今年中には終わるかなー……終わりをいつにするか決めてないんですけどね。
ジークリンデと結婚させて終わらせたいけど、どうなるかな(笑)
アースラ
気が付くと、ベッドに寝かされていた。
「知らない天井だ」
人生における1度は言ってみたいアニメセリフで、ベスト20に入るであろうセリフを言ってみる。
どうやら俺は眠っていたようだ。
あの時、ナハトヴァールを破壊したのを確認して、なのは達と喜んでたら急に身体から力が抜けて気絶した、んだったな。
で、確かはやても倒れたのがちらりと見えた気がする。
って、そうだ! はやては、みんなは大丈夫なのか!?
「やぁ、起きたみたいだな。おはよう、気分はどうだい?」
ベッドから跳ね起きた所へちょうどクロノがやってきた。
「あれからどうなった? はやては? 俺は一体なぜ倒れたんだ?」
「落ちつきたまえ。まずあれからどうなったかだが、ナハトヴァールはコアの消滅が確認されて、念の為アースラが周囲一帯を警戒中だ。八神はやてに関しては、初めてのユニゾンと大規模魔力戦闘で疲れがでて倒れただけだ」
別室で眠っていると聞いて心底ホッとした。
ヴィータ達が真っ青な顔をしていたからな。
「それで、君の事だが……」
そこでクロノは溜息をつきながら俺を半ば睨むように続けた。
ん? なぜそこで溜息??
「倒れた原因は君も八神はやてと似ているが、無茶をしすぎだ。集束魔法を打撃として使ったんだからな」
「集束魔法? 俺が??」
はて? 射撃も砲撃も苦手な俺にそんな高等技術あったっけ?
「まさか、自覚がなかったのか!? ナハトヴァールを半分以上吹き飛ばしたあの攻撃だぞ!?」
「あ~あれね。えっ? あれが集束魔法?」
そう言うと、クロノは額に手をあて天を仰いだ。
どうやら、本来なのはのスターライトブレイカーみたいに砲撃として使用する集束魔法だが、打撃に使用するなど滅多にない事で砲撃よりも難しい技術らしい。
だからあの時クロノもユーノも驚いていたのか。
でも、確かViVidではミウラが抜剣と言う打撃技として集束魔法を使っていたけど、今はまだあんな使い方は珍しいようだ。
「でも、あれを使ったの今回が初めてじゃないし。クイントさんもゼスト隊長達も何も言わなかったぞ?」
<それなんだがマスター。今回使ったのは今までとはかなり違ったプロセスだったぜ。多分無意識で集束技術を使ったんじゃないか?>
シェルブリットに言われて、あの一撃を準備した時を思い出す。
確かに、今までとはなんか感じが違っていた気がする。
今まではただ魔力を拳に溜めていただけだったが、あの時は、スクライドでカズマが劉鳳との最終決戦の時、宇宙で使った周囲の色々な物を拳に集中させる感じだ。
「全く、君と言うやつは……トンでもないな」
「いや、なのはには負ける」
俺は高い魔力と身体能力を半年くらい訓練してやっとここまで使えるようになったけど、なのはは僅か数週間であそこまで言って集束魔法も俺より早くうまく使ってるし。
「僕から見れば、2人共天才としか思えないけどな。そうだ、夜天の書の管制人格、リインフォースの事も教えよう」
クロノの表情がさっきと一変して、どこか辛そうな表情になった。
そして、静かに話し始めた。
「な、んだよそれ!」
話を聞き終えて、思わずクロノに詰め寄った。
「彼女が、リインフォースがそう望んでいるんだ」
そう言うクロノもどこか哀しそうだった。
クロノが言った、夜天の書の破壊。
ナハトヴァールは破壊されたが、夜天の書の基礎構造の歪みは修正不可能になっている。
夜天の書が存在する限り、いずれナハトヴァールは再生しはやてやシグナム達をも浸食してしまう。
だから、それを回避する為に夜天の書本体を完全に破壊する。
シグナム達ヴォルケンリッターは既にリインフォースの手によって、夜天の書本体と切り離されており問題はない。
はやてもナハトヴァールから解放され、いずれ両足も元に戻るそうだ。
けど、管制人格であるリインフォースは共に消滅するしかない。
「だけど、そんなのはやてが納得するはずがない!」
はやてはシグナム達を家族以上に大切に思っている。
それはリインフォースにも同じだ。
そんな家族が黙って消える事なんて、耐えられない。
頭に浮かんだのは、見舞いに来てくれた母さんと奈々の最後の姿。
また明日来ると2人共笑っていたけど、次に会った時は冷たくなっていた。
両親を亡くしているはやてに同じ思いを抱かせたくない。
「彼女はまだ眠っている。だから、その間にリインフォースがなのはとフェイトに完全破壊を頼んだ。もうそろそろ始まるだろう」
「っ! だったら、せめて俺も!」
「その体で無理するな。と言いたいが、君なら無理やりにでも行くだろうな。分かった」
行った所で、魔法に関しては全くの素人の俺にはどうする事も出来ないのは分かっている。
けど、じっとなんかしていられない。
海鳴市郊外
転送された先は、海鳴市郊外にある展望台だった。
雪が降り積もっていて、一面銀世界だ。
今回は生まれて初めてまともに転送が成功したが、そんなの気にしている余裕はない。
見晴らしのいい展望台で、リインフォースを中心に魔法儀式が始まっていた。
なのはとフェイトによって、リインフォースと夜天の書が空へとかえっていく。
「リインフォース、リインフォース!」
その時、はやてが車椅子で丘を駆けあがってくるのが見えた。
目が覚めて良かった……とまでは言えないけど、別れには間に合ったみたいだ。
「はやてちゃん!?」
「はやて!」
「動くな。動かないでくれ、儀式が止まる」
はやてへ駆け寄ろうとしたヴィータ達をリインフォースが止めた。
「リインフォース、こんなんせんでええ! 私がちゃんとおさえるから!」
「主はやて、良いのですよ」
「良い事なんかなんもあらへん!」
はやてが涙ながらに訴える。
自分が抑える、だから逝く必要はないと。
それでもリインフォースは自分がいかにはやてと出会い、幸せだったかと心の底から笑みを浮かべている。
リインフォースはずっと呪われた闇の書と言われ、ずっと苦しい思いをしてきたのに、やっとはやてという最高の主に出会えたと言うのに。
はやても、これからずっと幸せに過ごそうと決めた家族を目の前で失う。
やっぱり駄目だ。こんなの認められない、認められるわけない。
でも、俺にはどうする事も出来ない。
このまま力づくで止めようとしたら、今度はナハトヴァールが再生されて元も子もなくなってしまう。
こんな残酷な運命があってたまるか、神も仏もないのかよ!
ん? 神……あっ!
「そうだ。確かまだもう1つ……神様、聞こえているか!? 3つ目の願いが今決まった。リインフォースをどうにかしてくれー神様!」
そう叫ぶと同時に、急に光に包まれ目の前が真っ白になった。
次に目をあけると、半年以上ぶりになる真っ白い空間の中にいた。
そして、目の前にはあの時同様、蒼い長髪にアホ毛を生やした幼女が物凄く不機嫌な表情を浮かべて立っていた。
「ちょっ、幼女はないでしょ幼女は! あの時は少女って言ったのに!」
「あ、そうだったかごめんごめん。それでお久しぶり、神様」
「うん、久しぶり~元気そうで何よりだよ~……じゃなくって!」
こなた神はらき☆すたで良く見た線になった目で挨拶してきたが、急に目を見開いて怒りだした。
「ねぇ、私ものすっごーく怒っているんだけど、理由に心当りないかな?」
「正直、ありすぎて困っています」
「自覚あるんかい! 全く、私言ったよね? 最後の願いは君自身に関わる事って! なんで今回もまた他人の為に使おうとするかな? まぁ、どうにかしたくなる気持ちはすごく分かるよ?」
こなた神曰く、はやて周りの事はどうにかしたいが、仮にも神様なので自発的にはどうしようもない。
だから、俺がリインフォースをどうにかしてと願ったのは神様にとっても願ったり叶ったりらしい。
「だったら分かるでしょ。はやてがリインフォースと、家族と一緒に幸せに過ごせるのをみるのが俺にとっての幸せだって」
それに俺だってここ数カ月、クイントさんやゲンヤさんに息子みたいに接してくれて、ギンガとスバルからは兄として家族として一緒に過ごせて楽しいし。
血は繋がってなくても、心が繋がっているならそれはもう家族であり、そんな家族と別れるのはダメだ。
「はぁ~君ならそう言うとは思っていたけどね。んじゃそれはそれで叶えるね。あ、もうこれで君とは死ぬまで会えないだろうから、言っておくね」
こなた神はさっきよりも更に不機嫌な顔になった。
「この半年間、君が願いを言うのずっと待っててさ。たまに君から呼ばれたかな? って思っていると、駄神だのなんだの身に覚えのない冤罪を押しつけられてきたんだよね~?」
「あ、あはは~やっぱり?」
事ある毎に駄神って心の中で叫んでいたからな。
もしかして神様に通じているかもしれない。とは思っていた。
「だってさ、俺転送される度に変な所に行って、ろくでもない目にあってるんだぜ? そりゃもう運命のいたずらとしか思えないじゃん」
「あ、うん。それは転生させるときに生じたバグだね。ごめんなさい」
「あっさり認めた!? やっぱりアレはあんたのせいだったのかよ! やっぱり駄神じゃん!」
冤罪でも何でもない事じゃん……
いや、転送バグ以外にも駄神呼ばわりした事はあったけどね。
「いやぁ~、最初は私もおかしいと思ったんだけど、4回目くらいで、あ、コレバグだ。って気付いたんだよ」
「1回目で気付けよ!」
「だからもう直っているよ。アースラから海鳴市へ行くときは何も問題なかったでしょ?」
4回目、本局から海鳴市へ跳ぶ時には場所的には合っていたけど、それはたまたまだったわけか。
「それに、最後はおかげで良い思いしたじゃん?」
( ̄▽ ̄) ニヤ とむかつくほどのニヤリ顔だ。
でも、良い思いをしたのは否定出来ないし、あの時の感触を思い出して熱くなってきた。
「残念なのは君のファーストキスは、相手が覚えてないって事だろうね。そこもどうにかしておく?ニヤニヤ」
あの時、俺がキスしたのはリインフォースの姿をしたナハトヴァールだったらしい。
なので、今向こうにいる真なるリインフォースはその事を知らない。
「いや、いい。あれはノーカウントって事にしておく」
あれは事故だ。あんなふっくらした感触は忘れてしまえ。
「あ、そろそろ時間時間。リインフォースの事は何とかするから。でも、これから先何があっても私はもう手助け出来ないから、それを忘れないよね。3つの願い、君自身の幸せの為に使ってほしかったよ」
「願いなんてもう既に叶っているよ。俺は今最高に幸せだから、ありがとう神様」
前の世界じゃ死んじゃったけど、こっちで友達も家族も出来て、自由に体を動かせる。これ以上の幸せはない。
俺の願いは、もう叶っている。
「うん。良い笑顔。それじゃあ、元気でね」
――チュッ♪
「っ!?」
「はっはっは~ファーストキス、ゲットだぜ♪」
ったく、最後の最後にトンでもない事してくれたぜ、こなた神。
暖かい唇の感触をかみしめながら、また目の前が光に包まれた。
こなた神は見えなくなるまで、笑顔で手を振ってくれていた。
三度目を開けると、そこは海鳴市の展望台だった。
車椅子から落ちて、涙を流しながらリインフォースの元へ行こうとするはやてと、主へかけよろうとするリインフォース。
パッと見、さっきまでと何も変わっていない。
そう思った時だった。
――ビカッ!
突然、空が鳴り稲妻がリインフォースへと落ちた。
その衝撃で辺りは煙に包まれた。
「えっ!?」
「「「リインフォース(さん)!?」」」
な、なんだいきなり? これも儀式?
いや、シグナム達のあの焦りようは儀式とは関係ない稲妻のようだ。
まさか、こなた神がどうにかするって言ったのは、コレか?
「リイン、フォース?」
あまりに突然の出来事に放心した状態で固まるはやて。
煙が晴れていくと、そこには……
「ケホッケホッ、一体何が……」
全くの無傷で煤すら付いていないリインフォースがいた。
それを見て安心した。
いや、今まさに消えようとしていたのだから、これで安心するのは何か違う気がするけど。
「リインフォース、大丈夫、なんか?」
「あ、はい。主はやて、ご心配をおかけしました。っ!?」
自分の身を確認したリインフォースはふと、地面に目を向け驚きの表情を浮かべた。
「や、夜天の書が!?」
「落雷で燃えた、だと!?」
つられて地面に目を向けたはやてやシグナム達も驚きの声を上げた。
そこにはさっきの落雷のせいか、燃え上がる夜天の書があった。
そして、炎につつまれた夜天の書は光となって消えてしまった。
「一体何が、どうなったの?」
「これで儀式は終了、したのかな?」
何が起きたのか分からないなのはとフェイト。
リインフォースは自分の身体をぺたぺたと触ると、信じられないと言った表情を浮かべた。
「儀式が、終わったのに私が消えていない?」
「えっ、どう言う事なんリインフォース?」
「本当なら、私は夜天の書と共に消えるはずでした。ですが、私も夜天の書から完全に切り離されています。今の落雷のせいでしょうか、消えたのは夜天の書の本体だけでした」
「それってつまり、リインフォースは消えなくてええって事?」
「はい、どうやらそのようです」
リイン自身も何が起きたのかさっぱり分からないと言う顔をしているが、ともかく儀式が無事に終了したらしい。
で、夜天の書は消えたが、リインはなぜか消えずに済んだ。
この事実を全員が理解するのに、数秒かかった。
そして、全員が理解した瞬間。
「「「リインフォース!」」」
みんなが一斉にリインに駆け寄った。
はやてもシグナムに支えられて、リインに泣きながら抱きついた。
ふー、いきなり雷落ちた時は何事かと思ったけど、これでどうにかなったわけだな。
「良かった良かった」
「あ~! 健人君いつの間に来ていたの!?」
「気付いてなかったのかよ!」
どうやら俺はこっちに来ていたのを、今まで誰にも気付かれなかったようで……
<泣くなよ、マスター>
「クスン、違うもん。この涙はリインが助かってよかったっていう嬉し涙だもん」
続く
これでA’s本編終了です。
次回は後日談で、リインが結局どうなったかです。
ちゃんとツヴァイも出しますのでご安心を。
それから、クリスマス、年末年始と日常を挟んで、BOA編を飛ばしてGOD編をやります。
自分、BOAはやった事ないんでストーリーは超独自のギャグになります。
Fate/GO、6章が難しすぎです。
福袋でジャックちゃんきて、ピックアップでセイバー式はとれたけど、槍師匠取れなかった。
でも、ジャンヌとニトリ、茨木来たからいいか(笑)