「やぁ、王様。呼ばれたから来たよ」
「マキナ殿‼ようこそお出でになられた。お仲間たちはすでに城の宴に参加しておるよ」
ジークたちと別れて城に来た俺は、王の間へとやって来ていた。
王の間には俺とアイシルク王、王子のシルク・ド・アイシルク、助け出したテール共和国のお姫様のミーティア・ル・テールの4人がいた。
集まった人物は今回の騒動の中心人物たちだった。
「遅れて悪かったな。友人に捕まってたもんでな」
「構わんよ。それにしても、この度は助かったぞ」
「報酬も貰っているし、問題ないよ」
「しかし、息子とミーティア姫が付き合っていたとは」
このストーリーの真相は次のようなものだった。
この国の王子であるシルク・ド・アイシルクとテール共和国のお姫様であるミーティア・ル・テールの2人は恋人同士だった。
この事は当人たちの秘密で、両国の王たちですら知らなかった。
ある時、王宮に勤めていた1人の魔術師がその秘密を知ってしまった。
その魔術師の名はマーク・スフィア、今回の黒幕だった人物だ。
スフィアは優秀な魔術師であったが、人望はなかった。
そんな人物に秘密を知られたシルクは、秘密を共和国を嫌っている者たちにばらされ付け入られる事の無いよう、問答無用でスフィアを国外に追放した。
スフィアはそんな理不尽な追放に怒り、復讐するために己の家系に伝わる禁術の研究を始めた。その術とは傀儡化の魔術だった。
スフィアは追放されてから2年をかけて禁術をものとし、王国への復讐を始めた。
手始めに王国貴族の中でも、共和国との関係を快く思っていない者、ターメル、カスタ、ガドフィン、キマリスの4人に接触し、自分が得た秘密を使い反乱を促した。
が4人はスフィアの話を信じず、それどころか殺そうとした。
スフィアはこれを返り討ちにし、駒を手に入れた。スフィアとしては生きていようがいまいが、思い通りにさえ動けば関係なかったのだ。
スフィアはさっそく駒を使って、共和国の侵略を開始した。突然の出来事に対応できなかった共和国の軍は、なす統べなく敗北した。
後は知っての通り共和国の人たちは、城の地下牢獄に閉じ込められ、スフィアはマーク・スフィア・メフィスと名乗り傀儡たちと共に帝国の王として君臨すると、王国への進軍準備を始めたのだった。
「しかしシルクよ、なぜミーティア姫との関係を隠していたのじゃ?言ってくれればこの様な事にはならなかったであろうに」
「ですが一部の貴族たちはいまだに共和国の人たちを嫌っている様ですし、その様な者にこの事が知れれば、国が危うくなりかねないと思いまして…」
「私たちの関係を知らせるならば、この様な種族の溝を埋めた上ででなければ、きっと今後も今回の騒動の繰り返しになるでしょう」
「ふむ、確かにそうじゃろうな。じゃがシルクよ、何故スフィアを追放したのじゃ。お前とて、問答無用で追放すれば恨みを買うのは分かっていたであろう?」
シルクはその時の事を思い返し、うつむきながらそのとき感じた事を話した。
「もちろんです。ですが、そうするほかないと私は感じたのです。私はあの者に底知れぬ闇を感じ、このままこの城に置いておくのは危険だと感じたのです」
さて、ここまで話を聞いておいてなんだが、俺がこの場にいる必要あるか?
ほとんど空気扱いなのだが…
そんなことを考えていると、暇そうにしているのに気付いたのか王が話し掛けてきた。
「さてマキナ殿、1つ相談があるのたが」
「相談?」
「うむ、これから王国はテール共和国の復興作業に力を貸す予定なのだが、そなたにシルクとミーティア姫を預かって貰いたい」
「唐突だな。質問いいか?」
尋ねると王は頷いた。
「なんで預かるんだ?」
「体裁的には今回にのことの原因を作った二人は監視を付けねばならないが、復興に人員を回すため適任者が居なくなるんじゃ。そこで主に頼んだわけじゃ」
預かるってそう言う事か。監視ぐらいなら問題ないな。
それに向いている奴も居るし。
「ふ~ん、まぁ俺はいいけどお二人さんはいいのかい?」
「私は王の決定に、従うつもりです」
「母から、アイシルク王の指示通りにするようにと言われています」
2人とも問題ないらしい。
そうなると、目の届くところに居て貰うべきだな。
「なら2人とも、うちのギルドで働いて貰う形でいいか?」
と尋ねると、シルクは頷きミーティアも頷くが、少し変わった質問をしてきた。
「マキナさん、それは住み込みですか?」
「それでも構わないけど、どうした?」
ギルドがあるのは図書館だが、司書長室には寝泊まりできる部屋もある。
なのでやろうと思えば、この世界の中で暮らすこともできる。
「私の国は復興の最中ですので、泊まる場所がないのです。今回の事もありますし、今私が王国に厄介になるのは不味いと思いまして」
なるほど、姫なりの気遣いって訳だ。
まぁ最初から問題もないことだし、構わないだろう。
「じゃあ姫さまは、ギルドで寝泊まりすると良いよ」
「ありがとうございます!」
「決まったようじゃな。ではマキナ殿、二人を頼むぞ」
話がまとまり全員で、宴の席に行った。
そこでは、ギルドの仲間たちが王国と共和国の人たちと、今宵の宴を楽しんでいた。
と言う訳で、第一章はこれにて終了です
皆さん、如何でしたでしょうか?
出来るだけ一定のスピードで更新をしてきましたが、大変ですね
でもまぁ、楽しんでもらえているなら、それはとても励みになります。
では、ここらで第二章の予定を少し話したいと思います。
第二章の舞台は、『魔法世界』です。
選んだ理由は特にないですね(笑)しいて言うなら、丁度魔法関係の話を読んだから「じゃあ次は、魔法世界にしよう」って思ったぐらいです。
次回の話は例のごとく、ゲームマスターとAIたちの会議です。
投稿は遅くならない予定ですけど、あまり期待しないでくださいね。
それでは皆さん、今後ともよろしくお願いいたします。
追記:↓小説家になろうにて掲載している、もう一つの結末です。
http://ncode.syosetu.com/n8230de/31/
アイデアがあれば活動報告のアイデア・アイデア02へと、リクエストがあれば活動報告のリクエストへと、ギルド案があればアイデア03へと送ってください。
そのキャラをメインに、書かせて貰うかもしれません。
~例~
<ステータス>
種族「獣人種・紅狐族」能力名「白焔」
職 「薬師」職スキル名「妙薬調合師」
戦闘「刀術」
「 」
汎用「視覚強化」
<能力やスキルの効果>
<オリキャラ案>
活動報告に、さらに詳しい例があります。