ブラックちゃんの話を聞いて、大体のこの世界の事象が見えてきた。
「まず、セレモニーで『王国と共和国は長い間、友好関係にあった。だが王国の一部の者たちは、それをよく思わず、自分たちが支配しようと考えた。そして今では、共和国は帝国となってしまった』って、ゲームマスターが言っていたんだ。
それで情報収集のために帝国に行ってきたんだけど、特に王国と変わりのない国でね。共和国を支配しようとした理由は、分からなかったんだ。
で、王国の図書館で、気になる文献を見つけたんだ」
「それが、共和国は獣人の国だったって事か」
「うん、でも獣人なんて居なかったから、間違いだろうって思ってね。そもそもこの第一世界のテーマが『人間の世界』って言っていたからね。獣人の国が在る筈が無いって思ったんだよ。
でもブラックちゃんのおかげで、やっと分かったよ。獣人の存在が許せない者たちが共和国を支配した。
それで、帝国が戦争の準備をしている理由は、王国が獣人といまだ友好関係でいたいと考えているからだろう」
「人間が一番偉い、って言いたい訳か」
「多分ね。王国としては、帝国を共和国に戻したいんだろう」
「でも、変じゃないですか?獣人たちは、居なかったんですよね?それに何で私は、吊るされたんですか?」
「恐らくどこかに、捕まっているんだろうね。ブラックを吊るした軍の人は多分、王国側のスパイだったんだろう」
「なるほど…」
この世界のキークエストとなるのは、王国と帝国の戦争だ。
どちらに付くかで流れが変わる、最初はそう思っていたが違ったようだ。
「どうやら予想が違ったみたいだ。キーとなるのは、王国と帝国の戦争。キークエストは『共和国の復興』だ」
「どういう事だ?」
「ただ戦う事が、クエストな訳がない。キーとなるからには、それなりの目的や理由がある筈だ」
「それが、共和国の復興と言う事ですか、マキナさん?」
「うん、そうじゃなきゃ共和国の事を、わざわざ出す必要が無いからね」
「そうと分かれば、さっさと潰しに行くか」
「いや、今はクエストをするべきだ」
「どうしてですか?キーが分かったのだから、行くべきだと思いますけど?」
そうなのだが、このままでは行ける種族が人間のプレイヤーに限られてしまう。
きっと、何かのクエストがクリアされると、改善されるはず。
だが現状では、その糸口すらない。
「きっと、クエストを進めると、解決のヒントが出て来るはずだ。それまでは辛抱だな」
「それならまぁ、仕方ないか」
推測はかなり強引なものだが、前考えていたものより此方の方があっている気がする。
まぁ大体わかった事だし、この話はここまでにしよう。
「そういや、ジーク。召喚方法を教えてやる」
そう言うと、またどこからか本を出してきた。
「契約石となんかアイテムを調合するんだよ」
「おい、何かってなんだよ」
説明がアバウトすぎるだろう。
「何でもいいんだよ。それで、召喚に応じる奴が居たら成功だ」
仕方なく、言われた通り、適当に契約石とアイテムを調合した。
すると、魔法陣が出来上がり、そこから一匹の白蛇が出てきた。
「へぇ~、可愛いですね」
ブラックに言われたように、可愛らしい小さな白蛇だった。
「よかったな、成功のようだな」
「そうだな。よし、今日はこれで落ちるわ。またな」
「じゃあ俺もそうするか。ブラックちゃんはどうする?」
「私もこれで、失礼します」
そう言うと、各々ログアウトして行った。
アイデアがあれば活動報告のアイデア・アイデア02へと、リクエストがあれば活動報告のリクエストへと、送ってください。
そのキャラをメインに、書かせて貰うかもしれません。
~例~
<ステータス>
種族「獣人種・紅狐族」能力名「白焔」
職 「薬師」職スキル名「妙薬調合師」
戦闘「刀術」
「 」
汎用「視覚強化」
<能力やスキルの効果>
<オリキャラ案>
活動報告に、さらに詳しい例があります。