ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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おまたせしました!
説明回、と言うかルート分岐……?
選択肢が出る?


第22話 「ルート分岐?」

リインフォースの消滅の危機を回避してから、アースラに一泊して俺達は本局へとやってきた。

闇の書から分離されたと言うリインやはやて達の精密検査と、ついでに俺も精密検査をさせられる羽目になった。

リンディさん曰く、俺が何回も無事故で転送に成功したのがおかしい、と言う事だ。

大げさすぎるでしょ……確かに地上本部から海鳴市へ跳んだ時にこそちょっとした、ちょっとした!(大事な事なのでry) 事故はあったけどさ。

ナハトヴァール倒した後にアースラに戻された時と、またリインが消滅すると聞かされて海鳴市に行って戻ってくる時の計3回も何事もなく無事故で転送に成功した。

ちなみにアースラに戻る時、両脇をなのはとフェイトががっちりと腕を取ってくれた。

万が一またどこかに跳ばされないように、だそうだ。

正直、嬉しかったけど、どうせならシグナムとシャマルが良かったな。リインは流石に無理だろうけど。

なぜかは察してくれ。見た目は9歳でも俺も男なんだ。

そんなこんなで本局での精密検査は無事に終了。

 

「あ、健人君、お疲れ様。検査はどうだったの?」

「どこも異常はなかった?」

 

なかなかに検査が長時間だったにも関わらず、なのはとフェイト、それにアルフが待っていてくれた。

 

「いや、どこも悪い所ないってさ。リンカーコアも全く消耗してないし、魔力も全回復していて逆に驚かれたよ」

 

あんな無茶な集束魔法を使ってもう全回復しているのはおかしい。とは言っていたな。

 

「そりゃ、あんなに無茶な事したらそう言われるさ。あたしだってビックリしたもん」

 

アルフが苦笑いを浮かべると、なのはとフェイトも頷いた。

 

「健人君がいつの間にかあんなに強くなっていたなんてびっくりしたよ。すごいよね」

「私は、健人がまともに次元転送出来るようになれてよかったよ。これでどこでも行けるね」

 

あぁ、ほんまこの2人はええ子やわぁ~。

思わずエセ関西弁でほっこり。

あ、そうだ。

 

「リインフォースの方はどうなったか知ってる? 確か別の棟で検査してるって聞いたけど」

「それならさっきクロノ君から連絡あって、もうすぐ終わるみたいだから行ってみよう」

 

それからリインフォースとはやて達が検査を受けている所までやってきた。

着いてみると、ちょうどはやて達が出てくる所だった。

どうなったか少し不安だったけど、はやての車椅子を押すリインやシグナム達がみんな笑顔を浮かべているのを見て、ひとまずホッとした。

 

「はやてちゃん、リインフォースさん。もう終わったんですか?」

「おぉ~そっちも終わったんやな。健人君、どうだったん?」

「俺よりまずはリインフォースだろ。まぁ、俺は問題なしの健康体だよ」

「どうやらそうみたいだな。彼女達の事も含めて話が色々ある。こっちにきてくれ」

 

クロノに言われて俺達は会議室のような所へとやってきた。

そこには、リンディさんやエイミィさん、それにもう1人いて楽しそうに話をしていた。

俺はその1人を見て固まってしまった。

 

「リンディさん、その人は誰なんですか?」

「あぁ、みんなに紹介するわね。この人は地上本部のクイント・ナカジマさんよ」

「初めまして。クイント・ナカジマ准陸尉です。時空管理局地上本部首都防衛隊所属で、健人君の母親代わりもしてるわ」

「「「えぇ~!?」」」

 

みんな、クロノすら驚いて声をあげている。

そう、リンディさん達と一緒にいたのはクイントさんだった。

なんで地上本部所属の人が本局にいるんだろ。

はい、間違いなく俺の事ですね。

母親代わりって所、めっちゃ強調して言ったし。

 

「なんでこんな所にいるんですか、クイントさん!?」

「なんでって、あなたが心配だから来たに決まってるじゃない。ちゃんとゼスト隊長の許可はもらったわよ?」

 

何、さらっと許可出してるんですかい隊長。

地上本部にとってここは敷居高い場所じゃなかったっけ?

 

「そんな細かい事気にしないの。それよりもリンディ提督から色々聞いたわよ」

 

クイントさんは目をキラキラさせて俺の方へかけよってきた。

うわぁ、色々って何を聞いたんだろ。

まさか……ファーストキス事故の事ですか?

 

「あのトンでもないパンチを集束魔法に昇華させるすごいじゃない! 今度隊長達と一緒に見せてね」

 

あ、そっちですか。

 

「それとギンガとスバルがすごく機嫌悪いのよ。事情が事情だから仕方ないけど、今度うーんと遊んであげてね」

「やっぱりか、分かりました」

 

すぐには戻って来れないかも、とは言っておいたけど、まさか2日くらいでそこまで機嫌悪くなってるとは思わなかった。

てかクイントさん、周りみて周り!

クロノ達置いてけぼりになってポカーンとしてるよ?

クイントさんの事を話してあるなのはとフェイトはものすごーく暖かい眼差しを向けてきてるし。

 

「こほん、クイントさーん? もういいでしょうか? みんな固まってますよー?」

「あら? ごめんなさいねこっちで勝手に盛り上がっちゃって」

 

エイミィさんが助け舟を出してくれたおかげで、ようやく話が出来そうな雰囲気になった。

まずは、クイントさんと俺との関係をさらっと説明した。

ミッド本土に転送させれた後、クイントさんの家でお世話になっていて、ギンガやスバルにも兄として懐かれているとまで言っちゃって、物凄く恥ずかしかった。

なのはとフェイトには妹分が出来たとしか言ってなかったしな。

それを聞いて、はやてが。

 

「健人君にも家族が出来て良かったね」

 

と言ってくれた。

それから、今度は俺と八神家の事について話をする事になった。おい、リインフォースの事はいいのかよ。

 

「そっかぁ、事故でこっちに飛ばされた時にはやてちゃんの所に泊めてもらってたんだね」

「世間は狭いと言うか。全く、知っていたなら早く説明して欲しかったな」

 

クロノがぼやくように呟いた。

 

「仕方ないだろ。口止めされてたんだし。闇の書事件にシグナム達が関わってるの知ったの当日だったんだし」

 

まぁ、俺がもっと早くはやての事、闇の書の事を思い出していれば良かったんだけどな。

 

「私達も健人君の事は、迷子としか聞いていませんでした。まさか管理局に保護されていた次元漂流者だったなんて。でも、怪しむべきだったかしら」

 

シャマルが数カ月前の事を思い出して懐かしむように言った。

 

「でも黙っていてくれて良かったぞ。もし管理局が関わってるなんて言われたら……」

「記憶を改竄するくらいはな」

「最悪、監禁していたかもしれない」

「こ、こら、ヴィータもザフィーラもシグナムも脅かしたらあかんよ。あ、心配せんでも私が絶対にさせへんかったからね?」

「あ、あはははは」

 

冗談冗談とヴィータ達は笑いながら言ったけど、なんか若干目がマジだった気がする。特にシグナム。

 

「じゃ、次はリインフォースさんの事ね。エイミィ、説明をお願いね」

 

やっとリインフォースの身体についての話になった。

全く、俺の事なんて話題にしなくていいってのに。

すごーく恥ずかしかったぞ。

あれ? なんでクイントさんもずっと会議に参加してるんだろ?

俺の事が心配で来たのは分かるけど、あれれ?

 

「リインフォースさんの身体データですけど、改竄された痕がありました。と言っても人工的にではなく、事故と言ってもいいですね。恐らくあの落雷のせいだと思います」

 

エイミィさんが言うには、リインフォースは消滅の瞬間に落ちた落雷の影響で、完全に闇の書の根元から切り離されてシグナム達守護騎士システムと同じ存在に変換されたらしい。

はやてやシグナム達とユニゾン出来なくなり、元々の魔力がかなり減ってしまったがそれでもSランククラスの魔導師なのは変わらないようだ。

色々難しい話も出てきたけど、要するにユニゾン出来ないけど守護騎士が1人増えただけと思えばいいか。

それと、はやての足については、原因はどうやら闇の書の汚染によるものだったらしく、それが取り除かれた事で早ければ年明けには歩けるようになるらしい。

思っていたよりもかなり早いとはリインフォースが言っていたけど、これもこなた神が何かしてくれたかな?

 

「以上が検査の結果で分かった事だけど、本人の感覚としてはどうかな? 何か違う所ある?」

「いや、自己診断した結果も同じだ。私は管制人格ではなく、騎士達と同じ存在へと生まれ変わったようだ」

 

最初は不安そうな表情を浮かべていたなのはとフェイトだったが、説明を聞いて表情が明るくなった。

 

「良かったぁ。じゃあ、消滅しなくていいんですよね?」

「はやて達とずっと暮らせるって事ですよね?」

「あぁ、私は騎士達と共に主はやてと共に生きる事が出来るようになった」

 

それを聞いて、なのはとフェイトは満面の笑みを浮かべてはやてとリインフォースに駆け寄って一緒に喜んでいる。

かく言う俺も気付かれないように深く息を吐いた。

あの神様の仕事を疑うわけじゃないけど、どうなるのかと心配したからなぁ、良かった良かった。

 

「それじゃあ、続いてはやてさん達と、健人君のこれからの事について話をしましょうか?」

「えっ? 俺?」

 

夜天の書から闇の書へ改竄された事情があったにせよ、過去に闇の書関係で事件や事故を起こした。

今回も管理局員を襲ってリンカーコアを蒐集したりと色々やっちゃったシグナム達と何も知らなかったとはいえ彼女達の主であるはやての今後について話し合うのは分かる。

けど、俺の事もとは??

 

「はやてさん達の意思確認は、おおまかには聞きました。これから少し時間をかけて色々としなければいけない事は多いですけど、こちらとしては管理局への勤務は大歓迎ですよ」

 

何となく予想はしていたけど、こういう流れではやて達は時空管理局に勤める事になるんだな。

 

「で、次に健人君なのだけど。単刀直入に聞きますね。健人君、なのはさん達と同じ学校に通ってみる気はあるかしら?」

「えっ?」

 

今何と? 俺がなのはやフェイトと同じ学校へ?

 

「クイントさんから相談は受けていたの。健人君を日本の学校に通わせる事は出来ないかってね」

「前に話したでしょ? 学校に通わないかって。地球人の健人君がミッドの学校に通うよりは、同じ地元の日本の学校になら通っても問題ないどころか、普通でしょ?」

「あ、うん。うんうん、それすごくいいです! ねっ、健人君も一緒の学校に行こう」

「私はまだ少ししか通ってないけど、すごくいい所だよ。みんな優しいし楽しいよ?」

「あ、私もなのはちゃん達の学校へ復学する予定なんよ。健人君も一緒にどうやろ?」

 

リンディさんやクイントさんだけではなく、なのは、フェイト、はやてまでが勧めてきた。

いや、一応9歳の俺が学校に通うってのは、管理局に勤めるよりは普通なんだろうけど。

てか、はやてよ。俺の正体知ってるのになぜに勧めて来るかな?

 

『はやて、俺は本当は18歳って知ってるだろ。今更小学校に通うってのはちょっと……』

『だって健人君、今は9歳なんやろ? それに、言っとったやないか、まともに学校に通った事ないって。だから、ね?』

 

はやてが言いたい事は分かる。

俺は、小学校すらまともに通った事はない。

授業を受けた記憶もほとんどなく、勉強は家庭教師に教わっていた。

そんなんだから、学校生活ってのはすごい憧れている。

だからって小学校からと言うのは……

 

「あ、仕事の事なら大丈夫よ。健人君、正式にじゃなくて仮に所属してるだけでしょ? 本格的にうちに勤めてくれるって言うなら嬉しいけど、それにしても学校をメインにして管理局の仕事はアルバイト感覚で大丈夫よ?」

「いや、いいんですかそれで!?」

「クイントさんの意見は私も賛成よ。あなたは本来、魔法とは無関係の一般の子供なんですよ。それもこの世界とは別の世界から来たんですもの。普通の生活を送っても誰も文句は言わないわよ?」

 

いや、もう普通の生活は無理でしょ。デバイスも出来たし。集束魔法も身につけちゃったし。

あ、いたね。俺の隣にいたね。魔法少女と学業を両立しているスーパーな小学生。

 

さて、このまま管理局に専念するか、それともなのは達と同じ学校に通うか、か。

うむむ、どうしようか。

 

 

続く




分岐と言いつつ実は決まってたりして。
将来的には、ヒロインによって変わるとかその程度です。

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