第三世界のとある場所で、ジーク・レイアはマキナの前に立っていた。
「よう。何かボロボロだな、マキナ」
「いや~、ちょっと、ね。さっきまで、凄腕の、プレイヤーと、殺りやって、いたから」
息を切らし石の上に座り込むマキナに、ジークは刀に手を添えながら言葉を続ける。
「ほぉ~。で、勝ったのか?」
マキナはポーションを飲みながら、首を横に振る。
「実質負け、かな?護衛対象を護りきれなかった」
「トリッキー戦法で相手を翻弄するのが得意なお前さんが?」
「うん。奥の手まで使ったのに……」
その言葉を聞いた瞬間、ジークは抜刀し頸に刃を添える。
「……どういうつもり?これは」
「なぁ、マキナ。俺たちこの世界に来てまだ、戦ったこと、無かったよなぁ」
「そうだけど?なに?これから戦おうってこと?」
「その気はない。けど場合によってはな」
それを聞いてマキナは、続きを促す。
ジークはまっすぐマキナを見据え訊ねた。
「お前はいや、お前がこのゲームの制作者なのか」
ジークの問いに、マキナは否定し問いで返す。
「……なわけないでしょ?って言うか何でそう思うわけ?」
「初めは気付かなかった。けど、ここまで進んできて確信した」
ジークが気付いた事、それは……
「このゲームは俺が、いや俺たちが学生時代に考えていたアイデアノートが基だ」
「………」
無言のマキナに対して、ジークは己が立てた仮説を述べる。
「お前はあの時のアイデアを基にして、このゲームを創った。そうだろ?」
「……」
「アイデアノートに書いたときと、違う点もそれなりにあるが、基本はあの時のモノと変わりはない」
「…ちなみに違う点って?」
「それは、私も気になるわね」
無言だったマキナがジークに質問したところで、金髪巨乳のプレイヤーが現れた。
「誰だ、お前は?」
ジークはマキナに刀を向けつつ、新に現れた人物を警戒する。
「あなたとは、初めましてよね。私はセリア。マキちゃんの知り合いで、まあ因縁があるってところかしら?」
「…そうか。で、口を挟むって事はセリアも、何か気付いたって事か?」
セリアはジークの問いに頷き肯定する。
「多分あなたが言おうとした事と同じ……いえ、少し違うのかしら。どうもあなたの方が、詳しい事を知っているみたいだから」
「神シリーズ…か」
ジークの言葉に頷くセリア。それを見たマキナは両手を挙げて、降参のポーズをとる。
「ははっ、なーるほどねぇ」
「何がおかしい。運営からのヒントで、特別な何かしらを持っている人物。それが制作者であることは、分かっている。お前も神々の書庫を所持しているのだから、条件に当てはまる。」
笑い出したマキナを問いただすジーク。
マキナは自分を制作者だと言う二人に、笑うのを止め答える。
「いや~、まぁいいか。うん。答えて上げよう。自分は制作者ではない。けど」
「マスター!」
マキナが何か言おうとした瞬間、虚空から女性飛び出し言葉を遮る。
「ルルとキキが対象を発見しました。そして世界崩壊まで猶予は、それほど無いようです!!」