ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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ぐだぐださいしゅうけっせんです


第36話 「さいしゅうけっせん」

アースラチーム VS マテリアルズ+キリエ

 

マテリアルズのアジトで、ついに俺達はマテリアルズと対峙する。

 

「健人さん。まさか自ら私達を迎えに来てくれるとは思いませんでした」

「けんちゃん、やっほー♪」

「健人よ。いよいよ我らをもらう覚悟ができたか!」

 

なぜかディアーチェ達3人は花嫁姿でしかも、大人モードになっている。

言ってる事はレヴィ以外スルーしよう。

流石にマテリアルズが3人揃っている姿は、緊張感が今までの比じゃない。

いくらこちらがオールスターで戦力が申し分ないとはいえ、今日の彼女達はそれ以上の迫力がある。

俺達もそれぞれデバイスを構えて、いつでも仕掛けられるようにする。

 

『クロノ君、今の彼女達は未知数だよ。気を付けて!』ケントサマー

「あぁ、分かっているエイミィ。みんな、あんな恰好でも油断するなよ」ケントサマー

「「「「了解!」」」」ケントサマー

 

・・・・・・・・

 

ケントサマー♪

 

「「「「「なんで(お前・あなた・それ)がそこにいるんだ!?」」」」」

 

クロノ達ばかりではなく、ディアーチェ達もこの場にいる全員が俺の頭に乗っているコレにツッコミをいれた。

出来ればスルーしてほしかったなぁ。

 

「いや、その……なんででしょう?」ケントサマー

 

今、俺の頭の上にはちっさいユーリこと、め~ちゅが乗っている。

さっきから俺の頭から降りようとしないんだよな。

そればかりかベッド代わりに寝ようとしてるし。

 

「ずるいぞ、ユーリ! なぜ健人側にいるのだ!?」

「そうだーそうだー! ボクだってそっちに行きたいのに!」

「なら、行きましょうか?」

 

アースラチーム + マテリアルズ VS キリエ

 

「まてまてまてまって、まちなさい! どうしてそういう構図になるのよ!? 私1人でどうしろっていうの!?」

「君1人で何ができるというんだ? 素直に降伏しろ」

 

クロノはすでにツッコミを放棄している。

それは、俺達もだけど。

 

「だーかーらー! どうして私1人で全員相手する流れになるのよ!」

 

もうキリエは涙目だ。

なのは達もキリエを可哀想な人を見る目になってる。

 

「なんだかちょっと、可哀想ですね」

「じゃあ、こうしよう!」

 

アースラチーム + マテリアルズ VS キリエ + クロノ

 

「まてまて! なんで僕1人をこっち側にさせた!?」

 

この状況にはさすがにクロノもツッコミを入れざるを得ないか。

 

「じゃ、これでいく?」

 

マテリアルズ VS キリエ + アースラチーム

 

「うんこれでよ……くないわよ! なんであなた達みんなこっちに来るのよ!?」

「そうだそうだー! 僕たちこっちに来た意味ないでしょ!」

「……もうめんどくさい!」

 

 VS アースラチーム + マテリアルズ + キリエ

 

「全員こっち側!?」

「私達一体誰と戦うの!?」

「というか、どうしてこうなるんだ!?」

 

誰もいない空間に向けて身構える俺達。

ホント、何やってんだ?

 

「『あなた達、いい加減にしなさい!!!』」

 

リンディ提督とプレシアのダブルママんに怒られたので、仕切り直し

 

「で、なんでそんな恰好でしかも、大きくなってるんだ? それにこのちっこいのは一体何?」

「それは私も知りたいわね。お昼寝してる間に一体何があったの!?」

 

どうやらキリエも、ディアーチェ達の大人+花嫁モードとユーリのチヴィット化は知らなかったようだ。

 

「花嫁姿なのは、王様が前に言った通りの事だよ。僕たちけんちゃんにもらわれるんだもん」

「あ、そうですか……」

 

分かっていたけどねぇ。

がっくりと肩を落とすと、ヴィータとリインが慰めてくれた。

 

「この大きい姿は、以前王様が行ったときに、異世界からきたその子達が大人になっているのを見て真似しました」

「わ、私達の大人モードを!?」

「一度見ただけで解析したというのですか!?」

「ふっ、我らにかかれば造作もない」

 

ヴィヴィオ達の大人モードって今でも使える技術か分からないけど、それでもあの短時間での邂逅で解析しちゃったのか?

それとも、ずっと俺達を観察していた? そっちの方がありえそう。

 

「それに……健人さんは大きい女性の方が好みのようでしたので」

「えっ? な、なんで私の方見るん?」

 

シュテルが若干殺意の籠った目でジークを睨んでいるけど、ナンデダロウナー?

 

「お、大きい言うたら私よりリインさんやシグナムさんの方が大きいで?」

「せや、こっちには最終兵器が2人もおるんやで!」

「わ、私達を巻き込まないでくれないか?」

「主はやても乗らないでください!」

「あの~? 私は入らないんですか? いえ、別にいれてほしいわけじゃないんですけど、なんだか複雑です」

 

シャマルの呟きはスルーされた。

 

「はぁ~、とにかくみんなのその姿は、分かりたくないけど分かった。じゃあ、これは何?」

 

さっきから頭が静かだと思ったら、め~ちゅは俺の頭の上で眠っていた。

 

「私も聞きたいわよ。まだユーリは目覚めないって話じゃなかったの!? 以前、チョコ作る時に半ば無理やり短時間だけ実体化させたのだってすごく大変だったじゃない」

「あぁ、それなのだが……あまりに健人に会いたい会いたいと言うのでな。健人への愛がそれだけ強ければその想いを力に変えれば復活できるのではないかと、レヴィが」

「ボ、ボクだけが言ったわけじゃないよ!? シュテるんだって賛成したよ!」

「それもありかも。と言っただけです。それにユーリの想いは大きくても、私よりは大きくないとも言いましたが」

「むっ、それは聞き捨てならないぞ。健人への想いが一番強く激しく大きいのは、我だぞ!」

 

3人共なんでユーリがめ~ちゅになったのかの説明をしたと思ったら、なんか内輪もめ始めちゃった。

しかも、その原因が俺ですか……い、胃が痛い。

 

「健人君。だ、大丈夫!?」

「なのは……想いが、重い」

「い、意外と大丈夫そうやね」

 

分かっていた。分かっていたさ。こうなるって事くらい。

バレンタインの時に嫌ってほど彼女達の想い受け取らされたからね……

あ、トラウマがががが・・・・

 

「け、健人君の目からハイライトが消えちゃったの!?」

「健人、しっかり!」

「わわっ、えっと、ジークさん、健人をぎゅーっとしてあげて」

「ええぇ~!? ヴィヴィちゃん何言うてんの!? で、でも、しょ、しょうがない、よね?……えいっ!」

 

何か柔らくて暖かいものに包まれて、俺の意識が戻された。

 

「ん? あれ? 俺は一体??」

「あ、よかった、ハイライト戻ったよ!」

 

なのは達がほっとした表情を浮かべている。

え? ハイライトがどうかしたのか? まぁ、いいか。

 

「けんちゃん大丈夫?」

「体調がすぐれないようでしたら休みますか? 私の部屋で」

「うむ、それはいい考えだ、シュテルよ。ならば、我の部屋で休むがよい!」

「丁重にお断りさせていただきます!」

 

部屋は厳重に封印したし、あの中で休める気が全くしない。

 

「あ~もう! これじゃ話が進まないじゃない! 王様、シュテルもレヴィも! いいから戦って!」

 

長々と茶番を続けたので、とうとうキリエが怒ってしまった。

いや、さっきもプレシアママとリンディママに怒られたのだが、もう諦めたのか、2人揃って茶を飲みながら観戦モードだ。

 

「健人、ちゃんと骨は拾ってあげるから……残ればだけど」

『健人君、いい弁護士紹介するわね』

 

2人共、不吉な事言わないでください。色々と洒落にならないから。

 

「むっ、キリエ。何をそんなに怒っているのだ?」

「あ、ボク知ってる! 高麗人参生姜焼き定食でしょ!」

「それを言うなら更年期障害です、レヴィ」

「うきーっ! 誰のせいだと思ってるのよ! それにまだ私若いわよ! そこの2人よりも!」

 

ヒステリックな叫びをあげながらキリエが指をさしたのは、茶をすすっているプレシアとリンディ。

それを見て、フェイトとクロノの顔が真っ青になった。

他のみんなもアッって顔になってる。

 

「『ア”? 何か言ったかしら?』」

「ヒィ~!? ごめんなさいごめんなさい! お二人もまだまだお若いです!」

 

俺達は何も見てない、見なかった。

ディアーチェ達も冷や汗流しながら目を反らしているし、寝ているはずのめ~ちゅも頭の上で震えている。

 

「……今のうちに帰ろうかな」

「帰れると思うか?」

「デスヨネー」

 

正直めっちゃ帰りたい。

 

「でだ。キリエよ、我らに戦えというが、なぜ戦う必要があるのだ?」

「はい?」

 

ん? ディアーチェがおかしな事を言い始めたぞ?

 

「いや、戦うでしょ。こっちに攻め込んできたのよ!?」

「だからと言って戦う必要性があまり見当たりませんね。まぁ、健人さんに纏わりつく虫を追っ払うという名目ならありますが」

「そ、そう、そうよ! それよ! とにかくこういう流れになったらそのまま戦うのが普通でしょ!?」

 

キリエの言ってる事は多分真っ当な事なんだろうけど、何だかなぁ。

もう戦う雰囲気じゃないというか、ぐだぐだすぎてね。

ホントにこんな大人数で来たのが無意味に思えてくる。

 

「えぇ~? この恰好で戦うの? 汚れるし破れそうだから嫌だ」

「だったら、変身して戦えばいいでしょう!? というかいつもそうしてるでしょう!?」

 

おーキリエの目が血走ってる血走ってる。

彼女も色々顕界なんだなぁ。

 

「ダメだ。健人に見てもらう為に、わざわざこのサイズで作った花嫁衣裳だぞ」

「それ王様が作ったの!? じゃなくて、王様この前だって健人君に見せに行ってそのまま戦闘になりかけたじゃない!」

「そうだ。あの後、ユーリやシュテルから花嫁衣裳で戦うなと怒られたのだ。だからこの姿の時は戦わないぞ」

 

怒ったのはそこかい! そういう問題じゃない!

てか、変身すればいいだけだろ! と思ったが、口には出さない。

せっかく戦闘しないで済みそうな空気をぶち壊したくない。

 

「あの~王様? 私達、ただ色々、お話聞かせてほしいの」

「な、OHANASHIだと!?」

 

ぐだぐだな空気を一掃すべく、なのはが恐る恐るディアーチェ達に話しかけたが、彼女達はなぜか戦慄している。

 

「ど、どうしてそこまで驚くのかな!?」

「高町なのは、あなたのOHANASHIとは砲撃の撃ちあいと聞きました。戦う気がないと言いつつも、砲撃の撃ちあいをしようと提案する。なんと矛盾してるのでしょう」

 

シュテルが真顔でそう指摘してくるが、否定できない。

なのは=OHANASHI=ブレイカー は割と有名だもんな。

 

「えぇ~!? 私そんな事しないよ! お話はお話なの! ねぇ、健人君、フェイトちゃん、はやてちゃん?」

「うぇ!? あ、あぁ、お話ね、OHANASHI……」

「うん、なのはのお話は、OHANASHI、だね」

「………」

 

なのはがワタワタと両手を振り回しながら否定して、俺達に救援を求めた。

だが、俺もフェイトもうまく言えず、はやてに至っては無言で目をそらした。

シグナム達も同じくなのはと目を合わせようとしない。

ユーノですら、苦笑いを浮かべるだけだ。

 

「うっ……ヴィ、ヴィヴィオちゃん?」

 

将来の娘ならうまく擁護してくれると期待の目を向ける、が。

 

「ごめんなさい」

「即答!? うわーん! みんながいじめるー!」

 

ヴィヴィオは、なのは直伝のOHANASHIでアインハルトと仲良くなったもんな。

誰もなのはを擁護できず、隅っこでのの字を書き始めた。

 

「……そちらに戦う気がないなら、こちらにも戦闘の意思はない。ともかく、話を聞かせてもらえないか?」

 

いじけるなのはをスルーして、今度はクロノがディアーチェ達に話しかけた。

 

「そうですね。いい加減話を進めましょうか」

 

誰のせいでこうなってると思ってるんだよ! と心の中でシュテルに突っ込む。

 

『大丈夫です。自覚はあります』

 

っ!? こいつ、直接脳内に!?

 

「……分かった。分かりました。ひとまず、こちらの目的を話します!」

 

半ばやけっぱちになったキリエが、色々と話し始めた。

 

それによると、キリエはエルトリアという地球とは全く別の星系出身で、しかも、ジーク達と同じく未来からやってきたようだ。

エルトリアは死病という星の病によって、環境が激変して凶暴な魔道生物が増えて人が住めなくなり、それをどうにかするには、『永遠結晶エグザミア』が必要で、それを求めて過去の地球にやってきた。

で、なんだかんだあってディアーチェ達と合流したが、肝心のエグザミアのシステムであるユーリは不完全にしか覚醒していなかった。

ユーリを完全に覚醒させるためには俺の力が必要で、その為にここを拠点にして活動をしていたらしい。

なんだかんだっていうのは、途中でめ~ちゅが起きて、俺に甘えてきてそれの世話をしていて、聞きそびれたからだ。

 

「君にもかかわる事だというのに、何を遊んでいるんだ?」

「仕方ないだろ。このちっこいのが寝ぼけて噛みついてくるんだから」ケントサマー

「わぁ~甘噛みしてて可愛い! 猫みたい」

「話聞く限りでは、とんでもなく危険な存在みたいですけどね、ヴィヴィオさん」

 

そう。め~ちゅ、ユーリは実は完全に覚醒したら、超トンデモナイ存在になるらしい。

今いるメンバーが総掛かりでも、簡単に全滅出来る程……と言われても皆半信半疑だった。

そりゃ、今までの経緯とめ~ちゅの姿見ればねぇ。

リインフォース達も、やはりそんな危険な存在が夜天の書に封じられていたなんて知らなかったみたいだし。

 

「未来から来た私が過去の人たちと無暗に接触するのはダメだから、王様達に頼んだのに……まさかここまで面倒なことになるなんて」

「あ、うん、それは、ご愁傷様」

「ひょっとして、私らが未来から過去に来ちゃったのも?」

「ごめんなさいね。多分、それ私が原因。でも、リリィにも言ったけど、大丈夫、元いた未来に戻せれるわ。けど、先にどうしても、エグザミアが必要なの!」

 

とはいうものの、一体どうすればいいやら。

今のユーリは中途半端に復活していて、この姿からどうすれば完全復活できるかは分からないようだ。

 

「健人君の力、ではダメなんですか?」

「むぅ、健人によって我らが目覚められたあの熱い力か」

「それは、つまり、俺がユーリをぶん殴ればいいんだな?」ケントサマー

 

ディアーチェ達が物凄く余計で嫌なことを言われる前に、先に先手を打たなければ。

 

「健人君、こんな小さな女の子を殴れるの?」

「ぶん殴ったらあかんで?」

「じょ、冗談だよ、冗談!」ケントサマー

 

はやてやジーク、それにヴィヴィオ達の責めるような視線が突き刺さる。

と、同時に俺の胸元に抱き着いているめ~ちゅが目をキラキラさせて、俺の顔を見上げている。

こんな可愛い生物を殴れるわけがない。

 

<もう手っ取り早くキスしちゃえよ>

『それだけはいやだーーー!!』

 

さて、どうしたものかな。

と、考えていると……

 

「ふははははっ、お困りのようだね、健人君!」

「誰だ!?」

 

突然、響き渡る大音声。

みんなで辺りをキョロキョロするが、俺だけはものすごーく聞き覚えのある変態博士な声だ。

 

「あそこに誰かいるよ!」

 

ユーノが指差した、崖の上に数人の人影が見える。

真っ青なラバースーツの上に黒いジャケットを羽織って、それぞれ個性的な青い仮面を被ったマスクドファイター達。

その後ろで某英雄王のように腕を組み、尊大な態度でこちらを見下ろす、殺生丸。

一体何しに来たんだスカさん?

 

「誰だ!? と聞かれたら」(ドゥーエっぽい人)

「答えてあげるが世の情け」(クアットロっぽい人)

「じ、次元世界の破壊を防ぐ為」(ウーノっぽい人)

「次元世界の平和を守る為」(セインっぽい人)

「愛と真実の正義を貫く!」(トーレっぽい人)

「ラブリーチャーミーなヒロイン役」(ディエチっぽい人、超棒読み)

「「「「我ら機人戦隊ナンバーズ!」」」」

「銀河をかけるナンバーズの娘達には、ホワイトホール白い明日が待っている!」(殺生丸っぽい変態)

「ニャ、ニャーンてにゃ……」(チンクっぽい猫耳少女)

 

「「「「………」」」」

 

――ヒュ~……

 

あ、世界が真っ白に染まって冷たい風が引きぬけていく感じがする……

 

 

続く

 




収拾がつかないというかツッコミしかできないというか……ぐだぐだです。
最初は、健人&ジークVSユーリ、なのは&ヴィヴィオVSシュテル、フェイト&アインハルトVSレヴィ、はやて&トーマinリリィVSディアーチェ。
をしようかなーと思ってたんですけど、やめました(笑)
次かその次でG(ぐだぐだ)O(おーだー)D(ですとろい)編終わります。

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