いないいないばぁ。   作:Gasshow

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この話、本当は四月まで投稿する予定ではなかったんですが、前回のせめてものお詫びと言うことで、投稿することにいたしました。
『いないいないばぁ。』以来の六千文字越えです。これでもどうにかして文字数を削った方なんですよ。

あとは今までで断トツに場面転換が多い話ですかね。世界観も少しだけ違います。

難易度はNominal~Hard。恐らく人によっての難易度のブレが激しい話になるかなと思います。



かえるのうた

クスクスと周りから笑い声が聞こえる。机は見慣れない落書きで黒々と染まっていた。ただ意味の無い言葉だけが私の耳へと流れ込んでくる。 蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)とはまさにこの事だ。ただ一刻もこの場所に居たくなかった。今すぐにでも立ち去りたい。酷く歪んだ教室を飛び出して、自分を知る人たちの元へと駆けて行きたかった。だがまだ今日は始まったばかり。

 

そう、これからだった。

 

 

 

 

 

 

 

『緑髪とかキモすぎ。あれ地毛らしいよ』

 

『なんで頭に雑草生やしてるんだよ』

 

『蛙が好きなんだって。意味わかんないよね』

 

『あいつ自分の家では一人で会話してるって聞いたことあるよ』

 

『何それ?こわ~い』

 

『早く死ねよ』

 

『私、席となりなんだよね。気持ち悪いから誰か変わってくれない?』

 

 

 

 

 

 

 

 

『東風谷。教科書はどうした?』

 

『先生!東風谷さん、教科書を無くしたらしいです』

 

『無くしただと?お前は相変わらずの馬鹿だな。頭に生えてる植物に、養分を全部吸いとられたのか?』

 

『『『『『ギャハハハ!!!』』』』』

 

 

 

 

 

 

『東風谷さんって掃除好きでしょ?代わってあげるよ』

 

『へぇ、そうだったのか?じゃあ、これからずっと東風谷に掃除してもらおうぜ』

 

『それ賛成!』

 

『それいいな!』

 

『じゃあ後はよろしくね、雑草お化けの東風谷さん』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………………遅くなっちゃった」

 

私は箒を掃除の収納箱へと仕舞った。窓からオレンジ色の光が射し込んで、辺りを明るく染めていた。教室の中もそれは例外ではない。それのせいか、黒板に火曜日と書かれた白い文字が妙に目立って感じた。私は教室にポツンと寂しそうに置かれている鞄を持ち上げて、一階にある昇降口まで移動する。階段を駆け降りて上靴を脱ぎ、下駄箱を開いた。

 

ガラッガラッ。

 

何かが雪崩のように落下する。私は視線を下へと向ける。それはパンの袋、いらないプリント、空になったペットボトル。普段はゴミ箱に入れられるような物たちが、押し出されるようにして外へと出てきた。

 

そしてそこから顔を出したのはーーーー

 

《死ね》

 

《学校辞めろ》

 

《キモい》

 

マジックで太く書かれたそんな文字。それらがびっしりと下駄箱の内側に書き込まれている。私はその中に手を突っ込んで、自分の靴を取り出し、それを履く。

そしてそれから上履きを仕舞って、雪崩落ちたゴミをゴミ箱に放り込んだ。私は何とも無しに、そのゴミ箱を見つめる。

 

「……………………早く帰ろう」

 

誰にともなく私はそう一言呟いて、重い足取りで校門へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま戻りました!諏訪子様!神奈子様!」

 

「お帰り、早苗」

 

「お疲れ様」

 

私は家に帰って、駆け足でお屋敷の中にある小さなお(やしろ)へと飛び込んでいった。私を出迎えてくださったのは、代々私の家系がお仕えする神様たち二柱『 洩矢諏訪子(もりやすわこ)様』と『八坂神奈子(やさかかなこ)様』だ。この御二人は私にとって親であり、友だちであり、姉妹であり、そして神様なのだ。私が唯一、ありのままの自分を見せることができる存在。

 

「早苗。今日の学校はどうだったの?」

 

私より幾分か低い背の諏訪子様がこちらに寄ってきた。

 

「……はい!とっても楽しかったです!」

 

どう見繕っても楽しいとは真逆の学校生活なのだが、私はこの御二人に心配をかけたくなかった。だから私はいつもこうして嘘をついていた。幸い、このお二人は力の大半を失っていて、神社の敷地内から出ることができないのだ。

 

「そう。なら良かったよ」

 

そう言って諏訪子様は二ッと笑った。それから私は諏訪子様と共に、神奈子様の前へと座る。

 

「ふむ。そう言えば早苗はもう高校生なのだな」

 

「神奈子、それ今さら過ぎない?」

 

私が高校へ入学してもう半年。諏訪子様の言われることはもっともだ。

 

「いや、早苗が生まれてこの日まで、本当に一瞬だったと思ってな。私からしたら、ついこの間まで諏訪子と同じ背の高さだった気がしてならん」

 

神奈子様は私をじっと見た。こう改めてよく見られると流石に気恥ずかしく感じてしまう。しかしそこで、ふと私に一つの心配事が頭をよぎった。

 

「…………あの、神奈子様」

 

「うむ、何だ?」

 

私の神妙な面持ちに神奈子様は少しだけ顔を引き締めた。

 

「あの、神力の方は……どうですか?」

 

「ふむ。まだ全然大丈夫だ。信仰心は年々、減ってるがな」

 

私は思わず眉をへの字に曲げて、広角を下げる。しかしそこで私の腕に諏訪子様が引っ付いてきた。

 

「もう、早苗も神奈子も心配しすぎ。ただ焦っても仕方がないよ」

 

諏訪子様はそう言っているが、諏訪子様は神霊である神奈子様と違い、元となった霊が存在しない。だから信仰心が薄まる事による、影響を一番受けるのは諏訪子様御自身なのだ。それでも私たちの中で一番、楽観的に構えているのは、心配をさせまいとそう振る舞っているのか、ただ単にその性格ゆえなのか。

 

「心配事といえば早苗。まだちゃんと自分の能力を制御できてないんでしょ?無意識に周りを巻き込んでない?」

 

「はい。今のところは大丈夫です」

 

『奇跡を起こす程度の能力』それは一人の人間が持つには過ぎたる能力。生まれついて私は巫女としての才が抜きん出ていた。だから同じ家系でも、家族の中で唯一、私は神様が見える。勿論、両親はその事を信じてくれてはいるが、それでもそのせいか、私と両親の間には少なからず低くない壁があると感じている。

 

「これからもちゃんと修行を続けていけば、自分でその力を押さえ込んで、行使したい時に使えるようになる」

 

「まぁ大丈夫だよ、早苗なら。早苗ってば真面目だもんね~」

 

「はい、頑張ります!」

 

この御二人に迷惑をかけないように頑張ろう。私はそう決心し、この日一日、ずっと御二人と話しをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日も同じ事の繰り返しだった。不条理に向かう刃が私を傷つける。昨日と違う事と言えば、今日は直接的な暴力行為を受けたこと。放課後に女の子三人に呼び出され、身に覚えのない因縁をふっかけられて、私をサンドバッグだと言わんばかりに殴り付けた。 もう嫌だ。私の中にある何かがそう叫んでいる。私が何をした?何が理由でこんなことをするの?そう沸々(ふつふつ)と沸き上がる怒りに似た感情とは裏腹に、悲しみが形となって頬を流れ(したた)り落ちる。

完全下校時間を過ぎて、学校にいる生徒は家へと帰らなければいけない時間。そんな時間になっても私は学校のトイレで一人泣いていた。

 

駄目だ。これ以上、泣いたら神奈子様と諏訪子様にバレてしまう。それにもう時間も遅かった。屋上で暴力を受けたからか、記憶があやふやでいつの間にかここにいた。だから正確な時間は分からないが、個室の暗さと、周りの静けさからもう完全に日は落ちてしまっている。私の両親はそうではないだろうが、加奈子様と諏訪子様は私を心配しているかもしれない。

 

「……………………服を着替えないと」

 

恐らく暴行を受けた時に服が汚れている。少し前、制服をチョークで汚された事があり、その時から私は教室に予備の制服を置くようにしていた。今の時間、職員室に行けば少し面倒なことにはなるだろうが、それでも背に腹は変えられなかった。私は視線を自分の体へと落とした。

 

「…………あれ?」

 

思わずそんな声が出た。なぜだろうか?私の服は全くと言って良いほど汚れていなかった。ただ単に運が良かったのか。疑問には思ったが、考えたところで答えは出ない。とにかく汚れていないならそれに越したことはない。急いで家に帰ろう。私は個室の鍵を開けて、トイレから出た。やはり外は真っ暗だ。

 

「…………神奈子様に怒られるかもしれないなぁ」

 

少し家に帰るのが憂鬱になった私はそっと学校を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから真っ先に家へと帰ったのだが、帰宅時間が遅くなった事には変わりは無い。予想した通り、私は神奈子様に少しだけ怒られた。たけどこの世界で私を叱ってくれるのは神奈子様だけ。そう思うと神奈子様のお説教もなぜか嬉しく思える。遅くなったことは、友達と遊んでいたと出任せを言って、なんとか誤魔化した。

 

そして次の日。今日も私は学校へと向かう。たとえ傷つけられると分かっていても。私には、私を支えてくれる二人の神様がいる。だから私は今日も頑張れる。自分で作った朝食を食べて、ちらりとカレンダーを見る。明日は休みだ。明後(あした)明後日(あさって)は学校に行かなくていい。そう思うと体から元気が沸き上がってくる。

 

「よし、頑張ろう!」

 

私は自分に言い聞かせるようにそう言って、玄関へ向かう。その時だった。よく聞きなれた規則的な電子音が、けたたましく鳴り響く。それは家の中に設置された受話器から発せられていた。私は壁にかけられた丸時計を見上げる。幸い、まだ時間には余裕があった。私は手に持った鞄を降ろして、駆け足ぎみに受話器の前へと移動をし、それを手に握った。

 

「はいもしもし、東風谷です」

 

《突然すみません。私、東風谷さんの担任をしている者です》

 

丁寧な口調で話すその声には聞き覚えがあった。

 

「…………もしかして先生ですか?」

 

《……なんだ、お前か東風谷》

 

先生も自分が話しをしているのが私だと気がついたようで、先程とは急変した、きつい口調でそう返された。

 

「どうされたんですか?こんな時間に」

 

時間にして7時半。遅いとも早いとも言えない時間。だがこんな朝に先生から電話がかかってくるなんて、普通ではない。

 

《ああ、取り合えず結論から言おうと思う。落ち着いて聞いてくれ》

 

そうして次に発せられた言葉は私の思考を停止させた。

 

《うちのクラスの生徒が三人死んだ》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、先生は詳しく教えてくれなかった。ただ死んだのは昨日、私に暴力をふるった三人だと言うことと、これからしばらく学校がなくなると言うことを伝えて、詳しいことはまた後にと先生は電話を切った。彼女たちは昨日から家にずっと帰っていなかったらしい。あとこれは後日に知った事だが、死んだ三人は皆、首を切られた状態で自分の席に座らせられており、切り離された頭部はその席の机の上に飾られていたと言う。そしてこれが一番奇妙なことなのだが、彼女たちの胃の中には生きたままの蛙が敷き詰められていたらしく、その蛙たちが鳴くと、まるで三人の死体が蛙の声で歌を歌っているようだったと言う。

 

 

耳に受話器を押し当てたまま先生の話を聞いていた私は、しばらく放心状態だったが、一つの引っ掛かりが私の意識を覚醒させた。私は受話器を乱暴に置いて、駆けるようにしてある部屋へと向かった。

 

「諏訪子様!」

 

勢いよく扉をこじ開けて、お(やしろ)へと駆け込んだ。

 

「ん?どうしたの早苗?」

 

「学校に行ったんじゃなかったか?」

 

呆けるようにして話しかけるお二人を無視して、私は無遠慮に中へと入って言い放った。

 

「今日、学校で私のクラスメイトが三人、死んだそうです」

 

昨日の今日だ。あの三人がこの日にたまたま殺されたなんて、そんな馬鹿な事があるはずがない。そして私が思い当たるのはこのお二人しかいない。

 

「………………案外鋭いね、早苗は」

 

「早苗もそこまで馬鹿じゃないさ。私も気づくはずだって言っただろう?」

 

この口振り。やはり私が思った通りだった。

 

「…………やっぱり」

 

「うんそう。私たちがやった」

 

諏訪子様はあまりにもあっさりと認める。

 

「いや、正確には違うかな。直接手を下したのは私だし、独断で実行したのも私だったしね。神奈子にも、さっき言ったばっかりなんだ。それでさっきまで神奈子に怒られてた」

 

「なんで……」

 

「なんで?それはこっちの台詞だよ早苗」

 

諏訪子様は立ち上がって、私の顔を下から覗き込んだ。思わず私は一歩、後退りをしてしまう。それでも諏訪子様は私の顔を追いかけて、背伸びをしながらこちらをじっと覗いた。

 

「なんでずっと学校での事、黙ってたの?」

 

諏訪子様の言葉にピクリと体が反応する。

 

「そ、それは……」

 

バレてる。なぜ?いつ?どうやって?昨日はしっかりと誤魔化せたはず。それともやはり私の言動は不自然だったのだろうか?いや、もし不自然だったとしても、どうやって私が過ごしている学校での生活を知ったのだろう。考えれば考えるほど、分からなくなってくる。混乱して視界がぐるぐると回る。諏訪子様はそんな私の様子を見て、少しだけ悲しそうな顔をした後、神奈子様と同じ位置まで後ろへと下がった。

 

「早苗はさ、学校でのこと隠し通せてると思ってたようだけど、私たちはとっくの前に気がついてたよ」

 

「…………………………え?」

 

自然とそんな声が漏れた。

 

「早苗。私たちを(あなど)るな。これでも一応、神の座に付く者だ。人間の、それもまだ成人さえしていない娘の嘘を見抜けないはずがないだろう」

 

そう言われてみれば、そうだと納得してしまった。確かにそうだ。神奈子様と諏訪子様は私が生まれる数千年前からずっと生きておられるお方たちだ。そんなお二人からすれば私など子供、いや赤子同然だろう。出任せの嘘をついて、誤魔化せたと思っていた私の思考が能天気だったと言う他ない。

 

「……そんな顔をするな、早苗」

 

「分かってるよ。早苗は優しい子だからね。私たちに心配をかけたくなかったんでしょ」

 

お二人がこちらへと歩み寄って、手をそっと私の肩へと添える。

 

「早苗が自主的に黙っていたから、私たちも気づかないふりをしてたんだけど、昨日は少し様子がおかしいと思って、寝ている間に記憶を覗かせてもらったの」

 

諏訪子様にそんな御力があるなんて知らなかった。だから私の学校生活が露見したのか。そこは納得した。でも私には一つ、どうしても納得できない部分があった。

 

「でも、それでも!」

 

「殺す必要はなかったって?」

 

「っ!!」

 

自分が言わんとしていたことを先に言われ、言葉に詰まる。

 

「これ以上、放っておくともっと過激になって取り返しのつかないことになる。何より私は早苗を傷つけるあの子たちが許せなかった。よく知らない三人の命より、私の家族を守りたかった。ただそれだけだよ」

 

それは…………どうなのだろう?でも私が諏訪子様の立場だったら同じことをしていたのには違いない。全く知らない人、百人の命と、諏訪子様や神奈子様。どちらかを取れと言われれば、私は間違いなく後者を取る。

 

「すまない早苗。私もついさっき、こいつに聞かされたばかりでな。神としてあまり誉められた行為ではないし、何より大々的にお前を直接巻き込んだ。これからお前の高校生活は、一人だけで日々を過ごす孤独なものとなる。危害を与えてくる者もいないし、好意を寄せて来ることもない。不干渉な態度で人に接せられることとなる」

 

私をよくいじめていた三人が一斉に奇妙な死に方をした。諏訪子様の祟りによって殺されたので、この事件は恐らく迷宮入りになる。そうなると私は学校の誰から見ても、気味の悪い存在となってしまう。確かにいじめはなくなるが、これからの学校生活における私の友好関係の構築は絶望的と言ってもいい。

でも、それでも……。

 

「……………………いいんです」

 

「……早苗?」

 

神奈子様と諏訪子様は二人して軽く首を(かし)げた。

 

「諏訪子様は私を思ってそうしてくれた。それだけで充分です」

 

私の為に諏訪子様は動いてくださった。それが私は何よりもの嬉しい。

 

「それにーーー」

 

そっと目を閉じる。胸の中に何か暖かいものが、ポカポカと流れ出てくる。

 

「私には諏訪子様と神奈子様がいればいいんです」

 

「…………早苗」

 

「う~さなえぇっ」

 

神奈子様は優しく微笑んで、諏訪子様はぎゅっと抱きついてきた。そうだ。私にはずっと、これからもこのお二人がいる。この先どんなに辛く、悲しい未来があろうとも、私には神奈子様と諏訪子様がいるのだ。それだけでもこの世界は私にとって優しいものになる。だから私は崇めよう。今も未来も、過去でさえも。私の、私だけの神様に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから半年が経った。それだけの時間が経てば、全国紙にさえ載ったあの事件の話題も他の新たな話題へと移動(シフト)していった。もちろん事件は未解決事件。犯人はおろか、証拠の一つさえ見つからなかった。真相を知っている私からすれば当たり前なのだが、世間はそう捉えるはずもない。結果、三人からいじめを受けていた私は、加奈子様のおっしゃっていた通り、ただ一人孤立した。それでもいい。悲しみは無い。

 

「諏訪子様、神奈子様!行ってきます!」

 

「行ってらっしゃい」

 

「行ってらっしゃ~い!」

 

だって私は一人じゃないんだから。

 

 

 

 

 

 

 




最近、物騒な話が続いていますね。次は一見すると日常に見えるような話にします。

あといじめは駄目ですよ。三人の女の子みたいになっちゃいますからね。まぁ最近はやってる人なんて殆ど見ませんけど。少なくとも私の知る範囲では。

さて、ヒントの時間といきましょう。



ヒント1 火曜日の二日後って何曜日でしたっけ?










ヒント2 いじめていたとは言え、今までで陰湿な行為ばかりをしていた人たちがある日突然、いきなり暴力行為にでるものなんですかね?










ヒント3 きっと事件を調べていた警察の方々は思ったはずです。凶器の一つはおろか、目撃情報さえ全く入ってこない。あれだけ大々的に殺人をしておいて、小さな手がかりの一つも見つからない事件なんて存在するのか?
あったとしたらそれはまるで()()だ………とね。



ヒントの数こそ少ないですが、どれも確信に近いヒントばかりなので、これを全部見たらeasyレベルまで難易度は下がりますかね。ただ注意してもらいたいのは、この話における早苗の能力は人を殺せるほど強大な能力ではありません。まだ制御できてないですからね。これもヒントです。ちなみに【解】の投稿は焦らします。


追記

あれ?意外と皆様、苦戦してらっしゃいます?実は自分が思ってるよりも難しいんですかね?

と言うことで一定時間経過毎に追加のヒントを出そうかなと。




ヒント4 早苗さんは、身に覚えの無い因縁をふっかけられたと言っていますが、本当にそれは身に覚えの無い因縁なのか?早苗さんからしたらそうかもしれませんが、いじめっ子三人からしたら、身に覚えがあるのかもしれません。






ヒント5 初めに早苗さんがいたのは火曜日。そこから日にちをまたいだ場面転換が二回。次の日は水曜日。さらにその次は木曜日。しかし、そうなると明日は学校があることになります。早苗さんの台詞から、次の日がたまたま祝日だった、なんてことはありません。となると、早苗さんの記憶に無い曜日が一つあることになります。









ヒント6 もし早苗さんが放課後に、屋上で暴力を受けて記憶があやふやになったのなら、それは気絶と言う可能が高いでしょう。でも本当に気絶なら、目覚めるのはそのまま放置された屋上か保健室。いや、でももしいじめっ子たちが早苗に暴力をふるった事がバレたくないとするならば、トイレに隠すと言うこともあり得るかもしれません。ですが、流石にわざわざ早苗さんを着替えさるなんてことはしないはず。何よりも、予備の制服があるなんていじめっ子たちは知らないのではないでしょうか?
となると気絶と言う線は非常に薄くなります。じゃあなんで早苗の記憶はあやふやになったのでしょうかね?








ヒント7
Q.そう言えば早苗さん。三人に汚された制服はどうしたの?
A.それが、見つからないんですよね。もし見つけたら教えてくださいませんか?
















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