ブランクワールド・オンライン   作:東條九音

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初めてで至らない点が、多くあると思いますが、よろしくお願いします。

追記:修正を入れました。


プロローグ

 とあるプログラマーの部屋、此処であるVRMMORPGが公開されようとしていた。

 その人物は、長年の夢であったVRMMOが実装されてから、今まで培ってきた技術を注ぎ込み、自らが思い描いたゲーム世界を作り上げたのだ。

作り上げたゲームはテストも終えており、何時でも世に公開する事が出来る状態となっていた。

 その公開直前のゲームの名は、『Blank World Online』と言い世間では変わったゲーム、机上の空論の様な仕様だと言われていた。

 

 通常のゲームは、キャラ制作をするとき、種族を選び、スキルを選んでアカウント登録が完了する。

 その時、種族能力や、スキルの効果は初めから決まっている。

 

 しかしBWOでは、アカウント登録をする際、種族やスキルを選ぶところまでは、他と変わらないが、その先は違っていた。登録された情報を基にし、AIが種族能力やスキルの効果をランダムで製作するのだ。

 

 たとえばネーム入力後、性別選択・種族選択・職業選択・スキル選択をするとしよう。容姿については、自動制作か各自で制作をするかを選べる。

 問題となるのはこの先だ。種族とスキルは選択式となっており、メジャーものからマイナーのものまである。

 その中から「獣人」職を「鍛冶師」にし、スキルに「魔法」を選ぶとする。

 

 まず、選択された種族と容姿を基に、AIが種族能力を作り出す。「獣人」で容姿が犬のようなら、その特徴を使った能力が制作される。

 

 次に、「鍛冶師」の職を選ぶと通常、『武器や防具などを作れる』と言うスキル効果を得るだろう。

 しかしBWOでは、AIが「鍛冶師」を、「武器師」「防具師」と別々に部類しさらに、武器なら刀を作る事が、防具なら盾を作る事が得意、と言ったように作る。つまり ほとんど、その道のプロのスキルになる。

「魔法」も、炎・水・雷・土とあるとすると、通常は相性の関係で炎・土しか初めは使えないが習得レベルが上がると他にも使えるようになるだろう。

 

 だがこれについても、AIが選択した一種類の属性しか使えない。

 もしほかの属性の魔法が欲しいのなら、スキル習得時に「魔法」を選ぶと、新たな属性の魔法をAIが製作し習得する事ができる。

 

 つまり、同じ種族や、同じスキル名であっても、全く違う能力・効果を持つキャラが出来上がると言う事だ。

 BWOの情報は、アカウント制作の詳細とタイトル以外は何もないため、ネットゲーマーの中では、名前の通り空白な世界、謎が多すぎると言う事で、一つの都市伝説的な扱いになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかしまぁこのゲーム、公開に気付く人は一体どれだけの人が気付くのだろうな」

 

『気付かれる事が無いのであれば、手始めに知り合いの方にフリーメールを使って招待しましょうか?』

 

 何気なく呟いた言葉に、反応するものが居た。管理AI統括のナナだ。ナナにはAIの統括以外に情報収集・ゲームデータの管理を任せており、BWOのサブマスターとも言える存在だ。

 

「任せた。それにしても、ちっと賢く作り過ぎたかな」

 

『そんな事はありませんよ。所詮私はAIです。出来る事は限られますので、お役に立てない事も多くあります。その時、どれだけ悔しい事か』

 

 そうであったとしても、サポートをする上での、優秀過ぎる結果は変わらない。

 そもそも、ゲームバランスの調整を任せるための、補助AIとして開発されたのがナナだ。

 そこから面白半分で、言語プログラムとインターネットからの自動学習プログラムを付け加えられた結果、私と会話が出来る位の知能を身に付けて今に至るわけだ。

 

 会話が成立する様になってからは、効率も上がった。

 完成間近になり、ナナから負担を分散するための提案で、バランス用とスキル用の新たなAIを追加し、殆どは三体のAIで処理できる様になった。

 結果的に、思い描いた以上の物が出来上がった訳だが。

 

「じゃ、そろそろ公開と行こうか」

 

『ではルル、キキと共に配置に就きます。何かあれば、連絡しますので』

 

「頼むな。それと、ルルとキキによろしくな」

 

『分かりました。ですが、ご自分で言った方が、二人とも喜ぶと思いますが』

 

「そうだろうな。でも、後で会うのだから良いだろう。それじゃあ、始めよう」

 

 この答えに対してナナが、『全く、素直じゃないですね』と言っていた気がするが、その時にはすでに、現実から仮想世界に移動を開始していたため、よく聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 結果としては、製作者の心配は杞憂に終わった。気付いたものが、都市伝説通りのアカウント制作だったことを広めたことにより、その日の午後には製作者の予想を上回るアカウントが出来上がっていたのだ。

 

 かくして、空白な世界は始まりを告げ、新たな物語が、幕を上げるのだった。

 

 

 

 

 




この作品は、友人と話しているときに、面白そうだからやってみようとなり、出来た作品です。

スキルや種族の案は、私一人ではすぐに尽きてしまうので、友人と話して良い・面白いと思ったら使っています。
読者参加型なので、皆さんからのアイデアも大歓迎です。書き方としては、スキル名 効果、種族 種族固有の能力 といった具合に書いて活動報告へと送ってください。

最後に、初めての事ですので、誤字脱字や追加すべきタグなど、気付いた事があれば、ご指摘のほどよろしくお願いします。 

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