ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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お待たせしました!
別タイトル『壮絶、死体蹴り!』


第20話 「大・爆・発!」

さーって、困った事になったぞー

事故とは言え、俺のファーストキスがリインフォース、名前がまだつけられていないから(仮)に奪われてしまった!

いやいや、重要なのはそこだけじゃなくて、そのせいでリインフォース(仮)が激おこ状態で攻撃をしかけてくる。

おまけに、なのはとフェイトは何を勘違いしたか、俺が囮になってリインフォース(仮)を引きつけてくれてると思ってる。

なので、俺は1人でリインフォース(仮)と対決しなくてはならなくなった。

もうこうなったら破れかぶれで突撃だ―!

 

「うおぉ~……ぉぉ?」

 

突然リインフォース(仮)の動きが止まった。

それだけではなく、左手のパイルバンカーっぽいのが突然黒い蛇みたいなものに変形して、うじゃうじゃといくつも湧き出て体に巻きついて行った。

 

『外で戦ってる方達、聞こえますか? すみません、協力して下さい!』

「っ、声が?」

 

その時、どこからか通信、いや、念話が届いた。

 

「この声、はやてか!?」

「はやてちゃん!?」

「はやて!」

『えっ、まさか健人君? それになのはちゃんとフェイトちゃんも!?』

「健人君、はやてちゃんと知り合いだったの!?」

「あー、まぁな」

 

この念話はなのはとフェイトも聞こえているようだ。

はやてもなのはやフェイトも俺がそれぞれ知り合いなのを驚いているけど、今はそれどころじゃない

 

『あ、今はそんな事よりもこの子に付いてる黒い塊をどうにかしてくれる?』

「はやて。今意識あるのか!?」

『うん、なんでか分からないけど、さっきいきなり私の意識が目覚めて、この子に纏わりついてるナハトヴァールが混乱し始めたんよ』

 

ナハトヴァールってのがあの黒い塊の事か。

はやてが言うには、今目の前にいるリインフォース(仮)の姿をしているのはリインであってリインじゃなくてナハトヴァールが暴走している姿なんだとか。

それにしても、いきなりナハトヴァールが混乱して、おかげではやての意識が目覚めたのって、あ、アレか!

なのはとフェイトが俺の方を見て、尊敬の眼差しを向けてる気がする。

 

<あーアレきっと、マスターが何かしたおかげで事態が好転したと思ってる顔だな>

「あはは、そんなまさか」

「健人君、ひょっとしてもう何かしていたの?」

「私達が駆け付けるまでに手を打っていたなんて、すごい!」

「うそーん!?」

 

ホントに誤解しちゃってるよ! 何なの君ら、アホなの!?

俺が何かしたわけじゃ……はい、しでかしちゃいましたね。キスを。

でも、そんなの目がキラキラしてる2人に言えるわけない。

これは一生墓の中でも来世でも持っていこう、うん。

 

『でも、私の管理者権限が完全に使えるようになるには、ナハトヴァールをなんとかしなくちゃいけなくて!』

「ああぁぁ~~!」

「うおっ、また動きだした!」

 

リインフォース(仮)が突然狂ったように叫びだした。

よっぽどさっきのキスがトラウマになったようだ。

闇の書の防衛プログラムとは言え女の子だもんな。

何度も言ったけど、本当にごめんなさい。

 

『3人共聞こえる!?』

 

その時、今度はユーノから通信が入った。

どうやらアルフと一緒にこっちに向かっていて、クロノも別方向から接近中らしい。

ユーノ達にも今のはやての声が聞こえてきたみたいで、作戦を伝えてくれた。

曰く、魔力ダメージであの黒いうじゃうじゃをぶっ飛ばせばいいようだ。

幸い、思いっきりやっても中にいるはやてにはダメージが通らないらしい。

よーっし、ここはいっちょあの必殺技を繰り出して……

 

「健人君、ここは私とフェイトちゃんに任せて!」

「うん、健人にばかり負担をかけさせられないよ」

「なのは、フェイト、分かった。任せた!」

 

と思ったらなのはとフェイトがやる気満々な様子。

正直、アレをやるとめっちゃ疲れるから2人にお任せ。

砲撃も射撃も下手な俺より、なのはとフェイトの魔砲少女コンビの方がうまくいきそうだしね。

 

「中距離殲滅コンビネーション」

「ブラスト・カラミティ」

「「ファイアー!!」」

 

そして、放たれるなのはとフェイトの合体魔砲。

いや~やっぱり魔砲って派手でいいねぇ。

俺もいつか撃てるようになるといいな。

それにしても、今なのは、殲滅って言ったよな?

魔力ダメージとは言え殲滅って……

流石は白い魔王と呼ばれるだけの事はある。

今、その根源を見た気がする。

イヤーカンドウダナー。

 

「―――!」

 

2人の魔砲はそのまま、悶絶していたナハトヴァールを呑み込み、大爆発を起こした。

 

『防衛プログラム、管制融合騎との分離を確認!』

 

衛星軌道上で待機中のアースラからの通信によると、どうやら作戦は成功したようだ。

これで、はやては闇の書、いや、夜天の書の力をフルに使えるようになる。

爆発の中に、はやての魔力である白い光が見える。

 

「おいで、私の騎士達」

 

光が収まると、十字型の杖を構えたはやての姿と、その周りにはやてを守るように現れたシグナム達。

 

「はやてちゃん!」

「シグナム達も!」

「夜天の光に祝福を。リインフォース、ユニゾンイン!」

 

そして、リインフォースとユニゾンして、甲冑を纏い白い髪に蒼い目をした姿へと変わった。

くぅ~かっこいい!

俺だって炎を纏いながらバリアジャケットを装着するけどね。

 

「はやて……」

「すみません」

「あの、はやてちゃん私達」

「ええよ、みんな分かってる。リインフォースが教えてくれた。ま、細かい事は後や。まずはおかえり、みんな」

 

あーあ、ヴィータが感極まって泣きながらはやてに抱きついてる。

いいな、感動の再会シーン。

俺達も微笑みあいながらはやての側に降りた。

 

「なのはちゃんもフェイトちゃんもごめんな、それとありがとう」

「あはっ、良かったね」

「うん」

「それに、健人君、お久しぶり。まさか健人君が魔導師になってるとは思わんかったよ」

「おう、久しぶりはやて。それはこっちのセリフだよ。まさかはやて達が……コスプレ趣味の集まりだったなんて」

 

ずっこけるはやて達。

 

「「「コスプレじゃない!」」」

 

流石に冗談だよ。

 

「すまない。水を刺すようで悪いんだが」

 

そこへKYなクロノがユーノとアルフを連れてやってきた。

いや、KYじゃなくて差し迫った状況なのは分かるよ?

 

「時空管理局執務官のクロノ・ハラウオンだ。あの黒い淀みは闇の書の防衛プログラムで後数分で暴走する。間違いないか?」

「うん、自動防衛システム、ナハトヴァール」

 

クロノが指さした海上には、切り離されたナハトヴァールが異形の姿を現そうとしている。

はやてを助ける事が出来たけど、これからが本番。

今までと違って邪悪な存在との戦いだ。

クロノが発案したプランは、まずナハトヴァールの周囲に展開されている複合バリアシステムと本体をみんなで破壊。

それから、露出したコアをユーノ、アルフ、シャマルでアースラの前まで転送して、アースラの主砲アルカンシェルで完全消滅させる。

暴走を開始したナハトヴァールは周囲の物体を呑み込み巨大化する。

手加減無用で思いっきりぶつけてもまだ足りないくらいだ。

ここで、俺がトーレやクイントさん達に教えられた全てをぶつけられる。

 

「健人、君は大丈夫なのか?」

「おうよ。ここ数カ月で随分鍛えられたし。なのは達の砲撃に負けない必殺技もあるぜ」

「ふふっ、それは頼もしい。ナハトヴァールを一時的にとは言え停止させたんだ。期待させてもらうよ」

「あ、あはははっ……」

 

まさかキスで停止させましたーなんて死んでも言えない。

 

「夜天の魔導書を呪われた闇の書と呼ばせたプログラム、ナハトヴァールの浸食暴走体。闇の書の、闇」

 

ついにその姿を現したナハトヴァール暴走体。

ところどころ機械的でもあるそのおぞましい巨体へ向けて、ユーノとアルフとザフィーラが拘束魔砲で動きを封じていく。

それでも触手を伸ばして砲撃してくるが、高速飛行しながら俺の拳で粉砕して行く。

 

「やるな、健人」

「どうも。師匠達のおかげ、だよ!」

 

炎の拳がなのは達へ砲撃を放とうとしていた触手を打ち砕く。

うーん、気分爽快だ。

 

「先陣突破! なのはちゃん、ヴィータちゃん、お願い!」

「おう、合わせろよ高町なのは!」

「うん! アクセルシューター・バニシングシフト!」

「ギガントシュラーク!」

 

そして、なのは、ヴィータが攻撃を加える。

複合バリアの2つが破壊された。

 

「シグナム、フェイトちゃん!」

「いくぞ、テスタロッサ」

「はい、シグナム」

 

フェイト、シグナムの剣士コンビがそれに続く。

 

「翔けよ、隼!」

「貫け、雷刃!」

 

2人の攻撃が残っていたバリアを破壊した。

 

「はやてちゃん、健人君!」

「やるぜ、はやて!」

「うん!」

 

さて、俺も行くか!

両腕に魔力をチャージして行く

 

「シェルブリット、限界ぶっちぎりでぶっ放すぞ!」

<仕方ねーな。付き合うぜ、マスター!>

 

あの時以上に力強い魔力が両腕に集まって行くのを感じる。

それを見て、クロノとユーノが驚いた表情を浮かべた気がするけど、気にしている余裕はない。

 

「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け」

 

はやても詠唱を終えたようだ。

俺も準備万端だぜ!

 

「石化の槍、ミストルティン!」

 

はやてが放った8本の槍が命中すると、ナハトヴァールはあっという間に石化してしまった。

ここで、俺が続ける!

 

<おい、マスター。今更だが、この魔法。なんもトリガーを登録してないが、どうするんだ?>

『……あっ、忘れてた! ってか今それ言うか!?』

 

一般的に魔法を発動させる際には、本人やデバイスが魔法名を叫んだりする。

なのはにもフェイトにも、そしてクイントさんやゼストさん達にもそれぞれかっこいい名前がある。

けど、それが俺にはない。

一般的な魔導師よりも魔力量が高いから、アクショントリガーのみで発動出来てしまうかららしい。

だから、俺が使える魔法は全部名前が無い。

名前がなくても発動出来るから今までほっといたけど、こう言う場面で叫ばないのは逆になんか恥ずかしい!

ま、さっきザフォーラが雄たけびだけのパンチ使ってたし、いっか。

こういうので大事なのは、ノリだ!

 

「うぉ~! 行くぜ、これが、俺の自慢の拳だぁ~!!」

 

両拳を石化したナハトヴァールに叩きこむ。

それと同時にシェルブリットの手甲に籠められた魔力を完全開放。

魔力は炎と共にナハトヴァールの巨体へヒビを入れさせながら駆け巡り、大爆発を起こした。

なのは達の攻撃以上の大爆発にみんな吹き飛ばされそうになってる。

うーん、結局俺もパクっちゃった! いいよな、色々と元ネタだし!

なのはやフェイト達はすごいすごいと言ってるけど、クロノやユーノは唖然としてるな。

 

「やったか!? あ、フラグ立てちゃった」

 

やっちまったぜ、まさかやってないフラグを立ててしまうとは。

いや、俺なんかの攻撃で倒せるとは思ってないけどさ。

 

<そうでもないみたいだぜ>

「ん?」

 

煙が晴れると、原型を留めていないくらい吹き飛んだナハトヴァールの残骸が転がっていた。

 

<今まで一番のはちゃめちゃな威力になったな。ナハトヴァールがほぼ吹き飛んでる……いや、まだだ!>

「やっぱり!?」

 

粉々に砕けたはずのナハトヴァールがうねうねと波打ち、体をすごい速さで再生し始めた。

 

「後は任せろ。凍て付け!」

 

クロノが、凍結魔法で再生中のナハトヴァールを一瞬で凍りつかせた。

かなりの低温度凍結魔法で、俺まで寒い風が通り抜けた。

良く見ると、術者であるクロノの髪もちょっと凍て付いてる。

クロノの髪も燃えたり凍ったり大変だな。

俺が炎で融かそうか? え、いい? そうですか。

 

「なのは、フェイト、はやて!」

 

クロノが叫ぶと上空で待機していたなのは達3人がブレイカーを放とうとしていた。

 

「全力全開、スターライト」

「雷光一閃、プラズマザンバー」

「ごめんな、おやすみな。響け終焉の笛、ラグナロク」

「「「ブレイカー!」」」

 

お~生ブレイカーだ! しかも、トリプルブレイカーだ!

いやぁ、すごいすごい。さっきの俺の拳なんて目じゃない砲撃がナハトヴァールへと直撃した。

露出どころか、もうコアしか残っていない!

煙を上げながらピクピクしたコアが海上を漂っている。

ってか、俺の攻撃ですでにコア露出してなかったか?

何と言う死体蹴り!

 

「捕まえた!」

「長距離転送!」

「目標、軌道上!」

「「「転送!」」」

 

ユーノ達サポート組がコアを軌道上へ転送。

待機していたアースラがアルカンシェルを発射。

地上からでも見えるくらいの光。

汚い花火だぜ。

いや、実際はすごーく綺麗で気付かれないように写真を撮っちゃった。

 

『コアの消滅、確認!』

「「「やったー!」」」

 

エイミィさんの報告を受け、なのは達が歓声をあげた。

ふー、疲れた。

でも、これで事件解決だ。

 

アレ? これで本当に解決、だっけ?

 

 

 

続く

 




どうにかFate/GO、4章までいきました。
が、7章まで終わる気がしない。
ソロモン討伐は他のマスターに任せましょうか。
だって、星5がイシュタ凛とエルキとケツァル、ナイチンしかいなくて、再臨も素材がなくてやっと第一段階できたくらい。
種火集めも一苦労で他のサーバント育てる暇なし。

あ、これで闇の書事件解決?
次回はあのキャラが久々に登場です!
危うし、健人!(笑)

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