生徒会の会議   作:東條九音

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至らない点や誤字脱字が多いですが、それでも良ければどうぞ。


第13話 部活巡り

準備室をツッキーと一緒に出てきて、そのまま学校の玄関口まで来た所で立ち止まり、俺は口を開いた。

 

「ツッキー、さっきは助かったよ。いい加減帰りたいって思っていたから」

 

「そうだと、思いました。先輩、楽しそうだけど、面倒そうに、答えていたから」

 

そりゃああの手の話は嫌いでは無いが、どうせならもう数人、人が居ても良いと思う。

二人だけで意見を出し合うのには、限界があるし。

 

「ん?て事は、ツッキーはあの話を聞いていたの?」

 

「はぅ……すみません。少し、聞いちゃいました」

 

そうか…でもまぁ問題ないだろ。

所詮お遊びだし。

 

「全然問題ないよ。さて、じゃあ俺は帰ろうかな」

 

「あの、先輩」

 

「ん?何だい?」

 

帰ろうと歩き出そうとしたら、ツッキーが此方を覗き込むように訪ねてきた。

 

「夜海先輩は、部活、しないんですか?」

 

あ~その事か。

確かに今現在、俺は部活には所属していない。

理由はまぁ、幽霊部員になるくらいなら、初めから入らない方が良いと思ったからだ。

この学校は部活については、所属するもしないも自由なうえ、兼部するのもありなのだ。

と言っても、無所属の生徒は殆ど居ない。

なぜなら、ゲーム研究部がある様に部活の幅が広く、皆何かしら自分に在った部活を見つけているからだ。

 

「そうだね~、まぁ自由が一番って事かな」

 

「そうなんですか?」

 

「そう、まぁたまにさっきみたいに、知り合いの部活を覗きに行くけど」

 

「なら先輩、これから見に行って観ませんか?」

 

う~ん、家に帰って休みたい所だけど、可愛い後輩の提案だしな。

 

「なら、役員の皆の部活風景を見に行くか」

 

「はい!では、誰から、行きますか?」

 

「そうだな…歌風さんの所に行ってみるか。確か歌風さんは兼部をしていたな?」

 

記憶が正しければ、槍術部、剣道部、格闘術部だったはず。

 

「はい、では武術棟に、行きましょう」

 

「よし、場所が良く分からないから、ツッキー案内よろしく!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳で、ツッキーに案内されてやってきたのは、歌風さんが居ると思われる武術棟にやってきた。

 

「さて、歌風さんは何処に居るかな?」

 

「あれ、そうじゃないですか?姉さまも、居ますし」

 

ツッキーの視線の先には、練習着に身を包み、剣道の練習に励む歌風さんと雪姫さんが居た。

あれ?雪姫さん?

 

「ツッキー、雪姫さんって剣道していたの?」

 

「はい、と言うより、姉さま、色々出来ますし……直接聞いてみます?」

 

と言うとツッキーは、丁度休憩に入った二人のもとに駆け寄って行った。

しばらくの何かを話したかと思うと、三人が此方に来た。

 

「先輩、呼んで来ました」

 

「夜海先輩、お疲れ様です。珍しいですね?先輩が用事もないのに、学校に残って居るなんて」

 

「そうね、夜海は用事が無ければすぐにでも帰るものね」

 

「ああ、タスクに捕まって、ゲーム研究部に行っていたんだ。で色々あって、ツッキーと一緒に部活巡りをしているんだ」

 

「そう。それで何か聞きたい事があるって聞いたのだけど?」

 

「いや、たいした事じゃないのだけど、雪姫さんって剣道部だったの?」

 

質問すると雪姫さんは首を横に振った。

如何やら違ったらしい。

と言うか、部員じゃないのに何やっているんだ?

 

「私は夜海、あなたと同じ無所属よ。と言っても殆どの部活に参加しているけど」

 

「どういう事?」

 

そんなと疑問に答えてくれたのは、後輩二人だった。

 

「そのままの意味ですよ。雪乃先輩は無所属ですけど、部活の助っ人をしたり、たまにやって来ては、アドバイスをして行くんです」

 

「姉さまは、大体の事は、三日で習得します。ですから、公平を保つ為に、一定の部活には所属せず、渡り歩いているんです」

 

つまるところ、このオーバースペックの人を巡って争わないように、中立を保ちつつ、部活を楽しんでいるって事か。

と言うか、三日でマスターとかまさに、逆三日坊主だよなこれ……

 

「そう言う訳で、私は無所属よ」

 

「へぇ~、あ、二人とも時間を取らせて悪かったな」

 

「いいわよ、美音とそろそろ迎えに行こうと、話していた所だったから」

 

「はい、夜海先輩の事ですし、忘れて帰るんじゃないかと思っていましたし」

 

忘れる?はて、何か約束なんかあったかな?

 

「歌風さん、何の事?」

 

「やっぱり忘れていたのね……高垣君に足止めを頼んでおいて、正解だったわ」

 

「そうですね。あと先輩、あだ名で呼んでくれる約束ですよね」

 

まさかタスクに捕まったのって、仕組まれていたのか。

そう言えばあいつ、他の役員から聞いたって言っていたな……

それはともかくとして、歌風さんに睨まれてしまった。

そう言えば七夕の時に、そんな約束をしたな。

確か呼び方は……

 

「悪かったよ、歌ちゃん。それでだ、なんか約束していたか?」

 

俺がそう言うと、三人は一度顔を見合わせると頷き合い、こちらを向いてこう言った。

 

「「「放課後に、資料を運び入れる話です」」」

 

放課後……資料……運ぶ……

あ、そう言えば休みに入る前に、資料を寮に運ぶとか言っていたな。

てか、帰れないのを分かっていて泳がせていたのか……

 

 

 

 

 




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今後も気長に待っていただけると助かります。

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