クエストの指示通りの時刻、帝国の城に行くと城は既にボロボロだった。
「一体何があったら、こうなるんだ…」
「ジーク、君宛に置手紙があるんだけど……」
シロがその置手紙とやらを渡してきた。
えーっと、『王の間にボスが居るから、あとは任せた マキナ』……アイツ逃げたな。
「何が書いてあるんですか?」
「ボスの討伐を任せただとよ」
ブラックが聞いてきた。
別に隠す必要も無いので素直に教えた。
「とにかく、ボスの居る部屋まで行ってみよう」
しかし、何でアイツが止めを刺さなかったんだ?
王の間に到着するとそこには、人の様なそうで無い様なものが居た。
「何だあれ……」
「まるで暴走しているみたいだね。名前は…《マーク・スフィア・メフィス》帝国名と同じメフィス。間違いなく、ボスだね」
「……フ、フフフ」
俺の呟きに対し、丁寧に観察し見解を行って来るシロ。
その隣から、どこか不気味な笑い声が聞こえてくる。
「えーっと、ブラック?どした、急に?」
「あれ、倒しちゃって良いんですよね?」
「え、あ、うん。ボスだから…」
言い切る前にブラックは動いていた。
一体どうした。
何があった?
「シロ、一体どう言う事だ、これ?」
「戦闘時と普段とは、別人だね~。まぁ僕が初めて会ったのは、今の彼女の方だけど」
確かに戦闘時は性格が変わるとは聞いていたけど、これは予想外だろ。
こんなやり取りをしている間もブラックは、ボスを相手に立ち回っている。
ボスの攻撃はブラックに当たらない。
ブラックがとても速く、回避しては攻撃のカウンター戦法の様だ。
「これは、負けてはいられないね」
そう言うとシロも、戦闘に加わって行った。
これは俺も負けていられないな。
「ジーク・レイア、押して参る‼」
俺たちの行動を見ていた他のプレイヤー達も、戦闘に参加し始めた。
ジークたちが戦闘を初めて数十分。
手紙を置いて、この場に誘導して俺は高みの見物をしている訳だが、中々苦戦しているようだ。
まぁ苦戦もするだろう。
敵に塩を送ったつもりではないが、メフィスに対して「力の正位置・潜在能力の引き出し」を使用した。
その結果メフィスは、元のローブを着た男では無く、人型をしたモンスターとなっていた。
『先輩、テールの人たちと、メンバーたちの撤退、完了しました』
戦闘の様子を観察していると、丁度シンから連絡が来た。
「ご苦労さん。王様に救出完了の連絡をするように、ミリーシャに伝えてくれ」
『分かりました。先輩、質問、良いですか?』
「ん?何かな?」
『何で、タロットカードが、武器?そもそもどこで、それを?』
その事か……まぁ確かに普段は双剣の方を使っていたからな。
「しいて言うなら、遊び心で武器にしてみたって感じだな。カードは、初めて司書長室を探索した時に見つけたんだ」
発見したあの時、戦闘スキルにはまだ空きが在ったから遊び半分でセットし、支援向きなため今まで殆ど使って来なかったのだ。
『なるほど。それにしても、先輩のスキル構成、学者よりですね』
「そうだな。気付けばますます、学者みたいになったな。っと、そろそろ決着が付きそうだな。シン、そっちは任せたからな」
そう言ってシンとの通信を切った。
潜在能力を引き出されたボスのおかげで、この場にいるプレイヤーたちが様々なスキル使っている。
つまり俺は、本の製作がはかどると言うもの。
実際結構な量のスキルを、新たに書き加える事が出来た。
「タロットの効果も切れるだろうし、頃合いだろう」
次回で、戦闘は終了する予定です。
アイデアがあれば活動報告のアイデア・アイデア02へと、リクエストがあれば活動報告のリクエストへと、送ってください。
そのキャラをメインに、書かせて貰うかもしれません。
~例~
<ステータス>
種族「獣人種・紅狐族」能力名「白焔」
職 「薬師」職スキル名「妙薬調合師」
戦闘「刀術」
「 」
汎用「視覚強化」
<能力やスキルの効果>
<オリキャラ案>
活動報告に、さらに詳しい例があります。