生徒会の会議   作:東條九音

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至らない点や誤字脱字が多いですが、それでも良ければどうぞ。


第12話 机上の空論

「夜海、今日の放課後うちのクラブに寄って行けよ」

 

「それは、吹奏楽?それともゲーム研究部?」

 

「今日はゲーム研究部に行くつもりだ」

 

ゲーム研究部か~、久しぶりに行ってみようかな。

でも久しぶりに生徒会の仕事も無いんだよな……

よし、ここは断って帰るか。

 

「先に言うが、今日は生徒会の仕事が無いのは知っているからな」

 

「なんと!まさか知られていたとは……。ちなみに誰から聞いた?」

 

「他の生徒会役員からに決まっているだろ」

 

だろうね~

仕方ない、大人しく付いて行くか。

 

「ん、じゃあまぁ行きますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳でタスクに連れられて来ました、ゲーム研究部の部室であるパソコン室。

いつ来ても思うのだが、学校でゲームをするだけの部活なのに許可が出て、設備が良い教室を使えるんだろうな?

そんな疑問は置いておいて、タスクとパソコン室の隣にある準備室に入り、お互い席に着いた。

 

「で、何で呼ばれたわけだ?」

 

「いや、普通に誘ってみただけだが?」

 

「よし、なら帰るな。俺には帰って、本読むと言う使命があるから」

 

「そう言うなよ。ほら、これを見てみろ」

 

席を立ち帰ろうとすると、タスクは一冊のノートを差し出した。

 

「これは?」

 

「前にゲームの設定を、話した事があっただろ?それを纏めたものさ」

 

あったな~そんな事。

確か、大まかな設定を出し合ったんだったけ。

 

「まぁ、生徒会の仕事が無いなら、続きを考えてみないかと思ってな」

 

「そう言う事か。ま、いいよ別に。それで如何するんだい?」

 

「そうだな、とりあえず前回の続きで、アバターの制作方法を考えよう」

 

帰るのをやめて、改めて席に着き一緒に考え始める。

確かアバター制作の基本は、種族と職種を選ぶんだったな。

 

「とりあえず、何でも有りの方針で良いんじゃない?」

 

「投げやりだな、おい。でもまあ、その方が色んなキャラが出来るか」

 

「そもそもこれって、オンラインゲームが前提なのか?」

 

話していて思ったのだが、根本的な所でどのジャンルを考えているのだろう?

そこの所をあまり考えずに話していたな。

 

「そのつもりだ。そのうち出るであろう、VRMMOを基準に考えているが?」

 

「そ、ならやっぱりある程度の枠組みはあるべきだな。人に獣人、精霊、天使や悪魔……まぁその他諸々ってな」

 

「成る程、ならそれを基準に自由に作って貰うってことにするか」

 

これで種族の問題はひとまずいいかな。

なら次は、スキルかな。

 

「タスク、スキルは如何するんだ?」

 

「イメージは、種族専用と職業専用を一つずつ。戦闘と汎用スキルを始めから、いくらでも習得OKにしたいと思っている」

 

「いや、駄目だろう。徐々に増えるならまだしも、初めからそれはバランス的に、ダメだろ」

 

「でもオンラインゲームではそれくらい、普通だぞ?」

 

さも当然って感じに言われてもな~

確かに俺はゲームより、本を読むことの方が多いし……

けど初めから多いのは、バランスが崩れて面白みがないと思うのだが……

 

「でもまあ、夜海の言う事も一理ありそうだし、初めは二つまでにするか」

 

「良いんじゃないか」

 

もうホント如何でも良くなってきた。

ていうか今日は、飽きたな。

何とかうまく逃げる口実が、出来ないかな………

 

「よし、なら次は目玉になるシステムについて考えるか」

 

「目玉になるシステムか……名前が同じでも効果が全く違うとか?」

 

「?どういう事だ、夜海?」

 

「例えば、魔法を選んだとする。でだ、魔法にも色々属性があるだろ?」

 

「ああ、火とか水とあるな」

 

「人数が多くなると被って来るだろうけど、同じ魔法でも、火なら火だけ、水なら水だけ。他の属性が欲しいなら、新たにもう一度魔法のスキルを習得する、って感じ」

 

「面白いと思うが、管理が大変そうだな…」

 

だろうね~、そもそも出来るとは思っていないし。

 

「でも設定の案な訳だし、メモしとくか」

 

うぁー、真剣にメモってる…

どこまで本気でやるつもりなのだろう?そろそろ帰りたいな…

コンコンっとノックをする音が聞えた、と思ったらパソコン室と準備室を繋ぐドアが開いた。

 

「夜海先輩、ちょっと来て下さい」

 

「ん?ツッキーじゃん、よく俺がここに居るのが分かったね?」

 

扉を開けたのは、生徒会書記の雪姫月乃ことツッキーだった。

 

「部員ですので、先輩が入って行く所、見てました」

 

「そう言う事か。じゃあタスク、呼ばれたから行くな」

 

「ん、分かった。今日はとても有意義だった、また頼むな」

 

分かったとタスクに言って、ツッキーと共に準備室を出た。

ツッキーのお陰で抜け出せたな。

にしてもあんな、机上の空論みたいなのを本気でやるつもりか?

 

でもまぁ、夢を思い描くのは別にいいか。

個人的にはさっきのやつに、人工知能を使うのも面白いんじゃないかと思うが……

言わない方が良いよな。

 

 

 

 

 




キャラエピソードのリクエストを受付ています。(リクエストを頂いたキャラの日常を描きます。)その際は、活動報告のリクエストへ送ってください。

今後も気長に待っていただけると助かります。

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