生徒会の会議   作:東條九音

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やっぱり、今回も迷走しているような……

至らない点や誤字脱字が多いですが、それでも良ければどうぞ。


第5話 庶務と会長

最近休憩を、生徒会室で過ごす事が多い。

作業が無くても、部屋を使う事は出来るので、静かに本を読むのには丁度いい。

教室だと周りがうるさくて、落ち着けない。

 

そんな訳で、今日も生徒会室に来て本を読んでいたんだが……

 

「ミー君~、そこの書類取って~」

 

「はいはいっと、これか?」

 

「うん、ありがと」

 

確か、仕事は無いって聞いていたんだが……

 

「柑條、仕事は無いんじゃなかったか?」

 

「うん、会議は無いけど、雑務はあるよ」

 

そう言うと、先程渡した書類を見せてきた。

よく見るとそれは、使用許可書と書かれた紙だった。

 

「他にも、備品申請書とかもあるよ」

 

「それは分かったが、何で昼休憩にしているんだ?」

 

わざわざ休憩時間にしなくても、放課後にすればいいのに。

 

「そもそも、雑務って事は俺の仕事だろ」

 

「そうかも知れないけど、私たちの仕事とも言えるんだよ。ま、そんなに気にするのなら、手伝ってよ」

 

「休憩時間は、休む時間だろ。頼まれたら、別だがな」

 

俺の基本スタンスは、最低限やり切るか頼まれたらやる。

頼まれた場合、最後までキッチリとやり切る。

まぁ、よほどの事が無い限り、頼まれると言う事も無いが。

 

「それじゃあ、昼休憩の内に終わらなかったら、放課後に手伝ってよ」

 

「まぁ、それは良いが、そこまで無いだろ?」

 

見た限りでは、殆ど終わっている気がするが。

 

「申請書が終わったら、今度は生徒会室の掃除をしておかないと。来週にはまた会議が在るからね。こういう時に、しておかないとする暇が無いからね」

 

と言うと、最後の一枚に手を付けた。

 

ほんと、柑條って昔からよく働くよな。

こう何て言うか、みんな中心になって、みんなのために何かする………人のために何かが出来る人って言うのかな。

 

「俺には、出来ないな………」

 

思わず、小さな声でそんな事を言ってしまった。

 

「ミー君は、ミー君のままでいいよ。知っているよ、ミー君が陰から人を支えていること」

 

すると、最後の一枚を終え、柑條は此方を見ながら諭すように言ってきた。

 

「前にも話した事があったよね」

 

「そうだったかな」

 

「そうだよ。周りからは目立たない仕事、けれどそれが出来ていないと上手くいかない事もある。そんな目立たない仕事は、誰もやりたがらない。だって、評価される事は殆ど無いのだもの」

 

だろうな。そりゃあ、誰も見ようとはしない、と言うか気にも留めない様な事が殆どだろうから。

 

「でもミー君は、そういう陰から支ええる仕事を進んでやっている。だから私は、いや私たちは、安心して進めることが出来るんだよ」

 

「そんな大層な事は、していないよ。自分が気に為ったからやったとか、そんな感じだ」

 

「例えそうであっても、少なくとも私は感謝しているんだよ。だから、気にする事なく、ミー君が出来る事をすればいいんだよ」

 

昔から、人の事をよく見ている奴だな。

こんな奴だから信頼されて、着いて行く奴いるんだろうな。

ま、今では俺もその一人って事か。

 

「雑務は終わったんだろ?だったら、掃除は俺がしておくよ」

 

「私もするよ。一人より、二人の方が早く終わるでしょ?」

 

「そうかい。じゃ、放課後にな」

 

「うん、放課後にね。あ、ミー君。いつかは昔みたいに美玖って呼んでよ」

 

そう言うと、柑條は教室に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 




日常パートその一でした。

今までの自分の体験を、二割程度の織り交ぜて書いてきましたが、
今考えるとホントいい思い出だったな~


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今後も気長に待っていただけると助かります。


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