「先輩、ジークってもしかして、あの人?」
「せーかい。学校でゲーム研究部の部長をしていたアイツだよ」
「そうですか。そう言えば先輩、あのやり方だと、人は集まらない。何であんな、やり方にした?」
シンが言っているのはきっと、クエストの事だろう。
パッと見は正式なストーリーに関するクエストに見えるが、いざ受けてみると他のプレイヤーが出した、詐欺まがいに見えるクエスト。
「実際、本当の事を言ってるからな~。王様と話は済ませてあるし、ま、本当と取るかウソと取るかは、本人次第って事でいいじゃないか。間抜けな奴に来られても困るし」
「成る程」
納得して貰えたみたいで何よりだ。
そうこうしているうちにギルドに着いた。
「マキナ~遅いにゃ!待ちくたびれたのにゃ」
「あれ、シン。マスターと一緒だったの?それなら言ってくれれば良かったのに。探しちゃったじゃないかな」
「落ち着きなさい、黒音、雪那。私たちの準備は終わったわよ。あなたたちは大丈夫なの?」
「準備万端。先輩は?」
シンは初めから準備できていたって事か。
ま、じゃないと付いて来たりしないか。
「俺は大丈夫。何時でも行けるぞ」
この奇襲を成功させるには、俺のあるアビリティが必要になる。
アビリティ名『神々の書庫』
気付いたら修得していたこのアビリティには、色んな効果があるがその中の一つ、行った事のある図書館に出入りが自由、と言うものがある。
これは司書長室のドアから出た先を、行ったことある図書館なら何処でも変更できると言うものだ。
簡単に説明するなら、図書館専用トランスポートゲートみたいなものだ。
問題があるとすれば、司書長室からしか使えず本来ならば俺一人か使えない事。
だが、この部屋をギルドとする事で、ギルドメンバーなら使えるようにした。
今考えると、かなりの荒業だよな……
ともかくこれを使えば、町の入口で引っかかる事なく潜入し、城を目指せる。
「今更なのだけど、城を攻略したら本当にストーリーは進むのかしら?」
あ~、確かに。
確証の無いままやって来ているが、俺の予想では何かあるとは思うんだよな。
「王国に報酬出させるのだから、進まないにしてもやるしかないにゃ。なんだか楽しくなってきたね~♪」
「そうですね……先輩、みんなにリストを」
「そうだな。三人とも、これが王様から貰った敵の情報だ」
ターゲットとなるのはターメル、カスタ、ガドフィン、キマリス、スフィアの五人。
「あら、意外と少ないのね」
「そうなんだよな~。あと問題が一つあって、スフィアって言う奴の情報は魔術師であった、と言う事しか分からないらしい」
「となるとそのスフィアって奴が、黒幕ぽいにゃ」
「スフィアは王国にとってのなんだったのかな?」
「スフィアは、王宮魔術師だった。けど、禁術に手を出し、二年前、追放したそうです」
「へ~ぇ、どんな術だったのかな。まぁ、要はそのスフィアって人を捕まえたら、分かるかな」
確かにどんな術だったのかは気に為る。
追放した人物のため、情報がこれ以上ないと言われたからな。
「私から一ついいかしら?」
「何だ?」
「前受けたクエストで、スフィアって名前を聞いた事があるわ。スフィア本人が魔術を使っている所を、誰も見た事ないらしいわ。あと隠し名が、メフィスと言うらしいわ」
「これは、黒幕決定じゃないかな」
メフィス……悪魔のメフィストがモチーフと言う事だろうか?
「なるほど。ま、そろそろ時間だし、気を付けて行こうか」
そう言って、俺は帝国の図書館へ出口をつなげた。
アイデアがあれば活動報告のアイデア・アイデア02へと、リクエストがあれば活動報告のリクエストへと、送ってください。
そのキャラをメインに、書かせて貰うかもしれません。
~例~
<ステータス>
種族「獣人種・紅狐族」能力名「白焔」
職 「薬師」職スキル名「妙薬調合師」
戦闘「刀術」
「 」
汎用「視覚強化」
<能力やスキルの効果>
<オリキャラ案>
活動報告に、さらに詳しい例があります。