ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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ギャグメインのリリカルなのは!
神様転生オリ主のテンプレパレード、はじまります!



小学生編
第1話 「目が覚めたら●女に激突した」


「俺の名は草薙健人(くさなぎ けんと)18歳。よしっ、自分の名前は覚えている!」

 

唐突に自己紹介してみたが、誰も何も反応なし。

それもそのはず、俺は今気味の悪い空間の中を飛行中だからだ。

飛行中、と言うのはちょっと違うか。

俺は舞空術もトベルーラも土遁・軽重岩の術も使えない、ただの人間。

 

「なんでこうなってんのか分かんないけど、俺が飛んでるのだけは分かる」

 

結構高速で飛んでるはずなのに、強い風やらなんやらを感じない。本当にどうなってるんだ?

なんでこうなったのか原因を考えてみる。

確か、リリカルなのはViVidの15巻を読み終えて、ジークリンデのチャイナドレス可愛いなーと思って寝たはず。

俺は色々な漫画やアニメを見てるけど、リリカルなのはが特にお気に入りだ。

中でもViVidのジークリンデとINNOCENTのシュテル、ディアーチェがいい!

あ、ViVidのノーヴェやスバルも捨てがたいな。

と言っても、俺が知ってるリリカルなのはって漫画で読んだViVidとゲームのINNOCENTしか知らないんだよなー。

俗に言う、無印、A’s、StrikerSはキャラの名前とか断片的にしか知らなくて、これからBDで見ようと思っていた所だった。

昔、ViVidを勧めてきた友達に言ったらものすっごく変な顔して驚いてたな……いや、気持ちは分かるけどね。

 

「さーって軽い現実逃避をしたけど、俺は一体どこに向かって飛んで……おっ、なんか見えてきた」

 

見えてきたのは、いかにも悪の親玉が住んでそうな歪な形の城。

まさか、あそこに行って大魔王でも倒して来い、なんて事じゃないよな。

 

「まさかなー。ただでさえ体弱いのに、バーンとか出てきたら1秒も持たない自信あるぞ。あっはっはっは……ってなんか加速してる!?」

 

城っぽいのが見えてきた途端、速度があがった。

 

「ちょっ!? 待てまて! まさかホントに目的地あそこ!? あ、なんか人影が見えてきた……これ直撃コース!? と、とまれーー!!」

 

全力全開の叫びもむなしく、俺は魔女っぽい服装をした熟女に激突した。

あ、これは死んだかも。

 

 

 

「おーい、もしもーっし?」

 

んん~? 誰かの声が聞こえてくる。

 

「もう、いい加減起きてよー話が出来ないじゃん!」

「うる、っさ……」

 

――ゴンッ!

 

「っ~~!?」

 

起き上がろうとしたら何かが頭にぶつかった。

あまりの痛さで目を思いっきり見開くと、そこには漫画でありそうなコブをつけて頭を抑える青髪の少女がいた。

あれ? 俺、どうなったんだ?

確か変なポットの側に立ってた熟女の人にぶつかって、そのまま気絶したのか、それとも死んだ?

今の痛みで死にそうにはなってるけど。

 

「っつつ、痛いよぉ……って、き、君が死んだという表現は間違ってないけどね」

「頭がまだジンジンする……あー俺やっぱ死んだのか……ってあんた誰!?」

 

辺りを見渡すと俺は真っ白な空間にいて、目の前には青い長髪とアホ毛を生やした少女がいた。

さっき見えたタンコブはもう消えてるようだ……ってか、らき☆すたのこなたじゃん!

 

「いや、見た目はそうだけど、私こなたじゃないよ?」

「声までこなたじゃん。あ、いやいや、そんな事どうでもいいんだけど、ここはどこだ? さっきまで俺飛んでたんだけど?」

 

頭に??マークを浮かべながら尋ねると、こなたっぽい少女が申し訳なさそうな顔をした。

 

「えっとね。順を追って説明するね。私は神様で、あなたは死んだの。で、私がここへ呼んで転生させようとしたんだけど、色々失敗しちゃって、転生先も間違えてぶっ飛ばしちゃったわけ。分かる?」

「今の説明で分かる人がいるなら見てみたい。ってかあんたが神様?」

「とんでもねぇ、わたしゃ神様だよ! アイタァ!」

 

ドヤ顔で志村けんの真似をする少女にチョップした俺は悪くない。

 

「か、神様に何のためらいもなくチョップする人間初めて見たよ」

「いいから、分かりやすく説明しろ」

 

それから自称神様のこなたに説明を受けた。

説明、と言っても半分以上チンプンカンプンな事ばかり言ってくるだけだけど。

 

「話を纏めるぞ? まず、俺は元いた世界で死んだ」

「そうそう」

「で、俺に興味を持ったあんたは、死後の世界に行こうとしてる俺をViVidの世界に転生させようとした」

「うんうん」

「でもその時飲もうとしてたコーヒーがとても熱くて……」

「ワチャーー!! って悲鳴をあげた拍子にあなたの体を魂もろとも、なのは無印時代にぶっ飛ばしちゃった。テヘッ☆」

 

こなた顔でテヘペロされても殺意しか沸かない。

ってかさっきから殺意しか沸いてない。

死んで転生なんてどっかで聞いた事あったし。

俺も出来ればViVid時代に転生したいなーとは思ってたけど、よりにもよって無印時代に転生させられるとは。

まだジークリンデもティアナも誰もかも赤ん坊か生まれてないじゃないか!

 

「いやー、咄嗟にあなたの肉体年齢を9歳にしておいてよかったよ。無印時代に18歳で行ってたらちょっと悲惨だったもんねーイロイロと、アハッ☆」

「アハッ☆ じゃねーだろがこのへっぽこ神!」

「アダッ!?」

 

テヘペロで誤魔化そうとしていた駄神にゲンコツを落として少しはすっきりした。

 

「ところで俺は無印とかA’s時代の事何も知らないんだけど? そんな所に放り出されてどうしろと?」

「あ、それなら問題ないよ。ちょうど今無印終わった頃に飛んだから」

「……マジで?」

 

無印時代に飛ばされたと思ったら、すでに無印イベント終わった後とか、そりゃないだろ。

 

「せっかくだし、特別に無印で何があったか教えるね。君がぶつかったおば……彼女も大事なキャラだしね」

 

そう言えば俺、魔女っぽい人にぶつかったんだったな。

駄神曰く、あのおば、魔女はプレシア・テスタロッサで、フェイトの母親だそうだ。

無印時代に何があったのか映像つきで教えてくれた。

事故で死んだ娘を蘇らせようと娘のクローン使って、ジュエルシードを集めさせた、か。

原作ではプレシアとアリシアは虚数空間に落ちて、フェイトは天涯孤独となるけどリンディ提督が養子にして俺の知っているフルネームになる。

で、俺はちょうど最終局面に出くわせて、今はアースラと言う管理局の船にポットに入ったアリシアと、逮捕されたプレシア共々移されているらしい。

原作とは少し違っているけど、このままだとアリシアは死んだままで、プレシアは不治の病で長くないから結局は原作通りに進むようだ。

 

「まぁ、思う所があるのは分かるけど、話を進めるね。君の転生特典は私のミスもあるし、ちょっと多めにしたよ」

 

転生特典。神様が人間を転生させるときに付ける特典か。

大抵はチート能力とか金銭とかそういう類で、1つか2つくらいしか付けないけど、今回は神様がミスしたおかげ(?)で結構沢山つけてくれるそうだ。

そんなのよりViVid時代に転生させて欲しかった。

 

「まずは肉体だけど、さっきも少し言ったけど外見はそのままに9歳まで若返らせたよ。なのはやフェイトと言った主要キャラに合わせる為にね」

 

それはありがたいのか微妙だな。このまま行けばViVid時代には俺は23歳、ジークリンデとは7歳差、いけるか?

 

「そんな先の事は後で考えたら? 特典で健康体として肉体は強化してあるし、修行すればするだけ強くなるようになるよ。リンカーコアもつけたし、魔力も高め。格闘戦特化と言えば大体分かるかな? あ、空も飛べるよ」

「おー! それはすごい!」

 

健康体、この駄神俺の生前知っててこういう風にしたのかな。

何にせよ。魔力も付いて空も飛べるようになるのはいいな!

 

「でもいきなりだとちょっと不自然だから、最初は魔力が強いだけで、空の飛び方とか使い方は自分で学んでね。そういう機会は沢山出てくるから」

「あーそこら辺はどうとでもなるからいいや」

 

いきなりドーンと体が強くなったり、空が飛べても物足りなさ感じそうだ。

 

「で、これまでのが私からのミスの返済、ここからが本題。君には特別に3つまでどんな願いも叶えてあげるよ」

「へっ? 何でも願い事? それが俺の特典?」

 

これまでのでも十分すぎるのに、更に願い叶えるとか気前がいいにもほどがあるだろ。

 

「まーこっちのミスもあるし。生前の君を知ってるから、その、ね?」

 

申し訳なさそうな顔をする駄神だけど、こればっかりは誰も悪くないからな。

 

「そんなのあんたが気にする事じゃないだろ。えーっと、3つの願いか……何にしようかな」

 

正直、思い浮かばないな。金は生前沢山あった。

あったけど、別に使う事もなかったし、あっても邪魔にしか思わなかったから、これはパス。

必要になれば自分で稼ぐのがいい。

あ、どうせ何でも叶うなら……

 

「じゃあ、まずはアリシアを生き返らせて、プレシアの病気を完全に治す」

「はい? 本気? それが君の願い?」

「あぁ。年代は違うけどリリカルなのはの世界に来る事出来たし、肉体強化や魔力や空飛べるのも俺が生前やりたかった事叶ってるし。それにこのままじゃフェイトが可哀相だ」

 

いかにこれから新しい家族を得るとは言え、母と姉を失う事には変わりない。

家族がいなくなるのは絶対にダメだ。

 

「うん、分かったよ。でも、君に関わる事なら問答無用でどうにでも出来るけど、あの世界の人に関わる事ならちょっと調整しないといけないねぇ。プレシアは特効薬があるって事にして、アリシアは仮死状態だったのが今回の騒ぎで目が覚めた事にするかな」

「それでよろしく」

「で、最後の1個は? 出来れば今度こそ君自身に関わる事にしてほしいな」

 

俺自身ねぇ……ダメだ。やっぱり浮かばない!

 

「うーん、じゃあ3つ目の願いは保留で。何か浮かんだらお願いするよ」

「ほ、保留!? まぁしょうがないか。そろそろ時間だしね」

 

時間? 何の事かと思ったが、意識が遠くなっていく感じがした。

 

「じゃ、目が覚めたらアースラの中だと思うから、後は好き勝手にがんばってね。あ、最後の願いが決まったら心の中で私を呼んでね」

「分かった……そう言えば」

 

あんたの名前は? と聞こうとして完全に意識が途切れた。

 

 

 

「あ、肝心のあの子の戸籍とかそういうの用意してなかった。アハハハ~……まぁ、大丈夫だよね。言ってなかったけど転生特典の最後の1つに【女キャラとのエンカウント率が高くなる能力】付けたから、これで何とかなるでしょ」

 

続く

 




息抜きと気分転換で始めたこの話。
さっそくシリアス入っていますが、これからはギャグ多めでいきます!
主人公の好きなキャラ、ジークリンデ達は当たり前ですがしばらく出ません(笑)

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