ブランクワールド・オンライン   作:東條九音

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一応、買い物(デート)回です。

この話の次は、ゲームマスターとAIたちによる、今後のための会議を挟み、ストーリーが進む予定です。


業物?それとも

店に入ってみると、特にほかの店と変わった点は、見られなかった。

 

「シロ、特に変わったとこは無さそうだが……」

 

横にいる筈のシロに声を掛けたが、返事が無い。

振り返り店内を見渡すと、シロは刀の売り場にいた。

 

シロはそこで、一本の刀をじーっと見つめていた。

探していた武器が見つかったのは良いが、なぜシロがそこから動かないのかが気になり、声を掛けた。

 

「何、見ているんだ?お前が使っているのは、刀じゃなくて、その隣の売り場の小太刀・ナイフだろ?」

 

「…ジーク。君が使っていた刀って、一般販売のだよね」

 

「あぁ、その中でも、耐久度が高い物を買った訳だが」

 

色んな店を見て、耐久度か他の物より10ばかりだが高い鉄刀を見つけ、それを買った。

 

まさか一回もメンテをする事も無く、使い物にならなくなるとは、思いもしなかった。

 

「耐久度が高かったのに、罅が入ったの?一体どんな相手と、戦ったんだい」

 

まぁ、気にはなるだろう。

 

今考えたらホント、化け物みたいな奴相手に、よく罅だけで済んだな……

 

「猫をモデルにした妖怪族の女だよ。打撃を入れられて、罅が入ったんだ」

 

「え、打撃で⁉それっておかしくないかい?いくら強くても、ただの打撃だけで、罅は入らないだろ?」

 

「ただの打撃じゃなかったんだろうな。攻撃が来る前に、しっぽが増えて手に何か纏っていたからな~」

 

「普通じゃないね。それで?その後どうなったんだい?」

 

「負けを認めた。そんでもって、自分の種族が獣人じゃなくて、妖怪だと教えて貰った訳だ」

 

「成る程~。そう言えば、名前は聞かなかったのかい?」

 

「もちろん聞いた。名前は《黒音》だって。お前も気を付けろよ」

 

いつの間にか、対戦相手の黒音の事ばかり話していた。

話をそろそろ、戻すべきだろう。

 

「話を戻すが、一般販売がどうかしたのか?」

 

「あ、うん。一般販売されている武器の耐久度って大体初期の物だと、50前後だよね。ここにあるやつ、その四倍はあるよ。しかも、一般販売と同じで値段で売ってる」

 

大体初期装備の耐久度が、50前後。

メンテナンスをしっかりしていれば、おそらく第一エリアの中盤始め位までは持つだろう。

だが四倍となると、第二か第三まで余裕で使い続ける事が、出来るだろう。

 

「つまり安い値段で、業物が売ってあるって事か」

 

「そうみたい。ジーク、お金は?」

 

「大丈夫。今の刀を売って足しにすれば、もう一つ上のランクが買えるぐらいはある」

 

まぁ、罅が入っているから余り足しには、ならないだろうな。

 

「お金は、僕が出すよ。面白い話も聞けたしね」

 

どうやら、シロが払ってくれるらしい。

助かる、と言うかアイツは臨時収入があった筈だな。

 

「そう言えばお前、いくら儲かったんだ?」

 

「ん?そんなの、秘密に決まっているじゃないか」

 

どうやら、教えてくれそうもない。

まあ、機嫌を損ねて、払って貰えなくなるよりはいいか。

 

「そうか。さてと、それじゃあ選ぶか」

 

そう言って、刀を選び始める。

前使っていたのは鉄刀。

ここには鉄刀は勿論、太刀や野太刀もある。

耐久度は、やはりどれも高い。

どうせ他人に買って貰うなら、高くて刃こぼれのしないやつが良いな。

 

「ジーク、これなんかどうだい?」

 

そういうとシロは、一本の直刀を指差した。

 

だがそれは大きく、何方かと言うと……

 

「これって、直刀なのか?太刀な気がするが……」

 

「でも、表示は直刀って、なっているよ」

 

言われて見てみると、確かに直刀となっていた。

 

「う~ん、変わってんな。まぁ良い、これにするか」

 

「いいのかい?そんな決め方で?」

 

確かに普通はダメだろう。

 

だが、この刀はどこか感じるものがある。

 

「いいさ、これで。それで、シロはどうする?」

 

「僕は、大丈夫。今回は、ジークのために来たからね」

 

「それじゃあ、お前のお願いが……」

 

「僕が頼んだのは、一緒に、買い物(デート)をしようって言ったんだよ。だから、僕がこれでいいって言ったらいいの」

 

そう言うと頬を染めながらシロは、レジへと向かってしまった。

 

 

 

 

 

 

 




アイデアがあれば、活動報告のアイデア・アイデア02へと送ってください。

そのキャラをメインに、書かせて貰うかもしれません。



~例~
    
<ステータス>
      種族「獣人種・紅狐族」能力名「白焔」
      職 「薬師」職スキル名「妙薬調合師」
      戦闘「刀術」
        「 」
      汎用「視覚強化」
<能力やスキルの効果>

<オリキャラ案>

活動報告に、さらに詳しい例があります。


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