それでも、十一日には間に合わせますので、今後ともよろしくお願いいたします。
「これから、ですか?」
アインズが聞き返すと、ミリーシャは頷き答える。
「えぇ、私たちはこれから二手に分かれて、目標地点に向かう。そうよね?シン」
「正確には、引率を頼まれました。ですが、集めた情報から、二手に分かれる事を、進言しました」
「とまぁ、こちらではこう考えている訳だけど……あなた達から質問はあるかしら?」
ミリーシャはこれからについて話すと、学生たちに質問はあるかと尋ねた。
クロウとエイマルの一年生組は、まだ現状を理解し切れていないのか、二人で話している。
アインズとマニーズの三年生組は、出されたお茶を飲んでいた。どうやら、ある程度は部長に任せる気でいるらしい。
その部長はと言えば、シャロと何やら話しをしていた。
やがて話は纏まったのか、シャロからミリーシャへと向き直った。
「行き先を聞いても良いですか?」
「空都ベルカの遺跡と、王都から北西にある海岸線に向かうわ」
「そうですか……みんなは、問題ない?」
リリスが仲間たちに尋ねると、お互いの顔を見合わせ頷き合うと、マニーズが代表して言い放った。
「ここまで来ておいてやめるのは、ナンセンスだろ?早い事、チームを決めて行動しよう」
「そっか…うん、そうだよね!それじゃあチームを決めよう!」
話し合いの結果、Aチームをリリス・シャロ・アインズ、Bチームをマニーズ・クロウ・エイマルとなった。
「チームが決まった様ね。それじゃあ、リリスのチームは私とシン、あとセツキさん。マニーズのチームは黒音にお願いするわ」
「了解」「えぇ」「分かったにゃ!」
引率の担当が決まると、アインズがミリーシャに疑問を投げかけた。
「あのー、私たちの方に三人で、マニーズの方が一人って、バランスが悪くないですか?」
「その辺は理由があるの。ウチの新入りの力を、私が把握しておきたいの」
するとミリーシャは、その疑問が出る事は予想済みだったらしく、質問に答えるのだった。
「それに、マニーズ達には空都の方に行ってもらうのだけど、そちらに先行して向かった人がいるの」
「そう言う事ですか。分かりました」
「さて、それじゃあ冒険を始めましょうか!」
「…まったく、油断したな…」
西の海岸線で、大の字に寝っ転がっている人が居た。
その人物周辺付近は、地面にクレーターや焦げ跡がついており、如何やら戦闘を行った後のようだった。
「……連れて行かれちまったな…。保険は掛けておいたけど、ディアーチェに知られたら………不味いな。はぁ、こんな所でのびてる場合じゃないって事か……」