ブランクワールド・オンライン   作:東條九音

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今回は、戦闘シーンです。
頑張って書きましたけど、やっぱり皆さんのイメージ頼りです……



ハウンド

「へぇ~、やっぱり、一筋縄ではいかないみたい」

 

彼女が心臓に向けて放った神速の一撃は、男が手にした銃で受け止められていた。

 

「そっちこそ、中々の一撃だな。けど…この距離ならそう避けれまい」

 

そう言うと男は槍を弾き返し、反対の手に握っていた銃を彼女の足を狙って撃つ。

が、彼女は弾かれた反動を使って飛び上がり、それは回避した。

 

「ふぅ~、危なかったかな」

 

槍を構え直しながらつぶやく彼女は、言葉とは裏腹にまだまだ余裕がありそうだった。

 

「そう言えば、あいさつがまだだったかな?私は雪那。『神秘の図書館(スピリチュアル・ライブラリー)第三席(サード)を任されているかな」

 

「ほぉ……三席と言う事は、幹部クラスか。まあこちらも、名乗っておくか。俺は、ツリー。ギルド『傭兵集団(mercenary)』のサブマスターだ」

 

ツリーも二丁の銃を構え直し、お互いスキをうかがいつつ、会話を続ける。

 

「傭兵集団……あぁ、『ハウンド』の表の名前だね」

 

「ほぉ、そっちの名前も知って居るのか」

 

「もちろんかな。現在の有名ギルドは、『蒼空の遊撃隊(スカイ・マーシナリーズ)』『バルドラ協会』『傭兵集団』『冒険者組合』『神秘の図書館』そして、『ハウンド』。この中で異質なのは、ハウンド。このギルドは、名は知れているのに、なぜかギルド登録はされていない。となると、何処かのギルドが隠れ蓑になっていると考えるのは、普通じゃないかな?」

 

「だがそれだけで、傭兵集団が隠れ蓑と分かるはずが無い。なぜ分かった?言い切り方からして、鎌をかけたようには見えなかったが?」

 

「簡単な事かな。まず、ウチのギルドと冒険者組合、バルドラ協会は除外される。組合は、殆どのプレイヤーが所属する、運営側が用意した公式のギルド。ギルマスは噂の管理AI。そんな所が不正を行うのを見過ごすはずが無いかな。協会は、マスターの知り合いがギルマスで、それなりに交流があってシロなのは分かっている。と言う事で、残るは二つだけど、この時点でハウンドは傭兵集団、って分かるかな」

 

「なるほど、蒼空の遊撃隊は正義のギルドで知られている。だからウチと言う訳か。しかし根本的な事を言えば、ギルド登録をせずに活動している、と考えるのが普通じゃないか?」

 

「んー、じゃあとっておき。うちのマスター自身が、勧誘されたことがあって、その時聞いたかな」

 

「…バレた原因は、アイツ自身の行いか…まあいい。お喋りはここまでだ」

 

「あ、それじゃあ最後に一つ。女の子をさらった時、戦った人は?」

 

「あの男か?聞いていたほど、強いとは思わなかったな」

 

言うと同時に、左手に持つ銃で牽制弾を放つツリー。

雪那は槍を用いて弾き、一撃をいれようと間合いを近づけようとしたが、それをやめ後ろへと飛んだ。

 

「よく飛び込まなかったな。飛び込んで来ていたのなら、確実に仕留める自信があったのだが」

 

雪那が後退した理由、それはツリーが牽制している間に右手に持つ銃を基に、何かを発動させている事を、アウルが読み取ったからだ。

 

「たまたまかな?それにしても、そっかぁ。マスター、本気は出さなかったのかぁ」

 

「ん?アイツがマスター?あの程度のやつが、か」

 

ツリーが言い終える前に、雪那が強力な突きを放つ。それを間一髪の所で右の銃で防いだツリー。

 

「あなたには解らないでしょうね。マスターの良い所は」

 

「かも、な。だが、迂闊だったな。これで発動条件がそろったぜ」

 

 




どうだったでしょうか?
今回はかなり短めの攻防でしたが、次回も戦闘シーンを入れる予定です。

そこでなのですが、今後戦闘シーンがあった回で、皆さんがどいう言ったイメージをしたのかよければ教えて下さい‼
それを参考にさせて頂いて、出来るだけよりよく表現できる様になりたいと思っております。
活動報告の『考察エリア』まで、よろしければご協力お願いします。



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