「えぇっと、話を纏めると、マキナ先生がこの図書館の主で、ギルドのマスター?」
「はい、その通りです。正確に言うと、図書館全てが、
リリスたちはシンに図書館の奥の席へと案内され、確認の話をしていた。
「まさか、セツキの妹さんだなんて…」
「それに、セツキもそのギルドの一員で、先生がギルドマスターとは……想像つかないな」
アインズとマニーズがいまだ信じられないといった風に言うと、セツキがそれを肯定した。
「そうでしょう。私だってシンに聞いた時は、驚いたもの。彼、誰かの上に立つのは好きではないから」
「あ~、そっちの方が先生っぽいっス」
話がひと段落するとシャロがシンにおそるおそる訪ねた。
「あのー、今日はシルクおじ様とミーティアおば様は?」
「お二人でしたら、旅行に、出ています」
シンがそう言うとシャロは、リリスにだってと言ってほほ笑む。
「そう…おじ様たちはいないのね。そうなると、あとはあの人か……」
リリスはリリスで、一安心といった様子で、ようやく寛ぎ始めた。
「ひゃっ」
がしかし、リリスが安心し切ったのを見計らってか、背後からリリスの胸を揉むものが居た。
「まだまだお姉さんより小さい様にゃ~。でも大丈夫、リーリーはこれからだにゃ」
「ちょっと、黒音さん!ひゃっっ、や、やめて…、っっン…放して……」
突然和柄で黒を基調とし、丈の短い着物を派手に着崩した人物が、リリスの胸を揉むという状況に驚いて固まる一同。がいち早く正気に戻ったシャロが、黒音にリリスを放すように頼む。
「あの、黒音さん。そろそろ、リリスちゃんを放してあげていいのでは………」
「んにゃ?おー!シャロ!それじゃあ、シャロがリーリーと変わるかにゃ?」
「ごめんなさい。許して下さい、黒音さん」
「ちょ…っん、シャロ~、あっ…あきらめるの、早すぎ…」
黒音に胸をわしわしされる事を恐れ、早々に降参したシャロ。
「そうかにゃ?だったら、もう少し堪能するにゃ!」
もはやだれも止める事は出来ないかと思われたその時、何者かが黒音の頭に拳骨を入れた。
「こら、黒音。リリスを放してあげなさい」
「う~、ちょっとしたスキンシップだにゃ~」
ようやく黒音から解放されたリリスは、助けてくれた人物の背後に隠れ、お礼を言う。
「はぁ、はぁ……助かりました、ミリーシャさん」
「ごめんなさいね、リリス。うちの自由気ままな猫が」
そう言ってミリーシャは、リリスの乱れた服装を整える。
整え終えると先程のやり取りを見て固まっていた者たちの方へ向き、自己紹介を始めた。
「皆さん、始めまして。私は神秘の図書館
「『エロ』って言うより、『妖艶』って言って欲しいにゃ~」
「黒音、自己紹介くらい真面目にやりなさい」
「ハイハイ、分かりましたよ~。それじゃあ改めて、おねーさんは神秘の図書館第四席、黒音にゃ。よろしく~」
「あなた達をここまで案内して来たのが、シン」
「改めまして、神秘の図書館
「今はいないけど、マスターがマキナ。あなた達の事は、マスターから聞いているわ。これから如何するかも」