ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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お待たせしました!
vivid未来組、というかジークとのコミュ回です。
なんか思ったより長引きそう……


第29話 「コミュニケーションは大事」

八神家でドキドキお泊り会をした翌日、俺とジークはテスタロッサ家に戻ってきた。

フェイト達は学校に行く支度をしていたけど、ちょうどタイミングよく、ヴィヴィオとアインハルトがやってきた。

 

「高町ヴィヴィオです。今日からお世話になります」

「アインハルト・ストラトスです。あの、よろしくお願いします」

「で、私がジークリンデ・エレミアといいます。よろしくです」

「はい、よろしく。私はプレシア・テスタロッサよ。いつまでかはわからないけど、それまではここを自分の家だと思ってゆっくり寛いでね」

 

ジーク達を迎え入れたプレシアは娘が増えたみたいでうれしそうだ。

プレシアが未来から来たジーク達をアースラではなく自分のところで世話をすると言い出したと聞いて結構驚いたけど、いいお母さんしてるな。

 

「フェイト・テスタロッサです。仲良くしてね」

「アリシア・テスタロッサだよ♪ 「ちっこいけど」 フェイトのお姉ちゃんだよ……って健人? 何余計なこと言ってるのかな~!?」

「……必要ないかもしれないけど、アリシアと漫才してるのが草薙健人。あんなのだけど私とアリシアの恩人ね」

 

あんなのって……まぁ、アリシアとほっぺたを引っ張り合って漫才してるから否定はしないけど。

 

「「「……」」」

 

そんな俺たちを見る、ジーク達の反応は三者三様だ。

ジークは微笑ましく、アインハルトは困惑していて、そしてヴィヴィオは驚きで目を見開いている。

まぁ、原作世界から来たみたいだし、プレシアとアリシアの存在に驚いてるんだろうな。

多分あっちのフェイトに詳しい話、聞いてるかもしれないし。

 

「あの、ヴィヴィオ? どうかしたの?」

「あ、フェイトマ……フェイト、さん? あの、何でもないです。ちょっとにぎやかだなぁって思って」

「ふふっ、そうだね。姉さんもだけど、健人がいるともっと賑やかだよ。それと私の事はフェイトでいいよ?」

「うぅ~なんだかすごく複雑な気分だけど、えっと、フェイト?」

「うん、短い間かもしれないけど、よろしくね、ヴィヴィオ。私と姉さんはこれから学校だけど、帰ってきたらなのはやはやても含めていろいろ話しよう」

「はい!」

 

フェイトやなのは達には、ヴィヴィオは別世界の未来からやってきて、向こうでヴィヴィオはなのはの娘でフェイトが後見人であると昨日、伝えてある。

それを伝えた時、なのはもフェイトもめちゃくちゃ動揺してたな。

それと、なぜか俺の顔をちらちら見てたのは気になったけど。

そして、フェイトとアリシアは学校へ行った。

2人は厳密には歳が離れているけど、双子ということで同じ学年に通っている。

ちなみに、フェイトはなのは達と一緒で、アリシアとはやては別クラスだけど、2人とも同じクラスだ。

 

「さてと、フェイトとアリシアの学校が終わったら、あなた達の服とか日用品を買いに行きましょうか」

「えっ? 服、ですか? そんな悪いですよ」

「いつまでこっちの世界にいるか分からないし。お金なら心配しなくていいわよ。リンディから生活費預かっているから」

 

次元漂流者の生活費援助も、管理局の仕事の1つでその分の予算もちゃんと確保されているらしい。

もっとも、漂流者などそんなしょっちゅう出るわけじゃないんだとか。

ここに3人一気に来たけどな。

ってか俺も漂流者だったっけ。

こっちきてすぐ、スカさんだったりゲンヤさん達にだったりで、いろいろな人にお世話になってたから忘れてた。

 

「私は家にいるけど、あまりこの時間帯は外をうろうろしない方がいいわよ?」

「言われてみれば、今日平日だったな」

「そう。ジークリンデはまだしも、健人やヴィヴィオ達なら変に思われるわよ」

「確かに。ふつうなら学校行ってるはずだもんな」

 

土日祝日と連休だったし、俺はこっちの学校まだ通ってなかったから曜日感覚が狂ってきてるな。

 

「うーん。あ、そうだ。健人君ってシューティングアーツやってるんよね?」

「シューティングアーツというか、クイントさんに格闘戦を教わってるけど、ほとんど自己流だよ?」

 

シューティングアーツやるには、ローラーブーツとかリボルバーナックルがないとな。

一応シェルブリットもローラーブーツモードがあるけど、ちょっと格闘スタイルが合わない。

と、ここでヴィヴィオとアインハルト、それにジークの目の色が変わった。

 

「「「健人(くん・さん)手合せお願いします!」」」

「えっ、えぇ~? 俺が!? 無理だって」

 

それなりに経験は積んだとはいえ、まだまだ魔力頼りの力押しが多いから本格的に格闘術を習ってるヴィヴィオ達では役者不足だと思うんだけどな。

それも3人とも色々曰くつきだし。

コロナなら勝てる……いや、ゴーレムでドッカーンがオチだな。

 

「あら、そんな事ないわよ。クイントがあなたは筋がよくて上達も早いって言ってたわよ。それに同年代の子とやるのもいい経験になるんじゃない? 裏庭で軽くやってきたら?」

「クイントさんって、スバルさんのお母さんですよね。確か……」

「わわっ、アインハルトさんダメ!」

 

クイントさんの名前に反応したアインハルトが何かを喋ろうとして、ヴィヴィオが慌てて口を塞いだ。

何を言おうとしてたか、想像がつく。

ゼスト隊の壊滅とクイントさんの死。

忘れていたわけじゃないけど、ちょっと気が重くなる。

でも、それを防ぐためにもゼスト隊に志願したんだし、そのためにももっともっと強くならないと。

 

「あ、そうでした……」

「「???」」

「あ、あははは、お気になさらず~」

 

苦笑いを浮かべるヴィヴィオに、知らないふりをしてプレシアと首をかしげた。

 

「ま、いっか。どうせやることもないんだし。うん、やろう」

 

ジーク達と手合せってまたとない機会だし、いっちょやっか!

 

 

それから裏庭に行き、ジーク達と軽くスパーリングをすることになった。

裏庭といっても、めちゃくちゃ広いのでもってこいだ。

 

「で、誰からやりますか? 健人さんが選んでください」

「その前にさ、ヴィヴィオ。俺もフェイトと同じくさん付けと敬語なしで話してくれないか? 同い年なんだし」

「え、えっと、そう、ですね。でも、なんだか健人さ、健人は同い年に見えなくて、ちょっと年上っぽいかなーって」

「私も同感ですよ。健人さんは、たまにですが年上のような雰囲気がありますよ。背も私と変わりありませんし」

「せやねぇ。はやてちゃんも健人君の事年上みたいに見てるときもあったしねぇ」

 

は、はやてぇ~やっぱり俺が生まれ変わって生前は18歳だったの言わなきゃよかったか。

考えてみれば、ヴィヴィオやアインハルト、ジークって生まれ変わりとかそういう系統の経験あるし、似たような何かを俺にも感じてるのかも。

というか、クイントさんやリンディさん達もそういうのには、薄々気づいているのかもしれないな。

なのは達にもたまに言われるし。

すごーーーく今更だけど、9歳のフリって結構意識しないと難しい。

うーん、でもここでジーク達にまで言っちゃうのもなぁ。

はやて達と違って、俺を年上扱いして敬語になりそうな予感もするし、もう少し様子見よう。

 

「と、とにかく。せっかく知り合えて友達になれたんだから、そーいうの禁止! で、やる順番だけど、ジークさん、お願いします」

 

勢いに任せてジークを指名しちゃった。

よりにもよってチャンピオンで大本命をトップバッターに選ぶとは。

 

「ん? 私? やったぁ、健人君のご指名や♪」

 

やけにジークがご機嫌に見えるな。

 

「ジークさん、何だか嬉しそう」

「今日はずっとテンションが高いですね」

 

珍しそうな表情でジークを見る2人。

ジークがこんなにテンション高いの、そんなに珍しい事なのかな。

結構ハイテンションな時多いキャラだと思ったけどな。

 

「ふふ~健人君って、可愛い弟できたみたいで嬉しいんよぉ」

「お、弟、ですか」

 

9歳と16歳、7歳差か。

うーん、もう少し縮めたい。

ってか、俺がこのままViVid時代になると、逆に俺が7歳ほど年上になるのか。

それなら、いけるか。

 

「えっと、健人君? どないしたん? いきなり弟呼ばわりは嫌やった?」

「そんなことないよ。ジークお姉ちゃん」

 

心配そうに見つめるジークに、つい悪戯心が湧いてついお姉ちゃん呼び。

お姉さんとか、ジーク姉の方がよかったかな。

 

「お姉ちゃん、お姉ちゃん……ふふふっ、ええなぁ~」

「ジークさ~ん? もしも~し?」

 

あ、ジークさんがトリップして昇天してしまった。

ってこれ言う方もめっちゃ恥ずかしいな。

今更ながら顔が熱くなってきた。

言わなきゃよかった~!!

 

「あの、健人さん? どうしましたか?」

 

顔を赤くして昇天したジークと、俯く俺。

何事かとヴィヴィオとアインハルトはしばらく、ワタワタしたそうだ。

 

 

それからしばらくして、やっともとに戻った俺とジークは手合せを始めた。

といっても、ここは管理外世界の住宅地のど真ん中。

魔法もバリアジャケットも一切禁止のスパーリングだ。

それでも、俺の攻撃はジークにカスりもしない。

さすがはチャンピオン。

 

「よっ、ほっ、うん、いい動きやね、健人君」

「それは、どうも!」

 

拳の連打をフェイントにし、下段回し蹴りを放つが、あっさりと見切られてしまった。

真っ向勝負じゃ話にならないからと、搦め手を混ぜて打っているけど全く効かない。

 

「ふ~ありがとうございました」

 

深く息を吐き、時計を見るとどうやら結構な時間、ジークと打ち合っていたらしい。

といっても結局、俺が一方的に打つだけで、ジークは交わしたり反らすだけで終わった。

それでも、最初はジークにかわされっぱなしだったのが、後半になると防御に回るようになったので、善戦はした……と思いたい。

 

「健人君、すごいねぇ。私も後半は結構本気出したんよ? それに、身体能力はすごく高いし反射神経も動体視力もええな。パワーでもスピードでもないバランス型や」

「それにジークさんとあれだけ動き回ったのに息も切らしてないし」

「健人さん、体力だけなら私よりあるかもしれません」

「それはほめすぎだよアインハルトさん。これでも結構疲れまくってます。それにジークさんは全然反撃してこなかったし」

 

久々に魔法なしの全力を出して疲れたけど、それ以上に楽しかったなぁ。

 

「今日は健人君の力を見てみたかったから、私から打つ気はなかったんよ。でも、予想以上に楽しかったわぁ。次は魔法ありで思いっきりやりたいな」

「うん、その時はこっちも思いっきりやるよ」

「へへっ、約束や♪」

 

突き出されたジークの拳に拳を合わせる。

ジークの笑顔がとてもまぶしかった。

あぁ、やっぱり女神様だぁ。

 

「ところで、もうジークお姉ちゃんとは呼んでくれへんの?」

「いや、あれは……」

「呼んでくれへんの?」

「うっ、ぐっ……その、なんといいますか」

 

涙目で悲しそうな表情で迫るジークは色々と卑怯だと思う。

 

「呼んであげてよ、健人~」

「そうです。私から見てもお二人は姉弟のように仲がよいですよ?」

 

ヴィヴィオはアリシアみたいな小悪魔的笑みを浮かべ、アインハルトは本気で俺たちを気遣ってる表情を浮かべている。

でも、待てよ……実年齢なら俺が上と言ってしまえば、立場が逆になるのではないか?

 

『健人お兄ちゃん♪』

「……ぐはっ!」

 

――クリティカルダメージ、オーバーキル!

 

「ちょっ、健人君? けんとくーん!?」

「わわっ、いきなりどうしたの!?」

「すごい量の、鼻血が!」

 

妄想はほどほどにしましょう。

 

 

 

続く

 




うーん、なんかもう満足感が(ォイ)
そろそろギアーズや残りのマテリアルズを出したいところ。
でも、まだまだネタがあってどう出そうかなー……

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