「一日は、挨拶から始まる!そんな訳で、同時にアルミ缶回収をするよ!」
柑條の言葉から始まった、普段のあいさつ運動に加えてのアルミ缶回収だが……
「おはようございます!」
「アルミ缶を持ってきたら、私たちに渡してください」
始めて一週間ほど経つが集まり具合は、それほどよくない。
「おはようございます。あの、アルミ缶少しだけですけど持って来ました」
「お~!ありがとうね」
「預かります」
と言うか、殆ど持ってくる人が居ない。
まぁ学校が山の上に在るから、持って来るのが大変ってのが、集まりが悪い原因だろうな。
少ないお陰で、おかげで楽できるからいいけど。
預かったアルミ缶を一つの袋にまとめていると、柑條があいさつ運動の列から離れて此方にやってきた。
「ねぇミー君。一週間ぐらい経つけどアルミ缶、全然集まんないね」
「そーだな。でも、強制したとしても上手くいく訳じゃないし、このままの感じで良いいだろ」
「そうだけど……う~ん、でもな~」
柑條はアルミ缶の入った袋を見ながら言った。
何か嫌な予感がする……
対外こういう時は、集まって対策を考えようとか言いだすよな。
って事は、これはあれか。
もしかしなくても、お決まり通り放課後に会議の流れか……
「よーし、なら放課後にもっと持って来て貰えるように、話し合いをしよう‼」
ですよね、分かっていました。
結局こうなるんだよなぁ。
……何となくだが、もしかして俺自身が毎回、余計な一言を言って会議になっているのか?
「と言う訳で今日は、どうやったらアルミ缶を持って来てくれる人が増えるか、考えるよ!」
その日の放課後、生徒会室にて会議が始まった。
「確かにアルミ缶を持って来る人が、少ないですよね。と言うか、決まった人しか持って来ていない気がします」
「そうね、確かに持って来てくれる人は、大体同じ人たちだったわね」
「そうなんだよ。だから何か、いいアイデアは無いかな?」
へ―そうだったのか。
全然気づかなかった、と言うより憶えていないだけか。
如月さんが、机に置いて在ったお茶を飲み話し出した。
「持って来る量が増えればいいんだよね?ならいっそ、各クラス対抗戦とかにして、煽って上げれば、持ってくる量が増えるんじゃないかな?」
「それだ!競争にしてどこが一番になるか競おう」
柑條の中では競争をする事に決まったらしい。
まぁ妥当な所だろう。
人は結局、競争とかは好きだからな。
俺はその心理は全く分かんないけど。
だって争うとか、面倒じゃん。
「それなら具体的な所を決めていかないとな。今まで集めたアルミ缶も、どうするか決めないといけないし」
「そうね。でもそれは、先生チームを作れば解決できるのではないかしら」
確かに雪姫さんの意見は、今考えられる中で一倍良い物だろう。
理屈的にはいいかも知れないが、果たしてほかの生徒たちが納得するのやら。
まぁ恨みを買うのは、先生だろうし良いか。
「あと、順位を張り出すのは、どうでしょう?」
「確かに月乃ちゃんの言う通り、順位を常に出しておくと良いと思います。自分たちの順位が常にわかる方が、競う上では得策だと言えますから」
「成る程ね、じゃあ順位も出していこう‼ランキングの更新は、莉桜に任せればいいかな?」
柑條の問いに、本日の会議で莉桜との連絡役を任されていた、ツッキーが「聞いてみます」といって、チャットを始めた。
がすぐに返事は来たようだった。
「『数値さえ送ってくれれば、更新は此方でしておく』だそうです」
「よし、それじゃあ決まりだね。来週から実践して行こう!」
「分かったわ。なら遅くても、明日にの放課後には全生徒に伝わるように、先生に話をするように伝えるわね」
「うん、お願いね。それじゃあとりあえず、今日はお疲れさま。明日もよろしくね」
如何やらうまく話は纏まった様だ。
しかしこの方法でどれだけ集まるのやら。
まぁ、ボランティアの一種だし多かろうが少なかろうが、問題ないんだよな~。
ここらで、過去編を一つだしたいと思います。
と言う訳で次回の更新は、十六日です。
リクエストの受付をしています。その際は、活動報告のリクエストへ送ってください。
今後も気長に待っていただけると助かります。