凡才錬金術師と天才錬金術師   作:はごろもんフース

2 / 37
コラボしたのでつい……。
ちなみにif話、本編に関係ないよ!
キャラ崩壊注意!


ボク/オレ様が世界で一番可愛い!!

どうしてこうなった。

それが現在の私……アンリエッタの気持ちである。

 

一年に一度の『使い魔お披露目会』で学院に来た時までは良かった。

ゲルマニアから帰って来て、そのまま学院で一晩休んだ翌日。

私の慰安を込めての催し物で楽しみの一つである。

 

綺麗な炎を吐く火トカゲに喋る梟、今年は風竜を召喚した者さえ居た。

親友のルイズが人間を召喚して居た事に驚きつつも何事もなく進んでいく。

うん、ここまで思い返しても特に可笑しなとこはない。

だというのに……。

 

「ボクが!!一番カワイイです!」

「一番カワイイのはカリオストロに決まってるでしょ☆」

「はぁ……」

 

今現在、私の目の前では二人の可憐な少女がお互いに睨みあっていた。

本当に何でこうなったのかしら……。

 

一人は、薄い紫色の髪の毛を短くまとめ、大変可愛らしい顔立ちの少女。

マントと白いブラウスを着ていることから学院の生徒だと分かる。

 

もう一人は、長い金髪で此方もまた見た事ないほどの絶世の美少女だ。

正直、見た瞬間、ため息が漏れ少しばかり嫉妬するほどであった。

 

「きめ細やかな肌!この可愛らしい顔……完璧過ぎますね、ボク」

 

紫色の子が手を頬に当てうっとりとしている。

 

「ふふん、カリオストロも凄いから!この流れる髪の毛にこの声……かわいいを体現してるでしょ?」

 

金髪の子が髪を手で流し、アピールを始める。

 

「ボクです!」

「カリオストロ!」

 

未だに二人の言い合いは終わらない。

ここは私が声を掛け辞めさせるべきなのだろうか。

というより、他の人達は何をしているのか。

 

「――それはそっち!」

「人は見つかったか?」

「えぇ、丁度良い人が居て」

 

二人を咎めない事に不思議に思い、辺りを見渡せば何やら騒がしく動いている一団を見つける。

兵士に教師、生徒までが何やらステージ裏でやっているようだ。

本当に何をしているのだろう。

 

周りに声を掛けようも私の周りだけポッカリと空いており、話し掛けれない。

なにこれ……私は嫌われているのだろうか。

むしろ、護衛まで居ないのはどうなのかと。

 

「むむむ」

「うー!」

「え……ちょっと、何で俺!?」

 

そんな事を思いながらボーとしていると何やら一人の男性がステージへと上げられていた。

 

その男性は、短い癖のある黒髪の男性だ。

身長は百七十後半位で中々に高い。

顔立ちもそれなりで、ステージに立っている彼を見て人気が出そうだと思った。

 

「え……まじで、これやるの?」

「頑張れ」

 

二人の少女の横に立たせられた男性は、何やら教師に紙を渡されていた。

その紙を見て、教師を見て何やら話し合っている。

一体、なんだろうか。

 

「姫様」

「えっ……あー、何処に行ってたんですか?」

 

少しばかり興味が沸き、ステージ上を見つめていると声を掛けられた。

声に少し驚き、横を見れば、何時の間にか枢機卿が帰って来ていた。

そういえば、この人もいなかったな。

 

「いろいろと打ち合わせがありまして、ささ、姫様此方へ」

「へ?」

 

何処で何をしていたのか聞こうとすると腕を取られ席を立たせられた。

少しばかり早足の枢機卿に追いつきながら歩けば、ステージの上へと上げさせられる。

これは……あれだろうか、二人の少女がどちらかが可愛いかで争っているのだ。

『トリステインで一番可愛いのは姫様』的なアレだろうか。

え~……アンリエッタ困っちゃうな。

 

「ささ、此方に」

「あれ?」

 

手を頬に当てそんな妄想に耽っていると椅子に座らされた。

不思議に思い辺りを見渡せば……。

 

『審査員席』と書かれた立て札を見つけた。

 

おい、枢機卿。

お姫様に対してこの扱いはないだろう。

よりによって………審査員って。

 

『あーあー……うわ、まじでマイクだし、この魔法道具』

 

机に項垂れてガックリと来ていると大きな声が聴こえた。

顔を上げれば、先ほどの男性が何やら変な道具を持って驚いている。

 

『えー……これより『世界一可愛い決定戦』を開始致します』

「はえ?」

『おぉぉぉぉおーーーー!!!!!』

 

え、何かが始まった。

 

『最初に審査員をご紹介します。まず一人目、ワシのセクハラは百八あるぞ、オールド・オスマン!』

「ほっほっほ」

『おい、誰かこの爺捕まえろ』

 

紙を見ながら一人目の審査員の紹介した所でつっこみが入る。

読み上げる内容が酷いが、オールド・オスマンは満足らしい。

この学院大丈夫かしら……。

 

『次は……そこら辺を歩いていた青髭の旦那、ミスター・ガリア!!』

「わっはっはっは」

「ぶふっ」

『はい、どっからどう見てもジョゼフ王です。誰だよ、この人連れて来たの』

 

次に紹介された人を見て思わず、噴出す。

青い髪に青い髭、目元を仮面で隠しているが、誰がどう見てもガリアの王『ジョゼフ王』である。

なんで!なんでこの人がここに!?

 

『もういいや、次は……トリステインが誇る一輪の花!アンリエッタ王女様!』

「えっと……ども」

『うぉぉぉ!!アンリエッタ様!!!』

 

紹介されたので軽く微笑み手を振ってみると、大きな声で声援が飛んでくる。

良かった、嫌われていないらしい。

 

『異常の三名を迎えての開催となります」

 

何でしょうか、今文字が違ったような。

異常って言いました?異常って。

私を含めないで頂きたい、私は正常です。

 

『それでは、今回の参加者の紹介と行きたいところですが……この際、ここからアピールしてもらいましょう!』

 

何だかんだ言って、この人もノリノリの様な……。

 

『エントリーナンバー一番、トリステインが誇る一輪の花!ボクが一番カワイイです!!サチコ・コシミズ!!』

 

しょっぱな私の紹介と被ってません!?

 

「ふっふっふ……この完璧なボクの可愛さに見惚れなさい!」

 

先ほど言い争っていた紫色髪の子が前へと出てくる。

何やら自信有り気で威風堂々と歩いてきた。

 

「!!」

 

前まで歩くと腕を上げマントを放り投げる。

全員が上のマントに視線が行くとマントが不自然な風に煽られ回転し始める。

くるくると回るマントを見ていると急に落下し、少女の体を隠した。

 

「え?」

 

一瞬の出来事だった。

マントが少女の姿を隠したと思うと直ぐにマントが退けられる。

そのマントの下から出てきた少女の姿に驚く。

 

彼女の衣服が替わっていた。

白いブラウスと制服のスカートだったが、黒を基調としたドレスへと変化している。

頭には小さな悪魔の様な角を生やし、黒いドレスには金の線が入っていて美しい。

更に背中には悪魔の羽が付けられており、まさに『小悪魔』と言った姿である。

 

少女は、そのまま地面に落ちたマントの上にペタンと座り込み、一指し指を頬に当てる。

そして軽く微笑み、もう片方の手を観客へと差し出した。

 

「もう、勝手にいなくならないで下さい」

『うぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!』

『さっちゃーん!!!』

『さっちー!オレだー!腹パンさせてくれー!』

『かわいいよ!さっちん!!』

 

その瞬間、会場が爆発した。

声と声の大合唱で耳が痛くなり、手で押さえる。

ビリビリと空気が震え、体が肺が心臓に振動が襲ってくる。

 

『ト、トリステイン魔法学院一年生 サチコ・コシミズ嬢でした』

「ふふん♪流石はボク、この短時間でこの人気ですが、いやー自分が怖いです」

『………えーと、審査員の方、今のはどうだったでしょうか』

「ほっほっほ、流石と言う所かの。驚きと可愛さのコラボレーション。胸がないのはちっと惜しいがお尻はええのぉ……」

『おい、まじでこいつ捕まえろ。生徒に手を出したら不祥事所じゃないぞ』

 

とりあえず、お城に帰ったらこの爺を追放しよう、そうしよう。

 

『えー……次は、ジョゼフ王』

「ミスター・ガリアだ」

『どうでもいいです』

「むぅ……まぁいい」

 

あ……認めた。

 

「そうだな、小悪魔といったらイタズラ好きで強気な性格と決まっている。しかしだ、あの格好でのあのセリフと仕草。思わずギャップできゅっと来た素晴らしいものであった。しかもだ小悪魔らしく、自分の我侭な部分も……」

『コメントながっ……つまりは、素晴らしく可愛いってことですね。はい、次アンリエッタ様』

「えっと……可愛かったと思います」

『はい、無難なコメントありがとうございます』

 

なんか扱いが雑の様な気がし、じろりと司会者を見れば視線を逸らされた。

 

『はい、次は……世界で一番可愛いのはオレ様だ!開闢の美少女錬金術士!!カリオストロ!!』

「………」

 

次は、先ほどの金髪の少女が前へと歩いてくる。

先ほどのミス・コシミズと違い、静かな立ち上がりだ。

 

「………えい☆」

「なっ!!?」

 

今度も驚かされた。

ミス・カリオストロが手を上げた瞬間、彼女が光に包まれ一瞬で服装を変える。

 

頭の尖っていた髪飾りは丸まり、新しく髪飾りが追加され、胸元には大きな赤いリボンが付く。

上半身は、白いシャツだけだったのが、今では青い上着を着ている。

中に着ていたシャツも茶色の物へと変わりオシャレになっていた。

腕には大きな鞄をぶら下げており、中からこれまた大きな本が顔を覗かせている。

 

「とどめに、これ☆」

 

衣服が変わった瞬間、上げていた指をパチンと鳴らす。

その瞬間、ステージが盛り上がり、一つの小さな机と椅子を作り出された。

ミス・カリオストロはそのまま机に座ると足を組み、ウィンクと共に一言言った。

 

「ねぇねぇ、カリオストロとぉ~一緒に……せーしゅんっ!……しよ?」

『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!』

『カリオストロー!オレだー結婚してくれ!』

『青春!青春をもう一度!!』

『カリおっさん!ぜひともオレと保険体育をっ!』

 

先ほど同様に声が爆発した。

今度はしっかりと耳を押さえていた為に被害はない。

被害はないけど……何人かやばい発言をしてる人がいるような。

特にそこの髭子爵、お前の青春は既に終わっただろ。

 

『はい、ありがとうございます。オールド・オスマンどうでしたか?』

「うぉー青春!ワシも、もう一度青春をやり直すんじゃー!!」

『はい、ありがとうございました。兵士の皆さんその人連行してください』

 

オールド・オスマンが兵士に両腕を抱えられて連れ去られていく、ざまぁ。

 

『あー……ジョゼ……ミスター・ガリア』

「まさか、まさか!ガリア魔法学院の制服を持ち出してくるとは」

「あれってガリアの制服なんですか?」

「あぁ……極秘の極秘に開発していた物でジョゼフ王が直接デザインを……」

 

あんたかーい、王様がデザインした服を子供たちに着せる。

何だろうか、この危ない構図は。

 

「まぁ、イザベラもシャルロットも着てくれなくて、ボツになったが」

「………着せようとしたんです?」

「二人に言ったら冷たい視線でゴミでも見るように見られた。しかもシャルロットはトリステイン魔法学院に留学してしまったし」

 

……この人今サラっと重大なこと言いませんでした。

え……マジでトリステイン魔法学院に王族が留学してるの?

何も聞いてないんですけど。

 

『取り合えず、お題は………』

 

あっ、これ続くんだ。

一刻も早く帰りたいんですけど……駄目?そうですか。

 

席を立とうとして枢機卿に肩を押さえられた。

終わるまで居させるらしい。

おい、慰安はどうした。

視線を逸らさないで、こっちを見てください。




《司会者》
胃痛持ちのあの人。
カリオストロの主人と言う事で司会者へと抜擢された。
どうにでもなれ☆な精神で爆走中。

《審査員》
本当は、ここにアルブレヒト3世も入れるはずだった。
面倒だし、描写が殆どない人な為、断念。

《ワシのセクハラは百八あるぞ》
おい、こいつは追放したはずだろ!?

《トリステインが誇る一輪の花》
トリステインの美女は皆一回が言う言葉。

《サチコ・コシミズ》
自称・カワイイ アイドルさん
人気投票で4位を獲得したりして自称ではなくなった。
ちなみにデレマスで一番好きな子です。
今回グラブルとコラボでやってきたので話を書いてみた。
ほぼ、姫様に出番を取られたが……。

《ねぇねぇ、カリオストロとぉ~一緒に……せーしゅんっ!……しよ?》
グラブル2周年記念でカリオストロ用の制服スキンが販売された。
使用するとカリオストロが制服姿となりコメントも変わる。
迷わず買いましたよ?
上のセリフが一番好きなセリフ。
ちなみに声優さんは『カードキャプターさくら』でお馴染みの『丹下桜』さん。
あの人の声で上のセリフである、悶絶したわ。

《ミスター・ガリア》
カリオストロの着ていた制服のオリジナルを持って徘徊していた中年。
怪しいが威厳が有った為、誰もつっこめなかった。

《髭子爵》
青春をもう一度やり直したい人。
間違っても保健体育云々を言ったのは彼ではない。

《やさぐれアンアン》
異常な光景にやさぐれ中。
取り合えず、お城に帰ったら色々と自分で見直そうと思い直した。
最初の目標は、魔法学院の改革である。

《ルイルイルイズ》
本来なら、カリオストロの制服を見て
『ねぇ、ウイル……私もあの制服を着たらカワイイ?』
とイチャつかせる予定だった。
姫様が怒りそうなのでボツネタに……。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。