「それじゃあ、掃除を始めよ~♪」
「お~!」
現在放課後、予定通り掃除をする事に為ったのだが……
「夜海、何ボーっとしているのかしら。早くしないと、日が暮れるわよ?」
「そうですよ、古詠先輩。早く働いて下さい」
「なぁ柑條、何でみんな居るんだ?」
生徒会室には、赤城を除いた生徒会役員全員が来ていた。
「一人より二人の方が良いって、言ったでしょ?だから、全員で掃除した方がもっと、早く終わるでしょ?だから、読んじゃった♪」
確かに一人より二人と話はしたが、まさか全員でやるなんてな。
結局、いつも通り放課後に全員で集まっているな。
「夜海先輩、早く終わらせて、お話しませんか?」
「そうだぞ、みっくん。早く終わらせて、遊ぼうではないか!」
何か目的がずれている人もいるが、まぁ良いか。
「ま、時間も勿体無いから、始めるか」
「「おー!」」
こうして、生徒会室の掃除が開始された、のだが……
「で、生徒会室の掃除って、何やるの?」
「柑ちゃんが知らないなら、私も知らないよ~?」
「普通に部屋を掃いて、ゴミを取ればいいじゃない?悩む必要はないはずよ?」
「そうですよ、会長。それに、他に何かありましたか?」
「そうなんだけど……ほら、こんなに人が居るのに余っちゃうから……」
そうだろうな。生徒会室はそこまで広くはない。
普通教室の半分在るか、無いかぐらいだ。
掃除するにしても3~4人居れば十分だろう。
さて、これから如何するのやら……
「そう言う事ね。それなら大丈夫よ、詳しい人がここには居るから」
「成る程、確かにそうだね」
へぇ~、そんな人が居るのか。掃除に詳しい人って一体……って、何でこちらに視線が集まって来ているんだ?
「夜海、あなたの出番よ」
「俺なのかよ!」
「?他に適任者は、居ないと思うのだけど?」
「その通りだと思いますよ、先輩」
確かに、暇な時に備品の配置を変えたりして、簡単な模様替えをしてはいる。
けれどそれが、掃除に詳しいと言う事に繋がるとは、思えないのだが……
「夜海先輩」
「ん?ツッキー、如何した?」
「物は、試し。指示を、出してみて、下さい」
ん~まぁ、このまま時間を食うよりは良いか。
「それじゃあ、柑條は窓拭きを頼む。雪姫さんは床を掃いてくれるかな。如月さんと歌風さんは、ゴミ捨てに行ってきて。ツッキーは俺と、備品のチェックをしてくれるかな」
「お~!流石、ミー君。裏方の仕事に慣れているね。よし、それじゃあ改めて、掃除を始めるぞ~」
「そうね、始めましょうか」
「よ~し、フーちゃん。ゴミ捨て行くぞ~」
そう言うと、如月さんは部屋を飛び出て行った。
今の指示で納得したのか?
「あ、待って下さい、天音先輩!先輩、これって、天音先輩の監視役を押し付けた訳では無いんですよね」
歌風さんが、確認を取ってきたが、うん、歌風さんの言う通り、監視役なんだよね~。
そんな訳で、思わず顔を背けてしまった。
「やっぱりそうなんですね。酷いですよ、古詠先輩!」
「悪い、今度歌風さんの言う事一つ聞くから頼むよ」
「むぅ~、分かりました。その言葉、絶対忘れないで下さいよ」
「もちろんさ」
ほんと、悪いと思っている。
けど、如月さんを一人で行かせると何が起こるやら。
自由と言うか、掴み所が無いと言うか……まぁ、そう言う人にはお目付け役が居た方が安心できるしな。
「夜海先輩、早く作業、しましょう」
「ん、あぁ、そうしようか」
この後指示のお陰かは分からないが、滞りなく掃除を終える事が出来た。
前回の続きの放課後の一幕でした。
リクエストの受付をしています。その際は、活動報告のリクエストへ送ってください。
今後も気長に待っていただけると助かります。