なんだかんだで、投稿し始めて一年が経ちました。
時の流れって、早いものですね……
王都から北西方向に向かう二人の人影があった。
「あの~先生。本当にこっちに居るんですか?」
「あぁ、その筈だ。けど向こうも動き回っているからな」
二人が追いかけているのは、黒き宝玉。何故二人で追いかけているのか、その説明は少し前の王都城門前での会話まで遡る。
「探し人って、もしかして」
「そ、
「そう、ですか。あ、そうだ。リリスたちにも教えてあげなきゃ!」
「ストップ。何のために、お前だけ残したと思っているんだよ。リリスたちが居て出て来るなら、とっくに姿を見せている筈だよ。そうじゃ無いって事は、お前さんだけに用があるって事だろ」
「ですよね、やっぱり。何となく分かっていました。でも先生、何でブラックが私を見ているなんて分かったんですか?」
「王都までの道のりの間、ずっと視線を感じていたんだ。最初は敵かもって警戒していたんだが、感じる視線はどこか覚えのあるもので、全員と言うよりお前を見つめている感じがしたんだ。敵じゃなくて、今そういう行動をしそうなのが黒き宝玉。そう考えたんだ」
「……つまり、勘って奴ですか」
「そうとも言うな。って、わけで直感に全員巻き込む訳には行かないから、二人で行くぞ」
「それは良いですけど、黒き宝玉って断言しない方が良くないですかね」
そんな訳でマキナの直感を頼りに黒き宝玉を探しているのだった。
「先生、だいぶ王都から離れてしまいましたけど」
「そうだよな。それに時間的に日が暮れるだろうし」
「ちょうど川がある事ですし、ここでキャンプをする事を提案します」
セレスの言う通り現在居る川辺に居る。この川は学園都市から見て、西側の山脈から流れる川の中腹辺りの場所だ。
「そうするか。ならまずは火……その前にお客さんだな」
マキナは火熾しをしようとした手を止め、振り返る。
「えらく、連れまわしてくれたもんだな」
「ん?そうか。私としては邪魔が入りそうでない場所まで、案内したつもりなんだが」
「そーかい。なら、色々話してくれるんだろうな、
「あぁ、そのつもりだよ。マキナ」
そこに居たのはマキナの直感(?)通り、黒いサマードレスを着た黒き宝玉だった。
「本当に、ブラックだ……」
「やぁ、セレスティーア。ディアーチェは元気にしていたかな」
ブッラクの問いかけにも答えず、セレスはブラックの胸に飛び込んだ。
「ブラック~」
「おっと。全く、相変わらず泣き虫なのかい」
飛び込んできたセレスを抱きとめ、泣き止むまで頭を撫でるブラック。
やがてセレスは安心したのかそのまま眠ってしまった。
「やれやれ、友達が出来たと聞いて安心していたのだけどな。マキナ、寝床の準備は出来ているかな」
「あぁ、お前さん方が感動の再会をやっている間にな。テントで寝かせとくと良い」
「そうしようか」
そう言って、セレスをテントに寝かしつけると、ブラックはマキナの対面側に座った。
「で、何から聞きたいのかな?」
「取り敢えず、姿消したのに何で尾行みたいな事をしていたのか、だな」
「それはまぁ、保険かな」
「保険?」
「あぁ、レスティにもしもの事があった時の為のね。まぁ、そこまで心配はしていなかったけど。………けれど、状況も変わって来たみたいだ」
「もしもか……それって、アヴローラ一族関係か?」
次回からしばらく、投稿スピードが落ちるかもしれません。
えー、訳を申しますと、この話から先のストックが無いからです。
最近リアルが忙しくて、読んでない小説が溜まったり、課題が溜まったりで全然ストックが作れていないのです。
ただ、上げるためのストックが無いだけで、下書き版は出来ています。
つまり打ち込む時間、それさえあればどうにか今まで通り更新していけます。
ですので、読者の皆様には気長に待っていただければと、思っております。