ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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お待たせしました!
実はティロなんとかは、原作よりも某男子高校生の日常で使われた方が印象に残ってたりします(笑)


第23話 「名前って大事だよね。ティロなんとかみたく」

結論から言って、なのは達と同じ学校に通う事になりましたぁ!

ただし、来年の4月からでそれまでは管理局地上本部で研修を受ける事になった。

今までは半ばバイトみたいなものだったので、基本的な事しか教えてもらっていなかった。

嘱託魔導師の話もあったけど、うやむやになったし。

けど、4月からは本格的に管理局の地上局員として働くからしっかりと研修で教えてもらう事になった。

これは俺からお願いした事だ。

最初はリンディさんからなのはやフェイトと共に本局への勤務を勧められた。

はやてやシグナムさん達もいずれは本局勤務になるらしい。

意外だったのは、クイントさんも地上本部よりも本局へ勤務する事を勧めてくれた事だ。

クイントさん曰く、これはゼストさんやレジアス中将も本局を勧めているようだ。

理由はいくつかあり、1つに地上本部には若い局員はいても、俺のような子供の局員はまだいないので寂しい思いをする事になると言っていた。

そして、本局にはクロノやエイミィさんなど、まだ子供と言ってもいい程の年齢の局員が沢山いるからだそうだ。

クロノはともかくエイミィさんは、生前の俺よりも少し年下なのに子供か。

確かに地上本部には若くても20歳ほどの人しか見なかった。

けど、ギンガやスバルやティアナって割と子供の頃に地上本部入りしてから機動六課入りしなかったかと思ったが、今の時代では色々事情がありそうだ。

で、次の理由がなのはやフェイト、そしてはやて達が本局入りするのが決まったからだ。

正式な配属先は未定らしいけど、本局で働いていれば同じ所属にもなりやすい。

これにはなのは達も大いに大賛成してくれた。

まぁ、自分で入る事を決めたなのはとフェイトはともかく、今回の事件の後始末と贖罪的な意味合いで入局するはやては同い年の友達がいた方が嬉しいだろうな。

なんて納得していたら、クロノが溜息をついていたのはなぜだろう?

リンディさんとクイントさんはニコニコ笑っていて、なのは達は苦笑い浮かべてたし。

そして、最後の理由。

ぶっちゃけ、地上本部より本局の方が給料いいからとの事。

でも、最後の理由についてはどうでもよかった。

大金持ちになりたいわけじゃないし、生前はお金があっても碌な事はなかった。

それよりも、まだ9歳の子供にそういう話をしちゃう辺り、ミッドと地球の職と言うか文化の違いに驚く。

 

ってか、正直、学校に通わず今のまま地上本部で正式に働きたいと言ったんだけど、それはクイントさんに却下された。

地上本部で働くなら、せめて小中学校は通いなさいと言われた。

前話であんな事を言ったけど、クイントさんは何がなんでも俺を学校に通わせる気だったみたい。

選択肢があると思ったら実はなかった件。

そして、これはその話をした時にあったある出来事。

 

「なんでそこまで学校に通いたくないのかしら? なのはちゃん達と一緒に通えるのに」

「あーそれは……」

 

流石に小学校から通い直すのは抵抗感あったけど、それ以上に……

 

「クイントさんやゲンヤさん、ギンガにスバル。家族と離れるのが、ちょっと……」

 

ギンガとスバルに兄のように慕われるのも良かったけど、ゲンヤさんとクイントさんが自分の息子のように怒ったり優しくしてくれたのがすごく嬉しかった。

って、これ言っててめちゃくちゃ恥かしかった!

それを聞いたクイントさん、目に涙を浮かべて俺を強く抱きしめた。

 

「うん、うんうん。そうだよね。ごめんね、健人君。そして、家族と言ってくれてありがとう」

 

傍から見れば感動シーンなんだろうな。

リンディさんやなのは達も涙浮かべてるし。

でも、実際には、結構息苦しいデス。

胸に圧迫して息できねぇ。

リリカル世界脅威の巨乳率だけど、クイントさんも胸でけぇ!

たまに漫画やアニメで巨乳に押しつぶされるラッキースケベを見て、すこーしだけ羨ましく思ったけど、実際にやられると胸の感覚やら匂いやら堪能するよりも呼吸困難で苦しい!

そんな俺の窮状をやっと理解したリンディさんに解放され、救出された。

 

「あ、あはは。ごめんね健人君。つい嬉しくなって」

「い、いえ、だいじょうぶです。はい、ほんと」

 

こんな事で生死の境をさまよう事になるとは思わなかった。

てか、はやてニヤニヤ笑っているけど、念話で。

 

『ええなぁ』

 

って言って来た事、俺は忘れないからな。

それはともかく、最終的にはこうなった。

 

・学校には中学卒業まで通う。

・普段はリンディさんが借りた海鳴市でのマンションにリンディさんやフェイト達と同居。

・週末や休日、または好きな時にナカジマ家へ。

・ゼスト隊に正式所属して中学卒業後、改めて配属先を決める。

 

と言う事になった。

後はあれよあれよと言う間に俺の新生活の段取りが決まって、なのはとフェイトとはやては大喜びしてくれた。

シグナムやリイン達も管理局に勤めながらも八神家に住むのは変わらないので、いつでも遊びに来てほしいと言ってくれた。

だけど、一番大変なのはギンガとスバルの説得だった。

週末などに帰るとはいえ、普段は遠く離れた海鳴市に住む事になって、ギンガとスバルに大泣きされてゲンヤさんやクイントさんと共に宥めるのが大変だった。

それから地上本部に正式所属する事を改めてレジアスさんに言ったら、これもまた泣かれた。

大のおっさんの嬉し泣きって正直、どうよと思った。

余談だけど、俺が本局より地上本部を選んだ事で、レジアス中将とオーリスさんが給与を含めた福利厚生の大改革をお偉方に直訴し、数年で地上本部の待遇が大幅改善されたらしい。

 

 

とまぁ、ここまでがめちゃくちゃ長い前置き。

今現在、俺は何をしているかと言うと……

 

「「「メリークリスマス!」」」

 

八神家で数日遅れのクリスマスパーティーをしていた。

シグナム達ヴォルケンリッターは本局で取り調べの為不参加で、参加者は俺、なのは、フェイト、アリシア、アルフ、ユーノ、はやて。

それに加えてすずかと同じくなのはの友達であるアリサ・バニングスだ。

すずかとアリサの事はぶっちゃけ存在自体忘れていた。

いや、イノセントではしっかり魔法少女してたけど、ViVidじゃ名前すら出てこなかったし……

 

「へぇ、これが噂の彼かー」

「よろしくね、健人君」

 

すずかとアリサは俺の事をなのはやフェイト達からよく聞かされていたようで、興味津々に色々質問された。

何でもすずかは、はやてとも前から友達だったようで、はやてからも俺の事を聞いていて会いたさが倍増していたようだ。

みんな、俺の事なんて言ってたんだよ。

ちなみに、俺が魔導師だって事は既に知っていた。

どうやらあの闇の書の事件で、2人は巻き込まれていてナハトヴァールと俺の鬼ごっこも見られていたようだ。

幸い、見られていたのはナハトヴァールに追いかけられた後の事で、俺がキスしたシーンは見られていなかった。

で、なのはとフェイトに救出されて、その時魔法少女の事とか全部バレて、後日説明した。

後、なのはの家族にもリンディさんを加えて色々説明したようだ。

すずか達もなのはの家族も魔法の事とか管理局の事とか、すんなり受け入れてくれたみたいだ。

適応力の高さすげぇ。

まぁ、そんなすずかとアリサよりも存在を忘れていたのが……

 

「健人と話すの、すっごく久しぶりだね!」

「ソウデスネ、アリシアサン」

「んん? 健人はなんでこっちを向いてくれないのかな?」

 

満面の笑みを浮かべて俺に迫りくるアリシア・テスタロッサさん。

何でも、アリシアは闇の書最終決戦時にはアースラにいて、リインとのお別れもどきの時も、クイントさん交えての今後の話の時も同席していたらしい。

……全く気付いていなかった。

 

「そんな事だと思ったよ! 健人ったらこっち見向きもしなかったもん!」

「ご、ごめん。本当に気付かなかった」

「それって私がフェイトよりも小さいから?」

「それもあるけど、一言も話さず空気だったし」

「場の空気読んでただけ! ってか小さい事へのフォローもなくあっさり流したね!?」

「だ、大丈夫だよ姉さん。まだこれからもっと伸びるよ」

 

フェイトが必死にフォローしようとしてるけど、周りから見たら妹を宥める姉にしか見えない。

そんな微笑ましい姉妹を尻目に、はやてが俺の所へとやってきた。

 

「なぁなぁ、健人君。聞こうと思ってた事が1つあるんやけど」

「ん、なんだはやて?」

「私らのトリプルブレイカーより前に放ってたあの集束拳撃って言うんだっけ? あれって名前はあるん?」

「えっ? 名前?」

「あ、それ私も聞こうと思ってたの!」

「私も少し気になってた」

 

はやてだけでなく、なのはもフェイトも寄って来た。

てかフェイトよ、いきなりほったらかしにされて姉が拗ねてるぞ?

それにしても、あの攻撃の名前か。

いや、それよりも魔法の事知ったとはいえ、すずかとアリサの前でそういう話していいのかよ。

あ、なのはがレイジングハートに記録していたその時の戦闘シーンを2人に見せてる。

それを見てアリサもすずかも目をキラキラさせて驚いてるし。

こういうのって男の子が興奮するものだと思ってたよ。

 

「なぁ、ユーノ?」

「うぇ!? いきなり話をふられても何の事か分からないよ!」

「こっちの話こっちの話」

 

トイレにいっていたユーノを巻き込んでみた。

 

「あーあの集束魔法の事? 僕もびっくりしたよ。まさかブレイカーを拳に乗せて放つ事が出来るなんて」

「そりゃ誰だってビックリするって、何せ半年前まで魔法のまの字もしらない一般人だったんだから」

「いや、アルフ。隣にいる2人を見て。俺よりすごい魔法使えるあの2人を見て!」

 

そう言われ横を向いたアルフが、あぁって顔をしてフェイトとユーノが苦笑い。

当の本人達はキョトンと首を傾げる。

 

「むむっ、私だって私だって……」

「何だか魔導師も色々大変みたいね。ところで、健人。いい加減名前教えてくれない? 私も気になっちゃった」

 

ジェラシーマックスなアリシアに同情するような視線を送っていたアリサに言われ、改めてみんなの視線が俺に向いてくる。

 

「えっと……名前は、ない」

「ええぇ? ないの!?」

 

なんでそんな大げさに驚かれるのか分からないけど、ないものはない。

話を逸らして時間を稼いでその間に考えようとしていたけど、うまくまとまらなかった。

 

「魔法名は大事だよ。トリガーにもなるんだし」

「それは知ってる。けど、トリガーなしで使えたし、別にいらなくない?」

 

あの時もただ殴るだけでトンでもない威力だったし。

 

「そんな横着な」

「アルフの言う通りだよ。それに名前があると、かっこいいよ?」

「うんうん、私だってスターライトブレイカーって叫びながら撃つと気持ちいいし」

「いや、なのは、それは色々と問題大ありな気がする」

「ほえ?」

 

未来のハッピートリガー?

まぁ、白い魔王の事はほっといて、改めて名前を考えてみる。

 

「なぁ、シェルブリットは何か良い名前思い浮かばないか?」

<デバイスの俺に聞くなよ、マスター>

 

シェルブリットに決めてもらう作戦、失敗。

 

「なら、マイ・プラウド・フィスト?」

 

英語にすると、My proud fist

By ヤフー翻訳

 

「うーん、どうもしっくりとせえへんなぁ」

 

はやてが言うと、皆頷いた。

そりゃ元ネタそのまんま英訳しただけだしな。

 

「他にはナックル……あ、こりゃだめだ」

「??」

 

頭に浮かんだのは、ナックルブレイカー。

どこのエアロミニ四駆だよ。

それにナックルブレイクってコロナの魔法と被るからダメだ。

 

「なら、シャイニングナックルはどうかな?」

 

頭に浮かんだのはシャイニングフィンガー。

でも、こっちは拳だからナックルだ。

フィストよりナックルの方が語呂いいし。

 

「うーん、どうせならブレイカーを最後につけたらどうかな?」

「えっ? なぜに?」

 

集束魔法だからブレイカーって付けなきゃいけない法則でもあるの?

 

「あのね。いつか健人君と2人で撃つ時にブレイカーって一緒に叫びたいな、って思ったの」

「あ、それいいね、なのは!」

「うんうん、私らもトリプルブレイカーやったし。健人君含めてフォースブレイカーの完成や!」

 

おーい、もしもーっし?

何をそんなに盛り上がっているのかなこの魔砲少女達は。

 

「と言うわけで、ブレイカーを最後に付けてもう一度考えてみて!」

 

目をスターライトのようにキラキラさせてるなのはさん。

フェイトとはやても同様で、あまりの剣幕に思わずアリシア達に救援を求めたが。

 

「オウ! ワタシ、マホウワッカリマセーン」

「アリシア、お前はどこの外国人だ! いや、あってるか」

 

正確には外世界人か。

 

「諦めなよ健人。ああなったなのはは止められないよ」

「フェイトも同じく」

「あはは、はやてちゃんもそうかな」

「がんばりなさい」

 

みんな他人事だと思って!

しかし、ブレイカーを最後に付けてそれらしい名前にか。

もうナックルブレイカーしか頭に浮かばない。

けどそれだとなぁ……あ、そうだ。

 

「なら、シャインナックルブレイカー。これならどうだ!」

「「「賛成!」」」

 

やれやれ、なんか疲れた。

まぁ、これで俺の必殺技に初めて名前がついた。

他にもいくつか使える技あるから、これを機会に名前つけてみるかな。

 

 

続く

 




はい、季節外れのクリスマスパーティー回なのに命名回でした(笑)
次はすこーっし時間飛びます。
バレンタイン?
ジル・バレンタインの事ですか?生憎クレア・レッドフィールド派です(`・ω・´)キリ

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