ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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サブタイは某Gガン風に叫んで読んでください。



全く意味はありません。


第16話 「師ィ匠オォォ~~~!!」

ナカジマ家で世話になった翌日、クイントさんに連れられて再度地上本部へとやってきた。

ゲンヤさんは別の部隊所属なので、玄関先で別れた。

俺達を出迎えてくれたオーリスと言う、いかにもキャリアウーマンな女性に連れられやってきたのは昨日と同じ部屋。

そこにはメガーヌさんと、顔が怖い人ゼストさんもいた。

 

「儂が時空管理局地上本部中将、レジアス・ゲイズである!」

 

ドドーンと効果音が聞こえてきそうな迫力満点なこの四角いおっさん。

昨日俺が思いっきりライダーキックをかましてしまった人だ。

あ、両脚蹴りだからライダーシュートの方がいいか?

ついでに言うとオーリスさんは彼の娘だった。

それはさておき四角いおっさんは腰に手を当て、胸を大きく張って威厳を出しているが、なぜか違和感を覚えた。

俺が知らないStsキャラだと思うけど、この人こんな面白キャラじゃないと思う、絶対。

だってこの場にいる全員ポカーンとしてるんだもん。

さっきまであんなに凛々しい表情を浮かべていたオーリスさんも、口を大きく開いてキャラ崩壊中だ。

 

「……れ、レジアス? お前本当にレジアスなのか?」

 

フリーズからいち早く立ち直ったゼストさんが恐る恐るレジアスさんへ声をかける。

どうもこの2人古くからの親友らしい。

 

「ん? どうしたのじゃ、ゼスト? 儂は儂じゃよ?」

「「「じゃよ!?」」」

 

またもやゼストさんやオーリスさん達が驚嘆の声を上げている。

俺はこのおっさんの事全く知らないが、こんな口調する人じゃないっぽい。

アレ? この流れはなんかすごーいデジャヴを感じるぞ?

でも、今回は頭突きしてないんだけど……

 

「オーリス、レジアスは確かに精密検査をしたんだな?」

「え、えぇ、脳波も正常だし何も問題はなかったわ。けど、もう一度じっくり検査する必要があるみたいね」

「その必要はない! 儂は儂じゃ! レジアス・ゲイズであーーーる!」

 

娘が病院へ行こっ? と優しく諭すようにいっても頑として行こうとしない四角いオヤジ。

それを見て、ゼストさんの視線がグイッとこっちへ向いた。

いやん、そんな怖い顔で睨まれるとおいらこわぁーい♪

 

「健人、少し聞きたい事が……」

「何睨んでるんですか隊長! 健人君怖がってるじゃないですか!」

「い、いや、睨んだつもりはないのだが……」

「もう! 健人君はまだ9歳なんですよ。ただでさえ怖い顔のおじさんに睨まれたら怖いに決まってるじゃないですか!」

「そう怖い怖いと言わなくてもいいのでは、と言うか俺は隊長なのだが……」

 

有無を言わさずキッパリと言い放ったクイントさんの剣幕にビビったのか、ゼストさんは見るからにションボリしてしまった。

クイントさん、言い過ぎ。

確かに物凄く怖かったけどね?

 

「ま、まぁまぁ隊長。ほら、これでも飲んで元気出して下さい!」

 

見かねたメガーヌさんが、いくつもの縦線が入って沈み込んでいるゼストさんへお茶を出して励ましている。

部隊の隊長と言う威厳が全くないな。

 

 

四角いおっさん、レジアスさんとオーリスさんの親子漫才は娘のマジ泣きで一先ず終了。

ウン、オレハナニモミナカッタ。

 

「君が草薙健人か。うむ、よくぞ儂の後頭部を蹴ってくれたな」

「き、昨日は本当にごめんなさい……えっ、よくぞ?」

 

よくも、ではなく?

 

「あぁ、君のような若者に蹴られて目を覚まさせられたのじゃよ。いくら守る為とは言え、手を出してはいけないモノが世の中にはある」

「は、はぁ……」

 

何の話だろ?

それからレジアスさんは長々と熱く今の地上本部の現状について話出した。

難しい話ばっかで俺には全く理解できなかったけど、後半どこからか取り出した酒を飲みつつ涙ながらに話してくれた。

おい、勤務中にいいのか? と、ゼストさんやオーリスさんに目を向けると、揃って視線を逸らされた。

もうこのレジアスさんに関しては諦めたらしい。

 

「ごめんね、健人君。君には難しいわよね」

「大丈夫ですよ。ほとんど聴いた話ですから」

 

アースラでクロノやリンディ艦長に聴いていた話がほとんどだし。

要するに陸上本部は予算なし人員なしで、本局に色々持っていかれ過ぎて戦力不足。

それをどう解消するか頭を悩ませていたらしい。

 

「しかし、もう悩むのは止めた。儂は儂の信念に乗っ取った正しいやり方で変えて見せる! そして、海の連中にあっと言わせてやるのじゃ!」

「うむ、ここら辺はいつものレジアスだ」

 

心底安心しきった顔をして頷くゼストさん。

よほどさっきまでのレジアスさんがおかしかったんだな。

気が付くと、じゃよ口調が直ってる。

 

「はいはい、レジアス中将もうその辺でいいでしょ? 今日は健人君の事で来たのに、ほったらかして難しい話を長々としないでください」

「お、おぉ、そうだった。すまない、儂とした事が本題を忘れてしまっていたな。健人君、そう言うわけで儂は昨日の件は全く気にしておらん。それどころか目を覚まさせてくれて感謝もしているぞ!」

 

ガシッと両手で握手までされてしまった。

な、な~んかおかしな流れになってるよなこれ。

 

「それで中将、そういう事なら彼をすぐアースラに帰すんですか?」

 

それはそれでイヤだな。せっかくギンガと仲良くなれたし、今日ここに来る時だって、寂しそうな顔で見送られた。

スバルとは今日もまともに話せなかった。どうも、嫌われていると言うより恥ずかしがってる感じなのが救いかな。

 

「それなのだがな。リンディとも話し合ったが、彼を次元転送ポートで戻すのは無理と判断した。過去3度も事故で目的地に辿りつかなかったのだ。いくら地上本部からとは言え、危険すぎる」

 

確かに、転送する度に変な所に行って、変な人にぶつかってばかりだったな。

 

「彼を送るには直接迎えに来るのが一番だ。だが、アースラはしばらく他の任務がある。先のプレシア事件の後処理の為に本局から離れられないらしい」

 

そう言えば忘れていたけど、プレシアの事件終わってからまだ半年も経ってないんだよな。

って事は、俺はどうなるわけ??

 

「そこでだ。君に選択肢を与えたい」

「選択肢?」

「1つ、船で儂が本局まで送る。今度本局で会議がある時に一緒に行き、向こうでアースラに合流だ」

 

これは普通だな。と言うかこれ以外どんなのがあるんだ?

 

「もう1つは?」

「うむ。地上本部で臨時局員として働いてみないか?」

「「「えぇ~!?」」」

 

レジアスさんの提案に俺より、ゼストさんやクイントさん達の方が驚いている。

 

「何を考えているんだレジアス!? 彼はまだ子供で、少し前まで魔法の事も全く知らなかった一般人なんだぞ!?」

「しかし、彼は強大な魔力やそれを制御できる専用のデバイスも持っているではないか」

「だからって危険すぎますし、早すぎます! せめてちゃんとした訓練校へ通ってからでないと!」

「中将、私も反対よ。いくら人員不足だからって子供の手まで借りる事ないじゃないですか」

 

ゼスト隊全員に責められ、流石にたじろぐレジアスさん。

そう言えば、フェイトも嘱託魔導師になるとか言ってたっけ。あれはいいのか? 

それにクロノも見た目は俺とそう変わらないのに、あっちは14だからいいのか。

うーん、俺が地上本部で働くって事は、ギンガやスバル達と遊びやすくなるって事か。

で、アースラに行けばフェイトやアリシア達か……うーん、これってルート分岐って奴?

あ! フェイトもアリシアも裁判の準備とかでこれから多忙になるってクロノ言ってたな。

じゃあ、アースラ行ってもあまり意味ないか。

地上本部で働く事になっても、これから会えなくなるわけじゃないしね。

それにクイントさんってシューティングアーツって言う格闘技のスペシャリストと言う話だ。

格闘型魔導師を目指す俺としては、クイントさんに色々習った方がいいな。

トーレからも射撃や砲撃より格闘重視の魔法を習っておけとアドバイスされたし……ってあぁぁ~!?

今更ながら思い出した事があった。

ゼスト達って確か、Sts前に全滅しちゃうんだった! それもスカさん達に殺される!

ま、まぁ、この世界のスカさん達ならそんな事はしないと思うけど……ま、万が一って事があるからな。

よしっ、決めた!

 

「レジアスさん、俺地上本部で働きます。働かせて下さい!」

「何っ!?」

 

俺の決断に皆驚いてるけど、提案したレジアスさんが一番驚いてる。

 

「お、おぉ、儂が言っておいて何だが、本当にいいのか?」

「はい! 元々管理局で働く為にデバイス作ってもらったような物ですから」

「そうか、よくぞ言ってくれた! 早速手続きに入ろう。オーリス、頼んだぞ。ゼスト、お前の部隊で見習いとして編入する。任務につかせる必要はない。まずは色々教えてあげてくれ」

「待って下さい!」

 

クイントさんが俺に目線を合わせるようにしゃがみこみ、ジッと俺の目を見つめてきた。

美人さんに見られるのは恥ずかしかったけど、それ以上に真剣なまなざしに目を逸らす事が出来なかった。

 

「健人君、本当にいいのね?」

「……はい!」

 

実際いつ全滅するのかは知らないんだけど、この人達には死んでほしくない。

うぅ~こんなことなら早めにシリーズ全部アニメ早く見ておくんだった。

見る直前に死ぬってないよなぁ。

こうなったら、しばらくはこっちにいた方がいいな。

その為にももっと強くならないと。

 

「よしっ、分かったわ。レジアス中将、ゼスト隊長、この子は私がこのまま預かって色々教えようと思います。いいですか?」

 

ゼストさんは俺とクイントさんの顔を交互に見てしばらく考え込んだ後、深く溜息をついた。

 

「仕方あるまい。草薙健人君、君を我が部隊の臨時隊員として認める。しかし、まだ臨時だ。現場には出さない。それに嘱託魔導師としての勉強もしてもらう。それと、アースラに合流し本局に行きたくなったらいつでも言う事」

「隊長、いいんですか!?」

 

メガーヌさんはまだ納得してないようだ。

と言うか、それが当たり前だと思う。

Stsの設定だけ見て、エリオやキャロが働いてると知り、なのは達が管理局入りした歳知ってエェーー!? ってなったもんな。

 

「ここで断っても、彼の魔力量は高い。いずれ本局の方で採用されるだろう。それならば、ここで経験を積ませてから本局か地上本部か改めて決めさせた方が本人の為だろう。それにあそこまで乗り気なクイントが引きさがると思うか?」

「思いませんね、全く」

 

そう言えば、クイントさんとメガーヌさんって親友だっけ。

ViVidの合宿イベントでメガーヌさんがそう言っていたな。

 

「では決まりだな。まずは嘱託魔導師の資格を取った方がいいだろう。任せたぞ、ナカジマ」

「了解いたしました!」

 

今日はこれで解散となり、明日から俺は臨時局員として働く事になった。

それからアースラに連絡を取って、リンディ艦長達に決めた事を伝えると、クロノだけは難しい顔をしたがリンディ艦長やエイミィさんは喜んで応援してくれた。

 

「そうだ。健人君、デバイスはアームドデバイスだったわよね? それも格闘型の。どこかで習ったの?」

「はい、簡単な基礎はドクターブライトの所で教えてくれた人がいます」

 

碌でもない事を習ったりもしたけどね。

 

「そっか、それじゃあ明日にでもその腕前見せてもらえる? 私こう見えてもシューティングアーツっていう格闘技やってるのよ。良ければ教えてあげるわ」

「はい、ぜひ教えてください!」

「うん、良い返事。男の子は元気良くないとね。ふふっ、ギンガとスバルもきっと喜ぶわよ」

 

よーっし、これで本格的に魔法を覚えられるぞ!

 

「よろしくお願いします、師匠!」

「し、師匠はいらないかな。普通に呼んでくれる? 何だか恥かしい」

 

意外と可愛い一面もあるんだな、クイントさん。

 

 

続く

 




綺麗(?)なレジアスが完成!
健人の当面の目的はゼスト隊全滅フラグを折る為に強くなる事。
もうとっくにバッキバキに修復不可能に折られてるんですけどねー

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