クイントさんがティーダを掴み持ち上げた。
「えーいっ!」
――ポイッ
「「「あっ」」」
そのままティーダをキャンプ場脇の川へと放り投げた。
確かここら辺の川は流れが急なんじゃなかったっけ?
「……近くに水なかったからつい投げちゃった、テヘッ☆」
「に、にぃーーーさぁーーーん!!」
ティーダは川から足だけ出して、どんぶらこどんぶらこと流されていった。
これは、俺のせい……だよね。
続く
はい、原作死亡キャラ同士なかよくしてもらいましょう!(マテ
ティーダとドゥーエはほぼ同い年設定です。