ブランクワールド・オンライン   作:東條九音

65 / 79
第三章 崩壊世界と十の遺跡
ゲームマスターと制作者


「と言う事は、システム自体は取られていない、って事か?」

 

『はい。どうやら初めから、一部のAIたちに仕込んであったのだろうと、彼女は推測していました』

 

「運営・管理を任せるって、そう言う意味も含んでいるのか……」

 

『ねぇねぇ、ルル。ナナ姉とマスターは、何の話をしているのかな?』

 

『さぁ?ナナお姉様からは、「少し待ってなさい」って言われただけだから…』

 

『あの子たちに、話しておく頃合いなのではないですか?』

 

「……かも知れない」

 

『では二人を入れますね』

 

「ちょ、ま」

 

『あ、お話しは終わったの?』

 

『それでお姉様、何のお話しをしていたのですか?』

 

「…はぁ、仕方ない。二人とも、離反したAIたちは把握しているか?」

 

『えーっと、確か最近判明したのは、クロムウェルのおじいちゃんだっけ?』

 

『ほかにも数人程、でしたっけ?』

 

「現状の認識でそれなら、十分だ」

 

『遅かれ早かれ、離反する者たちが出て来るのは、仕様上解っていましたから、対策しなかったのですが……不味かったですか?』

 

『ルルの判断は間違っていません。元々そう言う作りですしね』

 

『では…』

 

「まず一つ、第一世界のストーリーキャラ、スフィア。本来死亡しているはずのキャラが、第二世界で目撃された。二つ、解放待ちだった第三世界が、侵略された」

 

『第一世界の段階から、介入されていた可能性がある訳です』

 

『どう言う事なの、ルル?』

 

『マスターとお姉様の話を合わせると、重大なバクの可能性が発見された、ってこと。でも変ですよね、お姉様?』

 

『流石は法の管理者。気付いたようですね。それについては、マスターから』

 

「ん、仕様としてこれが正しいらしい。初めから一部のAIは、ゲームマスターから離反して、製作者の指揮下につく様になっているらしい」

 

『あれ?マスターが作ったんじゃなかったっけ?このゲーム』

 

「あー、二人には言って無かったんだが、作ったのは私であって、私じゃないんだよ」

 

『?どう言う事?』

 

『このゲームの基盤となる部分、その全てはマスターの友人で、私たちの親である人が作り出したんですよ。マスターはお母さまから、このゲームの完成とサポート役として、null状態のあなたたち姉妹を託されたのです』

 

「託す…ってよりは、押し付けってたな。まぁ、元々一枚かんでいた案件だったから引き受けたんだ」

 

『衝撃のカミングアウトだね』

 

『言うわりには、驚いていないように聞こえるわよ、キキ?』

 

『だってねー、ルル?』

 

『『マスター、機械の扱い下手 だもん』ですもん』

 

『あらあら、ですってマスター』

 

「おぅ……まぁ、分かっていたけどね?ハッキリ言われると……はぁ、とにかく、私はその制作者から任されたのは、ストーリー性とゲームの管理だったの」

 

『二人とも、分かりましたね?』

 

『はーい』

 

『はい、お姉様。機密事項については、理解しました。それで今後はどうするのですか?』

 

「このまま進めるしかない。      の話だと、元のシナリオを基に常に制御していくって」

 

『『      ?』』

 

『番外の姉妹ですよ。彼女は、このゲームの中心、つまり核なのです。私たちの権限は、彼女の権限の一部を、移したものです』

 

「んっん、とにかく、これからは現場に出向く事になると思って」

 

『それって、私たちもマスターみたく、ゲームをしながらチューニングをしていくって事?』

 

「そ、ナナの指示に従ってだけどね。と言ってもキキは、スキル管理、ルルは離反者の取り締まり。二人には、この二つをやって貰う感じかな?」

 

『え~、今までと変わらないじゃん』

 

『そんな事言わないの』

 

『お仕事さえしっかりしていれば、後は自由ですよ』

 

『『はーい!』』

 

「ナナが言うと聞き訳が良いのね……」

 

『まぁまぁ。それよりもマスター、例の件、許可が取れました』

 

「ん、そうか!よーっし、ならプレイヤー・住民の戦力強化を兼ねた魔導書配布イベント、開始するか」

 

 




前回の後書きの補足を少し

『第二章世界のキャラかプレイヤー(ジーク以外)で』といいましたが、プレイヤーキャラに関しては未登場キャラでもOKです。

あと募集期限ですが、次の更新日から五日後、1月16日までとしたいと思います。


回答の方は、リクエストの方へお願いします。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。